SENSA

2025.06.08

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! SiNNER MOON・Jasmine High・JunIzawaほか全21作品 -2025.6.7-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! SiNNER MOON・Jasmine High・JunIzawaほか全21作品 -2025.6.7-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:6月2日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全21作品からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。はじめましてのようではじめましてではない、eru(エル)。

金子:eruさんは前に儚苑とのコラボで「Flash Back Trip」という楽曲をリリースしたことがあるんですけど、単独名義としては初めての楽曲。Project Lのプロデュースということで、Project Lというのは言葉と音楽の融合で新たな可能性を求めるプロジェクトと。eruさんはちゃんとしたプロフィールは明かされてないんですけど、モデルでもあり詩人でもある方。楽曲は英詞で歌っているし、トラックも含めすごくグローバルなポップソングという感じなんですけど、セルフライナーノーツに日本語の詩が寄せられていて。曲のタイトルは「Hear The Light」で、「内なる光を聴く」みたいな意味かと思うんですけど、詩の方は「在処」というタイトルなんですよね。言葉と音と、クリエイティブが重なり合っていく面白さがあるプロジェクトだなと思います。

みさと:アートという側面でも楽しめる楽曲作りと全体的なプロデュースを味わえるんですけど、インナーに向けた、という大きな切り口があると思います。水が落ちる音が効果的に使われているんですけど、水滴よりも重さ・質感を感じる音になっていて、表面で反射するというよりはドボッと下まで落ちるようなイメージが、さらに自分の内面に深く落ちていることを表現しているようでもあって。細かいところ1つ取っても、ご自身のプロジェクトの内面性や美意識を感じた1曲でした。とてもかっこよかったですね。



金子:(セルフライナーノーツの)詩には「水」がキーワードとして出てきたりして、これを読むとより理解が深まりますよね。

みさと:どこかで公開してほしいですね。続いて、Keeshondがアルバムリリースです。



金子:彼らは2022年に結成された4ピースバンドで、初めてのアルバムが完成。音楽的にはUSインディ、ポストロック、シューゲイザーなどがバックグラウンドにあるということなんですけど、今回の「目眩く」という楽曲に関しては、初めてフィジカルを作った『昨日をあつめて』という作品から再録した、バンドの初期からある曲とのこと。だからこそ、アレンジに関しては割とシンプルで、歌が強調された曲になっている印象です。ちょっとざらついたサウンド感と、いい意味での青さみたいな点で言うと、秀吉とかにも通じるような感覚がありました。オルタナなサウンドだけど、ちゃんと歌が届くバンドだなという印象を改めて受けましたね。

みさと:本当そうですね。初期の作品だからこそのギターロックの良さもすごく前面に出ていたし、本編はすごくポップさもありながら、イントロはオルタナティブの良さも感じられたし、自分たちのこだわりが詰まった1曲だったかと思います。そんなPart-1からどうしましょう?

金子SiNNER MOONの楽曲を紹介しようと思います。

みさと:めちゃめちゃかっこよかったですね。FRIENDSHIP.からリリースしてくれることになりました。台湾のアーティストです。



金子:台湾のラッパーですね。僕は正直、台湾のラップシーン、ヒップホップシーンはそこまで詳しいわけじゃないんですけど、新しい世代がかなり盛り上がってるみたいで、SiNNER MOONはその中でも注目を集めているラッパーと。レイジ、スクリーモラップ、ニュースクールヒップホップの要素があったり、さらにはヒップホップとメタルが融合したユニットもやってたりということで、今回の曲からも攻撃的なセンスが感じられました。日本との接点で言うと、春ねむりさんとコラボをしていて。「Old Fashioned feat. PIZZALI & SiNNER MOON & Peatle」という曲に参加してるんですけど、タイトルからもわかるように古い価値観に対してアンチテーゼを投げかけるような楽曲だったから、そういう曲に参加している時点でもメッセンジャーとしての側面がわかります。今回のタイトルも「GLOBAL WARNING」なので、世界へ向けた警報を発しているような曲で、リリックの内容正確にはわからないんですけど、メッセージ的な側面でも台湾で注目を集めていると思うから、これから日本、アジア、世界にどう広がっていくか楽しみですね。

