SENSA

2023.08.23

ニーハオ!!!!とLimited Express (has gone?)、超個性的なアーティスト集った濃厚濃密なWレコ発イベント『SUPER BOWL!!!!+!!!!』

ニーハオ!!!!とLimited Express (has gone?)、超個性的なアーティスト集った濃厚濃密なWレコ発イベント『SUPER BOWL!!!!+!!!!』

4月に5thアルバム『i!i!i!i!』をリリースしたニーハオ!!!! と、8月23日に最新アルバム『Tell Your Story』のリリースを控えたLimited Express (has gone?)による、Wレコ発『SUPER BOWL!!!!+!!!!』が、下北沢BASEMENTBAR & threeにて行われた。

ニーハオ!!!! とLimited Express (has gone?)の両バンドに所属するYUKARIが「私の好きなバンドばっかり集めた」と語る、両組のレコ発を祝って集まった出演者は、CRUNK、Ghostleg、ThePOPS、FIRE BOYS、ネムレス、OGGYWEST、and moreと、ジャンルレスかつ、超個性的なアーティストばかり!

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開演時間となり、トップバッターで登場したのはLimited Express (has gone?)。目配せで合図を送り、ドガシャーンと爆音を鳴らすと、You got it! Yukari!(Vo)の痛烈なシャウトから1曲目「BET ON ME」でライブの幕を開ける。もんでんやすのり(Dr)のけたたましいビートにYUKARIの絶叫が共鳴してカオスを生むと、谷ぐち順(Ba)が重低音で楽曲を巧みにコントロールし、JJ(Gt)やこまどり(Sax)の激しく奇抜なプレイがカオスを増幅する。

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「No more ステートメント」に観客が掛け声を合わせて拳を上げ、コロナ禍の息が詰まりそうな状況下で制作したという楽曲を浄化すると、テンション上がったYUKARIがフロアに飛び込み、ぐしゃぐしゃのフロアをさらに掻き回す。YUKARIのリードで始まった「TOP OF THE TOP」と続き、谷ぐちが着るTシャツの話から、8月6日に開催されたless than TV主催の『METEO NIGHT』について触れると、「『METEO NIGHT』の10分の1くらいのボリュームしかないんだよ? 初っぱなから足りないんじゃないの!?」と谷ぐちが観客を煽り、「EDUCATION」へ。性急なビートに映えるサックスとYUKARIの絶叫が、フロアに熱狂を生む。

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フロアの盛り上がりを満足そうな表情で眺めたYUKARIが、「ライブハウスがいつも平和な場所でありますように。みんながいつ来ても楽しい場所でありますように」と願うように告げると、披露した曲は「リミエキ史上屈指(?)のポップソング」と謳ってアルバム先行リリースされた「HATER」。怒りの感情をポップに落とし込んだ楽曲に、歌と演奏から溢れる人間味がグッと胸に迫ったこの曲に続くのは、こちらも先行リリースされている「ラーメンライス」。爆アガりのフロアとの相乗効果で、バンドのテンション感は最高潮! 処理しきれない感情が溢れるYUKARIのボーカルと、それを後押しする力強い演奏やコーラスの一体感は「痛快!」のひと言。

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「命って繋がっていくから。長く長くみんなが繋がっていける世の中になったらいいな」と語る、YUKARIのちょっぴりシリアスなMCから、大切な友達に捧ぐ「R.I.P. Friends」を気持ちいっぱい届けると、「I'dont TRUST」、「INVITATION」の感情剥き出しの鬼気迫る歌と演奏で、強烈な熱気を生んだ終盤戦。ラストは狂乱のパフォーマンスと「Comunication?」「Discommunication!」のコール&レスポンスで、会場にいびつで美しい一体感を生み出した「Discommunication」でフィニッシュ。

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全曲、最新アルバム『Tell Your Story』収録の新曲たちで構成されたLimited Express (has gone?)のライブは、強力な新曲たちや最新型のリミエキサウンド、現在のバンドの充実っぷりを見せつけ、ここから始まる新たな物語に期待させる、申し分のないレコ発だった。

