ノイズのなかの光が一人ひとりの"再生"を照らす「cat meows」-Highlighter Vol.262-
Highlighter
2026.04.30
詩と音をひと針ずつていねいに縫い合わせて"あなたとわたし"を描く「ゆうさり」-Highlighter Vol.263-
音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。Vol.263は、新川莉子によるソロプロジェクト・ゆうさりを取り上げる。
ロックバンドやボーカロイドを起点にポストクラシカルの影響を育みながら宅録へとたどり着き、文学や映画、絵画など様々なアートに触れたしなやかな感性で、独自の世界観を作り上げている。(独奏)からバンドメンバーとの(合奏)まで、柔軟な形態で演奏活動中。DIYなこだわりのスタイルで魅せるライブも必見だ。

そんななか、リハーサルスタジオでアルバイトをしていたときに、バイト先の先輩に「宅録っていうのがあるよ」「オーディオインターフェースを買うといいよ」と教えてもらい、自室で音を打ち込んだり楽器や歌を録音する宅録を始めました。試行錯誤と諦めを交互に行き来しながらやっとこさ2020年にSoundCloudに楽曲を投稿したのが、今思えば現在の活動の始まりだったと思います。
遡って小学校3年生、RADWIMPSを好きになり、ロックバンドというものを知りました。小学生の頃はRADWIMPSとSEKAI NO OWARI、ボーカロイドも好きでした。

中学生〜高校生になってthe cabs、cinema staff、People In The Boxといったいわゆる残響系と呼ばれるバンド、音楽にたいへんな影響を受けました。その他andropやplenty、mol-74、 uremaといったメロディが素敵でギターの音がかっこいいバンドにも感化されました (ちょうど最近再始動したバンドがたくさんいる!)。

ここで転機がありました。これらの音楽が好きすぎて買ってもらったAndroid搭載のウォークマンでインターネットのいろいろなブログを読み漁っていたわたしは、the cabsの高橋國光さんがライブのSEをharuka nakamuraさんの曲にしていたことを知りました。そしておすすめ盤としてRachel'sの『Music for Egon Schiele』をあげていたことも知りました。こうしてポストクラシカルという文脈がわたしのなかに突然流れ込み、根づきました。なかでもあたたかみが適度にあるテクスチャ、楽器の音がきちんと聴こえる、くぐもった少し歪んだ音を使う、といった好みはこの時形成されたように思え、それは今の音作り、サウンドスケープのめざすところにも多大な影響を及ぼしています。
高校をやめ、ひとりで通用する音楽を作る必要があるが一体どうしていいかわからないとき、Predawn清水さんと君島大空さんの音楽がわたしの前に現れ、強く影響を受けました。それに加えて折坂悠太さんや青葉市子さんらのまねをしてガットギターを買いました。以降、ギターと声で音楽を成立させることや、自分で音を録って組み合わせて音楽にすることを考え始めました。

ひとりと合奏がアルバム全体を通して手を繋いでいるものを作りたかった。各曲が決してばらばらでないもの、そして今までの作品群を縫い合わせ、これからの作品を想像させるものにしたかった。そんなめあてとこだわりを持って作り始め、その通りに完成させられてよかったです。
[はためきのしくみ セルフライナーノーツ]
神様みたいな季節がありました
ひかりともの 光景がわたしのすべてでした
外を漂う人たちに 誰も気づかないでと願いながら
部屋でひとり感覚と知覚をずっと研究していました
それを誰かの頭に丸ごと被せる魂胆で
誰か気付いてと願っていました
やがて遠いあなたへならば曲が書けるようになりました
わたしは世界に対していつも異物で その違和感を抱きしめながら祈るように大きな大きな音を出しました 自分と世界の間に挟まった音楽たちが切実な願いでした
神様みたいな季節が終わりました
部屋でひとり作った星を齧る毎日でした
ある時わたしは顔を上げました
あなたと目を合わせて話をしました その指で唇で魔法をするあなたがいました それを眼差し また話し 逡巡し 黙り そして憧れました
歌詞を書きました コードをつけました 打ち明け話のようなデモをメンバーに送り 録音をしました あるいは 打ち明けないまま ひとりきり作り終えました
この9曲をもってして わたしはひとへのまなざしとあこがれを素直に打ち明けます
この音源集のどこかで あなたと目が合ったらいい 春に沈んだ街が あなたの日々の営みが わたしのまなざしとあこがれが
窓越しでもいい
あなたと目が逢いたいです
2026/04/02 ゆうさり 新川莉子
このセルフライナーノーツがそれとなく示すように、このアルバムのテーマは「対人関係」。それでもまだ、相対しているように見えて相手のまわりにある空気を観察してそれを書き取っているのかもしれませんが、登場するあたらしい視点のわたし(たち)に注目してみてください。
※リリース日以降にSpotifyリンクを埋め込みます
短い詩、登場人物に名前がない小説。
ひとりのライブではワンピース、合奏ではシャツを着ます。いつか近いうち、誰かに衣装として真っ白なシャツを作ってもらいたいです。
最初に好きになった映画が子どもの頃に観た『かもめ食堂』と『マイマイ新子と千年の魔法』で、2020年ごろに部屋でやることがなくなって映画を観ようと思い、岩井俊二作品を観るようになりました。映画配信のサービスに入ってからは、監督や出ている俳優さんで関連づけていろいろな作品を観ます。最近は『ひらやすみ』がぐっときました。
ずっと谷川俊太郎の詩が好きです。高校をやめて暇だったときに張り切ってボードレールとランボーを買ったら全然分からなくて落ち込みました。そろそろ、もう一回読んでみようかな。ですが近くにあったアーネスト・ダウスン作品集はとてもよくて、今でも大切に思っています。誕生日にもらった渡辺めぐみ『昼の岸』も好きです。装丁もきれい。

