2023.07.03
ベッドルームも電車もフロアも全てダンスホールに変えていくバーチャルモッシュパーティバンド「T.M.P」-Highlighter Vol.173-
音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。 Vol.173は、東京・大阪在住のバーチャルモッシュパーティーバンドT.M.Pを取り上げる。
ハイパーポップ、ニューウェーブ、オルタナティブロック、シューゲイザー、ヒップホップなど多様な音楽から影響を受けたダンスミュージックを展開。ライブではVJを起用するなど、音楽以外の要素を絡めたパフォーマンスを行っており、カルチャー全体を盛り上げていく存在としても期待が高まる。
Deewaとは大学で一緒にThe SALOVERSやART-SCHOOL、GEZANなどのコピーバンドを組んでいて、当時僕はドラムを叩いてました。身近でいちばんいいギターを弾いていたのがDeewaだったので、バンドに誘ってT.M.Pを結成しました。
Deewa(Vo/G):Taochyとは別々にバンドをやっていた時期もあって、お互いの曲を聴いたり意見したり、好きな音楽を共有したりしていたんです。その頃から、「フロアでみんな幸せそうに踊って、ぐちゃぐちゃになる景色を作りたいね」と話していました。
たまたまTaochyから先に「Deewaのギターがあれば最強になる」とT.M.Pに誘われたけど、その誘いがなかったら僕がTaochyをバンドに誘ってたと思います、ドラマーとして(笑)。僕とTaochyは根源に同じ景色を作りたい気持ちがあることはわかっていたので。
大学以降はもっとダンサブルで身体的な音楽をよく聴くようになって、Have a Nice Day!やNATURE DANGER GANGを中心とした東京アンダーグラウンドのシーンや、GEZANの十三月のシーンをよく追っていました。『SCUM PARK 2017』と、『SHIBUYA全感覚祭- Human Rebellion -』は特に強烈な体験として、未だに影響を受けています。
最近で言えばHyperpopは聴いても作っても本当に面白くて、100 gecsに多大な影響を受けています。PC MusicやCharli XCX、Kero Kero Bonitoもよくリファレンスにしています。
少し違うところだとゲーム音楽にもかなり影響を受けています。glass beachやAnamanaguchiから逆輸入する形でたくさん聴いてますね。
あとは、日本のシーンで仲の良いアーティストとはお互いに影響を受けたり与えたりしているかな...。
一緒にやっているKANG SIGH HYPER CREWのメンバーもそうだし、愛はズボーンや東京のPICNIC YOUやDRUGPAPA、愛知のBBBBBBBは共演するたびに面白いですね。
話したことはないけどPeterparker69やPAS TASTA、SATOHはリアルタイムで最前を走っていて、リスペクトもあるし、追いつきたいという気持ちが大きいです。
Deewa:中学生くらいまではゆずが好きで、バンドには全然興味がなかったんです。高校の同級生からGalileo GalileiとBUMP OF CHICKENのコピーバンドに誘われて、父親のギターを引っ張り出して弾き始めたのがバンドを始めるきっかけでした。
その後bloodthirsty butchersやNUMBER GIRLといった、爆音でギターをガシャガシャ弾くバンドに衝撃を受けて、オルタナバンドの沼にハマって行ったんですけど。今もその衝撃は大切にしてギターを弾いています。
歌に関しては、僕はそんなに上手くないし自信なかったんですけど、ハヌマーンの「若者のすべて」に「情感で歌うな 喉で歌え」(正しい歌詞表記は「心で歌うな」だが、僕には「情感」と聞こえた)って歌詞があって。「これだ!」って思って、とにかく声がカスカスになるまで叫んで歌うっていうスタイルに振り切ったんです。うまく歌うんじゃなくて全部吐き出す、あるもの全部受け入れるみたいな。歌に乗せる感情は直近の出来事や過去の経験が自然と乗ってくるし。
