SENSA

2023.06.25

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! Wuinguin・設楽ナギ・ORESKABANDほか全19作品 -2023.06.24-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! Wuinguin・設楽ナギ・ORESKABANDほか全19作品 -2023.06.24-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!




New Release Digest Part 1


みさと:6月19日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全19作品の中から、まずはPart-1をお送りしました。リリースおめでとうございます。さあ、はじめましてさんです。Synker

金子:2019年に東京で結成された5人組で、日本人と台湾人による多国籍バンド。FRIENDSHIP.にはゲシュタルト乙女もいたり、台湾との繋がりも増えてきた感じがしますね。

みさと:FRIENDSHIP.の勢いがだんだんアジアに広がってる感じっていうのは、ここ数ヶ月、特に感じるところがありますね。

金子The fin.She Her Her Hersが中国に行ったりもありましたからね。ゲシュタルト乙女もそうだったんですけど、このバンドもちょっとUKの香りがするというか、特にこの曲は初期のレディオヘッドを思い出したりして。UKの音楽カルチャーの影響は強いのかなと思ったりしました。



みさと:三宿通りをタイトルにして、日本をベースにした切り取り方も面白いなと思います。そして、LIGHTERSが4曲目に流れてましたね。

金子:Part-1は印象的な女性ボーカルの曲がいくつかありましたけど、LIGHTERSもやっぱり良いですよね。この曲は5月に出た「dawn」と2部作として、対になっていて、前作は冷たさを、今回は温かさを表現しているということで。確かに「dawn」は歪んだギターが印象的だったけど、今回はクリーントーンな感じで、切なさもあるんだけど、でもそこからほんのり温かみも感じられるような、その温度感が心地良い曲でしたね。



みさと:ボーカルのビブラートの、吐息成分増し増しのこの独特な歌唱方法がクセになる1曲でもあるなと。

金子:Nagasawaさんはそこがスペシャルな部分ですよね。

みさと:そんなPart-1からはどなたをお送りしましょうか?

金子Wuinguinをかけようかなと思います。

みさと:とっても良かったです。

金子:この方の声もね、本当にスペシャルですよね。今回の「It's OK」は亡き愛犬に贈った曲ということです。愛犬と出会ったのが8歳のときで、おそらくはそこからずっと一緒に過ごしてきたんだと思うんですけど、今Uiさんは関西から東京に出てこられてて、その東京に旅立った日に愛犬も空に旅立ったんだそうです。この曲は横で眠ってる愛犬に子守唄を歌うように歌った曲で、だからこそシンプルな弾き語りで、包み込むようなサウンド感になっているという背景があるみたいですね。



みさと:過去作を聴いていても思うんですけど、彼女は人生で起きたことに意味を見出して、それをすごく優しく柔らかく包むことができる人なんだなって、作品の中でも人となりがとても見える方なんだなって感じるんですよね。私もわりと何か起きたこと、出来事に対して意味があると思っているタイプで、何か意味を見出さないと、そのとき苦しかった思い、そのときの悲しみが意味のないものになってしまいそうで、とにかく意味を求めて探してきたなって思うんです。ただこの感覚って悪いわけじゃなくて、きっと表裏一体だから、彼女も失った悲しみとか、どうにかその悲しみから前に進む術を持っている人なんだろうなって、作品を聴きながらすごく思うし、ただ自分以外の人がその楽曲によって救われていることを彼女にも知って欲しいなと思いながら聴いてました。

金子:もちろん悲しみや孤独感はあるんだけど、でも「It's OK」って、「大丈夫だよ」って歌っていて。愛犬は空へと旅立っていったんだけど、でもこうやって曲になることでずっと一緒にいれるし、さらにはみさとさんが言ってくれたように、この曲を聴いた人にも同じような感覚を与える曲にきっとなっているでしょうね。

New Release Digest Part 2


みさと:6月19日週リリースの新譜ダイジェストPart-2をお送りしました。リリースおめでとうございます。沼澤成毅さん、良かったですね。

金子:リリースは結構ひさしぶりで、1年以上ぶりです。SAMOEDOのメンバーでもあったり、Guibaのサポートもしてるみたいで、最近FRIENDSHIP.とは縁のある方なわけですけど、まあ素晴らしいポップス職人ですよね。

みさと:職人ですね。

金子:BENNY SINGSとか、そういうアーティスト名も思い出すし、日本で言うとTENDREとか、ああいう感じにもなっていけそう、みたいな印象を受けました。



みさと:今回の曲、終わり方がすごく意外で、もう1ループしそうなところで終わるから、自主的にループしちゃうマジックにかかりました。

金子:それが狙いなのかな?

みさと:かもしれない。はまりました。そして、VivaOlaくん新曲ですね。

金子:今回もかっこ良かったですね。先日の「SHIBUYA SOUND RIVERSE」、FRIENDSHIP.のサーキットイベントにも出ていて、僕は残念ながら観れなかったんですけど、みさとさんは観たんですよね?

みさと:めっちゃ良かったですよ。この曲もやってくれてて、まだ音源は届いてないタイミングだったから、「次はこれが新譜ダイジェストに入ってくるのか」って思いながら聴いてました。ライブ全体で言うと、どこかNulbarichのライブを思い出したんですよね。私Nulbarichの2回目のライブのときから観てるんですけど、JQくんのあの飄々とした、自然体なステージングと、VivaOlaくんってすごい重なるなと思っていて。それを小さい箱でやると最初はもっと「いや、こういうふうに立ち振る舞いしたらいいのに」とか「もうちょっとエンタテイメントとして」って思いがちなんですけど、あれをそのままずっと続けて、大きいステージでやると、それがもう答えなんだっていうのを、Nulbarichを通して私は感じていたところがあって。VivaOlaくんにもとっとと大きいところまで駆け足で行ってもらって、「ほらこのままで良かったでしょ」っていう、そういう結果を見たいなって。そんなとても素晴らしいライブというか、未来が見えたライブでもありました。

金子:エンタメなライブもそれはそれで素晴らしさがあるけど、飾らないステージングで、そのままでかいところに行くかっこ良さってありますよね。わかります。



みさと:そして、そんなPart-2からはどなたにしましょうか?

