SENSA

2025.10.12

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!水中スピカ・Puff・OHTORAほか全26作品 -2025.10.11-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!水中スピカ・Puff・OHTORAほか全26作品 -2025.10.11-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:10月6日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全26作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。この時期にHoSoVoSoさんのリリースがあると驚きますね。

金子:そうですね。HoSoVoSoさんはこれまでずっと『春を待つ僕ら』という作品を毎年のように出してくれていて、"春といえばHoSoVoSoさん"ということで、今年もお待ちしてたんですけど、まだリリースがなくて、どうしたのかな?と思っていたら、「冬のはじまり」が届いちゃいました。

みさと:そこに向かっていたんですね。



金子:SNSを見てみたら、9月からキャリア初のツアーが始まっていて、ツアーに対する想いとかも書いていて。音楽で食べていきたいと思いつつ、無理かなと思って、一旦公務員になったけど、諦めきれずに音楽をやり始めて、10年くらいかかって今音楽で食べれるようになった。やっぱり夢は叶うんだと改めて思ったときに、"10年後、日本武道館でライブをするという夢に向かって歩きはじめます"と書いていて。

みさと:かっこいい!

金子:その第一歩としてツアーを始めた、そんなタイミングのリリースみたいですね。

みさと:素晴らしいですね。音楽というか、クリエイティブなことと公務員って、一番対極にある感じしませんか?ある意味、自由の象徴と安定の象徴、みたいな。その両輪で人生を送れるってすごくバランス感覚に秀でた人だと思うし、(目標は武道館と)SNSで公言する勇気と覚悟、素晴らしいですね。
今回の曲はいつもとは曲の作り方、始まりが違ったようで、"友人のメモをきっかけに書いた曲"とセルフライナーをいただいていて。突然母を亡くした友人が、誰に見せるでもなく書いたメモを私に見せてくれた。そこからスタートしてこの「冬のはじまり」という楽曲ができたようです。春夏秋冬というか、季語で感情を表現できる、そして受け取れるというのは日本語を母国語にしている、そういった感性があるからだと思います。続いて、はじめましてさんです。開始(かいし)。



金子:同じ大学で出会ったメンバーにより2023年に結成され、東京を拠点に活動するバンド。初めて聞くバンドだったんですけど、このサウンド、曲調を聴いて、ちょっとビビッときまして。これもSNSを覗いてみたら、ビンゴ。エンジニアがKensei Ogataさん。Ogataさんが録ってるSACOYANSに通じるオルタナ感とポップ感がありつつ、さらに開始は浮遊感も大事にしているということで、ザラつきがありつつ、浮遊感もあるサウンドに落とし込んでいるのが、このバンドのオリジナルな部分かなと思います。

みさと:"ギター、いいな"とか、楽器のサウンド感に耳を奪われる1曲だったなと感じています。やっぱりヒントがあったわけですね。FRIENDSHIP.の楽曲を愛してくださっている方だと、ビビッと来るんじゃないかなと思います。今回アルバムのリリースになりますので、ぜひ作品通して聴いてみてください。そんなPart-1からどうしましょう?

金子水中スピカの新曲を紹介しようと思います。

みさと:待ってました。



金子:水中スピカは今年の1月にアルバムをリリースして、そこから海外でも積極的にライブをやっていて、中国だと1000人規模のワンマンライブがソールドアウトだったり、アメリカで開催のSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)にも出ていて、今月はシドニーで開催されるSXSWにも出演が決まっていたりと、ワールドワイドに活躍している中での新曲。タイトルが「MATHRHYTHM」ということで、まさにマスロック的な変拍子、リズムの面白さが詰まっている楽曲ですね。歌詞もユニークで、文字通りマスな、数学的なところが表れているので、トータルで楽しんでもらえる作品なんじゃないかなと思います。

