2018.12.01
既存のジャンルでは形容できない美学と新たな日本のバンドポップスを奏でる6人組、odol。楽曲のみならず、MVやアーティスト写真、SNSなどアウトプットするものの随所にこだわりを感じさせる彼らが本日12月1日より開催する『odol TOUR 2018 "往来"』のツアーグッズとして発表された"remake siries 01"。古着にオリジナルワッペンを貼り、ツアー会場限定で販売される商品となっている。
この古着はミゾベが自ら高円寺の古着屋でセレクト。ミゾベの古着・ヴィンテージ好きは噂には聞いていたが、まさかグッズにもなる程好きだったとは。
リメイクグッズの製作に至る経緯や古着に対するこだわりを掘り下げるべく、今回本人がよく利用している高円寺の店舗を紹介してもらいながらインタビューを敢行した。
ライター:SENSA STAFF 岩本実里
カメラマン:今井駿介
岩本実里(以下:実里):本日はよろしくお願いします。
ミゾベリョウ(以下:ミゾベ):よろしくお願いします。
実里:私、高円寺来るのライブ観に来る時くらいであまり土地勘なくて。
ミゾベ:そうなんですね。昔住んでたので、庭ですね(笑)ここまっすぐ行ったらすぐ阿佐ヶ谷で、よく歩いて行ってました。もっと向こうの方にまだodolを組む前に、森山とリコーダーとかで合奏して遊んだ公園があるんです(笑)
実里:リコーダー(笑)高円寺HIGHとかの方ですか?
ミゾベ:そうですそうです。HIGHの向かい側の公園。
実里:思い出のある街なんですね。odolのパーソナルなところに触れたくて、今回はミゾベ君の古着好きを掘り下げようよう思いまして。古着はヨーロッパやUSなどいろいろ種類があると思うんですけど、どのあたりがお好みですか?
ミゾベ:基本古着はUSで。アメカジだったり、色々なんですけど、軍モノだったりワークが多いですね。駿介(カメラマン)が履いてるのとかは60年代のARMY(陸軍)で、僕はこれの40年代の持ってます。
実里:40年代ってすごいですね。駿介くんが履いているのも、全然そんなに古いものに見えないです。
ミゾベ:そうですね。昔のもの、特に 軍モノは作りがしっかりしているので、丈夫だし、がしがし使えます。このへんとか、もちろんLEVI'Sだとかを、デザイナーズのブランドがデザインの元ネタにしてたりするんですよね。そういうところも古着の面白さだったりしますね。
実里:古着って年代ごとの形の違いや服の背景などを知ったうえで、より楽しめるっていうイメージがあるんですけど、そういう知識ってどんなところで知ったんですか?
ミゾベ:そうですね。今はネットとかもあるけど、店で知るのが多いですね。高円寺に住んでいていろいろ通っていた時期があって。odolもまだ組んでない時とかにお店を結構回っていて。そこで勉強するって感じもなく知っていくって感じでした。知識がないと楽しめないって部分もあると思うんですけど、古着はその年々のファッションの流行とかで人気や値段があがったりするんですけど、ブランド物と違って服を作った人じゃなくて、だいたい相場で値段が決まるんですよ。流行りのものは人気があがって見つけにくくなったりするんですけど、あんまり流行っていないけど、これカッコよくね?って自分が思ったのがあとから再評価されて価値が上がっていく、っていう楽しさもあって。自分の感性で楽しめるのも魅力です。
実里:なるほど。自分のセンスで流行を先取る楽しみもあるんですね。ではさっそくミゾべくんお店の方に向かっていきましょう!
01:SLUT 本店
今回は店長・森田さんにも一緒にお話を伺いました。
実里・ミゾベ:本日はよろしくお願いします!
森田さん(以下敬称略):よろしくお願いします。
実里:ミゾべ君はよく来られるんですか?
森田:はい。もう昔から来てくれてますね。ありがたいことに。いつも、けっこう渋いの買っていきますね。アメカジのスウェットや革靴とか、本当いろいろ。
ミゾベ:これとこれ(カバーオール、その中に着ているアワードジャケット)も、ここで買いましたね。
森田:ああ!懐かしい(笑)懐かしいなこれ!
