SENSA

2025.03.23

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!中島涼之介・光学・KASVEほか全24作品 -2025.3.22-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!中島涼之介・光学・KASVEほか全24作品 -2025.3.22-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!


New Release Digest Part 1


みさと:3月17日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全24作品の中からPart-1、ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。kiwanoちゃん、おひさしぶりですね。

金子:そうですね。かなりガーリーで、kiwano節全開な感じの曲でした。今回の作品は変身をテーマに作られた楽曲で、恋を進めることも手放すこともできずに足踏みをしている子を応援できたら、という気持ちが込められた一曲。変身がテーマだけに魔法少女の変身シーンで流れるような可愛い音をkiwano史上最大限に詰め込んだ聴くタイプの魔法、とのことです。魔法少女はガーリーな楽曲にはよく出てくる象徴的なモチーフの一つだと思うので、それをこのサウンド、歌声でも表現していて、非常にkiwanoさんらしい曲だなと。



みさと:「聴くタイプの魔法」を作るのはkiwanoさんお上手ですよね。以前発表した「コンパクトミラー」もまさに"テクマクマヤコン"みたいな印象だったし、辛い時期でもトロピカルでキュートで可愛いプリンセスのようなサウンドでどっぷり私を主人公にしてくれるこの歌詞、世界観というのは救われる女の子たちが多いと思います。続いて、Khamai Leonもリリースです。

金子:前作の「meteor」はかなり音数の多い攻撃的な一曲だったわけですけど、今回の「セゾン」に関しては逆に音数を絞っていて、歌が前に出ている楽曲。こういう曲を聴くと、ちゃんとポップスとして広く届けようという姿勢が感じられますよね。中盤のラップパートは結構アグレッシブな側面もあったり、ちゃんと"らしさ"も入れつつ、でもこういうミドルバラード的な曲もしっかり書けるというのはこのバンドの強みを改めて示しているなと感じました。



みさと:前作と聴き比べるとすごく面白いですし、Khamai Leonの楽曲はいつも実験的なように感じられるのに、実験段階とは思えないアカデミックなクオリティの高さというのが必ずアウトプットされていて、毎作痺れますね。そんなPart-1からどうしましょう。

金子中島涼之介さんの新曲を紹介しようと思います。

みさと:福岡で活動中の中島涼之介さん、今回アルバムリリースです。

金子:22曲入りという。

みさと:なかなかないですね。22曲入ってるアルバムって。すごいです。

金子:僕は中島涼之介さんをこの番組を始めてから、福岡のアーティストということで知って、最初はソフトな歌を歌う方という印象から入ったんですけど、いろんな曲を知っていく中で、この人はいい意味でやばい人なのかもしれないと思うようになって(笑)。

みさと:同感です。徐々に印象変わりましたよね。

金子:そのいい意味でのヤバさが今回アルバムという形で現れていて、22曲入りの異端的なラブソング集という壮大なコンセプトアルバムで、22曲すべてがラブソング。全体が愛と恋というモチーフで貫かれていて、時代を超えて色褪せない普遍的な作品を目指した、ということで。ご本人のコメントで「意図的に刻むデジタルタトゥーでもある」という言い方をしていて、振り切った表現というのは今の時代だと黒歴史、デジタルタトゥーみたいな感じになったりするんだけど、それでも振り切って自分というものを突き詰めた作品だと。
『ロリータ・コンプレックス』というタイトルで、1曲目が「人間嫌いな女の子」。このソフトで中性的なボーカルからは中島涼之介さんの魅力が改めて伝わってきますよね。先行で配信してた曲で女性ボーカルをフィーチャーしてたから、アルバム全体がそういうコンセプトだったりもするのかな?とか思いつつ、実際聴いて、「あれ?これも女の人かな?」とちょっと思うぐらいの声質はやっぱり中島涼之介さんのシグネチャーになっているなと。22曲聴くと本当にいろんなタイプの曲が入っているので、じっくり向き合って聴いてみてほしいなと思いました。