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Wレコ発を祝う出演者たちの濃密濃厚なアクトを経て、大トリとして登場したのは、ニーハオ!!!。ライブへの期待に溢れたフロアに向けて、「ニーハオ!!!! 行きますよ! 今夜は(PURPLE)KAORI(Gt)ちゃんが帰ってきたぞ~~!」とコロナ罹患により『METEO NIGHT』に出れなかったKAORI が戻ってきたことをBLUE YUKARIが嬉しそうに告げると「We areニーハオ!!!!」と叫び、挨拶代わりのファストナンバー「HAKA」でライブがスタート。
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「ムーンライト楽団」のキュートな合唱で改めて、ライブのスタートを宣言したニーハオ!!!!。「メタモルフォーゼ」、「ANTI ANGER CONTROL」と続き、視覚や聴覚に直接訴えかける激しくプリミティブな響きやパフォーマンスでフロアの地熱を上げると、陽気な祭り囃子にいやが上にも心と身体が躍り出す「MATSURI-SHAKE」で、フロアをぐっちゃぐちゃに掻き回す。

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短いMCで「KAORIちゃん、おかえり~!」とメンバーが揃った喜びを伝えると、勢いそのままに「SPIDER14」、「SUPER MODEL」、「Ownership rights」と畳み込み、息の合った歌と演奏でフロアをさらにブチアゲた4人。「新しい曲です。付いてこれるかな?」と披露した「感情 is MINE」で見せた、最新型のニーハオ!!!! のアッパーな歌と演奏はカッコ良すぎて笑っちゃうほどだったし、本当に楽しそうにパフォーマンスする4人の姿も実に印象的だった。

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KAORIのエッジィなギターがカッコいい「UNDER MASK」から、「今日はLimited Express (has gone?)レコ発、おめでとうございます。ニーハオ!!!! は4月にアルバムリリース、ありがとうございます」と祝福と感謝を述べたARIKO 。「ニーハオ!!!! は何やっても怒られないんです」といたずらな笑顔を見せると、<意味ないことして盛り上がろうよ>と歌う「pajama party in ニーハオ!!!!」から、「SPIDER11」を叩き込み、ハードコアな「Don't Obsess」でフロアに飛び込んでと自由奔放なパフォーマンスで会場を湧かす。

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ライブ終盤は「攻撃の要」、「My Proud」と激しい曲で猛攻撃をかけ、最高潮の盛り上がりを生んだニーハオ!!!!。「最後の曲です」と告げて始まった「SPIDER16」で、四人のボーカルの掛け合いをビシッと決め、大きな拍手と歓声に包まれてライブを締めくくった。

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終演後、止まない拍手と歓声に「今日はYUKARI祭りに最後まで付き合ってくれてありがとう」と感謝を述べると、「私、ニーハオ!!!! のライブが終わったら、「今日すっごいカッコ良かった」って言ってくれてるやろなと思って、エゴサするんですよ。そしたら、「(アジア人が)欧米の人たちに"ニーハオ"って嘲笑されて差別を受けてる」ってのがすごい出てきて。「ニーハオ」って言ったら、ウチらのことってなるような、世界中のみんなが思ってくれるような存在になれれば良いなと思ってます」と、熱い思いを伝えたYUKARI。

「どこで生まれても、どんな風に育ってきても、みんなこうやって笑ってるのが最高やから!」とメッセージを送ると、「また恥ずかしいこと言っちゃったよ」と照れ笑いしながら、アンコールで「WHOLE LIFE」、「not enough」を披露。YUKARIの願い通り、会場中が笑顔に溢れる中でイベントの幕を閉じた。

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Wレコ発を観終えての率直な感想は、「あ~、面白かった!」のひと言に尽きるが。「ライブハウスがいつも平和でありますように。そして、みんながこうやって笑っていられますように」という、イベントに込めたYUKARIの願いがしっかり伝わる、とても素晴らしいイベントだった。そしてなにより、「こうやって笑ってるのが最高!」を自ら証明するように、YUKARIが全組のライブで大暴れして、誰よりイベントを楽しんでいたのがものすごく良かった。

文:フジジュン
撮影:小野由希子

LINK
Limited Express (has gone?)オフィシャルサイト
ニーハオ!!!!オフィシャルサイト

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