SENSA

2025.02.26

フレデリック、武道館一丸の歌声とともに響いた不屈の進化とその先への決意。 4年ぶり、2度目の日本武道館ワンマンライブレポート!

フレデリック、武道館一丸の歌声とともに響いた不屈の進化とその先への決意。 4年ぶり、2度目の日本武道館ワンマンライブレポート!

フレデリックのワンマンライブ「FREDERHYTHM ARENA 2025 CITRUS CURIO CITY -TOKYO NIGHT CRUISING-」が2025年2月24日、東京・日本武道館にて開催された。

兵庫・神戸ワールド記念ホール(2月11日)、東京・日本武道館(2月24日)の2会場で行われたアリーナ公演「FREDERHYTHM ARENA 2025 CITRUS CURIO CITY」の東京公演となるこの日のライブは、フレデリック自身4年ぶり・二度目の武道館ワンマン公演でもあった。
前回の武道館公演を2021年のコロナ禍の下、観客数のみならず歓声や合唱も制限された中で迎えた彼らにとって、フルキャパシティの武道館のオーディエンスと全力で共鳴し合った今回のワンマンライブは、フレデリックの音楽の輝度と強度を改めて「今」に示す、圧巻のアクトだった。

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昨年11月リリースの最新ミニアルバム『CITRUS CURIO CITY』にちなんで、舞台両袖に胴作品のアートワークの街並を再現したセットが設えられたステージに、割れんばかりの拍手と大歓声が降り注ぐ中、三原健司(Vocal & Guitar)・三原康司(Bass)・赤頭隆児(Guitar)・高橋武(Drums)の4人が登場。「フレデリック、始めます」という健司の言葉とともに「オンリーワンダー」へ流れ込むと、ソールドアウト満員の客席には熱いクラップが鳴り渡り、ボーカルパートを観客に委ねる健司に応えて会場一面の大合唱が湧き起こる。武道館の広大な空間は、開演早々からクライマックス級の高揚感に包まれていった。そんなオーディエンスの歓喜の渦は「CYAN」「飄々とエモーション」と曲が進むごとに高まりを見せていく。

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「飄々とエモーション」の最後、会場一丸のコーラスを一身に受けながら舞台中央の花道へと進み出た健司。「フレデリック2回目の日本武道館公演、ありがとうございます! 上から声が降ってくる感覚は初めてですね」と感慨を口にしつつ、「でも、感謝を伝えられるほど、みんなまだ声出してないなあって」とファンを挑発するように語りかけると、オフマイクで武道館の隅々にまで届く絶唱を突き上げてみせる――。そんな渾身の名場面が、場内のコーラスをさらに加速度的に過熱させていった。「最高! マジ最高! 最高の一日になりそうです」と話す健司の表情にも万感の想いが滲む。

「2009年に結成して、もう16年ぐらいバンドをやっていますが、その間ずっと『自分たちの音楽が一番、紛れもなくかっこいいな』と思ってるし、ずっとずっと進化することを大事にしてきた。だから、今が一番かっこいいフレデリックです。どんな音楽の思い出があろうとも、全部今の、一番かっこいいフレデリックが塗り替えるんで。今日は俺らに任せてください」
そんな健司の言葉とともに歌い始めたのは「名悪役」。〈思い出にされるくらいなら二度とあなたに歌わないよ〉......4年前の初武道館の際、新曲として演奏されたこの曲が、フレデリックのさらなる挑戦への決意を示すように、ひときわ力強く響き渡った。

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「ご自分の幸せは、ご自分で勝ち取ってください!」というコールから、『CITRUS CURIO CITY』の収録曲「Happiness」を披露した後、フレデリックの楽曲群をライブならではのノンストップ・リミッックスに仕立てた「FRDC Remix」コーナーへ。「ひとときのラズベリー」を終え、軽快なカッティングを繰り出す赤頭にスポットライトが当たっていたかと思いきや、次の瞬間にはシンセベースを弾く康司とドラムを叩く高橋の姿は花道の上に高く迫り上がっている。そこに健司と赤頭が加わると、花道全体が大きなお立ち台のようになって、アリーナの中央に4人が高々と浮かび上がったような状態になる。この花道は縦に4つのブロックに分かれて上下動するようになっており、「ナイトステップ」では文字通り花道にステップを作り出したり、「PEEK A BOO」では波打つようにリアルタイムで上下したり......といったアリーナ公演ならではの大仕掛けも、4人の熱演と相俟って、刻一刻とライブを盛り立てていく。
「Wanderlust」や「LIGHT」、「されどBGM」などアグレッシブなナンバーが、クールかつハイパーなクラブアレンジで展開された後、「Wake Me Up」では会場一面のジャンプとダンスの輪を描き出し、「スパークルダンサー」では客席が揺れるほどの躍動感を生み出していった。

