2025.02.25
タイトルが示すように、『In Your Languages』は聴き手との対話を重視し、感情を丁寧に紡ぐような作品だ。miracoのボーカルはより前面に押し出され、繊細ながらも力強い存在感を放つ。なお、昨年1月からUji(Ba)が正式加入。結成10年目を迎えた揺らぎは、バンドとしての結束をより強固なものにしている。
そんな新作を携えたツアー『Yuragi "In Your Languages" Release Tour 2025』が、2月15日よりスタート。初日となる東京・渋谷WWW公演では、新たな揺らぎ像を確かに提示し、バンドのさらなる進化を証明するステージを展開した。その直前、彼らにアルバム制作の舞台裏を語ってもらった。
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─今作『In Your Languages』は、どのようなコンセプトやテーマがありますか?
Kntr(Gt/Synth):制作を始めたのは昨年1月頃ですが、最初から明確なコンセプトを決めていたわけではなくて。ただ、曲を書き始めた一昨年の時点で、自分がどんな音楽を好んで聴いていたかが大きく影響しています。以前の作品ではアンビエントやクラブミュージック的な要素を取り入れることもありましたが、今回は歌にフォーカスした作品にしたいと思っていました。
というのも、当時はフォークやオールディーズのような温かみのある音楽に惹かれていたんです。イヤホンで聴くと、すぐそばで歌ってくれているような音楽に救われることが多くて。それが「誰かのために寄り添う音楽を作りたい」という気持ちにつながっていきました。これまでの揺らぎは、そこまで「歌」を主軸にしていなかったので、新たな試みといえますね。
─具体的に、どんなアーティストに影響を受けましたか?
Kntr:60年代や70年代のフォークシーンの影響が大きいですね。特にニック・ドレイクや、歌詞のメッセージ性が強いウディ・ガスリー、ニール・ヤングには惹かれました。ウディ・ガスリーのようなプロテストソングの要素は揺らぎに直接反映していないかもしれませんが、歌詞の持つ力には強く影響を受けています。
─そうした音楽に傾倒した理由は?
Kntr:もともと僕は曲を作るとき、ポジティブな気持ちから生まれることはあまりなくて。むしろ「嫌なことがあった」「しんどい」と感じるときに、それを受け止めてくれる音楽を求めるんです。フォークには、まるで目の前で歌ってくれているような温もりがあって、そこに癒されることが多い。歌詞の内容は自分の人生とは全く違うのに、なぜか共感できるのが不思議なんです。60年前のフォークシンガーが歌っていたことが、今の自分の心境と重なる感覚に惹かれていきました。
─今の世界情勢や社会の空気感が影響している部分もありますか? 例えば、戦争が起きたり格差が広がったりしている現状と、当時のフォークシンガーが歌っていたことに通じるというか。
Kntr:それはあると思います。揺らぎのリスナーには海外の方も多く、SNSやメールで「あなたたちの音楽を聴くと心が穏やかになる」と言われることがよくあります。そうしたメッセージをくれるのは、社会的に不安定な国に住んでいる方も多いんですよ。それを知り、「揺らぎの音楽が誰かの拠り所になっている」と改めて実感しました。
これまでもリスナーのことを考えていなかったわけではないですが、今回はより明確に「この音楽を必要としてくれる人がいる」と意識する契機となりましたね。これまでの揺らぎは、「この歌詞を聴いてほしい」と積極的に発信することが少なかった。今回はそこを変えようと思いました。
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Uji(Ba/Cho):プログレに関しては、メンバー全員で共通の基盤を持つため各時代の代表的なアーティストをしっかり聴き込みました。例えばKntrから「プログレをしっかり聴いてほしい」と言われ、実際にイエスやキング・クリムゾンを聴き込んでからレコーディングに挑みましたし。これまでの作品は、それぞれが個々の音楽的背景を持ち寄る形でしたが、今回は「共通の視点」を持った上で制作に臨んだ。そこは大きな違いですね。
─今年からUjiさんは正式メンバーになったと伺いました。その経緯を教えてください。
Kntr:正式になる前から、彼はメンバー以上の存在でした。これまでも一緒に活動してきて、彼がいないとバンドの方向性やサウンドが変わってしまう。それほど不可欠な存在でしたし、一緒にやっていきたいという気持ちも強かったですね。
それで2024年1月に、3人で「どういう形でやってもらうのがいいか?」と話し合いました。こちらとしては結構ドキドキしながら切り出したんですが(笑)、彼はすぐに「いいよ」と快諾してくれたんです。
─正式メンバーになって気持ちの変化はありましたか?