小川洋子作品を買い集めています。登場人物に名前がない作品が多く、なぜだかそれがとても落ち着きます。なかでも(この作品の登場人物には名前がついていますが)『琥珀のまたたき』にはとても影響を受けました。
小学生の頃から森絵都作品が好きです。
本の装丁は名久井直子さんが手がけているものがぐっときます。





2026年5月1日(金)
ゆうさり「はためきのしくみ」
試聴はこちら

-大阪編-
2026年5月10日(日)
大阪 南堀江 SOCORE FACTORY
ゆうさり(合奏)
colormal
Qoodow

-京都編-
2026年5月11日(月)
京都 西院 まどまミュージアム
ゆうさり×日髙晴野
Food:食堂酒場
-福岡編-
2026年5月20日(水)
福岡 Kieth Flack
ゆうさり(合奏)
uami
aldo van eyck

2026年5月21日(木)
福岡 小戸 カフェアリワ
ゆうさり(二重奏)単独公演

-東京編-
2026年5月31日(日)
東京・祖師ヶ谷大蔵 MURIUI
(hitoto) Vol.3 × あこがれのしくみ
Paya(幽体コミュニケーションズ)×ゆうさり
-埼玉編-
2026年6月27日(土)
埼玉・みずほ台 Acoustic House おとなり
ゆうさり
京 英一
紺野メイ
and more
-tour final-
2026年8月2日(日)昼公演 東京 下北沢 THREE
ゆうさり(合奏) × 幽体コミュニケーションズ
ツアー詳細・ご予約
https://linktr.ee/yuusarimusic

ゆうさり
2002年生まれ、新川莉子によるソロプロジェクト。
あやうげながらも凜としたうたとギター。素朴かつオルタナティブな感性。それらを自室にて録音、制作した清廉なサウンドが唯一無二の存在感を放っている。(独奏)からバンドメンバーとの(合奏)まで、柔軟な形態で演奏活動中。
2020年より宅録にて活動をはじめ、これまでにミニアルバム『由来』『ほとり』をリリース。
2024年11月、初めてのバンド編成にて、APOLLO SOUNDSより1stフルアルバム『星をつぐ人』をリリース。
2025年7月、FUJI ROCK FESTIVAL '25 ROOKIE A GO-GO 出演。
2026年5月、制作・録音からミックス、アートワークまでをみずから手がけた完全セルフプロデュースの2ndフルアルバム『はためきのしくみ』をリリース。同月より、ツアーブッキング・制作を全てひとりで行うDIYなスタイルで、リリースツアー「あこがれのしくみ」を開催。
@yuusarimusic
@yuusarimusic
@yuusarimusic
FRIENDSHIP.
ロックバンドやボーカロイドを起点にポストクラシカルの影響を育みながら宅録へとたどり着き、文学や映画、絵画など様々なアートに触れたしなやかな感性で、独自の世界観を作り上げている。(独奏)からバンドメンバーとの(合奏)まで、柔軟な形態で演奏活動中。DIYなこだわりのスタイルで魅せるライブも必見だ。