そうしたら自信もついてきて、自分の歌で感動してくれる人もいて、もっと上手くなりたい!と思えるようになって続けてきました。なのでバンドやるならギターだけじゃなくやっぱり歌いたいなと思って、T.M.Pの楽曲の中で僕の歌の割合もだんだん増やしています。二人歌ってもいいじゃんって。ゆずも二人で歌ってるし(笑)。
僕たちの音楽は聴いた人がつい体を動かしたい衝動に駆られるようなものを目指しています。
ライオットもダンスも全てひとつの身体性に訴える音楽として捉え、ベッドルームも電車もフロアも全てダンスホールにしていただけたら幸いです。
Deewa:『Vector』のコンセプトとしては、人々が持つ性質をScalar、振る舞いやその人の向かう方向をVectorと定めました。
各曲の歌詞は人が楽しんだり悲しんだりしていく中で迷いながら決断していく内容になっています。コンセプトを表現できるよう、2人でめちゃくちゃ話し合いながら作っていったので、そのあたりを感じながら歌詞を聴いてもらえると嬉しいです。
先述したオルタナらしいギターは今作でも健在なので、そちらも注目して聴いてみてください。僕は「7th World In The Computer」のアウトロのギターソロがお気に入りです。
T.M.Pのライブはモッシュやシンガロングが発生するので、オーディエンスが多ければ多いほど良い空間になると自負しています。
Deewa:もっとコンセプチュアルで没入感のあるライブや音楽体験を作りたいです。僕らは「バーチャルモッシュパーティバンド」って自称しているんですけど。「バーチャル」って別にVR空間やインターネットだけではなくて、非現実的でバーチャル空間のように感じられるライブをお客さんと作りたいって思いも込めています。
そのためには普通にライブをするだけではなく、T.M.Pの世界観に一気に引き込むような演出や工夫が必要だと思っています。アイデアをここで言うとネタバレになっちゃうんで秘密です!(笑)。ですが例えるなら、IMAXで映画を見るとき最初に入る「ようこそ、IMAXの世界へ(ズーン)」「針が落ちる音も(キーン)飛行機の轟音(ゴゴゴゴ)も聞こえます」って演出で、一気に没入感が上がる、というか。そんな工夫をもっとライブに取り入れたいってイメージです。
最近はヤマシタトモコさんの『違国日記』や山口つばささんの『ブルーピリオド』が好きです。
また影響を受けているという意味では、オノナツメさんの『not simple』もかなり大きいです。
小説なんかもそうだと思いますが、音声のないコンテンツだからこそ自分なりの音の解釈が許される感覚があり、自由に楽しめるカルチャーだと思っています。全体的に淡い絵が好みなんですが、それも自由に想像できる余白が多いからかもしれないです。
Deewa:任天堂のゲームです。
小学生のときにいとこからNINTENDO64をもらったのがきっかけで、『(星の)カービィ』と『ゼルダの伝説』は全作品遊んだくらい好きになりました。夜中に布団の中で隠れてゲームボーイアドバンスをプレイして何度怒られたか...。
昔は隅々まで探索するのが好きで、カービィはクリア率が100%になるまで絶対遊んでいましたし、『ゼルダの伝説 風のタクト』では「写し絵の箱DX」という、撮影したものをフィギュアにするコンテンツのフィギュアをコンプリートしたり、「ペーパーマリオRPG」では、キャラが一人ひとり違うことを話すので、道行くキャラ全員に何度も話しかけたり。やりこみ要素と遊び心のある演出に夢中になっていました。
あの作り込みは本当にすごくて、だから子どもの頃夢中だったんだと思います。もちろん今もゲームは好きです。『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』やってます。
あと、マーベル映画もめちゃくちゃ好きです。
ベタですが、『スパイダーマン』がいちばん好きです。僕は考えさせたり、何か作り手のメッセージを汲み取ったりできる作品が好きなんです。
「マーベル映画ってそういう作風じゃないのでは?」と思ったあなた、マーベル見くびってますね。
