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2023.12.10
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Ghost like girlfriend・ODD Foot Works・猫戦 ほか全26作品 -2023.12.09-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
みさと:12月4日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全26作品の中からまずはPart-1をご紹介しました。 リリースおめでとうございます。はじめましてさんです、いちやなぎ。
金子:京都在住のシンガーソングライターで、これまでCMへの楽曲提供や文芸誌への寄稿など、多岐にわたる活動を行っているという方。この曲は1年9ヶ月ぶりのリリースということで、 結構ひさしぶりですけど、フォーク・カントリーなテイストで、細野さん的な系譜も感じさせつつ、トランペットが入ってたりとか、イントロ・アウトロにはちょっと電子音が入ってたりとか、アレンジ的にもいろいろと凝っていて、すごく良い曲でしたね。
みさと:まさに年末にぴったりな、1年を振り返る師走ソングという感じもあるし、冬って寒くて窓を開けるのを躊躇するけど、開けてしまったら意外とスッキリして、風が一気にお掃除をしてくれるような感覚にもなって。 レビューでもご本人も書いていらっしゃるんですけど、1年を振り返っていろんなハイライトがあったけど、それも含めて日常だよねっていう、今この瞬間を切り取ってる感じが、とても寄り添ってくれる良い曲だなと感じながら聴いてました。
金子:冬はどうしても窓閉めちゃいますよね。でも、開けると気持ちいいですよね。
みさと:そう、一回勇気を出して開けてみると、開けて良かったってなるのを教えてくれる。そして、Group2は結構おひさしぶりですよね。
金子:半年以上ぶりですかね。Group2はギタリストの熊谷くんが今年は大忙しで、Helsinki Lambda Clubでアルバムを出して、Guibaでもアルバムを出して、そしてGroup 2でも新曲を届けてということで、まあ大活躍ですよね。この曲はもともと春先にできた曲で、タイトルの「SMC」は"Spring Me Crazy"の略。春が喚起する陽と狂気という2つのイメージを曲に込めたということで、 まさにこの熊谷くんのね、ちょっとサイケなギターがそれを象徴していて、流石だなと感じました。
みさと:ずっとギターリフめっちゃかっこいいなって思って、耳に残る。ワードのチョイスも素晴らしくて、今年の冬はこれを聴いて春を待ちわびたいなっていう。
金子:一足早く、二足早く。
みさと:長く楽しめる曲ですね。そんなPart-1からご紹介するのはどうしましょう。
金子:Ghost like girlfriendを紹介しようと思います。この曲はギターサウンドが主役になっていて、これまでも曲の中にギターソロががっつり入ってる曲は結構あったんですけど、今回は全編で鳴っていて、 シューゲーザーと言ってもいいような感じ。それによって曲全体の音像もすごくリヴァーブ感増し増しな感じになっていて、それが彼のちょっと内省的だけど、でもキラキラしてる世界観をより引き立てていて、 真骨調な一曲の感じもしました。
みさと:90年代、2000年代のJ-POP、美メロ!という感じもするんですけど、エフェクトの使い方とかアレンジが近未来的で、TikTokとかストーリーに、ちょっと音加工しちゃってあげます、みたいな、そういう軽いノリも感じるというか。だけど曲の始まりが退屈をぶっ飛ばす、あのギターから始まるっていう。本当、岡林くんのいいところ取り、彼の持ってる技を見せてくれて、新しいステージにまた行きますっていうのを見せてくれた、そんな新曲だったなと。
金子:SNS的なことで言うと、リリースタイミングではリリックカードが、Twitterとインスタで公開されるそうで、彼は歌詞も特徴なので、合わせてチェックしてほしいですね。
New Release Digest Part 2
みさと:Part-2は上質な大人の歌が多かった印象です。Jasmine Highが一応、初と言いますか?