ミゾベ:もうSLUTで持っている服の6割くらい買っている気がします。
実里:先ほど歩いていたらSLUTの看板をたくさんお見かけしまして。
森田:そうですね。うちが本店で。4店舗あるんですけどメインの店舗になりまして、頑張ってます(笑)
ミゾベ:有名店なんです。
森田:ありがとうございます(笑)
ミゾベ:あと森田さんがすごい音楽好きで。
森田:そうですね。大好きです。洋楽も邦楽もなんでも聴いてますね。
ミゾベ:ライブもきてくれて。森田さんがこれ良い!っていう音楽を聴いてみて、めっちゃかっこいい!って好きになったりしてます(笑)
ミゾベ:これが「時間と距離と僕らの旅」のMVではやぴー(odol Gt.早川)が着たやつ。ここで借りたんです。
実里:え!そうなんですか!
ミゾベ:ビデオの衣装協力とかを結構してもらっていて。4本くらいやってもらいました。
ミゾベ:ここはモノもいっぱいあって、それに相場より安く手に入ったりして。
実里:そうですね。革靴とかもこの価格...
ミゾベ:ちょっと傷ついてたりでも、値段変わってきたりもあるんですけど。ただお客さんも多いので品物の回転も速くて、すぐなくなりがちです。これ岩本さんが履いてるやつと一緒ですよ。こっちが僕が持ってるやつ。
実里:あ、本当だ。この感じ好みなんです。
ミゾベ:こっちのが気持ち年代が若そう。だけどこっちのが革が良さげ。
実里:すごい。わかってしまうんですね!奥深いです。
SLUT 本店
〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4−6−1
http://blog2.about-boy.com
02:深緑
今回は店長のshogoさんもインタビューに参加して下さいました。
ミゾベ:次のお店は店長の方がもともとスタイリストで、フリーになるかって時にスタリストではなく、古着屋やりたくて始めたらしてくて。
森山とか他のメンバーも買いに来てたりします。あ、着きましたね。
shogoさん(以下敬称略):おー!リョウ君久しぶりだね。今日風邪ひいてるんだけど、最近タイミング合わなくて会えてなかったからきちゃったよー。
ミゾベ:そうですね、入れ違いとかで。最近、高円寺住んでたよっていうと「深緑」って古着屋あるでしょ?ってよく言われますよ。
shogo:本当ねー。良いように言われ過ぎて、ハードル上がるだけなんですよ。「私、今日全身深緑~」とかやめろ!ハードルあがるだろう!って。
一同:(笑)
実里:音楽関係でも衣装提供やスタイリングで「深緑」の名前はよくお見かけしております。
shogo:ありがたいことにスタイリストさん達にもたくさん使っていただいて。本当みなさんによくしてもらっているだけで。うちはもうゆっくり見ていってくださいってスタンスでやってます。
shogo:メンバーの子達もなんか、odolは風貌でてきたよね。Sofian君とかヒゲごわついてきて。みんなワルになっちったかなーって。
一同:確かに(笑)
ミゾベ:2ndアルバム作った時のMVで。メンバー全員で「深緑」にきて閉店後に、shogoさんに服選んでもらったりしてました。
shogo:あの頃は全員が可愛くかったよね。
ミゾベ:あの時は僕22歳くらいでしたからね。初めて会った時とか18歳とかですよね?
shogo:そうだよね。早いね。Sofian君とかもうおやじっちみたいになって、今すごい貫禄だしてて。
一同:(笑)
shogo:odolの曲もよくお店でかけてますよ。odolの音楽はギャンギャンし過ぎてないから営業中にもすごいかけやすくて。
ミゾベ:ありがとうございます。
深緑
〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4丁目24-4 2F
https://fukamidori.official.ec
実里:odolのMVなどでいろいろなお店に衣装協力お願いしてますが、それもバンドとしてこだわっている部分の一つだったりするんですか?
ミゾベ:そうですね。まず、最初の方とかはスタイリストも入っていなくて、自分たちで周りでやるしかなくて。その中で、自分達の人間性だったり、好きなものだったりを少しでもいれられたら良いのかなと思ってました。
実里:ライブのスタイリングも自分たちで?
ミゾベ:今はやっていく中で紹介してもらったりして、自分たちが好きだなーって思う方にお願いしてますね。
実里:また今回のツアーから古着をリメイクした、かなり斬新なアイテムが販売されますがそのアイデアはどこからきたんですか?
ミゾベ:odolはよくインスタライブをやっているんですけど。そこでグッズでどんなものが欲しいですか?って聞いたらお客さんから「古着リメイク欲しいです!」ってコメントがあって。やってみるのも良いなって思って始まりました。
実里:そうだったんですね。今は寒い季節なんでスウェットですが、もしかしたらTシャツとかも?
