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2023.03.19
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! Wez Atlas・ユアネス・pollyほか全24作品 -2023.03.18-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とナビゲーターのMISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
MISATO:3月13日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全24作品の中から、まずはPart 1を8作品ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!TENDOUJIのアサノケンジ(Vo./Gt.)からコメントをもらっておりまして、「完全に名曲じゃなきゃいけないタイトルを付けました。名曲にしてください」と(笑)。
金子:人任せかい(笑)。
MISATO:「この季節チャリに乗りながら聴いたりすると気持ちいいよ」って、チャリ乗りながら聴いちゃダメでしょ、危ないでしょという(笑)。
金子:それはダメですね(笑)。
MISATO:そんなヤンチャなコメントも来ておりますが、みなさんはぜひ歩きながら聴いてください。
金子:と言ってますけど、自分たちで「EVERGREEN」と付けているわけだから、それだけ自信のある曲ということでしょうね。
MISATO:そして、ひさしぶりな方もいます。Juaくんの新曲。
金子:Juaくんは去年俳優として『仮面ライダーBLACKSUN』に出たり、活躍の幅を広げている中、セルフプロデュースの曲を3作出していて、今回がその3作目ということです。Juaくんはコラボレーションも多いから、単純にラッパーとして、さらにはシンガーとしても素晴らしいなと思うんですけど、セルフプロデュースの作品だとトラック自体もすごくかっこよくて。今回はドリルを基調としていて、かなり声を加工したり、BPMが変わったり、トラックメイクのかっこよさがむしろ際立っている印象があります。
MISATO:たしかに。
金子:やっぱり多才なアーティストだなというのを改めて感じました。
MISATO:ボーカルのエフェクトの振り切り具合がすごいですね。
金子:最初高い声で始まるから誰だかわかんなかったりするけど、途中から地声も混ざったり、もうちょっと歪んだ感じの声も出てきたり、めちゃめちゃサウンド面かっこいいですね。
MISATO:ものすごくアートな作品でもあるなというところで言うと、SNJOさんの作品もすごくアートだなと感じて聴いていました。今回はアルバムですね。
金子:かっこよかったですね。『care』というタイトルなんですけど、制作期間がコロナ禍で、しかもSNJOさんが大学院の卒業ぐらいのタイミングだったらしく。
MISATO:お忙しいときに重なったんですね。
金子:いろいろと進まないことが多くてやりきれない中、それでもアルバムを制作することによって、自分の精神・フィジカルのケアにつながったので、『care』というタイトルにしているそうです。去年tofubeatsさんの『REFLECTION』というアルバムが出てて、それはtofubeatsさんが難聴になっちゃって、自分の内面とも向き合いながら作った作品で。かっこいいビートメイカーやトラックメーカーが自分のパーソナルと向き合って表現をした作品っていうのは、サウンドがかっこいいのはもちろん、リリックも見ながら聴いてもらえるとより深く楽しめるんじゃないかと思います。
MISATO:それで言うとWezくんもじゃないでしょうか?やっぱり彼はソングライティングがいいのはもちろん、リリックが心にズドーンと届いてくる。今回リードになっている曲もすごくかっこいいですね。
金子:今回の作品は7曲入りで、starRoさんとやった「Damn!」も入ってるし、ポジティブな「まあしょうがない」ソングの「It Is What It Is」も入ってます。あと福岡発のラッパーSkaaiとのコラボでも知られるuinがトラックを手がけた「Me Today」だったり、本当に良い曲がたくさん入っていて。そんな中でこの 「Life's A Game」は1曲目に入ってるんですけど、非常にかっこいいですよね。比較的日本語が多めというのも印象的だし、なによりラップがエネルギッシュ。これまではどっちかと言うとスムースでポップという印象だったんですけど、この曲はすごくエネルギッシュです。これ、ハンドマイクで録ったらしいんですよ。
MISATO:ライブっぽい感じで録ったんだ。
金子:そうそう。だからこそのこの雰囲気みたいで、めちゃめちゃかっこいい。
MISATO:「Wezくん次のステージいくな」というのがすごく見える作品になっていますね。
