SENSA

2022.03.11

抜群のメロディーセンスが光る4人組バンド「LEODRAT」

抜群のメロディーセンスが光る4人組バンド「LEODRAT」

SENSAが注目するアーティストを紹介する「RECOMMEND」。大阪発の4ピースバンドLEODRATを取り上げる。

leodrat2022_202203.jpg
2014年結成の大阪府堺市発の4ピースバンド、LEODRAT。メンバーはキムラ ツカサ(Gt/Vo)、ヤマナカ ユウヒ(Gt/Cho) 、 ワダ ナオキ(Ba/Cho) 、フルカワ タケヒロ(Dr/Cho)からなり、2017年にはTHE NINTH APOLLO主宰のVA「In the Stage 5」、WORLD WIDE records主宰のVA「VA.ZERO vol.1」に参加した。そして、2018年5月に1stミニアルバム「Tidepool Singalong」をAilet Recordsよりリリース。2月にはサブスク解禁をし、それを記念して3月20日には自主企画「雨過天青」を開催予定など、精力的に活動を続けているバンドだ。

LEODRAT「レインメイカー」




先月、待望のMusic Videoが公開されたばかりの「レインメーカー」は、2ndアルバム「SYNCRONIZE」に収録されており、彼らを代表する名曲である。再生するや否や耳馴染みの良いメロディーがスッと入ってきて、印象に残るシンガロングも思わず口ずさみたくなってしまう。とにかくメロディセンスが光っている1曲だ。そして、歌詞には「雨」というキーワードがある。一見、雨にはジメジメした空気やどんよりとした空模様といったネガティブイメージがあるが、この曲で描かれている雨の描写は、どこかキラキラ輝いていて、乾いた心を潤してくれるようだ。そんな希望に満ちた世界観が、見事Music Videoでも魅力的に作り出されていて、イラストと実写が入り混じる御伽話のような映像が雨の降る世界を煌びやかに描いている。コロナ前に作られた楽曲だが、今のご時世にも刺さる名曲だ。

LEODRAT「コバルトマーチ」




可能であれば、歌詞をそのまま全て記したい。それくらいに優れた作詞力に感嘆とする1曲だ。〈傷だらけでも/歩いている君を誇りに思うよ〉というサビが象徴するように、この楽曲は、生きる理由を探す姿そのものを肯定してくれる。生きている上で誰かと比べて劣等感を感じたり、うまくいかない日々に焦燥感を感じることもあるだろう。だが、そんなふうに悩んでいること自体を美しいと肯定してくれる1曲だ。そして、葛藤さえも包み込んでくれるようなメッセージを、しっとりしたバラードで届けるのではなく、軽快なビートに乗せて歌うキャッチーさも心地よい。ビルの屋上で歌うMusic Videoは、彼らの音楽や言葉たちが、忙しない街の中で頑張っている人々に届いていくようで、より一層楽曲の良さを助長している。

LEODRAT「ビューティフルライブ」




3rdミニアルバム「Diver.」の1曲目に収録されたこの曲は、命の尊さをまっすぐに歌うスケール感あるナンバーだ。決して大袈裟でもなく、誰かに孤独を感じさせることなく、生きる全ての人や夢を優しく包み込むような歌詞。Music Videoの壮大なロケーションも相まって、非常に感動的な作品に仕上がっている。そして、LEODRATの真骨頂とも言えるシンガロングが、〈抱きしめられたように抱きしめてあげたい〉というエモーショナルな歌詞と共に響くラストが非常にグッとくるのだ。壮大さと繊細なロマンチシズムが同居する、多幸感溢れる楽曲だ。

3月20日開催予定の自主企画のタイトルに付けられた「雨過天青」という言葉には、雨が止み、空が晴れわたる意から、悪かった状況や状態がよいほうに向かう、という意味がある。今の状況にぴったりな言葉であり、まさに彼らの名曲たちがリスナーを明るい未来へと誘ってくれるようだ。そして「雨過天"晴"」という別表記もある中で、"青"という表記の方を選んだことに(筆者の勝手な予想ではあるが)様相が晴れていくことのみならず、バンドとしてまだ青春を駆け抜けていくぞ、という若いパワーを感じた。彼らが作り出す、流行り廃りに流されない普遍的な歌詞感とハイセンスなサウンドメイキングは、これからも世代を超えてリスナーの心を掴むだろう。

文:髙橋夏央


LIVE INFORMATION
3/13 ONTAQ
3/20 心斎橋BRONZE
3/21 栄RAD
3/31 神戸太陽と虎
4/3 八王子RIPS
4/17 堺Tick-Tuck
4/22 心斎橋火影

詳細はこちら


LINK
オフィシャルサイト
@leodrat
@leodrat.official

気になるタグをCHECK!