SENSA

2023.04.16

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! LITE・山本政幸・michel ko feat. Wez Atlasほか全19作品 -2023.04.15-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! LITE・山本政幸・michel ko feat. Wez Atlasほか全19作品 -2023.04.15-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:4月10日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全19作品の中から、まずはPart 1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!世の中にあるいろんなお店が新規のお客さんを獲得しようと躍起になっていたりしますけど、やっぱり常連のお客様を大切にしてこそ、お店は存続すると思うんですよ。

金子:良いこと言いますね。

みさと:FRIENDSHIP.はそちらも大切にしたいということで(笑)、今週は常連のみなさんをピックアップしたいなと思います。

金子:Part 1にはOsteoleuco関連と言いますか、Shimon Hoshinoさん関連と言いますか、そんな4曲が並んでおりました。

みさとKEISUKE SAITOさんも含めてすごいですね。Part 1は圧巻でした。



金子:でもそれぞれテイストが違うのが面白くて。例えば、Osteoleucoは最近2週間に1回配信をするというすごいペースで新曲が出てきていますけど、今回の曲は新曲を作っていたら、その途中から結果的にファーストシングルとして出ている「All Led By Love」のリメイクに繋がっていったという、制作過程も面白い感じになっています。

みさと:面白いですね。

金子:もともと2019年に原型の曲が出ていて、それはもう少しレイドバックした感じでした。ちなみにこの曲はmabanuaさんのリミックスも出ていて、つまりはこれで3つ目のアレンジになるんですけど、ちょっとずつビートがアップリフティングになっていて、時間と共に心身が回復していく感じがこの曲で伝わってくるというか。



みさと:何年もかけて熟成されていった感じがまたいいですね。Osteoleucoはトラックメーカーだなというのが、スタートからギターの入り方も含めて、「実力があってこその曲作りだな」というのも感じました。あと私的にはinvisible designがとにかく毎作楽しみで仕方ありません。

金子:音と香りのプロジェクトという観点が面白いですよね。今回は「雨上がりのコンクリートの香り」という、なかなか難しいお題だなと思うんですけど。毎回ジャケットに調合する香りの成分が書いてあって、今回はブラッドオレンジ、ローズ、メープルウッドということで、みさとさん的に想像できますか?

みさと:アロマ検定1級のみさとですが、まず私ぐらいの素人レベルだとメープルウッドなんてほとんど使わないです(笑)。

金子:あまり聞いたことないですよね。

みさと:メープルウッドって楓なので、楓の樹液がメープルシロップなんですよ。なので甘さもある感じです。ブラッドオレンジに関しては、オレンジはワクワク・元気になるフレッシュな香りなので、跳ね感みたいなものはビートから感じました。あと雨上がりのコンクリートの匂いって独特じゃないですか?土ではないんだけど、土着感っぽいところをメープルウッドで表現されているのかなと想像したんですけど、でもそれらを組み合わせると「何だろう?」って香りになるのがアロマの面白いところだから、どういう風になるのか、やっぱり調合してみないとわからないなという。

金子:実際に調合してみて、その香りを嗅ぎながら曲を聴いていただきたいですね。



みさと:そして、こちらも常連さんとも言えるというか、FRIENDSHIP.お馴染みのLITEが新曲です。

金子:LITEは今年結成20周年ということで。

みさと:それはもうお祭りですね。

金子:最近はDÉ DÉ MOUSEさんとのFake Creatorsで新曲を出していましたけど、LITE名義としてはひさびさの新曲です。20周年目の新境地という感じでかっこよかったですね。

みさと:これ歌っているのは武田さんですか?

金子:たぶんそうでしょうね。

みさと:新境地という感じですけど、前にもこれくらいの声の量だったら歌っている曲はありましたよね?

金子:少し前からちょっとずつ歌ってはいますね。今回は序盤の音数を絞って少しジャズっぽい中に、この武田さんの雰囲気のある歌が内包されていて、途中からビートが刻み始めて、さらにエフェクティブなギターとベースのユニゾンが入ってきてという、この展開がすごくかっこよくて。LITEのことだからいろんな音楽から影響を受けつつ、それを自分たちなりに昇華していて、今回だとフューチャーソウルとかも入っているだろうし、個人的には途中でビートが変わるあたりはFour Tetというイギリスのアーティストも連想しました。でも結果的にはそのどれでもないLITE節になるという、それを20年やり続けている人たちだと思うから、今回も結局はLITEだなという。

みさと:そうなんですよね。新しいことをやってもしっくり来させられちゃうというか。「これが今のLITEです」と提示されて、「そうですね 」という着地点に必ず導いてくれる。やっぱり20年の安心感というのも感じますね。




New Release Digest Part 2


みさと:新譜ダイジェストPart 2でした。リリースおめでとうございます!Part 2からの常連さんはuruwashiさん!