みさと:マスロックの変速リズムの上で歌うのって難しそうだなと思ったんですけど、この曲は途中でワルツのリズムが入り込んでいたり、〈12345〉とカウントする歌詞のおかげで、聴き手に歩み寄ってくれている感じもありました。歌詞の世界も、"同じ「今日という日」は今後訪れないことを「明日に約数はない」と表現し、私たちの日々邁進している姿も重ねています"とセルフライナーをいただいています。アルゴリズムなんて単語が出てきたりと、いろんなエッセンス、ギミックを楽しんでいただきたいと思います。

New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。さあ、はじめましてさんです。Palastleben(パラストレーベン)。

金子:Palastlebenはキノコホテルのボーカルのマリアンヌ東雲や、元PLASTICZOOMSのShinpei Mörishigeらによって2020年に結成されたバンド。別のバンドの名前からも伝わってくるように、ニューウェーブ〜ポストパンクなサウンドがかっこいいバンドですね。2020年に結成されたということはおそらくコロナ禍で、"こういう状況だからこそ好きなことをやろう"みたいな感じで始まってるのかなという感じがして、いい意味で趣味性が強く、好きなことをそのままストレートにやってる感じが気持ちいいし、好きな人には間違いなく刺さるサウンドになっていると思いました。



みさと:すごくエッジがあるし、尖っているんだけど、経歴を見れば納得のクオリティというか。そして、好きなものを突き詰めていくような音楽性で、本当にどハマりしてしまいそうな沼バンドなんじゃないかなと思います。続いて、Special Favorite Musicです。

金子:我らがサトーカンナが昨年加入して、新体制でのスタートを切っているわけですけど、今回の曲に関してはボーカルの久米くんがミックス・マスタリングまでを手がけていると。彼はSpecial Favorite Musicで活動しつつ、他のアーティストのアレンジやプロデュースでも活躍しているので、その手腕を生かして、バンド感がありつつもハウスやディスコのグルーヴ感を楽曲に落とし込んでいました。さらに今回はHomecomingsのストリングス隊のリーダーがサポート録音メンバーとして参加しているとのことで、バイオリンも入ってきて、プロダクションのクオリティの高さを感じる曲だったと思います。



みさと:ポップセンスも最強ですよね。バイオリンという"品"を象徴する楽器で、"ポップ"を演出しているというのもすごく良かった。久米さんの手腕を感じる一曲だったと思います。そんなPart-2からどうしましょう?

金子Puffの新曲を紹介しようと思います。

みさと:今回初のフルアルバムです!リリースおめでとうございます。



金子:Puffもコンスタントにリリースが続いてきましたけど、改めて紹介すると、2022年に結成された東京を中心に活動するインディーボップバンド。

みさと:そうか、まだ3年とかなのか。

金子:「1990年代以降のクラブカルチャーとロックの架け橋となる、現代的なミクスチャーロック」とあって、これまでも触れてきたThe Go! Teamをはじめ、Primal Scream、The Stone Roses、Happy Mondaysみたいな、いわゆるマンチェスターだったり、ビッグビートの系譜にあるような音。この感じを今やってる人ってあんまりいないから、世代がどれくらいかわからないなと思いつつ、アルバムの1曲目の「天使じゃん」に関しては、解説に「SOFT BALLETとかhide with Spread Beaverを想起させるようなシンセとメロディを融合」と書いてあって、「確かに!」と思いました。Puffが20代の若いバンドで、これを"新しいもの"として鳴らしているなら、積極的に推したいし、30代半ば以降の、比較的自分と世代が近い人たちだったら「やっぱりこういうのいいよね」って、思わず握手をしたくなるような、そんな感覚になりますね。

みさと:わかるわかる(笑)。世代の架け橋になっているバンドだと思いつつ、もちろんアップデート感がないわけじゃないので、そこのバランス感覚がすごく面白いなと思っています。「天使じゃん」に関してはシンセがしっかりきらめいているのに、サイケなメロと音像が退廃的な気だるさの演出にもなっていて、この2つを同居させるバランス感覚が一曲の中でも見え隠れしているかなと思います。アルバムぜひ通して聴いてみてください。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさんです。Lifeboat(ライフボート)。