金子:そうですね。パジャマで海なんかいかない(パジャ海)の「Don't Wanna Fight」もめちゃめちゃいい曲だったんですけど、こちらはパジャ海の2人のボーカリストのうちのFiJAさんがテーマを書いてるのに対して、 Jasmine Highはもう一人のボーカルでもあるChloeさんとシンガーソングライターのミミコさんのR&Bデュオ。Jasmine Highというこのグループ名が面白いですけど、曲自体も「お茶とラブレターシリーズ」の第一弾ということで、芽生えたばかりの恋から生まれる不安と興奮を体現した1曲と。このコンセプトも面白いですよね。
みさと:面白いですね。それをこの2人がやってるっていうのも面白い。
金子:曲自体はね、スムースなR&Bで、この2人の声を活かした、さっき言ってた通りの上質な歌を聴かせてくれる仕上がりでしたね。
みさと:素晴らしい。すごくオーガニックな感覚なんですけど、やっぱり上質感というか、大人というキーワードが似合うような、この2人の声質あってこその仕上がりは、クリスマスのきらびやかな夜にも似合うんじゃないかなっていう感覚になります。そして、Daichi Hashizumeさんも一応、名義が違っているんですが、初めてなんですね。
金子:JAZZLETTERという名義で前に曲を出してて、そのときに「ちょっとパジャ海とも通じるんじゃないか」みたいな話をした気がするんですけど。で、そっちはジャズドラマーとしてやってるんですけど、この人はラッパーとしての顔もあって、SANABAGUN.の高岩遼さんとかと3MCでクルーもやってたりっていう経歴があって。このDaichi Hashizumeという名義では初めてのリリースで、まさにラッパーとして参加していて、12月らしいクリスマスソングですね。
みさと:王道なサンプリングも入ってるので、初めて聴いてもクリスマスを味わえる1曲だなっていうのと、ジャズミュージシャンがラップをするのがめちゃめちゃかっこいいですよね。
金子:面白いですよね、この人の経歴はね。
みさと:本当に面白い。Daishi Hashizume、ソロ名義です。ぜひチェックお願いします。そんなPart-2からご紹介するのはどうしましょう?
金子:ODD Foot Worksを紹介しましょう。
みさと:いやー、一聴して最初のトラックからめちゃめちゃかっこいいじゃん。バチイケー!と思いながら興奮しました。
金子:ODD Foot Worksの最近の曲の中では、わりとヒップホップ寄りなトラックで、僕はちょっとエミネムとか思い出したりして。だからY2Kな感じもありつつ、でももうちょっと全体的に音は固くて、80'sっぽいニュアンスもあるし、 2000年代のエレクトロっぽいニュアンスもあるし、あんまり聴いたことない感触だなと思って。で、そこに乗るPecoriのラップもいいし、あと今回コーラスを有元キイチくんが担当していて。前にキイチくんはソロを出してて、「こんな声を持ってたんだ」みたいな話をこの番組でもした気がするんですけど。
みさと:大興奮でしたよね。
金子:それをちゃんとODD Foot Worksでも生かしてて、これはかっこいいですね。
みさと:キイチの深い声に合うような深みのあるダークな重めなトラックと、Pecoriの飄々としたあの軽快なラップスキルがどんどん高まっていく。みんなのスキルが新しいところに行ってるんだなっていう、すごくかっこいいし、ODD Foot Works 2024年どうなっちゃうのかなっていう楽しみがありますよね。
金子:トラック自体のプロデュースをしてるのがTaishi Satoくんっていうライブでもサポートをやったりしてる人で、だから今ってメンバー3人以外も含めてコレクティブ的な感じでどんどん曲をブラッシュアップしてるんですよね。メンバー3人もいろんな役割をやってるし、さらにそこに加わってくる人もいるしっていうので、どんどん更新されてる感じがしますね。
みさと:面白いですね。今聴き逃せないユニットになってると思います。
New Release Digest Part 3
みさと:厚武さん、私一件謝らなくちゃいけないんですけど、JAPANDA初めてじゃないですか。ジャケットを見てB級SF映画の匂いがして、これ大丈夫かな?って疑ってしまったことを心からお詫び申し上げます。
金子:分かる。俺もJAPANDA初めての人だってなって、とりあえずプロフィールだけ読もうと思ったら、"映画「スターウォーズ」はオリオン座で実際にあった戦争を基に作られたノンフィクションである事を人々はまだ知らない......。
みさと:怪しい怪しい(笑)
金子:"JAPANDAはオリオン座戦争で戦った戦士たちが、その後地球に人間の姿で転送された生命体であり周波数(音楽)を使って人々の心を豊かにし、人々の目覚めを助けることを希望している" って書いてあって。
みさと:ほら、怪しい。
金子:怪しい......って思って曲を聴いたら。
みさと:おやっ?
