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2025.02.27

Enfants、満員のLIQUIDROOMに刻んだ渾身の存在証明。東名阪ワンマンツアー「A Revolution From My Bed」初日をレポート
2月22日(土)、Enfantsの恵比寿LIQUIDROOM公演が敢行された。この公演は、東名阪ワンマンツアー「A Revolution From My Bed」の初日にあたるもの。この記事では、今回のツアーで披露される一部の楽曲に触れつつ、ツアーの熱き口火を切った初日公演の模様をレポートしていく。

チケットはソールドアウト。開演前の満員のフロアには、緊張感と期待感が入り混じるような熱気が満ちていた。ライブ序盤において鮮烈なインパクトをもたらしたのが、1月にリリースされた現時点における最新曲「Dying Star」だった。白いライティングが激しく明滅する中、退廃的なムードが会場を覆い、次第に、4人が放つ狂おしく昂る熱烈なフィーリングが沸々とフロア全体へと伝播していく。まるで、オルタナティブの極北を追求したような極めてエッジーな楽曲で、4人のライブパフォーマンスは壮絶な緊張感を放つものではあったが、観客は、その獰猛なグルーヴに身を委ねるようにして、ゆっくりと身体を揺らしていた。その後、松本大(Vo.&Gt.)は、「調子どう、東京!」「最後までどうぞよろしく!」と呼びかけながら、目の前の一人ひとりの観客とのライブコミュニケーションを全力で謳歌していく。前半戦におけるハイライトの一つとなったのが、「デッドエンド」。不安も、迷いも、葛藤も、そして絶望さえも力強く抱えながら、暗闇の中を豪快に突き進んでいくような圧巻のパフォーマンス。観客も、ただただ圧倒されるばかりではなく、負けじと拳を突き上げ、声を重ねながら、疾走感溢れるバンドのパフォーマンスに懸命に伴走していく。なんて熱い展開なのだろう。


「ありがとうございます。」「精一杯やれるだけやるんで、できるだけ楽しんで帰ってください。」「最後までよろしく。」最初のMCパートで松本が手短に語った後も、次々と渾身のオルタナティブロックが放たれていく怒涛の展開が続く。目の前の壁を全てなぎ倒すようにパワフルに進撃していく楽曲があれば、一方で、静と動のコントラストが際立つドラマチックな展開の楽曲もある。それら全てに共通しているのは、4人のライブパフォーマンスが全身全霊であること。それぞれの楽曲を通して、自分たちの存在意義をLIQUIDROOMに深々と刻み付けていくような並々ならぬ気迫を全編から感じた。何より、松本が誇るロックボーカリストとしての力にダイレクトに触れ続ける中で、何度も何度も胸を打たれた。まるで、魂の震えそのもののように響く彼の歌は、理屈抜きで聴く者の心を震わせる魅力と威力を誇っている。言葉にならない想いを宿したロングトーンやフェイクも圧巻で、音源を聴く時とは似て非なる壮絶なライブ体験が最初から最後まで続いた。


そして、松本、大屋真太郎(Gt.)、中原健仁(Ba.)、伊藤嵩(Dr.)がそれぞれのサウンドを容赦なく真正面からぶつけ合うことによって生まれる熱烈なバンドアンサンブルは、まるで巨大な生命体が躍動するかのようなスリリングさを帯びていて、全編、目を離せない一瞬一瞬の連続だった。また、中盤のMCで、松本が、自分たちのことを不器用なバンドと形容しつつ、言葉ではなく音で語るバンドであると語っていたが、その説明のとおり、歌い届けられる歌詞の意味を超えた深みや重みが、4人の渾身のバンドサウンドを通して心にまっすぐ響いてきて、これこそがライブの醍醐味であると幾度となく感じた。



別のハイライトのひとつとなったのが、「Kid Blue」。快活なエイトビートを推進力にして高らかに響き渡る勇壮な歌のメロディ。それに呼応するように、観客は何度も懸命に拳を突き上げていく。間奏では、松本がコードを激しく掻き鳴らしながらステージの縁ギリギリまで繰り出しつつ最前列の観客とのコミュニケーションを深め、そして、大屋が渾身のギターソロを炸裂させていく。他にも、たくさんのハイライトとなるシーンがあったが、松本の絶唱とも呼ぶべき全身全霊の歌声と大屋のギターソロによって、フロア全体の高揚感と一体感のピークがさらに更新されていった「Play」には、特に胸が熱くなった。


最後のMCパートで、松本は、「個人的な話」と前置きをした上で、前身バンドにあたるLAMP IN TERRENの活動を終了した場所であるLIQUIDROOMに再び立てたこと、かつ、Enfantsとして満員の観客の前でこの日を迎えられたことの感慨を語った。そして、目の前の一人ひとりの観客に向けて、「愛してるぞ!」「まだまだ夢見てたいです。どうぞよろしくお願いします。」と伝えた後、温かな親密さを感じさせる歌と演奏をもって残りの楽曲を披露し、この日のライブを鮮やかに締め括ってみせた。総じて、ロックの核心に直で触れるような壮絶な体験が続く、とても痺れるライブだった。3月の大阪公演、名古屋公演に参加する人は、ぜひ、余すことなく体感し尽くしてほしい。
文:松本侃士
撮影:小田部 伶

Enfants「Dying Star」
2025年1月29日(水)
Format:Digital
Track:
1.Dying Star
試聴はこちら
大阪・BIGCAT
2025年3月2日(日)
愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
いずれも16:00 OPEN / 17:00 START
チケット:前売一般¥4,500 / 学割¥3,000 / 当日¥5,000(いずれも別途入場時1ドリンク代必要)
https://eplus.jp/enfants/
@enfants_jp
@enfants_jp