マーベルすごいですよ。一本一本は気軽に見れる物語なんですけど、全ての作品が繋がっていて、全部が伏線になってるんです。見れば見るほど複雑に物語が絡み合っていく、物語としての手の込み方と、全体を見て初めて分かる要素、想像を大きく裏切ってくる展開。恐ろしいほどこだわり抜かれた最高のエンターテイメントだと思います。
毎回、この作品がどういう位置付けなのか、想像するのが楽しいです。
音楽面では特にピーナッツくんの躍進は凄まじく、生のライブもバーチャルライブもチェックすべきプロダクトだと思います。
シンプルに好きなVTuberとしてはもう卒業されてしまったのですが、にじさんじの黛灰さんはこんなにストイックさと面白さが両立するものなのかと、リスペクトしています。
Deewa:写真を撮ることも写真集を見ることも好きです。スマホが普及した全人類カメラマン時代ですが、引き続き注目すべきカルチャーだと思っています。小さい頃からカメラが好きで、お小遣いとお年玉を貯めて買ったデジカメで写真を撮っていたんですけど、なんで好きなのか言語化できずに撮っていて。
学生のときフィルムカメラを始めて、現像という時間のかかる過程を踏んでようやく気付いたんですけど、僕は人の記憶やその時の空気を思い返すのが好きだったんです。
自分が撮った写真を見て、当時思っていたことや一緒にいた人、写っている場所を思い出したときの気温や匂いを思い出す。懐古主義ってわけではなく、その当時のこと思っていたことや感じていたこと、辛かったこともダイレクトに思い出して、今の自分の立ち位置を確認するみたいな感じです。
どんな感情を残したいか、どんな思いでこの写真を撮るのか、考えて意図を写真に反映させる。スマホで簡単に撮れるからこそ、こだわって撮影することの楽しさに気づいた人も多いんじゃないかと思います。逆にスマホですごい作品を作る人もいますけど。とにかく写真の可能性はまだまだ無限大だなって思います。
そういう「好き」の理由にやっと気づけました。
写真集は、写真を撮った人の切り取り方、意図をイメージするのが好きで読んでいます。
最近のお気に入りは上田晃司さんとコムロミホさんという夫婦が出している写真集です。2人のストリートスナップが1冊の本になっていて、何気ない街の景色に映り込む人全員がそれぞれの物語を持っているように感じる、素敵な写真を撮っていらっしゃって。
もちろん写真としても大好きですし、本自体もふたりの写真がちょうど真ん中で上下反転して区切られていてそのコンセプトも面白いし、それぞれの感性・テクニックで撮った写真を同時に見ることができるのでお気に入りです。
T.M.P『Vector』
2023年7月3日(月)
試聴はこちら
2023年7月15日(土)
大阪 南堀江 SOCORE FACTORY
OPEN&START 16:30
[ACT]
T.M.P
KANG SIGH HYPER CREW
FIRE BOYS
BBBBBBB
PINKBLESS
[DJs]
yahmanfightclub
YONEDA
PARK KING BABIES
Rosa
[FOOD]
やーまんカレー
DOOR ¥2,900
ADV ¥2,400
20歳以下 ¥1,900
(+1Drink ¥600)
T.M.P
2018年結成、2022年より本格始動。
東京・大阪在住の二人組によるバーチャルモッシュパーティーバンド。
ハイパーポップ、ニューウェーブ、オルタナティブロック、シューゲイザー、ヒップホップなど多様な音楽から影響を受けたダンスミュージックを展開する。
フロアの熱量が最大限に高まった結果起こる現象をモッシュと定義し、熱狂的なモッシュが起こるライブ空間を作り続けることを目標としている。
ライブではVJを起用しており、音楽以外の要素を積極的に絡めたパフォーマンスを行う。
関西地方のコレクティブ「KANG SIGH HYPER CREW」に所属。
@thrmoshparty
@TaochyTMP
@DeewaTMP
@thrmoshparty
Official YouTube Channel
Soundcloud
FRIENDSHIP.
