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2024.12.01
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Nelko,miida・揺らぎ・The fin.ほか全29作品 -2024.11.30-
New Release Digest Part 1
みさと:11月25日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜は全29作品。おそらく最多です!
金子:多い!どうせだったら30作品まで行ってほしい気持ちもあるような、ないような。
みさと:来年に持ち越しましょう(笑)。ということで、今回も少しタイトめにご紹介していくわけなんですけど、みなさんぜひPodcast(FRIENDSHIP.RADIO After Talk)も聴いていただきたいと思います。まず、触れずにはいられないinvisible design。我らがShimon Hoshinoさんが今回アルバムリリースです。
金子:invisible designとしては何気に今年3枚目のアルバムだったりして。
みさと:待って待って、多すぎない?相変わらずですね。
金子:もう慣れてきてしまいましたが。
みさと:もう驚かないようになってきた気がする。しかもTokyo Psychedelic Orchestraも今年から始動して。
金子:そちらでも今週リリースがありますしね。
みさと:そんな中、今回のアルバムはお風呂ブランドとのコラボレーション。
金子:オートクチュールのお風呂ブランドであるBAINCOUTUREとのコラボレーションアルバムということで。これまでもinvisible designは音と香りに注目してきたわけですけど、リラックス効果という意味でまさにお風呂は好相性で。お風呂に浸かりながら、いい香りを嗅ぎながら、音楽が流れている、みたいな。
みさと:丁寧な生活。
金子:サウンドデザインの心理学的観点を取り入れてBPMを構成していたり、Shimonさんがこれまでやってきたことがお風呂とのコラボレーションに落とし込まれているので、これはぜひ体験してほしいですね。
みさと:湿度高めな、モヤがかったサウンドスケープとか、揺らめく水面のような質感を音だけでも感じられる。お風呂の中で聴いてもらうために生まれた楽曲のひとつひとつなんだなということが手にとるように感じられると思いますので、ぜひお風呂の中で聴いてみてください。そして、はじめましてであり、はじめましてではないArata。
金子:Arataはこの番組としてはFirst Love is Never Returned(FLiNR)のギター・コーラスとしてもお馴染みのArataくんがFLiNRに加入する前からやっていた3ピースのバンド。結成は2018年なので、もともとFLiNRの同期というか。
で、近年はFLiNRと並行して活動していたわけですけど、今年は『RISING SUN ROCK FESTIVAL』に『RISING★STAR』の一般部門で出演していて。去年のFLiNRに続いてArataくん個人としては2年連続の出演という。
みさと:たぶんそんな方いらっしゃらないですよね。
金子:なかなかいないでしょうね。
みさと:いないよね。やっぱり登竜門だから、そこから抜け出た人は本編に出ることの方が多いですからね。2回もあのステージに立てるなんて素晴らしい。
金子:そして今回ArataとしてはFRIENDSHIP.から初めてのリリースなんですけど、すごくいいですよね。FLiNRとのリンクも感じるけど、でも3ピースだからよりソリッドな、グルーヴに特化した部分がありつつ、でもメロディもすごくキャッチー。FLiNRに比べると少しロック寄りというか、そういう違いもありつつ、すごくかっこいいバンドであり、かっこいい曲でした。
みさと:この楽曲を聴くことによって、ArataくんがFLiNRのキーマンの1人なんだなということも見えてきたし、このポップなアウトプットの仕方というのはどのステージに立ってもはじめましてさんを虜にするような、そんな魅力のあるバンドだなというのを感じました。ですけれども、3ピースバンドは少しがむしゃらな"初期衝動!"というアウトプットの仕方もできる、そういった少年の心を忘れないようなバンドなんだなということが見えてきて、すごく応援したくなりますね。そんなPart-1からどうしましょう?