Uji:レコーディングや制作に関わるようになって、今回で3作目になります。だから、やり方自体が劇的に変わったわけではないのですが、「より主体性を持って取り組もう」という意識が高まりましたね。これまでのように、第三者的な立場から客観的な意見を言うのではなく、正式メンバーになったことで責任感が増し、より深く制作に関わるようになりました。それが今回のアルバムでの一番の変化です。
─miracoさんは、前作と比べて今回どんな違いを感じますか?
miraco(Vo/Gt/Piano):前作『Here I Stand』では、とにかく内省することが多く、考え込むうちにどんどん深みにハマっていく感覚がありました。でも今回は、内省だけでは解決できないこともあって、実際に助けを求めたときに、手を差し伸べてくれる人たちがいたんです。「誰かが支えてくれる」というのは頭では分かっていても、実際に行動で示されることで「自分は愛されているんだ」と実感できましたね。だからこそ、今回は「救われた」という感覚がとても強い。
このアルバムは私自身のための曲でもあり、10年続いた揺らぎのための曲でもある。そしてもちろん聴いてくれる人たちの心の中にも浸透していってほしいと思っています。10年間バンドをやってきて、リスナーと分かち合えればという気持ちはありましたが、今回それをより強く感じるようになりました。
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─例えば2曲目「Oppressed」は、僕はどうしてもポーティスヘッドを思い出してしまうのですが。
Kntr:めちゃくちゃ言われるんですけど、実はバンドの誰もポーティスヘッドを知らなかったんですよ(笑)。この曲は、プログレの生々しくて湿度の高いサウンドが好きで、それが大きな影響を与えています。最終的にあの形になったとき、メンバーは誰も「トリップホップ」という言葉すら知らなくて......(笑)。もちろんマッシヴ・アタックは聴いていましたが、それが「トリップホップ」というジャンル名だとは認識していませんでした。
この曲をライブで初披露したとき、「ポーティスヘッドっぽいですね!」って言われて、「え、どういうこと?」って(笑)。調べてみたら、「ああ、確かに!」とも。「影響受けたって言われても仕方ないな」と素直に思います。
─リズムのハネ具合なども、これまでの揺らぎとは違うアプローチですよね?
Kntr:確かに、スイング感があって今までとは違いますよね。最近、トリップホップっぽいサウンドが再評価されていますが、僕たちは「トリップホップをやろう」と思って作ったわけではなく、単に「湿度の高い音楽」をやろうとしたら、結果的にそうなったというか。きっと世界中でそういう現象が同時多発的に起きているのかも知れない。
─歌詞は、前作の「Falling」と通じるものを感じました。まだ鬱々とした気持ちから抜け出せないけれど、最後にはわずかな希望が見えるような......。
miraco:この曲は、第三者に踏み込まれることで感じる戸惑いを描いています。自分の気持ちすら整理できていないのに、理解していない誰かが自分の中に入り込んできて、さらに苦しくなる。そんな環境を綴っています。私は自分の境界線を作るのが苦手だと気づいたんですよね。多分、人を受け入れすぎてしまう傾向がある。それがこの曲の歌詞にも反映されていて、〈I shouldn't feel it, but I know this pain is real〉というフレーズが象徴していると思います。
─ボーカル面でも、これまでと違うアプローチを試みたように感じました。
miraco:そう。「どういう表現で歌えば良いのか?」をすごく考えました。これまでの歌い方とも、曲の雰囲気とも違う。プログレの要素を取り入れつつ、湿度のある色気を忘れたくなかったんです。その過程で、結果的にベス・ギボンズ(ポーティスヘッドのボーカル)っぽい雰囲気が出たのかもしれません。実は、ポーティスヘッドより先に彼女のソロ『Lives Outgrown』を聴いていて、「すごいな」と思っていたんです。それから「え、ベス・ギボンズがポーティスヘッドなの?」と知って、驚きました(笑)。
Yusei(Dr/Samplar):「いやー、これは暗いなあ」って、完成直後にみんなで言い合っていたんです。でもKntrがぽろっと「早くライブでやりたい」と言っていて、それがすごく印象に残っています。
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Kntr:この曲には、これまでの揺らぎにはなかった要素があると感じたんです。だからこそ「バンドの方向性が変わった」と思われ、離れていく人が増えるかも知れないという不安もありました。でも、新しいチャレンジとして手応えがあったし、ライブでどんなリアクションがあるのか楽しみですね。
─「Our」の展開部分のアルペジオに、ジム・オルークっぽさを感じましたが、意識されましたか?