活動を始めたきっかけ
2019年まで、精神的に調子が悪くなって中退した高校の周りの人たちと、バンドを組んではやめ、組んではやめしていました。同じ感覚の人がいなかったし、やりたいことがどこにもなかったし、伝わらない、共有できないものが多すぎて、つらかったです。それで、ひとりでちゃんと通用できることをやらなきゃいけない、と思ったのが変わり目だったと思います。そんななか、リハーサルスタジオでアルバイトをしていたときに、バイト先の先輩に「宅録っていうのがあるよ」「オーディオインターフェースを買うといいよ」と教えてもらい、自室で音を打ち込んだり楽器や歌を録音する宅録を始めました。試行錯誤と諦めを交互に行き来しながらやっとこさ2020年にSoundCloudに楽曲を投稿したのが、今思えば現在の活動の始まりだったと思います。
影響を受けたアーティスト
最近では、近しい友達が作る音楽に影響を受けることが多くなりました。曲ごとにこっそりそのラブレターを潜ませたり、潜ませなかったり、しています。遡って小学校3年生、RADWIMPSを好きになり、ロックバンドというものを知りました。小学生の頃はRADWIMPSとSEKAI NO OWARI、ボーカロイドも好きでした。

中学生〜高校生になってthe cabs、cinema staff、People In The Boxといったいわゆる残響系と呼ばれるバンド、音楽にたいへんな影響を受けました。その他andropやplenty、mol-74、 uremaといったメロディが素敵でギターの音がかっこいいバンドにも感化されました (ちょうど最近再始動したバンドがたくさんいる!)。

ここで転機がありました。これらの音楽が好きすぎて買ってもらったAndroid搭載のウォークマンでインターネットのいろいろなブログを読み漁っていたわたしは、the cabsの高橋國光さんがライブのSEをharuka nakamuraさんの曲にしていたことを知りました。そしておすすめ盤としてRachel'sの『Music for Egon Schiele』をあげていたことも知りました。こうしてポストクラシカルという文脈がわたしのなかに突然流れ込み、根づきました。なかでもあたたかみが適度にあるテクスチャ、楽器の音がきちんと聴こえる、くぐもった少し歪んだ音を使う、といった好みはこの時形成されたように思え、それは今の音作り、サウンドスケープのめざすところにも多大な影響を及ぼしています。
高校をやめ、ひとりで通用する音楽を作る必要があるが一体どうしていいかわからないとき、Predawn清水さんと君島大空さんの音楽がわたしの前に現れ、強く影響を受けました。それに加えて折坂悠太さんや青葉市子さんらのまねをしてガットギターを買いました。以降、ギターと声で音楽を成立させることや、自分で音を録って組み合わせて音楽にすることを考え始めました。

注目してほしい、自分の関わった作品
セカンドフルアルバム『はためきのしくみ』にぜひご注目ください。ひとりと合奏がアルバム全体を通して手を繋いでいるものを作りたかった。各曲が決してばらばらでないもの、そして今までの作品群を縫い合わせ、これからの作品を想像させるものにしたかった。そんなめあてとこだわりを持って作り始め、その通りに完成させられてよかったです。
[はためきのしくみ セルフライナーノーツ]
神様みたいな季節がありました
ひかりともの 光景がわたしのすべてでした
外を漂う人たちに 誰も気づかないでと願いながら
部屋でひとり感覚と知覚をずっと研究していました
それを誰かの頭に丸ごと被せる魂胆で
誰か気付いてと願っていました
やがて遠いあなたへならば曲が書けるようになりました
わたしは世界に対していつも異物で その違和感を抱きしめながら祈るように大きな大きな音を出しました 自分と世界の間に挟まった音楽たちが切実な願いでした
神様みたいな季節が終わりました
部屋でひとり作った星を齧る毎日でした
ある時わたしは顔を上げました
あなたと目を合わせて話をしました その指で唇で魔法をするあなたがいました それを眼差し また話し 逡巡し 黙り そして憧れました
歌詞を書きました コードをつけました 打ち明け話のようなデモをメンバーに送り 録音をしました あるいは 打ち明けないまま ひとりきり作り終えました
この9曲をもってして わたしはひとへのまなざしとあこがれを素直に打ち明けます
この音源集のどこかで あなたと目が合ったらいい 春に沈んだ街が あなたの日々の営みが わたしのまなざしとあこがれが
窓越しでもいい
あなたと目が逢いたいです
2026/04/02 ゆうさり 新川莉子
このセルフライナーノーツがそれとなく示すように、このアルバムのテーマは「対人関係」。それでもまだ、相対しているように見えて相手のまわりにある空気を観察してそれを書き取っているのかもしれませんが、登場するあたらしい視点のわたし(たち)に注目してみてください。
※リリース日以降にSpotifyリンクを埋め込みます
今後挑戦してみたいこと
曲を沢山作りたい。誕生日にライブがしたい。海外でギター1本持ってライブをしてまわりたい。声、楽器、劇伴の仕事をしたい。ワンマンライブをしたい。ものすごく静かなアンビエントだけのDJをしてみたい。銭湯やプラネタリウムや文化財の建物やいろいろなところで演奏がしたい。おおきなフェスやイベントにあらゆる形態で出演したい。カルチャーについて
触れてきたカルチャー
締め付けのない服。台詞が少ない映画。短い詩、登場人物に名前がない小説。
ひとりのライブではワンピース、合奏ではシャツを着ます。いつか近いうち、誰かに衣装として真っ白なシャツを作ってもらいたいです。
最初に好きになった映画が子どもの頃に観た『かもめ食堂』と『マイマイ新子と千年の魔法』で、2020年ごろに部屋でやることがなくなって映画を観ようと思い、岩井俊二作品を観るようになりました。映画配信のサービスに入ってからは、監督や出ている俳優さんで関連づけていろいろな作品を観ます。最近は『ひらやすみ』がぐっときました。
ずっと谷川俊太郎の詩が好きです。高校をやめて暇だったときに張り切ってボードレールとランボーを買ったら全然分からなくて落ち込みました。そろそろ、もう一回読んでみようかな。ですが近くにあったアーネスト・ダウスン作品集はとてもよくて、今でも大切に思っています。誕生日にもらった渡辺めぐみ『昼の岸』も好きです。装丁もきれい。