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「19歳ぐらいの時に、康司と実家で『なんかおもろいバンドやりたいな』って話してて――」
MCのパートになると、健司がバンド結成当時を振り返ってしみじみと語り始める。「俺も専門学校に通ってて、『マジでプロになってやる!』ぐらいの気持ちで音楽やってる友達もたくさんいたし、曲を作れる人もたくさんいましたが......私は思いました。康司が作る曲が一番かっこよくて、素敵で、この人が作る音楽が間違いなく全世界のみんなの心を揺さぶるだろう!って。そう思った俺に感謝しろ!」......ソングライターでもある双子の弟・康司へのリスペクトを、改めてまっすぐに伝える健司の言葉に、客席に高らかな拍手喝采が広がっていく。

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先ほどまでのストイックな演奏の場面とは一転、一気にリラックスモードに。健司が「35歳になりましたね」と康司に話を振ると、「年を取れば取るほど、祝ってもらう機会も減るけど、こんなに祝ってもらえたら......おいおいおい!ってなるよね(笑)」と康司も満足げに応えると、今度は康司が「俺の親父が、隆児のことをなぜか気に入ってて」と赤頭に話を向ける。「普通はキャパに応じて、MCのスタイルを変えたりするじゃん? よくこのまま強行したよね」と高橋。「あそこ(花道)上下すると思わんかったやろ? そのうち(武道館の天井の)日本国旗ぐらいまで上がるで!」と赤頭。そんな砕けたトークの数々がオーディエンスを沸かせ、場内の一体感をさらに高めていく。

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ここで再び『CITRUS CURIO CITY』から「ペパーミントガム」「sayonara bathroom」「ハグレツバメ」を立て続けに披露、フレデリックの音楽世界のディープかつ豊潤な奥行きを体現してみせると、「さあ後半戦!」という健司のコールと「銀河の果てに連れ去って!」をきっかけに、ライブはなおも多幸感の頂へと昇り詰めていく。「オワラセナイト」から「ジャンキー」へつないで「人生最高のライブを見せてくれよ!」と叫ぶ健司に応えて、満場の武道館が高らかなジャンプに揺れる。本編を締め括った『CITRUS CURIO CITY』の楽曲「煌舟」では、「これはあなたの歌です! 自分に歌ってください!」という健司の言葉とともに、〈ユウラヤイヤ ユウラヤイヤ〉のコーラスパートを武道館一丸の大合唱が彩り、最高の絶景を描き出していった。

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アンコールの幕開けを飾ったのは「オドループ」。バンドの躍進を支えてきた大事な楽曲が、さらなるスケール感と切迫感をもって鳴り渡り、武道館をダンスと合唱でなおも熱く揺さぶってみせる。間奏の場面では再び高く持ち上がった花道で、赤頭が定番のギターソロを鮮やかに決めると、場内の高揚感はいよいよ天井知らずに高まっていく。

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ここで「さらっと新曲やっときます!」という健司の言葉とともに、未発表の新曲を披露。祝祭の余韻だけでなく、オーディエンスの記憶に新しい足跡を刻みつけておこうとする意志が、フレデリックの音楽の先進性とともに胸に残った。「フレデリックは遊びきったんで、KITAKUします!」(健司)と放ったラストの「KITAKU BEATS」でステージも客席も完全燃焼! 「これからも、フレデリックはフレデリックであり続けます!」と「その先」へ向けて突き上げた健司の言葉に、惜しみない拍手喝采が巻き起こっていった。

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CSテレ朝チャンネル1での生中継も実施された今回の武道館公演「FREDERHYTHM ARENA 2025 CITRUS CURIO CITY -TOKYO NIGHT CRUISING-」は、スカパー!番組配信で見逃し1週間配信が行われている。また、4月20日(日)にはオフショット映像を加えた完全版としての放送も予定されている。

文:高橋智樹
撮影:森 好弘

FREDERHYTHM ARENA 2025 CITRUS CURIO CITY -TOKYO NIGHT CRUISING- SETLIST



オンエア情報

FREDERHYTHM ARENA 2025 CITRUS CURIO CITY -TOKYO NIGHT CRUISING-
放送局:CSテレ朝チャンネル1
放送日時:2025年4月20日(日) よる6:00~
【テレ朝チャンネルHP】http://www.tv-asahi.co.jp/ch/
【番組HP】https://www.tv-asahi.co.jp/ch/contents/variety/0775/
■テレ朝チャンネル1※スカパー!(ch.298)、プレミアムサービス(ch.611)、プレミアムサービス光(ch.611)、ひかりTV(Ch.556)、J:COM(Ch.755)、またはケーブルテレビでご覧いただけます。

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