金子:常連のトラックメーカーのみなさんが続きますね。

みさと:本当ですね。

金子:uruwashiさんもコンスタントにリリースをしていますけど、リリースごとに新しい側面を見せてくれています。今回の曲もネオソウルがベースで、ボイスサンプルがあってというところは変わらないシグネチャーとしてありつつ、最近の特徴としてアフロ要素が加わってきていて、今回もアフロパーカッションがすごく印象的です。なおかつそこにピアニストのWataru Satoさんがローズを生演奏で入れていて、それによる化学反応がまた新しい側面を象徴しているなと。

みさと:オリエンタルな美しい花が咲くような印象を受ける1曲だなと思っています。やっぱり生楽器が入るとこんなに印象変わるんだなというのと、uruwashiさんはどんどんいろんな方とフィーチャリングをやってらっしゃっていて、今とても楽しいんだろうなという。

金子:一緒にやる演奏家を探すこと自体を楽しんでいる感じがしますよね。その喜びが音からも伝わってくる。



みさと:あとは1曲目でしたけど、bedがベストです!

金子:あはは。半年ぶりぐらいのリリースですけど、相変わらずかっこいいですね。

みさと:かっこいいですね!

金子:ポストパンクみたいなキーワードで言うと、途中のyangdoeとかとも共通する部分がある気がするんだけど、yangdoeは仕掛けとかも含めて録音を大事にしているのに対して、bedももちろん録音を大事にしているとは思うけど、やっぱりその先にフロアがあるのをすごく感じるというか。クラウトロックっぽい感じもあるし、「フロアでオーディエンスの前で鳴らされたときに一番魅力出るよな」 という感じがこれまでのどの曲からも伝わってきます。今回の曲はこれまで以上にポップな側面もあるけど、やっぱりフロアで熱狂する感じがbedだなという。

みさと:「もしかしてQueenとか往年のスターたちが生き返っちゃった?」みたいな、そういう楽曲感というか。Led Zeppelinの曲にも同じ曲名の「Mothership」があるし、「スターが生まれたよ」という感じがしました。それこそあの時代の熱狂ってフロアで生まれたものじゃないですか?そういう世代とか時代を飛び越えたスター感を感じる1曲でした。



みさと:そんなPart 2からはどちらをかけましょうか?

金子山本政幸さんをかけようと思います。

みさと:これまたファンにとってはたまらない感じですよね?

金子:山本政幸という名前だけで「わ!」となった人は相当な福岡ロックバンド好きですね。

みさと:今のリスナーさんの中にはいるかもしれない!

金子:もうちょっと言うと、The Cigavettes(シガベッツ)のボーカルの山本政幸さんです。The Cigavettesという名前は僕の世代とか、もう少し下の人たちには馴染みがあると思うんですけど、もともと2005年に結成されているロックバンドです。時代的にはいわゆるロックンロールリバイバルみたいなのがあって、その流れにいた印象があります。でもその中でもトラディショナルなUKロック、Oasisとかを連想させるサウンドが持ち味のめちゃめちゃいいバンドだったんですけど、そのフロントマンである山本さんがソロ名義で作品を発表......なんですけど、結果的にその周りにはThe Cigavettesのメンバーたちがいるという(笑)。

みさと:そこですよね(笑)!「結局これはThe Cigavettesじゃん」と思っちゃったんだけど、違うんですか?

金子:そう言ってもいいんじゃないですかね(笑)。バンドとして活動するか、ソロ名義で活動するか、活動の仕方が違うだけで、ほぼほぼThe Cigavettes復活と言ってもいいんじゃないでしょうか?