ミゾベ:そうですね。確かに!やりたいですね。
実里:好きなものとマッチしていてとても良いですよね。あと今日新しいodolのTシャツを見ていて気になったんですが、ボディの形が袖がちょっと長くて、首のリブも厚いのだけど広く、特徴的だなと思って。
ミゾベ:あれは実は僕がよく着ている60年代のTシャツがあって、それのパターン引いてもらって、MとLとXLサイズでオリジナルで作ってもらいました。
実里:すごい!そんなこともできてしまうんですね。
ミゾベ:せっかく作るならってことで。
実里:他の小物も、シンプルなデザインで普段使いもしやすそう。可愛いですね。
03:SAFARI 一号店
ミゾベ:このお店は本当ガチなヴィンテージの種類が多くて。コレクターの方なんかが委託で出してたりするお店なんですけど、やっぱ商品の回転も早いし、モノも豊富だしで短いスパンで来ても飽きないですね。なんだかんだ買っちゃいます。
実里:そうなんですね。私、LEVI'Sの太めのが好きなんですけど。503とか。
ミゾベ:503はヴィンテージはない、厳密には503BXXっていう、ボーイズのモデルが有るんですけど、これとかどうですかね。良いんじゃないですか?551。これは505の前身モデルですね。これは50s、60sくらいのやつで。同じものを、初めてフジロックに出演したとき、穿いてたんです。
実里:詳しい(笑)すごいかっこいいし、状態もとても良いですね。
ミゾベ:(別のデニムを手に取り)これ福岡で買ってもってるんですよ。しかも60年代後半~70前半のほぼ未使用。LEVI'Sは作ってる数が多いんでこういうのも結構あって。ここはデッドストックとかも置いてあったりヴィンテージの質が良いんですよ。奥のショーケースとか、レジの後ろにかかってるやつとかはかなりレアなアイテムなんです。
ミゾベ:(また別のデニムを手に取り)606ビッグEっていうんですけど、これも60年代~70前半なんですけど、めっちゃ細くて。スキニーの前身でスリムジーンズのはしりですね。これはRAMONESとかが履いていて、しかも当時と一緒のもの。
実里:おお。当時のものって...テンションあがってしまいますね。スニーカーもたくさんありますね。ミゾベ君は革靴多いですけどスニーカーも履きます?
ミゾベ:スニーカーも持ってますね。PRO-Kedsの70年代のスウェードのやつとか。PRO-Kedsは比較的安いですね。
ここではミゾべ君しばらく本気の古着物色。目が輝いておりました。
SAFARI 一号店
〒166-0003 東京都杉並区高円寺南3丁目57-57-4 ベルシャトウ高円寺1F
https://e-safari.co.jp
実里:こだわりグッズも買えるツアーが始まりますね。新作のリリースツアーになると思うんですけど、今作の内容がかなり多様な印象があって。その多様性をどう表現していくのかや見どころなど聞けたらと思います。
ミゾベ:一年前くらいまでは、ライブは音源をなるべく再現するようにしていたんですけど、今は気持ちが変わってきて。ライブと音源制作の一番の違いって、目の前にお客さんがいる事で、それによって僕らも良い影響をお客さんから受けて、良い演奏がその場のノリやグルーブでできる事があって。ライブと音源制作を全然違うものとして新たに作っていて、「音源とライブの違い」を聴きにきて欲しいです。
実里:odolのライブは曲と曲のつなぎもとても良いですよね。
ミゾベ:そうですね。こだわっていて。なんだろう。ライブは家で聴くものと全く別のもの、そこでしか感じられないものを作っていけたら、と思っています。
〈odol TOUR 2018 "往来"〉
12/1(土)福岡・INSA
Guest Artist:Attractions
OPEN 17:30 / START 18:00(※20:30終演予定)
前売¥3,300(+ドリンク代)
当日券情報はこちらをチェック
先行物販は16:30〜17:00
12/2(日)大阪・CONPASS
Guest Artist:LILI LIMIT
OPEN 17:30 / START 18:00(※20:30終演予定)
前売¥3,300(+ドリンク代)
THANK YOU SOLD OUT.
先行物販は16:30〜17:00
12/16(日)東京・渋谷WWW(ワンマンライブ)
OPEN 17:30 / START 18:00(※20:00終演予定)
前売¥3,300(+ドリンク代)
イープラス / ぴあ / ローチケ
http://odol.jp/
おまけ
そして取材が終わり。
ちょっと買い物欲が高まってしまった一同。
ミゾベ:とりあえずもう一回SLUT行ってみませんか?
実里:いきましょう!
ここから仕事を忘れそれぞれ古着を物色。
ミゾベくんはwoolrichのベストを購入。私、実里はUS NAVYのジャケットを購入。
楽しい取材になりました。