みさと:ソリッドなラップとメッセンジャーとして社会的な発信力がすごくフィットしていたし、トラックによってよりスリリングさを増して、自分が進むべき道がすごく見えているアーティストなんだなというのを感じました。春ねむりさんと交わる側面もあり、FRIENDSHIP.からも出してくれることになったので、日本の音楽シーンにどういう影響を与えるのか。もしかしたらFRIENDSHIP.のアーティストとのコラボもあるかもしれないですね。見守っていきたいと思っています。

New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさんです、titi(ティティ)。



金子:彼女はもともと音大出身でコントラバスを専攻し、今はシンガーソングライターとしてポップスをやっていると。アレンジをbeja、ビートメイクを赤瀬楓雅と、Khamai Leonのメンバーが担当していて、やっぱりアカデミックな出自がありつつ、ポップをやっているというところで通じるものがありますね。彼女はトナリノサティという、クラシックな側面がより強く出てるポップスのユニットもやってて、それもすごく面白いんですけど、今回はソロでの1年ぶりのリリースとなる新曲。「ふぇみにん」というタイトルだし、この曲調だし、まさにフェミニンでガーリーな世界観を作っていて、FRIENDSHIP.的にはkiwanoさんとちょっと通じるような部分もありますね。自分の世界観を強く打ち出して、私らしさを確認するという意味では強さもある楽曲だなと思います。

みさと:そういう意味でもKhamai Leonと通じますね。アカデミックな畑の人たちは、クラシックや王道のスタイルをやらないと「えっ?」と異端に見られてしまうこともあるけど、Khamai Leonがゲストに来てくれたときに感じたのは、「自分たちの"好き"を貫いている」という強さ。彼女がコントラバスをやっていたと聞いて、驚くようなサウンド感でしたが、やはり「好きなものは好き」と言い続けること、それを形にすることがこの楽曲の核になっていると思います。かわいいけど強い曲。続いて、petalhead。



金子petalheadも今年初のリリース。petalheadは英詞のイメージが強くて、欧米のインディポップっぽさを感じるけど、今回は初の全編日本語詞の楽曲で、そうなるとはっぴいえんどとか日本のポップスの感じがすごく出ていて。もともとはっぴいえんどもルーツにあるのはアメリカのフォークロックとかだったりするから、ある種先祖帰りみたいな感じもするし、でもそこにシンセだったり、現代的なアレンジ・サウンドをくっつけることで、ちゃんと今に着地していて。そういう意味では、えんぷていとかにも通じるような感じがしました。

みさと:セルフライナーノーツでは、"果実って、私の中では豊かさの象徴。自然に実って、熟して、自分のタイミングでやってくる。でも、焦るとまだ固くて、少し苦い"とあって、まさにですよね。実るまでゆっくり時間を待つ、焦らず今を味わうようなサウンド感、ゆったりとトロピカルな雰囲気を味わわせてくれるサウンド感にどんな言葉が乗っているのか、ぜひ聴いていただきたいですね。そんなPart-2からどうしましょう?

金子Jasmine Highの新曲を紹介しようと思います。

みさと:これまたいい曲。



金子:Jasmine Highも2023年の末以来、ひさしぶりのリリース。改めて紹介すると、ボーカリストのミミコとクロエからなるユニットで、クロエさんはパジャマで海なんかいかないのボーカリストとしてもお馴染みだったわけですけど、まあ2人の歌が素晴らしいですね。

みさと:すごいよ。

金子:トラックもいいんですけど、それ以上にこの2人の歌声、ハーモニー、掛け合いがやっぱり素晴らしい。Jasmine Highというユニット名で、"音楽のティーパーティーに招待する"というコンセプトがあり、今回は"chamomile"と"miles away"を足して、「Chamomiles Away」というタイトル。ちゃんとコンセプトが一貫してることも伝わってくるし、良かったですね。

みさと:ソロでも実力を持った2人が一緒に声を重ねるとこんなに迫力が出るんだなと。コーラスってメインを盛り上げるための脇役と思いがちなんですけど、この楽曲はコーラスあってこそだし、デュオの魅力が存分に表れている。レイヤーがすごいですね。堪能してください。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさんです、Apo:ism

金子:Apo:ismは東京でシンガーソングライターとして活動するカトキノさん、札幌で活動するShizuka Kanataさん、そして、東京のレコーディングエンジニア・Ojjyがサポートして完成するスタイルのユニットと。