Kntr:ジム・オルークを特別聴き込んでいるわけではないんですが、『ユリイカ』はレコードでも持っていて、よく聴いています。彼のギターの運指って独特で、ギタリストなら「こういう流れで弾いているのかな?」と想像できる部分もあるんですが、かなり特殊なんですよね。知らず知らずのうちに影響を受けている部分はあるかもしれません。しかも、今回のアルバムではニック・ドレイクが使っていたのと同じギターで弾いたんです(笑)。
─ジム・オルークはライブでニック・ドレイクのカバーもしていますし、自然と影響がつながっているのかもしれませんね。
Kntr:合点がいきました(笑)。本当にそういう流れの中にあるんですね。
─歌詞はmiracoさんですよね?
miraco:はい。言うのは恥ずかしいのですが、最初はバンドメンバーを思い浮かべながら書いていたんです。でも途中で「もっと広い意味を持つ曲になるな」と感じたんです。聴く人それぞれが、大切な誰かを思い浮かべられるような曲になればいいなと。その意識の変化が大きかったです。
─今回、新たに試みたアプローチはありますか?
Uji:揺らぎに参加した当初は、シューゲイザーの「音の壁」をどう作るか、いかに強い音を出すかを意識していました。でも今回は、楽器ごとの周波数の棲み分けを考え、音の配置を工夫することで、ボーカルをより際立たせ、パフォーマンス全体を引き立たせようと。結果的に、歌詞をしっかり伝えるというアルバムのコンセプトとも噛み合い、各楽器の音がクリアに聞こえる仕上がりになったと思います。
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Kntr:「Oppressed」では、ギターの音を活かし、トライアド・スケールなど少し凝ったフレーズを取り入れました。民族音楽的なニュアンスを加えつつ、オクターバーを使ったプレイや、エリック・クラプトン(Cream時代)やピーター・グリーン(Fleetwood Mac初期)のようなワウを効かせたギタースタイルにも挑戦しました。ギタリストとしても新たな試みが多く、ライブで演奏するのが楽しみですね。
「Love You My Dear」という曲も思い入れがあります。フレーズは高校生の頃から自然と弾いていたもので、特に曲にするつもりはなかったんです。でも、ある日miracoとスタジオで弾いたら反応が良くて、「じゃあ形にしてみよう」となりました。長く温めてきた曲ですが、ずっと自分の中にあったものが、ようやく形になって感慨深いですね。
─この曲の「You」は、誰を指しているのかが曖昧で、不思議な印象を受けました。
Kntr:ちょうど歌詞を書いていた時期に、親しい友人夫婦の子どもが生まれるという話を聞いて、「誕生日の歌(Happy Birthday Song)」のようなものにできるかもと思ったのがきっかけでした。でも出来上がった実際の歌詞は必ずしもその友人のことを指しているのではなく、「You」は聴く人によって変わる存在になっています。ある人にとっては「息子」、ある人にとっては「恋人」、または「両親」や「親友」かもしれない。つまり、大切な人を想う気持ちを描いた曲なんです。
─miracoさんは、今作で特に印象に残っている曲はありますか?