金子:Nelkoとmiidaのコラボレーション楽曲を紹介しようと思います。先月には「miida,Nelko」の名義で「Paper Driver」が出ていたわけなんですけど、今回は「Nelko,miida」名義での楽曲ということで、コラボレーションが続いていて。前も紹介したけど、miidaとNelkoのSayaさんはもともと同じライブハウスに出ていたり、昔からの繋がりがあっての今回のコラボになっています。前の「miida,Nelko」名義の方は、miidaがもともと持っているオルタナ感、90年代のヒップホップとロックの組み合わせみたいなイメージだったけど、今回はよりNelko的な、シティポップとかチルな雰囲気がベースにありつつ、そこにmiidaの声であり、ギターが入ってくるという。名義の違いが音楽性にもはっきり出ていて、それぞれの良さがしっかり曲に詰め込まれているなという感じがしました。
みさと:きっとねごと時代から知っていると、マスダミズキちゃんがこういう音楽変遷を送っていくと誰が想像しただろうかと思いつつも、でも納得してしまうような、彼女が歩いてきた道筋が存分に発揮されているし、Nelkoとの関係値というストーリーにもグッとくるし、あとやっぱりNelkoの人力ヒップホップ的なところとか、Nelkoが培ってきた実力が遺憾無く発揮されている、"どうだ!喰らえ!"っていう、水戸黄門の印籠みたいな楽曲だなと思って。全員かっこいいですもんね。すごいよ。大好き、この曲。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェスト、Part-2でした。リリースおめでとうございます。Part-2には、はじめましてさん、荒山茉莉 Molly in Mountainです。
金子:FRIENDSHIP.からはちょこちょこアジアのインストバンドのリリースがありますけど、彼らも2018年に結成された台湾・台北の5人組ということで。いわゆるポストロック的なサウンドが特徴ではあるんですけど、ただメンバーにボーカルの人がいて、楽器的に歌を口ずさんでいて、すごくいい声なんですよね。
みさと:大好き。いい声ですよね〜。温もりがあって。
金子:口ずさむだけじゃなくて、もっと普通に歌詞を歌ってくれてもいいのにと思っちゃうぐらい、すごくいい声ですよね。この声が楽器的に機能しているし、この方がシンセも担当しているからシンセの音も入っていて、サウンド的なバリエーションもあるし、すごくいいバンドだなと思いました。
みさと:荒廃的でオリエンタルで遊牧民に愛されそうな自由さもあって、オリジナリティを兼ね備えつつも、デジタル音とボーカルのギャップというか、効果的に音の1つとしてボーカルを少し入れていくというのがきっとデジタル音と対比させているのかなと思いつつ、もう(厚武さんと)全く同じなんですけど、"もっと聴かせて!"と思っちゃう、いい声ですよね。すごく気になるバンドです、荒山茉莉Molly in Mountainです。続きまして、岡村匡紘さんがEPをリリースです。
金子:いい声といえば。
みさと:そうなのよ!
金子:岡村匡紘さんも毎回とてもいいボーカル・曲を聴かせてくれていて、今回のEPに関してはサウンドプロデュースも自分でやるようになった、この1年の間に公表した作品から構成されていると。「綴織」に関しては、打ち込みも演奏も全部自分だけでやっている。
みさと:なんて才能なんでしょうか。
金子:だからこそ、アレンジはいい意味で比較的シンプルになっていて、その分いい声であり、メロのキャッチーさが引き立てられていて。ご自身のコメントでも"全体として、ふと口ずさめる歌モノとしてのシンプルな魅力を意識した作品集の締めくくりにぴったりの1曲"と仰っていて。本当についつい口ずさんじゃう、1回聴いただけで覚えちゃうような、ポップソングとしても素晴らしかったなと思います。
みさと:「綴織」に関しては、すごくウィスパーボイスで歌っていらっしゃって、より岡村さんの色気がダダ漏れているというところと、アタックが強めなダンストラックなんですけど、そのトラックに耳が奪われすぎないような声の秀逸さというのも際立っていて、でもあのトラックだからこそ口ずさめるんだなと思うと、バランス感覚が素晴らしい曲でしたよね。いやー、いい曲です。そんなPart-2からどうしましょう?
金子:揺らぎの新曲を紹介しようと思います。
みさと:こちらも素晴らしかったです。
金子:アルバムリリース以来、1年半ぶりぐらいのリリースになるわけなんですけど、また新境地に入っていっているなという感じがして。もともとはシューゲイザーのバンドというイメージでしたけど、前のアルバムからその枠組みからはいい意味で外れて、揺らぎ独自のものを鳴らしているなという感じがあり、今回はさらにそこから先に進んでいて。シューゲイザーというよりもスローコア・サッドコアみたいなところもありつつ、トリップホップを生演奏でやっているような雰囲気も感じたし、でも少し歌謡曲っぽいニュアンスも、洋楽というより少し日本っぽいような感じもあったりして、他では聴いたことがないオリジナルな領域に入ってきている感じがして。後半にギターがガツンと出てくるんだけど、それもいわゆるシューゲイザー的なウォール・オブ・サウンドじゃなくて、かなりフィルターをかけた音色で鳴らしていたり、完全にオリジナルな存在になっているなと感じました。
みさと:シューゲイザーとかドリームポップは想像の世界を広げてくれるサウンド感だと私はずっと感じていたんですけど、あの音の中で恐怖や痛みが確かに存在する現実から目を逸らさないという歌詞の世界観を作るのはすごくオリジナリティがあるし、厚武さんが言うように、サウンド感も何かにカテゴライズできるようなサウンド感じゃないからこそ書ける歌詞でもあるなというのを今作で特に感じたところで。確かな場所に立ちながら、あの音の中であの言葉を並べるのはすごく新感覚だなと思いながら聴かせてもらいました。
金子:1月にアルバムリリースが予定されているそうなんですけど、そのアルバムは"日々の生活に溶け込み、そしてそっと寄り添うような人間味があり、温かいアルバムとなっています"というコメントもあるので、みさとさんの印象がアルバムにも表れているのかもしれないですね。
みさと:そっか、アルバム楽しみ!