みさと:やはり彼の中性的な声がスペシャルなので、「人間嫌いな女の子」というテーマを彼がこの声で歌う、性別を飛び越えた着地点が素晴らしいですし、「女の子」と表現しなくてもいいのかもしれないですけど、恋愛であったり、こういうタイプの人と向き合うときの言葉の選び方という面白さも詰まっています。長らく聴かせてもらってきましたが、今作一番好きかもしれない。曲数が多いというのもあるかもしれないですけど、成長率を味わわせていただいているなと思っています。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。こちらははじめましてさんです。Beachside talks

金子:彼らは2017年に大学の軽音サークルで知り合い、結成されたシューゲイズドリームポップバンド。当時は相対性理論やHump Back、yonige、チャットモンチー、きのこ帝国、For Tracy Hydeなどをカバーしていたというのが今のバンドだなという感じです。
2022年にデジタルシングル「海辺の話」の配信を皮切りに活動を本格化させて、今回が初めてのフルアルバムと。"親友をなくし、心の傷を負った青年がイマジナリーフレンドを通じて成長していく様子を描いたコンセプトアルバム"とのことで、中島涼之介さんのアルバムもコンセプチュアルでしたけど、やっぱりアルバムとなるとしっかりコンセプトを固めた作品が増えてきた印象です。さらに言うと、この作品のエンジニアは最近よく名前が出てくるKensei Ogataさん、雪国とかエスキベルとかSACOYANSとかにも関わっている方が担当していて、シューゲイザーやドリームポップを軸にしつつも、より幅広いサウンド、ジャンル感、R&B、UKガラージ、グランジからポストパンクなど、様々なサウンドが織り交ぜられていると。Laura day romanceとかとも比べて聴けたりするような、良いバンドだなと思いました。



みさと:小説のように1ページ目からめくっていって、最後どうなっていくかというコンセプト的な作品が好きな方はフィットすると思いますし、後半のコーラスすごいですよね。すごく気持ちいいので、ぜひ聴き込んでいただければと思います。

金子:「sign」はアルバムの最後の曲なので、アルバムを通して聴いたら、また聴こえ方が変わってきたりすると思います。

みさと:続いて Barbara



金子:去年の12月にずっとサポートだったリズム隊が正式メンバーになって、新体制での一発目。「Night Walk」というタイトル通り、夜の散歩をイメージしている曲と。曲調的には"バケーションディスコ"という言葉を掲げている彼ららしいディスコティックな曲なんですけど、モチーフになっているのは夜の散歩で、サカナクションの「アルクアラウンド」という曲があったりしますけど、クラブの熱狂的な盛り上がりと、その一方で外を歩いて、ちょっと静かなんだけど、ヘッドホンをしながらその熱気を思い返しているのか、音に浸っているのかという、その対比が非常に印象的。湧き上がってくる熱量と、静かに染み込んでいくような感覚と、両方の要素を兼ね備えた1曲になっていました。

みさと:"街のクラブで踊った帰りや友達とお酒を飲みながら話した帰りに、あえて歩いて帰るというところを選んでいる"と作品について書いてあるんですけど、私もよくやっていて。でも一緒に帰る人って、仲の良い友達としか歩いて帰れない。はじめましての人と1時間2時間は...楽しい帰りであっても、あまり機会がないじゃないですか。だからこそ、ガヤガヤしたところの高揚感とかお酒がまだ残っている足取り軽やかな感じが残りつつも、大切な人、大切な仲間とそういう状況だからこそ話せる言葉とか、自分の中から湧き立ってくる単語って、過去を振り返っても毎回あったなと思う。すごく楽曲とリンクするところがたくさんあって、共感度が高い1曲でした。夜だからこそ湧き立ってくる想いであったり、そんなところを想像しながら聴いてみてほしいです。そんなPart-2からどうしましょう?