ハイパーポップ、ニューウェーブ、オルタナティブロック、シューゲイザー、ヒップホップなど多様な音楽から影響を受けたダンスミュージックを展開。ライブではVJを起用するなど、音楽以外の要素を絡めたパフォーマンスを行っており、カルチャー全体を盛り上げていく存在としても期待が高まる。
活動を始めたきっかけ
Taochy(Vo/Mnp):音楽を聴くことで踊ったり、モッシュしたり、どうしようもなく体が動いてしまう瞬間が好きで、たくさんのアーティストがそれを成し遂げる瞬間を見てきました。自分達の作った曲でその光景を見てみたいと思う気持ちがだんだんと強くなり、T.M.Pの活動を始めました。Deewaとは大学で一緒にThe SALOVERSやART-SCHOOL、GEZANなどのコピーバンドを組んでいて、当時僕はドラムを叩いてました。身近でいちばんいいギターを弾いていたのがDeewaだったので、バンドに誘ってT.M.Pを結成しました。
Deewa(Vo/G):Taochyとは別々にバンドをやっていた時期もあって、お互いの曲を聴いたり意見したり、好きな音楽を共有したりしていたんです。その頃から、「フロアでみんな幸せそうに踊って、ぐちゃぐちゃになる景色を作りたいね」と話していました。
たまたまTaochyから先に「Deewaのギターがあれば最強になる」とT.M.Pに誘われたけど、その誘いがなかったら僕がTaochyをバンドに誘ってたと思います、ドラマーとして(笑)。僕とTaochyは根源に同じ景色を作りたい気持ちがあることはわかっていたので。
影響を受けたアーティスト
Taochy:最初に意識して音楽を聴き始めたのはRADWIMPSやBUMP OF CHICKENです。それからはSUPERCAR、神聖かまってちゃん、フジファブリック、The SALOVERSなどをよく聴いてきたので、自分が曲を作る際のコード選びや歌詞作りの根底に影響を感じます。大学以降はもっとダンサブルで身体的な音楽をよく聴くようになって、Have a Nice Day!やNATURE DANGER GANGを中心とした東京アンダーグラウンドのシーンや、GEZANの十三月のシーンをよく追っていました。『SCUM PARK 2017』と、『SHIBUYA全感覚祭- Human Rebellion -』は特に強烈な体験として、未だに影響を受けています。
最近で言えばHyperpopは聴いても作っても本当に面白くて、100 gecsに多大な影響を受けています。PC MusicやCharli XCX、Kero Kero Bonitoもよくリファレンスにしています。
少し違うところだとゲーム音楽にもかなり影響を受けています。glass beachやAnamanaguchiから逆輸入する形でたくさん聴いてますね。
あとは、日本のシーンで仲の良いアーティストとはお互いに影響を受けたり与えたりしているかな...。
一緒にやっているKANG SIGH HYPER CREWのメンバーもそうだし、愛はズボーンや東京のPICNIC YOUやDRUGPAPA、愛知のBBBBBBBは共演するたびに面白いですね。
話したことはないけどPeterparker69やPAS TASTA、SATOHはリアルタイムで最前を走っていて、リスペクトもあるし、追いつきたいという気持ちが大きいです。
Deewa:中学生くらいまではゆずが好きで、バンドには全然興味がなかったんです。高校の同級生からGalileo GalileiとBUMP OF CHICKENのコピーバンドに誘われて、父親のギターを引っ張り出して弾き始めたのがバンドを始めるきっかけでした。
その後bloodthirsty butchersやNUMBER GIRLといった、爆音でギターをガシャガシャ弾くバンドに衝撃を受けて、オルタナバンドの沼にハマって行ったんですけど。今もその衝撃は大切にしてギターを弾いています。
歌に関しては、僕はそんなに上手くないし自信なかったんですけど、ハヌマーンの「若者のすべて」に「情感で歌うな 喉で歌え」(正しい歌詞表記は「心で歌うな」だが、僕には「情感」と聞こえた)って歌詞があって。「これだ!」って思って、とにかく声がカスカスになるまで叫んで歌うっていうスタイルに振り切ったんです。うまく歌うんじゃなくて全部吐き出す、あるもの全部受け入れるみたいな。歌に乗せる感情は直近の出来事や過去の経験が自然と乗ってくるし。
そうしたら自信もついてきて、自分の歌で感動してくれる人もいて、もっと上手くなりたい!と思えるようになって続けてきました。なのでバンドやるならギターだけじゃなくやっぱり歌いたいなと思って、T.M.Pの楽曲の中で僕の歌の割合もだんだん増やしています。二人歌ってもいいじゃんって。ゆずも二人で歌ってるし(笑)。