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。さあ、こちらにもはじめましてさんです、Tyrkouaz。
金子:彼らは双子の兄弟によるネオミクスチャーロックデュオ。
みさと:かっこいいな。
金子:今年はサマソニ(SUMMER SONIC)のオーディションで選ばれて、SONICMANIAの方にトップバッターとして出演していたりという感じで注目を集めているわけなんですけれども、資料には"ドラムンベースを基軸にブレイクコア・ハイパーポップ・ガバ・サーフロックに至るまで、様々なデジタルロックサウンドを融合し、本格派志向の音楽ファンから支持を獲得している。"とあって、まさにな音になっていて。"2000年代ゲーム音楽の再解釈"というテーマもあるみたいなんですけど、それもまさにという感じがすごくして、今回の曲自体はオルタナティブロック・グランジなギターの歪みも入っていたり、Y2Kな側面もあるし、すごく今の時代感があるデュオだなという感じがしました。
みさと:ライブハウスのファンとクラブのファン、どちらにも刺さるような音質が本当に素晴らしいバランス感覚ですし、ダルジャブ(DALLJUB STEP CLUB)のファンとの相性も良さそうだな、なんてことを感じつつ、でもこのデジタル要素がなくなったら、黒夢とかロックファンにも刺さりそうだなという、色んな時代の音を感じるのが素晴らしいです。この感覚がひとつになるのはなかなか難しい着地点だなと思いつつ、SONICMANIAはバッチリだなというのを納得させてくれるような音でした。続きまして、壱タカシさん。
金子:半年ちょっとぶりぐらいのリリースなんですけど、ブレない芯があるというか、自分のアイデンティティ・セクシャリティについて描き、それをエレガントでポップな楽曲のアレンジに落とし込んでいて、でもそのアレンジの感じと悲しみがないまぜになることによって、聴き手に色んな感情を抱かせる楽曲は変わらず魅力的です。今回の曲は学生時代にいた同級生のおしゃれな女の子の友達をモチーフに、ワンピースをテーマに書いているということで、ご自身の経験が基になっているからこそのリアリティもすごくあって、今回もいい曲でした。
みさと:そんなPart-3からどうしましょう?
金子:The fin.のリミックスシリーズの新曲を紹介しようと思います。
みさと:先週ご紹介しましたが、10th Anniversary Remixシリーズということで、第2弾の作品です。
金子:少し特殊というか、リミックスだからThe fin.名義で出ていてもよさそうだけど、コンテストから出発しているから、リミックスをしたアーティストの名義でリリースされるということなんですよね。
今回はDefnelsonというミズーリ州カンザスシティ出身で、現在は韓国を拠点に活動する音楽プロデューサーがリミックスをしていると。このリミックスがすごくよくて、ジャズやソウルのテイストが強まった今のThe fin.と並べて聴いてもすごくフィットする感じがして。ご本人のコメントもあるんですけど、"ジャズのニュアンスと艶やかなR&Bのグルーヴ。そして魅惑的なラテンのリズムを融合させました"という、まさにこのコメント通りだなと。今のThe fin.もジャジーな雰囲気がすごくあるから、「Night Time」は10年前の曲ですけど、今のThe fin.と並べて聴けるという意味でも、今回すごくいいなと思いました。
みさと:全体的にすごくアーバンなニュアンスが出ているんですけど、ボーカルが遠くで鳴っていて、その距離感にマジックが起きている感じもすごくいいなと思って。リミックスでありながら、声をしっかりフィーチャーさせようというよりは、1つまた新しくパッケージしようとしている彼(Defnelson)の才能もすごく感じる作品になっていたし、"夜が持つ魔法とリズムを感じてください"という一言をいただいているんですけど、もともとThe fin.が生み出した「Night Time」の根源を大切にされている感じも見えてきて、夜にどんな魔法がかかるのか、体感していただきたい曲でした。
番組の後半はHelsinki Lambda Clubがゲストで登場!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10