miraco:「Whenever, Whatever」は私自身が現実に向き合い、立ち直っていく過程を最もリアルに描いた曲になりました。見られたくないけど、知ってほしい。そんな葛藤があって......でも、こういう気持ちは誰しも経験するものだと思うんです。だからこそ、「自分だけのものにしないように」とかんちゃん(Kntr)に言われたとき、ハッとしましたね。背筋が伸びるような、回復の過程の中での大切なアドバイスだったと思います。
Kntr:名付けるとしたら、「メロディック・リリカル・モダン・ブルース」(笑)。ブルースの要素を揺らぎ流に落とし込んだ曲ですね。オルガンの響きや昔のブルースの雰囲気もありつつ、ブルース特有の「気持ちを吐き出す」感覚がある。それを歌詞とともに表現してほしいとmiracoに伝えました。
─この曲に出てくる「調味料」は何のメタファーですか?
miraco:私にとっては「自分を強くするための武器」ですね。ずっと支えてくれた友人や、社会学や心理学の本を通して得た考え方。特定の一冊というより、さまざまな本から学んだことが「自分をどう捉えるか」という自己認識を変えてくれました。それで、少し楽になった気がします。
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─今作の歌詞は、自己認識とその受容を描いているとも言えますよね。前の自分とは違う自分を受け入れて、次へ進んでいくというか。
miraco:かも知れない。最初は「元の自分に戻ろう」と思っていたけど、もう戻れないと気づいたのは大きくて。それを受け入れ、今の自分として生きていく----そんなアルバムになったと思います。
─アルバムの最後を飾る「To Know You As You Are With No Ends」の〈we saw some flying birds in the sky〉〈No, we are walking on to see a bright hope〉という歌詞が印象的でした。前作『Here I Stand』が「ここに立っている」という静的なテーマだったのに対し、今作では「歩き出す」動的な要素を感じます。鳥というモチーフには、境界を超え、飛び立つ意味も込められているのでしょうか?
Kntr:この曲の歌詞は僕が書きました。鳥は「何かが始まるきっかけ」の象徴です。「これから前に進んでいくのか?」という問いを投げかけつつ、必ずしも前向きである必要はないという考えも込めています。
聴いた人がポジティブな気持ちになってくれたら嬉しいですが、「これはどういう意味だろう?」と疑問を持ったり、少しネガティブに感じたりしてくれてもよくて。何かを考えるきっかけになれば、それだけで十分です。「動く」ということ自体が大事なんですよね。前に進まなくても、走らなくてもいい。ゆっくりでも、自分のペースで何かを変えていくことができる。それが、この曲に込めたメッセージです。
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─今日の東京公演がツアー初日ですね。セットリストは新作を中心に構成されていますか?
Yusei:今回は、歌をより際立たせる演奏を意識しています。以前はドラムをパワフルに叩いていたのですが、今回は力を抜いて、曲全体のバランスを考えるアプローチにしました。迫力だけでなく、楽曲の流れを大事にしたいと思っています。
Kntr:僕たちはこれまでシューゲイザー的な手法で音を作ってきました。でも今回「歌を前に出す」ことを意識する中で、シューゲイザーの要素をすべて排除するのではなく、それを活かしながらどう聴かせるかを再構築しました。だからこそ、これまでとは違う表現になっていますね。
Uji:ボーカルが前に出ることで、ベースや他の楽器の音もより鮮明に聞こえるようになりました。それによって新しい楽しみ方が生まれるんじゃないかと思います。緊張感もありますが、それもライブならではの醍醐味ですね。
miraco:つまり、アルバムが完成した時点がゴールじゃなくて、このツアーを通じて進化していくということですね。(自身の最後の曲の歌詞に習い)私たちは明るい未来に向かって、今日から一歩ずつ進んでいくと(笑)。
Kntr:うまくまとめたね。
全員:笑
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揺らぎ、圧倒的な轟音の壁を超えてその先にある音楽の核心へと向かう彼らの姿勢が静かに刻まれた夜。『Yuragi "In Your Languages" Release Tour 2025』ライブレポート
フィードバックノイズが鳴り響いた後に訪れる静寂。そこから新たに始まる「音楽」という現象。インタビュー直後に東京・ 渋谷のライブハウスWWWで開催された、『Yuragi "In Your Languages" Release Tour 2025』のツアー初日公演は、揺らぎが明らかに次のフェーズへと移行したことを高らかに宣言するような内容だった。