注目してほしい、自分の関わった作品
Taochy:2023/7/3にリリースしたアルバム『Vector』では、トラックの面では体を動かすということに特化するように制作に取り掛かりました。僕たちの音楽は聴いた人がつい体を動かしたい衝動に駆られるようなものを目指しています。
ライオットもダンスも全てひとつの身体性に訴える音楽として捉え、ベッドルームも電車もフロアも全てダンスホールにしていただけたら幸いです。
Deewa:『Vector』のコンセプトとしては、人々が持つ性質をScalar、振る舞いやその人の向かう方向をVectorと定めました。
各曲の歌詞は人が楽しんだり悲しんだりしていく中で迷いながら決断していく内容になっています。コンセプトを表現できるよう、2人でめちゃくちゃ話し合いながら作っていったので、そのあたりを感じながら歌詞を聴いてもらえると嬉しいです。
先述したオルタナらしいギターは今作でも健在なので、そちらも注目して聴いてみてください。僕は「7th World In The Computer」のアウトロのギターソロがお気に入りです。
今後挑戦してみたいこと
Taochy:たくさんの人が自分達の音楽を楽しんでいる光景を作りたいです。大きいフェスや動員の多いホールでライブをしたいということと同義かもしれませんが、自分達の音楽がどのようにオーディエンスに受け入れられ、体を動かせているのかを自分の目で見てみたいです。T.M.Pのライブはモッシュやシンガロングが発生するので、オーディエンスが多ければ多いほど良い空間になると自負しています。
Deewa:もっとコンセプチュアルで没入感のあるライブや音楽体験を作りたいです。僕らは「バーチャルモッシュパーティバンド」って自称しているんですけど。「バーチャル」って別にVR空間やインターネットだけではなくて、非現実的でバーチャル空間のように感じられるライブをお客さんと作りたいって思いも込めています。
そのためには普通にライブをするだけではなく、T.M.Pの世界観に一気に引き込むような演出や工夫が必要だと思っています。アイデアをここで言うとネタバレになっちゃうんで秘密です!(笑)。ですが例えるなら、IMAXで映画を見るとき最初に入る「ようこそ、IMAXの世界へ(ズーン)」「針が落ちる音も(キーン)飛行機の轟音(ゴゴゴゴ)も聞こえます」って演出で、一気に没入感が上がる、というか。そんな工夫をもっとライブに取り入れたいってイメージです。
カルチャーについて
触れてきたカルチャー
Taochy:漫画に大きく影響を受けています。最近はヤマシタトモコさんの『違国日記』や山口つばささんの『ブルーピリオド』が好きです。
また影響を受けているという意味では、オノナツメさんの『not simple』もかなり大きいです。
小説なんかもそうだと思いますが、音声のないコンテンツだからこそ自分なりの音の解釈が許される感覚があり、自由に楽しめるカルチャーだと思っています。全体的に淡い絵が好みなんですが、それも自由に想像できる余白が多いからかもしれないです。
Deewa:任天堂のゲームです。
小学生のときにいとこからNINTENDO64をもらったのがきっかけで、『(星の)カービィ』と『ゼルダの伝説』は全作品遊んだくらい好きになりました。夜中に布団の中で隠れてゲームボーイアドバンスをプレイして何度怒られたか...。
昔は隅々まで探索するのが好きで、カービィはクリア率が100%になるまで絶対遊んでいましたし、『ゼルダの伝説 風のタクト』では「写し絵の箱DX」という、撮影したものをフィギュアにするコンテンツのフィギュアをコンプリートしたり、「ペーパーマリオRPG」では、キャラが一人ひとり違うことを話すので、道行くキャラ全員に何度も話しかけたり。やりこみ要素と遊び心のある演出に夢中になっていました。
あの作り込みは本当にすごくて、だから子どもの頃夢中だったんだと思います。もちろん今もゲームは好きです。『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』やってます。
Deewaが遊んできた作品
あと、マーベル映画もめちゃくちゃ好きです。
ベタですが、『スパイダーマン』がいちばん好きです。僕は考えさせたり、何か作り手のメッセージを汲み取ったりできる作品が好きなんです。
「マーベル映画ってそういう作風じゃないのでは?」と思ったあなた、マーベル見くびってますね。
マーベルすごいですよ。一本一本は気軽に見れる物語なんですけど、全ての作品が繋がっていて、全部が伏線になってるんです。見れば見るほど複雑に物語が絡み合っていく、物語としての手の込み方と、全体を見て初めて分かる要素、想像を大きく裏切ってくる展開。恐ろしいほどこだわり抜かれた最高のエンターテイメントだと思います。