大事にしているきれいな本たち
小川洋子作品を買い集めています。登場人物に名前がない作品が多く、なぜだかそれがとても落ち着きます。なかでも(この作品の登場人物には名前がついていますが)『琥珀のまたたき』にはとても影響を受けました。
小学生の頃から森絵都作品が好きです。
本の装丁は名久井直子さんが手がけているものがぐっときます。

名久井直子さんが装丁を担当している小川洋子『遠慮深いうたた寝』シリーズと、谷川俊太郎『あたしとあなた』
今注目しているカルチャー
アートワークづくりと版画、コラージュにはまっています。自分でなんでも手がける人が好きで、わたしも自然といろいろなものを制作するようになりました。

『はためきのしくみ』『2019』アートワーク。シングルとアルバムの連続性も考えながら、9曲の豊かな感じを出したかった。よくできたかも

『はためきのしくみ』とリリースツアーのためのコラージュたち
RELEASE INFORMATION

2026年5月1日(金)
ゆうさり「はためきのしくみ」
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
ゆうさり『はためきのしくみ』 release tour"あこがれのしくみ"

-大阪編-
2026年5月10日(日)
大阪 南堀江 SOCORE FACTORY
ゆうさり(合奏)
colormal
Qoodow

-京都編-
2026年5月11日(月)
京都 西院 まどまミュージアム
ゆうさり×日髙晴野
Food:食堂酒場
-福岡編-
2026年5月20日(水)
福岡 Kieth Flack
ゆうさり(合奏)
uami
aldo van eyck

2026年5月21日(木)
福岡 小戸 カフェアリワ
ゆうさり(二重奏)単独公演

-東京編-
2026年5月31日(日)
東京・祖師ヶ谷大蔵 MURIUI
(hitoto) Vol.3 × あこがれのしくみ
Paya(幽体コミュニケーションズ)×ゆうさり
-埼玉編-
2026年6月27日(土)
埼玉・みずほ台 Acoustic House おとなり
ゆうさり
京 英一
紺野メイ
and more
-tour final-
2026年8月2日(日)昼公演 東京 下北沢 THREE
ゆうさり(合奏) × 幽体コミュニケーションズ
ツアー詳細・ご予約
https://linktr.ee/yuusarimusic
PROFILE

ゆうさり
2002年生まれ、新川莉子によるソロプロジェクト。
あやうげながらも凜としたうたとギター。素朴かつオルタナティブな感性。それらを自室にて録音、制作した清廉なサウンドが唯一無二の存在感を放っている。(独奏)からバンドメンバーとの(合奏)まで、柔軟な形態で演奏活動中。
2020年より宅録にて活動をはじめ、これまでにミニアルバム『由来』『ほとり』をリリース。
2024年11月、初めてのバンド編成にて、APOLLO SOUNDSより1stフルアルバム『星をつぐ人』をリリース。
2025年7月、FUJI ROCK FESTIVAL '25 ROOKIE A GO-GO 出演。
2026年5月、制作・録音からミックス、アートワークまでをみずから手がけた完全セルフプロデュースの2ndフルアルバム『はためきのしくみ』をリリース。同月より、ツアーブッキング・制作を全てひとりで行うDIYなスタイルで、リリースツアー「あこがれのしくみ」を開催。
LINK
オフィシャルサイト@yuusarimusic
@yuusarimusic
@yuusarimusic
FRIENDSHIP.