みさと:いいですね。この時代だからこそ、それぞれどこにいても1つになる分業感。



金子Shizuka KanataさんはFRIENDSHIP.からソロも出してるし、sleepy.abの山内くんとかと一緒にWarashandもやってたり、かなり活発にいろんなユニットやグループをやってますけど、Apo:ismに関してはカトキノさんのボーカルをフィーチャーして、Billie Eilishにも通じるようなダークポップ的な世界観。曲タイトルも「Stupid 愚」だし、歌詞も結構強烈な、インパクトのある言葉選びになっていて、この組み合わせだからこそできる作品という印象がありました。

みさと:すごく表現力のあるボーカリストだなという印象と、辛辣なリリックをより尖らせるトラックや音の使い方はShizuka Kanataさん、そしてOjjyさんだからこそ成せる技なんだなと。ユニットである意味も感じられつつ、個性が際立って、それぞれの良さも全面に出ていた作品だと思います。続いて、vitaruun。アルバムリリース、おめでとうございます。



金子:vitaruunは結成1年で13曲が完成し、その全てを詰め込んだファーストアルバム。

みさと:すごいな〜。

金子シナリオアートのドラム・Kumikoさんと、元MoccobondでORESKABANDやmekakusheなどのサポートもしているキーボードのAmanaさんのユニットですけど、それぞれの活動とはまた違う、この2人だからこその作品になっています。レトロフューチャーをキーワードに挙げているので、まさにその感じが伝わってくるし、「fofo」に関しては、初めて全編英詞にチャレンジした楽曲と。さっきのpetalheadはずっと英語でやってて、日本語詞にトライしたという話でしたけど、vitaruunは初めての英語詞で、日本語も英語も関係なく、自由に横断している感じも今だなって思ったりしますね。

みさと:言語が持つ印象であったりとか、それにフィットするトラックであったりサウンド感があるんだなと思いました。「fofo」は"かわいい"という意味のポルトガル語から展開されている世界観と伺っているんですけど、英語詞だからこそ伝えたい気持ちであったり、英語特有の韻の踏み方であったり、そういったところに注目して聴いていただきたい1曲だったかと思います。そんなPart-3からどうしましょう?

金子JunIzawaの新曲を紹介しようと思います。



みさと:Izawaさん、本当は何人いるんですかー?

金子:めっちゃ曲リリースしてますよね(笑)。

みさと:しかも今回一緒にやってるのが(miidaの)マスダミズキちゃんです。

金子:FRIENDSHIP.キュレーター・コンビなんでね。

みさと:キュレーター楽曲(笑)?

金子:そうそう。これは紹介しないわけにはいかないですよね。

みさと:本当ですね。この前、たまたまキュレーター会議後にIzawaさんがずっと残ってるところに鉢合わせして、"次の新曲「JENGA」なんだよね"と言って、ジェンガを持ってました(笑)。

金子:持ってたんだ。

みさと:おもちゃのジェンガを持って、どこかで写真を撮ろうとしてました。まさかミズキちゃんと一緒にやるとは。

金子:この曲もまさに"この2人だからこそ"という曲になっていて。基本的にはループが気持ちいい曲ではあるんだけど、間奏の今にも崩れそうなパートはまさにジェンガ的なスリリングさをすごく感じさせます。そこに乗るミズキさんの歌も英語詞なので、今週はオンエアする曲に日本語が1曲もないという。

みさと:あれ(笑)!?すごいグローバル。

金子:多分初めてかもしれないですよね。

みさと:初めてだと思います。

金子:miidaでは基本日本語で歌っているけど、今回は英語だからこそのニュアンスが出てるし、音像的にもちょっと汚した音像になってるから、それによってオルタナ感も増してるし、やっぱりこの組み合わせだからこそ生まれた1曲という感じはすごくしましたね。

みさと:ジェンガは壊れてしまったらまた自分で1から組み立てるわけで、そういう破壊と再生が本当によく出ていて。ミズキちゃんからコメントをいただいているんですけど、"制作を進める中でベースラインがガラリと変わった瞬間があり、びっくりした"と。"掴めたと思ったらするりと逃げてしまいそうなIzawaさんの尻尾をなんとか掴みたい一心で歌を入れさせていただきました"といただいています。制作の過程も破壊と再生を繰り返しながら、どこまでも追い詰めていく探求心、それを楽しんでいる側面、スリリングさ、快感を1曲にパッケージングされていて、本当に素晴らしい。ドキドキしながら新しい一面を味わっていただけると嬉しいです。

番組の後半はTAMTAMがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

気になるタグをCHECK!