SENSA

2024.10.25

枠に囚われることなくポップネスを追求し続ける「アンニュイ・ホリデイ」-Highlighter Vol.216-

枠に囚われることなくポップネスを追求し続ける「アンニュイ・ホリデイ」-Highlighter Vol.216-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。Vol.216は、"良質なポップス"を追求するアンニュイ・ホリデイを取り上げる。
ボーカルやバックバンドを固定しないユニットとして活動。2022年にTBSラジオ「JUNK」内の推薦曲として1週間パワープレイされるなど、注目度が高まっている。このたびリリースされたファーストアルバム『自意識ニューロティック』も、ぜひチェックしてほしい。


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活動を始めたきっかけ
オヤマダ(45):大学時代、軽音楽部に所属していました。2年の時に、NUMBER GIRLのコピーをしたんです。本番で、ギターアンプが壊れて音なんなくなって。そしたら、ギタボがブチギレて、ギターを地面に叩きつけようとしたんです。その時、「あ、これだな」って思いました。なにが、「あ、これだな」なのかは分からないですけど(笑)。

その、「あ、これだな」の瞬間に、高校1年生の出席番号順でひとつ前だった男のことを思い出しました。それがオノデラくんです。当時野球部だった彼と、あの音楽がいい、あの音楽は最悪、と話していた日々をふと思い出しました。ふと目の前を見ると、ギターはネックから折れていた。

その日のうちに、音楽一緒にやろうと、その時には、ジャズ研究会とブルース研究会に入って、音楽ずぶずぶだったオノデラくんに連絡して、今があります。
ちなみに、今回のアルバム制作中に、「あ、これだな」って4回思いました。

影響を受けたアーティスト
オヤマダ(45):ジャンルで言えばAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)のようなポップス性と実験性を両立し、大人の世界観でパッケージした音楽にいちばん影響を受けています。Bobby Caldwellの「WHAT YOU WON'T DO FOR LOVE」をはじめて聴いた時の衝撃はいまでも覚えています。他にも、Boz ScaggsSteely DanNed DohenyAirplayJames Taylor......ここらへんでやめておきます。



それと、昭和後期の歌謡曲から平成初期のJ-POPまでの売れている曲は大体好きですね。



アーティスト単位だと、オノデラくんとの会話でよく話題にあがるのが、岡村ちゃん(岡村靖幸)、オザケン(小沢健二)、高橋徹也カーネーション米米CLUB角松敏生あたり。アンニュイ・ホリデイの楽曲制作でもめちゃくちゃ影響を受けていると思います。



テクニカルに走ることなく、ポップネスを追求している音楽が好きですね、こうやって書き出してみてわかりました。

注目してほしい、自分の関わった作品
オヤマダ(45):10月16日にリリースしたファーストアルバム『自意識ニューロティック』はぜひ聴いてほしいです。リード曲の「愛でカムフラージュ(feat. 稲川真帆, Kingo)」をはじめとした、ゲストボーカル参加はもちろんですが、ライブ活動を盛んにやっていたころに作った「スリッピングダウン」「ハイスクールティーンのようにときめいて」も、レコーディングしてみると、あ、こんないい曲だったんだと、再発見できました。

前者はアルバムの精神的支柱ともなっている批評家のマーク・フィッシャーの著作から一節を丸々朗読して、後者は影響を受けた渋谷系をモロやりつつ歌詞で地元の空気感を入れるなど、シングルでリリースした曲より、もしかしたら"らしさ"が出ているのかも。

あとは、なんと言っても、メンバーふたりで、あとは楽曲ごとにミュージシャンたちに依頼する、というわかりにくい活動形態の結果、完全自費リリースにも関わらず、24名の方に参加してもらった超豪華仕様なのは、何度も明言していきたいです!



今後挑戦してみたいこと
オヤマダ(45):『自意識ニューロティック』は曲ごとにボーカルを変えてきましたが、ボーカルをメンバーに入れたアルバム作りたいな、と今は思っています。そんでもって、シンガーソングライターではなく、モデルや役者など、音楽とは異なる表現をしている人だったら、おもしろんじゃないかと。もともとアンニュイ・ホリデイは中谷美紀の『食物連鎖』みたいなアルバムを作りてえなあと結成した経緯もあるので、そこに軸足を戻していければと思います。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
オヤマダ(45):例に漏れず、サブカルキッズなので、固有名詞を永遠に羅列してしまいたくなるのですが、ここではひとつだけ。大事なことはすべて『笑っていいとも!』の最終回から学びました。
あと、ごめんなさい。『めぞん一刻』も......。この作品には恋愛に限らず、人間関係、すなわち人生の全てが詰まっています。歌詞単位で言えば、このふたつが教えてくれたことを曲にし続けている気すらします。





今注目しているカルチャー
オヤマダ(45):これもひとつだけ。激アツです。説明不要かと思います。



RELEASE INFORMATION

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アンニュイ・ホリデイ「自意識ニューロティック」
2024年10月16日(水)

試聴はこちら

LIVE INFORMATION

1st AL『自意識ニューロティック』Release Party「セルフコンシャス神経症」
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2024年12月16日(月)
西永福JAM
OPEN/START 18:30/19:00(予定)
GUEST 後日発表
ADV/DOOR  ¥2,500/¥3,000
▽チケットはこちらから
https://t.livepocket.jp/e/wpuud

PROFILE

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アンニュイ・ホリデイ
オノデラとオヤマダ(45)が中心の、"良質なポップス"を追求するユニット。
2020年10月に、1st Single「グロテスク・ラブ」をリリースし、始動。
ボーカルやバックバンドを固定しないスタイルで、これまでに5枚のシングルを発表。
2021年にはSPACE SHOWER MUSIC×Waseda Music Records presents「michikai」のファイナリストに選出、2022年にTBSラジオ「JUNK」内の推薦曲として1週間パワープレイされるなど、その活躍の幅は広がっている。

LINK
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