SENSA

2023.05.30

YONA YONA WEEKENDERS磯野くんの〈ラーメンから歌が聴こえる〉season2

YONA YONA WEEKENDERS磯野くんの〈ラーメンから歌が聴こえる〉season2

〈ツマミになるグッドミュージック〉を奏でるバンド、YONA YONA WEEKENDERSのVo.磯野くん。自他共に認める大好物の"ラーメン"を音楽に例える連載企画「ラーメンから歌が聴こえる」が4月にMikikiで1度最終回を迎え、新たにSENSAで2ndシーズンがスタート!引き続き、各地のラーメンから聴こえてくる歌と共に紹介していく!

GW明けの5月某日。僕はとある一杯のラーメンを求め、数年ぶりに高田馬場へと降り立った。

高田馬場は、僕が学生時代を過ごした街である。上京後、高田馬場の専門学校に進学した僕は、同級生とメロコアバンドを結成。高田馬場のウェンディーズでバンド名を決め、ゲートウェイスタジオ高田馬場戸山口店で夜な夜な練習に励んでいた。溜まり場だったBIGBOX、バイトを三日目でバックれた●SUTAYA高田馬場店、ボウリングに熱中したシチズンプラザ、飲み会後何度も世話になったさかえ通りの側溝・・・。様々な思い出が蘇る。

そんな高田馬場は、言わずと知れたラーメンの激戦区。実は、僕が上京して初めて食べたラーメンは、今は無きラーメン二郎高田馬場店だ。西日本の中華そば文化で育ってきた僕にとって、衝撃的な出会いだった。
その他にも、俺の空、べんてん、ひまわり、純連、千代作などなど、"高田馬場と言えば"な店はあらかた訪れたつもりだ。

そう、ある一軒を除いては・・・

ということで今回は、高田馬場界隈のラーメンを語るにあたって避けては通れない、未訪問の伝説的名店に満を持して突撃してみた。

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訪れたのは、JR高田馬場駅から徒歩8分ほどの場所にある"渡なべ"。濃厚魚介豚骨を一大ブームへと押し上げた渡なべは、2002年に創業してから21年が経った今もなお、都内屈指の人気店として君臨している。
早稲田通りを一本路地に入ったところに、ラーメン屋らしからぬ隠れ家のような佇まいの店舗を発見。

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券売機で味玉ちゃーしゅーめん(1450円)と替玉(150円)の食券を購入。同行したスタッフは、この日の限定である燕三条系の"背脂煮干しらーめん"を購入した。
渡なべの代表である渡辺樹庵氏は、これまでに8000軒以上のラーメン屋を食べ歩いた大のラーメンフリークとしても知られる。渡辺氏が自ら食べ歩いた中で印象に残ったものや、ご当地の味を再現し、限定らーめんとして不定期に提供しているそうだ。
待つこと数分、十数年越しの待望の一杯が遂に着丼した。

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スープを一口すすると、節の風味と程よい苦味、そして濃厚でまろやかな豚の旨味、醤油のコクが三位一体となって口内にぶわ〜っと広がっていく。魚介豚骨のWスープは何度も食べてきたが、こんなにもじっくりと味わわせるスープは初めてだ。これが無化調というのだから驚きである。

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自家製の麺は中細のストレート。濃厚スープが纏った麺をリフトアップし、一思いにすする。低加水の麺は少し芯の残る絶妙な茹で加減で、パツッとした食感と甘い小麦の香りがたまらない。
豚バラチャーシューは柔らかくホロホロだが、ジューシーでしっかり肉感を感じられる。極太めんまも味玉も、ラーメンを邪魔しないほどよい味付けながら、確かな存在感を放つ。
白髪ネギは濃厚スープの良いアクセントになっていて、次回は追加トッピングもアリだなと感じるほど相性抜群だ。

瞬く間に麺を平らげ、替玉を注文。替玉は博多ラーメンライクな細麺で提供される。細麺も言わずもがな、濃厚スープとベストマッチ。あっという間に完食した。

トレンドの移り変わりが激しいラーメン業界において、21年間ブレずに濃厚魚介豚骨の一線に立ち続ける渡なべ。そんな一杯から聴こえてくるのは、2002年にリリースされたASPARAGUSの1stアルバム、Tiger Styleに収録されている"FAR AWAY"だ。



パンクロックの疾走感、甘酸っぱくエモーショナルなメロディー、そしてアコギの爽快感が三位一体となって押し寄せるこの楽曲は、元BEAT CRUSADERSの日高央氏が「アコースティックギターでモッシュを起こす唯一のバンド」と評した"アスパラ節"を存分に感じられるものになっている。

先日八王子RIPSにて行われたASPAPAGUSと我々YYWのツーマンライブの際に、僕も一ファンとしてライブを楽しませて頂いたが、2002年の結成から21年経った現在でも、ステージ上で眩いばかりの輝き放っていた。
メロディックパンクヒーローとして今なお一線に君臨し続ける、伝説的バンドだ。

ラーメンもバンドも、"続ける"事でしか辿り着けない場所があるんだということを、渡なべのラーメン、そしてASPARAGUSのライブから感じた。
僕もその場所を求めて、不格好でも、音を鳴らし続けていきたいと強く思ったのだった。


さて、ホープ軒千駄ヶ谷本店編から一年という節目を迎えた本連載は、今回を以って最終回となる。
SENSAさんで2ndシーズンとして復活させて頂き、僕自身も新しい気持ちで執筆に向き合ってきた一年だった。

"ラーメンから歌が聴こえる"が、あなたにとっての素敵な一杯、そして素敵な音楽との出会いのきっかけになってくれていたら、僕の体重増加も(連載スタートから5kg増)報われるだろう。

健康に気をつけつつ、僕はこれからも至高の一杯を求めて歩き続ける。いつかまたどこかでお会いしましょう。
改めてご愛読下さった皆様、そして素敵な機会を与えてくれたSENSAさんに愛と感謝をマシマシで。
ありがとうございました!

PROFILE

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YONA YONA WEEKENDERS
"ツマミになるグッドミュージック" を奏でるメロコア・パンク出身の4人組バンド。
Vo. 磯野くんの表現力豊かな歌声と骨のあるバンドサウンド、長きにわたってアンダーグラウンドなシーンの最前線で活躍した彼らが作りだすステージは必見。
メジャーデビュー1周年となる2022年4月7日に1st Album「YONA YONA
WEEKENDERS」LP盤、配信シングルとしてbonobosのフロントマン・蔡忠浩とfeatした「夜行性 feat.蔡忠浩(bonobos)」をリリース。同月にbonobosを迎えたツーマンイベントを大盛況で終え、5月には配信シングル「1989's」をリリース。そして、6月には自身最大規模の恵比寿・LIQUIDROOMでのワンマンライブを完売。当日、ドリンクを買うための「お酒休憩」を導入したこともあり、バーカウンターの売上はLIQUIDROOM通常時の15倍を記録した。
勢いそのままに、9/21に4th EP「嗜好性」をリリース。Local Green Festival, Greenroom Beach, 朝霧フェスなどの大型フェスにも出演を成し遂げ、11月からの全国ツアーも追加公演含め全公演SOLD OUTとなった。


RELEASE INFORMATION

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YONA YONA WEEKENDERS「into the wind」
2023年5月24日(水)

Track:
1.into the wind

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YONA YONA WEEKENDERS「into the wind」
2023年6月21日(水)

Track:
1. シラフ
2. into the wind
3. 眠らないでよ feat. 原田郁子(クラムボン)
4. よしなに
5.SUI SUI

DISC-2
LIVE CD 「YONA YONA WEEKENDERS ONEMAN LIVE 2023 at LIQUIDROOM (04.07)」
※収録曲等 詳細後日発表予定

予約受付:
https://www.jvcmusic.co.jp/-/Linkall/VIZL-2195.html

EP特設サイトはこちら

LIVE INFORMATION

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東京 渋谷クラブクアトロ
8月5日(土) 
OPEN 17:00 START 18:00

大阪 梅田クラブクアトロ
8月12日(土) 
OPEN 17:00 START 18:00

愛知 名古屋クラブクアトロ
8月13日(日) 
OPEN 17:00 START 18:00

福岡 BEAT STATION
8月26日(土) 
OPEN 17:00 START 18:00

ALL STANDING ¥4,000 (税込)ドリンク代別途必
チケット一般発売中:https://eplus.jp/yyw-2023/


LINK
オフィシャルサイト
@yyw_from_tyo

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