みさと:だって「メンバーが全員参加」って書いちゃっているもの(笑)。

金子:実際曲調もUKロックなテイストというのはまさにという感じですしね。

みさと:でも安心するファンの人たちはいると思う。「みんな今でも繋がりがあって仲が良いんだな」とか「やっぱり好きなもの変わらないんだな」とか「私たちも聴いてきたのはこういうのだった」みたいな。過去を否定されない未来を見せてくれるというのはすごく音楽ファンとして嬉しいですよね。

金子:弟の幹宗くんはいろんなところで活躍しているから最近もよく名前を聞いていたけど、ひさびさに兄弟揃って活動してくれると嬉しいですよね。

みさと:嬉しい!こうなると「Oasisはいつ?」って思ったけどね。

金子:それねえ。

みさと:山本家はケンカはしてたわけじゃないと思いますけど(笑)。やっぱりいいなあ。兄弟ってすごいですね。



みさと:「渡り鳥」とか「飛び回れ」とか「環状線」というキーワードが新生活の4月にぴったりな春ソングでもあるなと思って聴いていました。


New Release Digest Part 3


みさと:新譜ダイジェストPart 3でした。リリースおめでとうございます!常連さんいらっしゃいはWataru Fujiwaraさんです。

金子:今回はオルゴールを使ったチルビートということで、まさに子守歌のような雰囲気でしたね。

みさと:おもちゃ箱の中から1匹ずつ羊が飛び出してくるような、そんな教育チャンネルの絵が見えますね。

金子:ちなみにオルゴールって英語でなんて言うか知ってますか?

みさと:え?オルゴールじゃないの?

金子:オルゴールは和製英語なんです。

みさと:そうなんだ。英語で言うとなんですか?

金子:「ミュージックボックス」もしくは「ミュージカルボックス」と言うんですって。

みさと:そうなんだ。

金子:曲名の「ボックス」はそこから来ていて、子守歌のような雰囲気から「シープ(羊)」 で「Sheep box」。

みさと:そういうことか!おもちゃ箱感を感じるというのは私たち日本人の感覚でもあるかもしれないけど、繋がってるような気もして面白いですね。情報量が少ないインストなのに、いつもやりたいこととか、届けたいことがわかる楽曲作りをしてくれていますよね。

金子:Wataruさんはどの曲もシチュエーションがはっきりしているから、その時その場所にあわせて聴いてほしいですね。



みさと:そして私は初めてだったんですけど、Cruyff(クライフ)

金子:子守歌から一転、これは叩き起こされますね(笑)。

みさと:目覚まし音とかに設定したら嫌でも起きそう(笑)。

金子:めちゃめちゃかっこいいオルタナティブなロックバンドで、ちょっと前にNITRODAYのライブで一発録りをしたアルバムが出てたと思うんですけど、CruyffにはNITRODAYでギターを弾いているHiromi Yagiさんが参加していて。

みさと:そうなんだ。

金子:だからオルタナ感というのは通じるものがあると思います。Yagiさんはこの世代のギターヒーローで、弾いてる姿がめちゃめちゃかっこいいんですよ。

みさと:4人組のバンドで拠点は東京なんですよね?どれくらいのキャリアがあるバンドなんですかね?

金子:今回がファーストアルバムなので、バンドとしてのキャリアはそんなに長くはないはず。



みさと:みなさんそれぞれバックグラウンドがしっかり構築されてきたメンバーだというのが音からも感じられるところですね。ではそんなPart 3からどの曲いきましょうか?

金子michel koくんの新曲をかけようと思います。

みさと:かっこいいですね!

金子:今回はSolgasaの盟友でもあるWez Atlasがフィーチャリングで参加している楽曲になっています。

みさと:そうとは知らず聴いて、「あれ?もしかしてこの声、推しじゃない?」と自然に気がついたとき、「私、推しとしての心得を押さえている」って嬉しくなりません?

金子:あはは。Wezくんのラップは記名性がありますもんね。

みさと:「Wezくんだ!」というのがわかる。あとmichel koのブランケットに包まれているかのような柔らかい声質。どちらも際立っていて、対局にあるような声質だからこそ、2人の声がより際立つ1曲かなと思いました。

金子:この番組ではWezくんでありVivaOlaくんであり、Solgasaのメンバーをよく紹介していますけど、その中でmichel koくんはやっぱり歌で、まさに柔らかい声質という部分の良さが際立っていますよね。あとはやっぱりどの曲もメロディアスで、そこはこの曲で特に発揮されていると思います。Wezくんは最近いろんな人とコラボレーションをしてますけど、michel koくんの場合は付き合いが長いからこその安心感があって、自然に自分を出せるというか、そういうところもこの曲のナチュラルな雰囲気に繋がっている気がします。

みさと:Solgasaのメンバーは活躍が目まぐるしいですね。

金子:michel koくんにもどんどん注目が集まってほしいですね。




RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
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FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
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金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

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奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

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Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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