金子光学の新曲を紹介しようと思います。



みさと:坂道系のアイドルが歌ってそう。

金子:あー、なるほど。

みさと:"坂道"なんですよ!ちょっと文学的な感じしますよね。光学だと知ってびっくりしちゃった(笑)。

金子:48じゃなくてね。

みさと:そう!48じゃないんですよね。46の方じゃないですか?

金子:わかる気はします。光学を改めてご説明させていただきますと、プロデューサーユニットでして、今回から新しくJAWZZ、Gimgigamが加わってのEP。毎回作品ごとにフィーチャリングを迎えていて、今回は諭吉佳作/menを迎えていると。EP自体は5曲入りで、それぞれがプロデュースした4曲、プラスアルファでもう1曲という構成になっているんですけど、今回の「Barrel」という曲に関してはJAWZZがプロデュースで、確かにアイドルっぽさは感じます。そもそもJAWZZは"オリーブがある"というユニットもやってて、オリーブがあるはシティポップをまず自分たちで作って、それをセルフサンプリングして、ヴェイパーウェイヴとかフィーチャーファンクを作る、みたいな人たちなんですよ。

みさと:すごく手間暇かかってますね。

金子:昔のシティポップとかを使いたいんだけど、著作権の問題があるから、だったら自分たちで作っちゃう、みたいな。そういう発想でやってる面白いところがあって、今回がその作り方でやってるかどうかはわからないんだけど、そういう発想がもともとある人。だからこそ懐かしさもあるし、新しさもある楽曲を作るのが得意なイメージで、アイドル的なイメージというのも多分そういうところから来てる気がする。あとは諭吉佳作/menのボーカルがね、曲ごとにプロデューサーが違う分、いろんな曲調が入ってるんだけど、それに合わせての歌い分けがすごくて。この曲はそれこそアイドル感があるような歌い方もできるという、諭吉佳作/menのすごさも同時に感じる作品でした。

みさと:本当ですね。表現力もすごいし、トラックであったりサウンドの洗練さもある。もちろんアイドルが歌ってもフィットするけど、アイドルじゃなくてもフィットするような。これを男性ボーカルとかもっと声の太めな人たちが歌ったとしても、もっとスタイリッシュな形に聴こえてくるだろうなと想像が膨らまされるような、そんな一曲になっていて。楽曲自体のクオリティの高さと力を感じる1曲でした。ですが!やっぱり46に歌ってほしい(笑)。楽曲提供とかも素晴らしいでしょうね。

金子:全然できると思いますね。

みさと:活動を応援してます。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。まずはマジカルチョコミントクラブ

金子:アルバムが完成しました。



みさと:おめでとうございます!

金子:おめでとうございます。彼らは2023年に大学内で結成した3ピース。東京・下北沢を拠点に活動していて、新鮮だがどこか懐かしさを感じるようなバンドサウンドを特徴とするバンドと。ボーカルの櫻井くんからのコメントがあって、"僕が18歳でバンドを結成して以来、書き溜めてきた楽曲を13曲に絞り込みました。
それぞれの曲には自分自身の成長や変化が反映されています。音楽の中で僕が大切にしたのはロックの優しさと爆発力です。そのバランスが僕の思う本当のロックです"とのことで、まさに優しさと爆発力を兼ね備えた13曲が入っていて、1曲目は特に爆発力が感じられる曲。なおかつベースがずっとループで、ちょっとサイケな爆発力のある曲ですよね。まだ若いバンドなわけですけど、こういう曲を1曲目に持ってくるあたりは玄人好みな感じもあって、若さと渋さも持っているし、優しさと爆発力も持っている。いい意味でいろいろな二面性が散りばめられてるアルバムでもあって、新鮮に聴きました。