金子設楽ナギさんをかけようかなと思います。

みさと:めちゃめちゃ意外でとてもかっこよかったです。

金子:この名前にピンと来た人はこの番組の常連リスナーさんかなと思うんですけど、放課後ホタルというユニットで作詞作曲から編曲・演奏・ミックスまでを1人でやっている設楽ナギさんが、今回は初めてソロでリリースということで。それ自体ちょっとびっくりしたんですけど、なおかつ曲を聴いたらさらにびっくりで、放課後ホタルはいろんな曲調がありつつ、基本的にはポップス路線のイメージが強いのに対して、結構ロックな曲でね。



みさと:びっくりしました。

金子:こういう曲で来るのかっていう。

みさと:なおかつソロでこの音色かっていうのはびっくりしました。

金子:細かく聴くと短い尺の中に色んな展開が詰め込まれていて、1人で職人的に作ってる部分もやっぱりあるなとは思いました。あと僕、設楽さんの詳しいプロフィールってこれまであんまり知らなくて、「島根在住」というのは前から資料に書いてあったんですけど、今回「野菜や生き物に囲まれ、ほぼ自給自足の生活を送りながら、雨の日と農閑期に音楽制作を行う」って書いてあって、そうなんだと思って。

みさと:私もこれ拝見してびっくりして。だから梅雨時期にソロを出したんだなって思って。今、設楽さんは繁忙期ですよ。梅雨のタイミングはもう大忙しですね、音楽制作の方がね。

金子:自分の生活がありながら、こうやってクオリティの高い音楽を一人でも作るし、放課後ホタルとして遠距離でも作るっていう、そういう生活スタイルの面白さもありますよね。

New Release Digest Part 3


みさと:新譜ダイジェストPart-3をお送りしました。リリースおめでとうございます。はじめましての方がいらっしゃいます。伊東七海さん。

金子:伊東さんはシンガーソングライターで、シンプルなピアノの弾き語りで、彼女の声の良さが際立つ曲になってましたね。

みさと:彼女の声と、あと歌唱方法による華やかさとか色っぽさがすごく引き立つなと思いつつ、終盤にラップパートがあるので、とても工夫もされている楽曲でしたね。



金子:彼女のプロフィールを見ると、FM宝塚でレギュラーをやっていて、もう4年半ずっとやってるみたいなんですけど。この番組を始めて、ラジオ番組をやってらっしゃるシンガーの方、RiE MORRiSさんが湘南FMでやられてたり、SomewhereのSakuさんもやられてたり、やっぱり色んな局、色んな番組があって、色んなシンガーの方たちが色んな発信をしているんだなっていうのを改めて知って、面白いなと思って。

みさと:ラジオパーソナリティの私が喋ることと厚武さんが喋ることも全く違うし、歌手でミュージシャンだからこそ話せることとか、地声で喋ってる声を聴ける喜びとか、色んな切り口があって。プラットフォームもどんどん増えてる時代ですけど、それぞれに適応した人たちがたくさん出てくるのはファンというかリスナーとしても楽しみですよね。そして厚武さん、大変!bonobosでございます。大変です。私たちを泣かせる気ですね。

金子:ラストライブを全曲収録したライブアルバムということで。

みさと:全曲とかあんまりなくない?すごいんだけど。

金子:6月ももう後半で、上半期ももうすぐ終わっちゃいますけど、bonobosのラストライブは今年の上半期の印象的なシーンとして外せないですよね。

みさと:右に同じくです。

金子:ちょうど隣の席で観てましたもんね。

みさと:そう、厚武さん右にいたのよ(笑)。あのときの気持ちというか、日比谷公園の自然の中で、雨が降りそうなあの場所の匂いと夜の風と、みんなぐっと涙をこらえて、ちゃんと音を受け取ろう、楽しもうとしていた、あのときの熱が思い起こされて何とも言えない。全曲もそんな......ありがとうございます!

金子:もちろん、残念ながらあの場所にいれなかった人もたくさんいるだろうから、そういう人にも追体験していただきたいですね。



みさと:そんなPart-3からは、どうしましょうか?

金子ORESKABANDをかけようかなと思います。

みさと:レゲトンの流れ、前作含めてぴったりはまってますね。

金子:bonobosは20年以上の歴史を経て解散を選んだわけですけど、ORESKABANDは今年20周年で、この曲は「これからも続けていくぞ」っていうのを宣言するような曲。ちょっと前に出した「WACHA!」はそれこそビートが気持ちよくて踊れる曲でしたけど、今回の曲は20周年のテーマ曲というか、歌詞にはこれまでずっと続けてきたからこそ言える言葉が綴られていると思うし、その上で「ローリンローリン」、「私たちはこれからも転がっていきます」っていう、そんなメッセージを歌い上げていて、これはかけたいなと思っちゃいましたね。

みさと:いや、まさにですね。これから先も夢を描いていいんだなって、「振り向くなかれ」っていう一言だけでもう、特にこの20年を知っているファンにとってはたまらないものがあるだろうし、詳しく知らなかったとしても、30代の女性たちがまだまだ世界に羽ばたこうとしているんだっていう、そういう視点で聴いてもとっても胸が熱くなる1曲になってるんじゃないかと思います。



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto_Uchino_photo.jpg Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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