金子:初めて名前を聞いたんですけど、曲を聴いたらめっちゃPavementな感じで、個人的には大好物。Studio REIMEIのShinmaさんがエンジニアをしているようなんですけど、Lifeboat自体のプロフィールの情報は少なくて、資料には"友人の言葉を真に受けてバンドを始めました。はい!日本語も話せます"と書いてあって。

みさと:どこまでが本当のやつかなぁ〜。

金子:でも本当っぽいというか、多分日本人じゃなくて、海外の人で。Studio REIMEI、ShinmaさんはTexas 3000とかにも関わってて、Texas 3000のボーカルはJojoってアメリカ人だったりするから、海外の人たちのコミュニティと接点があって、一緒に制作をしたり、そういう流れがもしかしたらできてるのかもしれない。それってすごく今っぽいし、面白いなと思うし、Lifeboatもかっこよかったです。

みさと:どこまでどう受け止めていいのか、ちょっと置いといてですけど、友人の言葉を真に受けて始めたということで、"歌上手だから、作ってみなよ"というにしてはクオリティが高すぎる。飄々と生きていながらも、すごく強いメッセージ性があるし、"未来変えてやるぜ"という勢いとか気概というより、沸々と自分の中で通奏低音のようになってる芯を持ってるタイプの人なのかなと感じられたし、そんな曲作りをしていくんじゃないかなと思います。Studio REIMEI含めて、一緒に音楽作りをサポートしている環境が整っていそう。ベース、ドラム、それぞれ募集中とも書いてあるね(笑)。どうなっていくのか掴めないところはありつつ、気になる存在です。Lifeboat、チェックしてみてください。そして、Pictured Resortは10周年のタイミングですね。



金子:今年が活動開始から10周年で、これまで作ってきた曲を合わせると100曲を超えるという中で、今回の曲が「First Million Miles」。 最初の100万マイルであり、ここからさらに次の100万マイルも目指していこうという、アニバーサリーソングになっています。Pictured Resortはちょっと前まで夏のイメージがあったと思うんですけど、前作から密室的な R&B という作風に移行していて、むしろ秋口が似合うサウンド感になってましたね。

みさと:確かに走馬灯のようにいろんな景色が見えてきたり、乗り物に乗って窓の外を見ながら聴きたくなるような、そういった秋にぴったりなサウンドスケープだなと思ったし、すごく人生を俯瞰しているような、そして10年に対して感謝の気持ちが溢れているような、素晴らしいスムースな一曲でしたね。そんなPart-3からどうしましょう?

金子OHTORA(オオトラ)の新曲を紹介しようと思います。

みさと:OHTORAもはじめましてさんです。



金子:プロフィールによると"R&B、City Pop、Funk、Alternativeな音楽を独自のアプローチでJ-POPに落とし込み、楽曲を制作しているシンガーソングライター/トラックメイカー"とのことで、ここにも書いてあるんですけど、2020年12月にリリースした「ツレナイズム」がSpotifyの台湾バイラルチャートで1位を記録し、ストリーミング総再生数100万回超えという、これ結構記憶に残ってて。今でこそ日本でそこまで知名度がなかったとしても、海外のバイラルでバズるみたいなことって時々起こるじゃないですか。でも2020年の段階ではまだすごく珍しくて、結構話題になったんですよね。そこから自身のアーティスト活動だけじゃなくて、プロデュースとかでも活躍をしてきた中で、今回はご自身のソロをFRIENDSHIP.から出してくれると。海外での活動という意味ではやはりFRIENDSHIP.とは相性がいいと思うし、音楽的なクオリティプラス、自身の作品だからこそのパーソナルな表現がしっかり感じられる楽曲になってたかなと思います。

みさと:今回の曲は"もし空が落ちてきて何もかもがひっくり返された世界に様変わりしたら"ということをテーマにされていて、声にエフェクトをかけている感じなんですが、デジタル障害が起きているような演出にも思えるし、トラックをループさせることで静かに没入させつつ、細やかな構成でドラマを生み出していらっしゃって、プロデュース業とかコライト含めてクリエイターとして求められている理由がすごく伝わってくる、素晴らしい曲だったなと思います。

番組の後半はomeme tentenがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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