毎回、この作品がどういう位置付けなのか、想像するのが楽しいです。
映画のポスターとアイアンマン
今注目しているカルチャー
Taochy:2022年の頭あたりからVTuberにものすごくハマってます。自分の周りだけかもしれませんが、ここ1年で急速に音楽業界に浸透して受け入れられているカルチャーじゃないかなと思います。生身の人としてのビジュアルを持っていないからこそ、ストレートに人格を演じられたり。リアルとの境界を攻めるような企画力の高さは、エンターテイメントとして抜きん出ているコンテンツだなと感じます。音楽面では特にピーナッツくんの躍進は凄まじく、生のライブもバーチャルライブもチェックすべきプロダクトだと思います。
シンプルに好きなVTuberとしてはもう卒業されてしまったのですが、にじさんじの黛灰さんはこんなにストイックさと面白さが両立するものなのかと、リスペクトしています。
Deewa:写真を撮ることも写真集を見ることも好きです。スマホが普及した全人類カメラマン時代ですが、引き続き注目すべきカルチャーだと思っています。小さい頃からカメラが好きで、お小遣いとお年玉を貯めて買ったデジカメで写真を撮っていたんですけど、なんで好きなのか言語化できずに撮っていて。
学生のときフィルムカメラを始めて、現像という時間のかかる過程を踏んでようやく気付いたんですけど、僕は人の記憶やその時の空気を思い返すのが好きだったんです。
Deewa愛用のフィルムカメラcontax T3と、学生時代に使っていたOlympus XA2
自分が撮った写真を見て、当時思っていたことや一緒にいた人、写っている場所を思い出したときの気温や匂いを思い出す。懐古主義ってわけではなく、その当時のこと思っていたことや感じていたこと、辛かったこともダイレクトに思い出して、今の自分の立ち位置を確認するみたいな感じです。
Deewaが撮影した写真
どんな感情を残したいか、どんな思いでこの写真を撮るのか、考えて意図を写真に反映させる。スマホで簡単に撮れるからこそ、こだわって撮影することの楽しさに気づいた人も多いんじゃないかと思います。逆にスマホですごい作品を作る人もいますけど。とにかく写真の可能性はまだまだ無限大だなって思います。
そういう「好き」の理由にやっと気づけました。
写真集は、写真を撮った人の切り取り方、意図をイメージするのが好きで読んでいます。
最近のお気に入りは上田晃司さんとコムロミホさんという夫婦が出している写真集です。2人のストリートスナップが1冊の本になっていて、何気ない街の景色に映り込む人全員がそれぞれの物語を持っているように感じる、素敵な写真を撮っていらっしゃって。
もちろん写真としても大好きですし、本自体もふたりの写真がちょうど真ん中で上下反転して区切られていてそのコンセプトも面白いし、それぞれの感性・テクニックで撮った写真を同時に見ることができるのでお気に入りです。
上田晃司さんとコムロミホさんの写真集
RELEASE INFORMATION
T.M.P『Vector』
2023年7月3日(月)
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
Vector Storage T.M.P "Vector" Release Party
2023年7月15日(土)
大阪 南堀江 SOCORE FACTORY
OPEN&START 16:30
[ACT]
T.M.P
KANG SIGH HYPER CREW
FIRE BOYS
BBBBBBB
PINKBLESS
[DJs]
yahmanfightclub
YONEDA
PARK KING BABIES
Rosa
[FOOD]
やーまんカレー
DOOR ¥2,900
ADV ¥2,400
20歳以下 ¥1,900
(+1Drink ¥600)
PROFILE
T.M.P
2018年結成、2022年より本格始動。
東京・大阪在住の二人組によるバーチャルモッシュパーティーバンド。
ハイパーポップ、ニューウェーブ、オルタナティブロック、シューゲイザー、ヒップホップなど多様な音楽から影響を受けたダンスミュージックを展開する。
フロアの熱量が最大限に高まった結果起こる現象をモッシュと定義し、熱狂的なモッシュが起こるライブ空間を作り続けることを目標としている。
ライブではVJを起用しており、音楽以外の要素を積極的に絡めたパフォーマンスを行う。
関西地方のコレクティブ「KANG SIGH HYPER CREW」に所属。
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