金子:なんだこのマイケルジャクソン的なポップスは。
みさと:あはははは。ブルーノ・マーズの新曲か。
金子:やたらクオリティが高い。
みさと:大型ショッピングセンターで今年ずっとかかってそう。
金子:すでにヒットソングのような風格。
みさと:失礼しました、お見事!
金子:なんですかね、これはね。「全てが謎に包まれている不明ユニット」って書いてあるんですけど。
みさと:素晴らしかったです。
金子:これはちょっと気になりますね。
みさと:聴いていただけたら、「こりゃすごい!」ってみなさん思うと思うので、聴くのが早いです。そしてひさしぶりです、しんきろうのまち。
金子:一転してって感じですけど。
みさと:そうですね。冬はこういうJAPANDAみたいな、"クリスマスだぜイェイ!"という曲の対になるような、"一人でクリスマス過ごしてもいいよ"っていう、こういう曲があるとね、本当に救われるんですよね。
金子:しんきろうのまちもひさびさのリリースで、1年半ぶりぐらいなんですけど、この「夜」というタイトル通りの音像感で、歌のテンション感もそうで、退廃的だったり、ちょっとフラジャイルな雰囲気もあるんだけど、でもギターソロはめちゃめちゃエモーショナルだったりとか、まあ素晴らしいですね。
みさと:冬の寒さ、悴む手、白い息で自分の足元が見えるような、自分視点のこういう曲ってやっぱり誰もが主人公になれると思うんですよね。冬って街がキラキラしてる分、自分が主人公になれないことに葛藤を抱く季節でもあると思うので、こういう歌があることで救われる誰かがいるなっていう。変わろうとしなくてもいい、投げ出したくてもいいっていう、そういう歌詞世界だと思うんですけど、主人公になれなくてもいいし、でも今この瞬間こうだよねっていうところの共感性はすごく高くて、寄り添ってくれる曲だと思います。そんなPart-3からどうしましょう。
金子:猫戦を紹介しようと思います。
みさと:猫戦も良かったですね。
金子:FRIENDSHIP.からは初めてのリリースなんですけど、京都で結成されて、現在は東京で活動しているバンド。前にみらんさんとボーカルの原田さんがコラボレーションしている曲がFRIENDSHIP.からリリースされてたんですけど、過去にはサニー・デイ・サービスのカバーをやってたり、今インディ・シーンでは人気が出てきているバンドです。メンバーチェンジがあって今年の9月からはボーカル、ベース、キーボードという編成で活動してて、11月からのツアーもドラムレスの編成でやっているので、その感じが今回の曲自体にも表れてますね。アコースティックな、ちょっとボサノバチックな感じ。「キューティー・ハニー・メロマンティック」というタイトル通り、キューティーだし、ハニーだし、でもメロウでロマンティックっていう、まさにっていう曲でしたね。
みさと:安心感のあるアコースティックなボサノバ調サウンドに、予期せぬコーラスワークとか、このタイトルにもある通りの予期せぬ言葉選びとか、それが共存してる、ミスマッチがマッチしてるという面白いセンスを持ってらっしゃる。これはぜひ聴いていただきたいですね。
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin