SENSA

2023.05.28

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! ERWIT・Heavenstamp・Thiiird Placeほか全16作品 -2023.05.27-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! ERWIT・Heavenstamp・Thiiird Placeほか全16作品 -2023.05.27-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



みさと:厚武さん、私たちは毎月一度、ポッドキャストをやってますけど。

金子:やってますね。

みさと:聴いて欲しいですね。

金子:聴いて欲しいです。



みさと:本編で紹介しきれないところを熱く語っているのと、この時間のラジオはなかなか聴けないんだよねっていう方にとっては、ひと月分まとめてチェックできるのでいいですよね。

金子:FRIENDOSHIP.キュレーターの平さんと一緒に、雑談ベースというか、わりとラフな感じで、ああだこうだと音楽談義をしてるので、またラジオとは違う面白さがあると思います。

みさと:あと早送りというか、スキップできるのもサブスクとかSpotifyの良さだと思うので、好きなところで止めてもう1回聴いてみようかなとかできるので。ポッドキャストもぜひ検索をよろしくお願いします。手前味噌ですけど、業界では「ちょっとあれ、いいんじゃない!?」って言われているポッドキャストね。

金子:らしいです。

みさと:らしい(笑)。よろしくお願いします。

New Release Digest Part 1


みさと:5月22日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全16作品の中から、まずはパート1の5作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。なんだかすごい人たちが初登場ですよ。

金子T.M.Pですか?

みさと:T.M.Pはもうアゲアゲでしたね。ちょっとびっくりしました。FRIENDSHIP.からはわりとひさしぶりというか初めてというか、なかなかないタイプの方たちですね。

金子:かもしれないですね。もともと2018年に結成されて、2022年より本格始動をした、東京と大阪在住の2人組によるバーチャルモッシュパーティーバンド。

みさと:でも本当モッシュ感ある。ぐちゃぐちゃになってるの想像つきますよね。

金子:関西の「KANSAI HYPER CREW」というコレクティブにも所属してるみたいで、やっぱり関西にもハイパーポップのシーンみたいなものがちゃんとあって、そこでもうガンガンやってるんでしょうね。



みさと:アニメ界隈でも推されそうな感じですよね。

金子:通じる部分はあるかもしれない。ハイパーポップのアゲアゲな感じがありつつ、関西的な雑多さも感じるというか、結構ロック色が強かったりもして。

みさと:オーディエンスのフィジカルもだいぶ強そうな、ライブハウスでみんな湯気出ちゃってそうな音と絵が浮かびます。そして、アルバムリリースが谷口尚久さんです。

金子:T.M.Pとは打って変わってというか。

みさと:対極ですが。

金子:生活の中で流れていてほしい音楽ですよね、こっちはね。

みさと:どちらも魅力は全く異なるものではありますけど、素晴らしいですね。



金子:アルバムに関しての文章も寄せられていて、「いつもの朝、目覚まし代わりにセットしておいた音楽で目覚める。お湯を沸かしコーヒーを淹れながら、卵の焼き方を考える。そんな穏やかな時間、長さにして30分を気持ちよく満たすのに相応しい音。出かけるまでのタイマー代わりにしても良し、ベッドであと30分まどろむ目安にも良し」っていうコメントが来ていて。アルバムもまさに30分の長さで、本当に生活に馴染む音って感じですよね。

みさと:居心地よくってリラックスはするんだけど全てが脱力するわけではなくて、まさに朝の時間をテーマにしている、この立ち上がって、リラックスして何かをしているときにぴったりだなっていう。音の並びとか生演奏とか、本当に丁寧に作られてるんだなっていうのも伝わってきますね。

金子:全楽器の演奏もご自分でやられていて、今回の「pascal」って曲とかは管の音色が印象的ですけど、フリューゲルホルンとかトロンボーンも谷口さん自身で演奏されてるみたいです。

みさと:いやー、多彩だな。谷口さんのプロフィールを初めて読んだときに、「13歳で音楽指導者資格を取得」とあって、この1行だけでも、この人がどれだけ才能豊かで、自分の才能をこの年齢までちゃんと開花させるための努力もされてきた方なんだっていうのが見える。

金子:たしかに、13歳で指導者の資格ってやばいですよね。

みさと:聞いたことないです。

金子:中学生なのに、もう教える側ですもんね。

みさと:そうそう。やっぱり素晴らしい作品でしたね。さあ、そんなパート1からはどなたを紹介しましょう?

金子ERWITの新曲をかけようかなと思います。



みさと:もう本当に良かった!

金子:1年弱ぶりの新曲なんですけど。ERWITって、個人的には冬のイメージがあって。冷たくも温かい歌声というか、そういうイメージがあったんですけど、でも今回タイトルからして「コハルビヨリ」で、ちょっと温かくなってきた時期に聴くERWITもすごくいいなって、新鮮な驚きがありました。

みさと:そうかもしれません。今回THE CHARM PARKが一緒にやってるんですよね。

金子:ボーカルのプロダクションで関わっていて、レコーディングとミックスはTHE CHARM PARKがやってるみたいですね。

みさと:なんかもう聴いた瞬間から音像の立体感がすごいなと思って。それはやっぱりTHE CHARM PARKが関わってっていうところですかね。

金子:そうでしょうね。あとはこれまで同様、神谷洵平さんも関わっているので、このスペシャリスト2人がERWITを調理したらこんなに美味しくなっちゃいましたっていう。去年の11月かな、神谷さんのレコ発があって、そこにERWITとTHE CHARM PARKとどっちも出てて。

みさと:あらあら。

金子:分からないけど、たぶんそのあたりから交流が始まってるっぽくて、今はTHE CHARM PARKの方にもERWITがサポートで参加したりとか、どんどん交流が生まれてるみたいで。そういうのもいいですよね。少しずつ繋がって、広がっていく感じ。

みさと:優しい歌ですねー。別れで傷ついてる人にとってこの柔らかさはすごく癒されるし、自分の中で消化できて、振り返る準備ができてるときに、とっても聴きたい1曲だなと。素晴らしい、まさに小春日和でしたね。

金子:じんわりと温かさが染みてくる感じしますよね。

New Release Digest Part 2



みさと:はじめましてさんがいらっしゃって、"はろう"さんです。

金子:ひらがな3文字で"はろう"さん。彼らは2022年に結成された4人組のバンドという、できたてホヤホヤの新人さんですね。

みさと:できたてホヤホヤにしてはとても完成度が高いですね。

金子:東京インディーの良いところを受け継いでくれてるバンドという印象はすごくあって。たぶんね、そのあたりが好きな人だとミツメとかを連想すると思うんですけど、その良い部分を受け継ぎつつ、それを自分たちで、ここからよりオリジナルなものにしていくぞ!っていう、脱力感ありつつもちゃんと気合いを感じさせるというか、そんな感じがしました。

みさと:きっとその脱力感っていうのはこれからもずっと続くものではあると思いますけど、続けていく中で自分たちにとっての武器って何だろうってことに気がつかれていくと、もっと強固なバンドになっていくんだろうなっていうのも想像できますよね。テーマが人間らしくていいね。



金子:彼らの曲は(FRIENDSHIP.の)デモテープ審査で初めて聴いたんですけど、ちょっと前に「ピクニックに行こうよ」っていう曲を出してて、それがすごくいい曲で。まだまだいろんな引き出しがあるバンドだと思うから、ここから楽しみですね。

みさと:パート2ではzuniさんがアルバムリリースです。おめでとうございます。

金子:おめでとうございます。zuniさんもコンスタントに楽曲を発表してきて、ついにアルバムですね。この「PLAYFUL」というタイトルがそのまま表している、遊び心満載のアルバムだなと。

みさと:本当にそうですね。すごいキラキラでプリンセスが出てきそうなテーマパークのオープニングみたいな曲だなって。構成はとてもシンプルなんだけど、そこにちゃんとドラマがあるっていうのが短い時間の中で伝わってくる、素晴らしいですね。

金子:タイトル通り「キラキラ」なんだけど、エレクトロ的なバキッとしたキラキラではなくて、もうちょっと温かみのあるキラキラで。そのあたりはもともとzuniさんがビートルズでありポールマッカートニーが大好きっていう話があるから、そういうちょっとヴィンテージな感じもありつつ、でもやっぱり2020年代の音になってるっていう、そのバランスもすごくいいなと思います。



みさと:そんなパート2からは、どの曲をかけましょう。

金子Heavenstampをかけようかなと思います。

みさと:よかったです、Heavenstamp。

金子:FRIENDSHIP.からは初めてのリリースなんですけど、キャリア自体は結構長くて。もともと2011年にメジャーデビューをしてるんですけど、僕その頃に何回か取材をしていて。資料にね、「2011年メジャーデビュー」って書いてあって、もう10年以上前なのかって、ちょっと今「おーっ」って思ったんですけど。

みさと:それとともに、「そうか、自分も10年以上活動してるのか」って思いますよね。

金子:当時は4人組のバンドだったんですけど、途中でSallyさんとTomoyaくんの2人になって、でもずっと続けていて、ここでまた再会したような勝手な感慨もありつつ。でも曲を聴くとね、もちろん彼らの中でもいろんな音楽的な変遷あるんだけど、こういうダンサブルなんだけどちょっとヘビーな要素もあるみたいな曲って、メジャーデビューのときもわりとこういうタイプの曲だった気がして、一周回ったというか......もしかしたらもう何周かしてるのかもしれないけど、でもまたあるべきところに戻ってくる、そういうタイミングのような気もして。LRに潰れたギターの音とちょっとサイケなキーボードが配置されてたり、サウンドプロダクションはやっぱり長くやってきただけのことはあるなっていう感じもするし、いい曲でしたね。



みさと:Sallyさん、男前な歌い方なんだけど繊細さが隠しきれないというか、そうじゃないとこの歌詞は書けないだろうなとも思うんですけど。やっぱり性別を横に置いた格好良さと、「麻痺」と表現したこの人間の慣れとかある種の適応能力とか、そういった人間の複雑さが歌われているのって今聴いてとても刺さる歌詞だなと。

New Release Digest Part 3



みさと:さあ、はじめましてさんです、"くゆる"。

金子:こちらもひらがな3文字で"くゆる"で、"はろう"に続いてのひらがな3文字。また流行ってるんですかね。FRIENDSHIP.だと他に"すなお"もいたりとかしますけど。

みさと:うん。

金子:"くるり"がいて"ねごと"がいてみたいな、一昔前に一回流行った覚えがあるけど。

みさと:リバイバルですかね。なんかやっぱり見かけるよねー。



金子:"くゆる"に関しては轟音ギターが非常に印象的で、トリプルギターだからこそのこの轟音っていうのは間違いなくあって。それで言うとFRIENDSHIP.的には"揺らぎ"がいて、彼らは一文字漢字ですけど、"揺らぎ"と"くゆる"ってちょっと似たニュアンスを感じますよね。"揺らぎ"はちょっと前にかっこいいアルバムを出しましたけど、そうしたら今度はこういう下の世代がまた出てくるっていうのも、いい循環がある感じがします。

みさと:ボーカルのあやなさんの透き通った柔らかい声と、この3本の轟音のギターの対比がやっぱり美しくて、彼らがやりたいことが彼女の声ありきで成り立ってるなっていうのも感じますよね。さあ、Invisible Designが今回も素晴らしい曲でした。



金子:またみさと先生にアロマについてお伺いしてもいいですか?

みさと:Shimonさんからしたら足元にも及ばないですが、Invisible Designは調香をテーマにしていて、この曲を聴きながら、こういったアロマを楽しんで欲しいっていうように、ジャケットに調香のアロマも記載してくれてるわけなんですけど。今回はシトラス、サイプレス、あとグリーンティーが記載されてまして。前にフランキンセンスは徳の高い香りなんですよって話をしたじゃないですか。

金子:覚えてます。

みさと:今回のサイプレスっていうのも、わりとそういう瞑想に使ったりとか、神聖な香りで。

金子:ヒノキのことですよね。

みさと:そう、サイプレスはお墓に植えられたりとか、棺桶に使われたりとか、死だったりとか、なんていうんだろう、深い別れのときに癒してくれる香りみたいに昔から使われているんですね。その神聖な雰囲気っていうのが浮遊する音にすごくリンクしてるんじゃないかなと思って、私は聴いていました。

金子:なるほど。

みさと:グリーンティーとかシトラスはすっきり感があるので、そういうちょっとしたポップさと、ウッディな香りでもあるので、土着感がビートにもあるかなとか。想像が分かりやすい曲じゃないかと思います、今回。

金子:シトラス、グリーンティーっていうとね、すごく爽やかな感じがするけど、そこにサイプレスが混ざることによって、独自なものになってるわけですね。

みさと:うん。やっぱりすごいですね、Shimonさんの才能は。

金子:勉強になります!

みさと:ありがとうございます(笑)。そんな中、パート3からはどうしましょうか?

金子:パート3はひさびさにThiiird Placeをかけようかなと思います。

みさと:なんかもうぐっときちゃった、今回の曲。

金子:Thiiird Placeはいつもいいんですよね。

みさと:いいよね。

金子:でもいかんせんFRIENDSHIP.はリリースの数がたくさんあるので、なかなか毎週はご紹介できないんですけど、でも本当に毎回いい曲で。今回で5曲目のリリースなんですけど、またこれまでともちょっと違ったタイプの曲を届けてくれて、今回は女性コーラスの華やかさもありつつ、ラップがね、強めに前に出ていて、しかも日本語と英語でそれぞれメッセージ性の強いラップをしていて。そこがこのポップさとのいいバランスを生んでいて、すごくよいですね。

みさと:リリック的にコロナ禍の一番苦しかったときのことを思い出しました。喉元すぎれば熱さ忘れるじゃないけど、あんなにライブハウスの落書き求めてたなとか、Save Our Life、Save Our Space、自分たちの居場所を何とか守ろうって、あのとき必死だったよなって、コロナが始まったときのことをすごく思い出して。あの頃の自分たちがいるからここまで来たんだよなって思うと、改めて私たちよく頑張って生きてきましたよね。

金子:スガナミユウさんは「Save Our Space」を引っ張ってきた人の1人で、だからこそ、一時のアクションで終わるんじゃなくて、継続的に続けていくことが大事だし、しかもこうやって音楽でメッセージを伝えることの重要さもわかってる。それをちゃんとアクチュアルにずっと体現し続けてくれてるっていうのは、嬉しいですよね。

みさと:やっぱりThiiird Placeは居場所なんだなっていうのを感じる素晴らしい曲でした。



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto_Uchino_photo.jpg Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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