みさと:18歳でバンドを結成したというところから、"初期衝動"っていうワードも頭に浮かぶと思いますし、その爆発的な初期衝動プラス、こだわりであったり、ご自身たちがどういうふうにバンドをやっていきたいのか、その方向性も初期からあったんだなと感じられる。あと"13曲に絞り込んだ"というワードが気になるじゃないですか。きっとまだまだストックがあったり、ライブだけでやってる曲もあるのかなと想像させる一言だったので、これからの活動に期待です。続いて、KASHIKOI ULYSSESもアルバムリリースです。



金子:こちらは2作目で、もともと2010年に結成されたバンドなのでキャリアは長いんですけど、コロナ禍を経て、2022年から今のメンバーになっているので、ご本人の意識としてはこれが改めてのファーストアルバムみたいな気持ちもあると。そういう意味では、2010年結成ではあるけど、それこそ2度目の初期衝動みたいなものが詰まっているアルバムという言い方もできるのかなと。で、KASHIKOI ULYSSESの場合はローファイ感のあるサウンドを特徴としつつ、サックスが入っているところはすごく印象的。それが楽曲の風景描写をより高めている印象があって、「SAdMISHISA」というタイトル通り、いい寂しさに深く潜らせてくれるような1曲という感じがしました。

みさと:寂しさを擬人化して、その対話の中でできた歌と伺ってるんですけど、『インサイド・ヘッド』的じゃないですか?擬人化した途端に寂しさという感情が愛しくなるなと感じさせてもらいました。あとは厚武さんがおっしゃったように、管楽器、サックスが入るってすごく特別なことだと思うんですけど、それが特別すぎず、"通常です!"みたいな演出ができるのもこのバンドの良さ、持ち味だなと感じました。"わ!サックス入ってきた!びっくり!"という感じにならない、地続きな感じ、一つのバンドでやってるんだなという感覚にさせてもらえます。そんなPart-3からどうしましょう?

金子KASVEの新曲を紹介しようと思います。

みさと:KASVE、はじめましてさんです。



金子:こちらはSOUND SHOOTERとして活躍するライブカメラマンの橋本塁さん、バンド好きな人だと有名なカメラマンの方ですけど、その橋本塁さんがコロナ禍のときにライブ撮影がすっかりなくなってしまった中で、"人生で一番何がやりたかったか?バンドだ!"と思い立って結成したバンド。ボーカルがBiSでも活動していたことのあるAyanaさんで、ドラムにcinema staffのクノヨウヘイくん、ギターに元Kidori Kidoriのマッシュくん。
カメラマンとしてずっとバンドを追いかけてきた方なので、バンドマンの知り合いも多く、そういう人たちを集めていて、さらにASPARAGUSの渡邊忍さんがプロデュースと。橋本塁さん自身はミュージシャンとしてずっとやってきたわけではないけど、この参加メンバーからしてもクオリティは保証されているという感じがする。「ちょっとちょっと」はポストパンクっぽいサウンド、歌詞も含めて非常にキャッチーで、ついつい口ずさみたくなる一曲ですよね。本業が他にある人たちが集まっているバンドではあるんだけど、逆にそうやって楽しんでやったバンドが意外と盛り上がっちゃう、みたいなことはこれまでの歴史を見ても結構あったりするので、「あれ?いつの間にか人気出ちゃったぞ?」みたいなこともあり得るバンドな気がしますね。

みさと:そう思います。日本人のDNAに刻まれたあのリズム感も好きと言わしめる、手を挙げたくなるような楽曲感でしたし、通奏し続けるドラムに印象的なベースラインとギターリフがそれぞれ際立っていて、悩む暇もないまま、体だけが揺れるような没入感ある1曲だったと思います。ライブハウスで聴きたくなりますね。

金子:で、橋本塁さんを撮ってあげてほしいですね(笑)。

みさと:橋本塁さんが撮られる側に!これはちょっとレアですね。でも、そんな未来も近いと思いますので、ライブの情報があったらまたお伝えしようと思います。

番組の後半はBroken Kangarooがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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