チケットはソールドアウト。開演前の満員のフロアには、緊張感と期待感が入り混じるような熱気が満ちていた。ライブ序盤において鮮烈なインパクトをもたらしたのが、1月にリリースされた現時点における最新曲「Dying Star」だった。白いライティングが激しく明滅する中、退廃的なムードが会場を覆い、次第に、4人が放つ狂おしく昂る熱烈なフィーリングが沸々とフロア全体へと伝播していく。まるで、オルタナティブの極北を追求したような極めてエッジーな楽曲で、4人のライブパフォーマンスは壮絶な緊張感を放つものではあったが、観客は、その獰猛なグルーヴに身を委ねるようにして、ゆっくりと身体を揺らしていた。その後、松本大(Vo.&Gt.)は、「調子どう、東京!」「最後までどうぞよろしく!」と呼びかけながら、目の前の一人ひとりの観客とのライブコミュニケーションを全力で謳歌していく。前半戦におけるハイライトの一つとなったのが、「デッドエンド」。不安も、迷いも、葛藤も、そして絶望さえも力強く抱えながら、暗闇の中を豪快に突き進んでいくような圧巻のパフォーマンス。観客も、ただただ圧倒されるばかりではなく、負けじと拳を突き上げ、声を重ねながら、疾走感溢れるバンドのパフォーマンスに懸命に伴走していく。なんて熱い展開なのだろう。


「ありがとうございます。」「精一杯やれるだけやるんで、できるだけ楽しんで帰ってください。」「最後までよろしく。」最初のMCパートで松本が手短に語った後も、次々と渾身のオルタナティブロックが放たれていく怒涛の展開が続く。目の前の壁を全てなぎ倒すようにパワフルに進撃していく楽曲があれば、一方で、静と動のコントラストが際立つドラマチックな展開の楽曲もある。それら全てに共通しているのは、4人のライブパフォーマンスが全身全霊であること。それぞれの楽曲を通して、自分たちの存在意義をLIQUIDROOMに深々と刻み付けていくような並々ならぬ気迫を全編から感じた。何より、松本が誇るロックボーカリストとしての力にダイレクトに触れ続ける中で、何度も何度も胸を打たれた。まるで、魂の震えそのもののように響く彼の歌は、理屈抜きで聴く者の心を震わせる魅力と威力を誇っている。言葉にならない想いを宿したロングトーンやフェイクも圧巻で、音源を聴く時とは似て非なる壮絶なライブ体験が最初から最後まで続いた。


そして、松本、大屋真太郎(Gt.)、中原健仁(Ba.)、伊藤嵩(Dr.)がそれぞれのサウンドを容赦なく真正面からぶつけ合うことによって生まれる熱烈なバンドアンサンブルは、まるで巨大な生命体が躍動するかのようなスリリングさを帯びていて、全編、目を離せない一瞬一瞬の連続だった。また、中盤のMCで、松本が、自分たちのことを不器用なバンドと形容しつつ、言葉ではなく音で語るバンドであると語っていたが、その説明のとおり、歌い届けられる歌詞の意味を超えた深みや重みが、4人の渾身のバンドサウンドを通して心にまっすぐ響いてきて、これこそがライブの醍醐味であると幾度となく感じた。



別のハイライトのひとつとなったのが、「Kid Blue」。快活なエイトビートを推進力にして高らかに響き渡る勇壮な歌のメロディ。それに呼応するように、観客は何度も懸命に拳を突き上げていく。間奏では、松本がコードを激しく掻き鳴らしながらステージの縁ギリギリまで繰り出しつつ最前列の観客とのコミュニケーションを深め、そして、大屋が渾身のギターソロを炸裂させていく。他にも、たくさんのハイライトとなるシーンがあったが、松本の絶唱とも呼ぶべき全身全霊の歌声と大屋のギターソロによって、フロア全体の高揚感と一体感のピークがさらに更新されていった「Play」には、特に胸が熱くなった。


最後のMCパートで、松本は、「個人的な話」と前置きをした上で、前身バンドにあたるLAMP IN TERRENの活動を終了した場所であるLIQUIDROOMに再び立てたこと、かつ、Enfantsとして満員の観客の前でこの日を迎えられたことの感慨を語った。そして、目の前の一人ひとりの観客に向けて、「愛してるぞ!」「まだまだ夢見てたいです。どうぞよろしくお願いします。」と伝えた後、温かな親密さを感じさせる歌と演奏をもって残りの楽曲を披露し、この日のライブを鮮やかに締め括ってみせた。総じて、ロックの核心に直で触れるような壮絶な体験が続く、とても痺れるライブだった。3月の大阪公演、名古屋公演に参加する人は、ぜひ、余すことなく体感し尽くしてほしい。
文:松本侃士
撮影:小田部 伶
RELEASE INFORMATION

Enfants「Dying Star」
2025年1月29日(水)
Format:Digital
Track:
1.Dying Star
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
Enfants One Man Live "A Revolution From My Bed"
2025年3月1日(土)大阪・BIGCAT
2025年3月2日(日)
愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
いずれも16:00 OPEN / 17:00 START
チケット:前売一般¥4,500 / 学割¥3,000 / 当日¥5,000(いずれも別途入場時1ドリンク代必要)
https://eplus.jp/enfants/
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オフィシャルサイト@enfants_jp
@enfants_jp