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WWWは、かつてシネマライズがあった跡地を利用した場所。揺らぎのライブが始まると、ステージ背後の巨大なスクリーンにはさまざまな景色が映し出される。アジアのどこか知らない街の風景を定点カメラで撮影した映像や、ふらりと立ち寄った食堂のテーブルから窓の外をぼんやりと眺めているような映像。それが、気づけば見慣れた日本の都市にシームレスにつながり、そして再び「ここではない、どこかの日常」へと移り変わっていく。
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揺らぎのメンバーたちは、新作『In Your Languages』について、「聴き手に寄り添い、日常に溶け込むような温かみのあるサウンドを目指した」と公言しているが、本ツアーではそれを自らのサウンドスケープと、こうした映像作品を融合させた「インスタレーション」によってさらに立体的に表現しているようだった。
バンドのアプローチも大きく変化している。インタビューでmiracoが話していたように、本ツアーは新作を中心としたセットリスト。Yusei(Dr, Samp)はこれまでのパワフルなスタイルから一転、シンプルかつレイドバックしたドラミングで、音の隙間を生かすような演奏に徹している。そのぶん、Kntr(Gt)とmiracoが織りなすギターオーケストレーションと、サポートキーボディストによるオルガンやピアノの音色が、より鮮明に聞こえてくる。
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もちろん、曲によっては静と動を行き来する、寄せては返すようなシューゲイズサウンドが会場を埋め尽くす瞬間もある。が、そこにはかつての圧倒的な「音の壁」とは異なる、どこか「諦観」にも似たアトモスフィアが漂っていた。轟音の快楽にとどまらず、音が消えた後の余韻や静寂の重みまでをも感じさせるような。まるで黄泉の国から漂ってくるような、恍惚感すらそこには孕んでいた。
今回のライブで特に印象的だったのは、miracoのボーカルの変化だ。これまで楽器の一部のように楽曲に溶け込んでいた彼女の声が、新作ではより明確に前面に押し出され、ライブでもその存在感が際立っていた。「歌を聴かせるバンド」としての新たなアプローチが、演奏全体に浸透していたのが感じられる。中でも、「Oppressed」のむせび泣くような歌声や、期せずして今は亡きデヴィッド・リンチの世界観とリンクしたオールディーズ風味の「Whenever, Whatever」における、巧みにコントロールされたアーティキュレーションなど、ボーカリストとしての彼女の天賦の才能が遺憾なく発揮されていた。
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共演したTHE NOVEMBERSが全てを焼き尽くすような圧倒的な轟音を響かせたのに対し、揺らぎは静寂の中に浮かび上がるギターのアルペジオとmiracoの歌声で、その対比を鮮やかに際立たせた。音の隙間を生かしながら、繊細な抑揚で聴衆を包み込むようなアプローチ。 フィードバックノイズの嵐を抜けた先に、広がるのは新たな音の地平。
ツアー初日となったWWW公演は、揺らぎが「歌を聴かせるバンド」として新たな地平へ踏み出したことを確かに証明していた。かつての圧倒的な轟音の壁を超え、その先にある音楽の核心へと向かう彼らの姿勢が、この夜、静かに刻まれたのだ。
取材・文:黒田隆憲
撮影:渡邉隼
RELEASE INFORMATION
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揺らぎ「In Your Languages」
2025年1月24日(金)
Format: Digital,CD ¥3,000(税込)
Label:FLAKE SOUNDS
Track:
1. You Have Been Calling Me
2. Oppressed
3. For Your Eyes Only
4. This Room Is Comfortable
5. Stove Song
6. Love You My Dear
7. Our
8. Whenever, Whatever
9. Sá Meditation
10. Farewell Speech
11. To Know You As You Are With No Ends
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
"In Your Languages" Release Tour 2025...With Special Guests
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2025年3月8日(土)
名古屋 新栄Shangri-La
w/uri gagarn
2025年3月9日(日)
大阪 心斎橋ANIMA
w/さらさ(Trio Set)
チケット一般発売
2024年12月25日(水)10:00~
https://w.pia.jp/t/yuragi
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