MISATO:かっこいい!!!ライブに行きたいですね。今年はSXSWも待っていますので、大活躍の1年になると思いますし、もし行く機会がある方は小さい箱のときに早めにチケットを取った方がいいと思います。
MISATO:新譜ダイジェストPart 2でした。リリースおめでとうございます!Nolatte(ノーラテ)さんは、一応はじめまして。
金子:音楽プロデューサー・ArrowArrowの別名義です。ArrowArrowのときはダンスミュージックをリリースするのに対して、Nolatte名義ではヒップホップやR&Bをベースに曲を作り、リリースするとのことです。FRIENDSHIP.にはいろんな名義を使い分けている方がちらほらいらっしゃって、Shimon Hoshinoさん然り、WAZGOGGことWataru Fujiwaraさん然り、名義を使い分けることによっていろんな作品をリリースしている人がいるから、Nolatte/ArrowArrowもこうやって名義を分けることによって、より広いリスナーにリーチする可能性が出てくるんじゃないでしょうか。
MISATO:Nolatteとは思えないほど甘々なスイートソングですよね(笑)。
金子:たしかに(笑)。
MISATO:そして、はじめましてさんがもう1組です。Mars Argo(マーズアーゴ)。
金子:この方はミシガン州サギノー出身のシンガーソングライターなんですけど、去年ちょっとした騒動がありまして。詳しいことはググっていただいてという感じなんですけど、自分という存在が揺るがされるというか、他の人と比べられて、「自分とは?」ということで思い悩む時期があったみたいです。だからこそ、今回の曲タイトルが「I Can Only Be Me」(わたしはわたしでしかない)で、そのバックストーリーを知るとこの曲の説得力みたいなものがより強く感じられると思います。なので、気になった方はチェックしてみていただいても良いかなと。
MISATO:ちなみにどんな内容かを先ほど厚武さんに教えてもらったんですけど、この前にリリースしているのが「Angry」という曲で、そのタイトルが大納得な内容になっています。
金子:去年は怒っていたんですよね。
MISATO:その怒ってたところから、今回は「私は私」という。何で怒ってたのかというと、「私が私」を揺るがされたからなんだというのがすごく伝わってくるエピソードなので、大変な時期だったと思うんですけど、作品に消化できて本当に良かったなと感じています。
MISATO:ということで、Part 2からはユアネスですかね?
金子:そうしましょう。最近のユアネスはどちらかと言うと、プログラミングと生のバンドの融合みたいなイメージの方が個人的には強くなってたんですけど、今回はアコースティック寄りな、軽快なバンドサウンドになっていて、「やっぱりユアネスはこっちもいいんだな」とか「こういう感じ、黒ちゃんの歌にあうなあ」と感じました。ミドルで始まって、歌詞の内容ともあわせて途中からグッとテンポやノリが変わるという構成もすごく面白いです。あとはコメントで「今回は色んな季節を想像できるような曲になっているので、その季節の中で描かれる 誰かのバックミュージックになれば良いなと思います」と来てるんですけど、個人的には春を連想しました。この軽快な感じが春を感じさせるので、今の季節に聴くのにピッタリだなと思います。
MISATO:歌詞は「インスタライブでフォロワーさんに聞きつつ歌詞の参考にさせてもらった」とのことで、もしかしたら「私がコメントしたやつやん」みたいなのが入ってるかもしれないですよね。共感できることがきっとたくさんあると思うので、歌詞にもしっかり耳をそばだてて聴いてみてください。
MISATO:変わろうとしている人の心情の変化を、1曲を通して感じられるなと思っていて。はじめは「片付けはいつかする」って歌うんだけど、2番になると「いつしようか」ってスケジュールを組もうとして、ちょっとずつ変わろうとしてる。でも「片付けたよ」とならないところがすごくリアルだなと。やっぱり自分が変わるのって簡単なことじゃないなとすごく感じます。
金子:一番最後の「あなたが嫌いだ。 あなたが嫌いだった。」と語尾が変わるのも、受け取り方に余白があっていいですよね。
MISATO:「私を過去にしたあなたが嫌い」も好き!
金子:語りたいポイントが散りばめられた歌詞になってますよね。
MISATO:新譜ダイジェストPart 3でした。リリースおめでとうございます!Wuinguin(ウイングィン)がとても好き。
金子:良いですよね。
MISATO:ライブ行かれたんですよね?
金子:そうなんですよ。「SHINSAIBASHI SOUND RIVERSE」というFRIENDSHIP.主催のイベントがこの前ありまして、2会場同時開催だったんですけど、その片方は優河さんがいたり、みらんさんがいたり、素晴らしいシンガーソングライターが並んでいて、その会場のトップがWuinguinでした。生で聴くと、やっぱりすごくいいんですよね。
MISATO:いいなー!
金子:もう邦楽と洋楽をいちいち分けるのはナンセンスかなと思いつつ、でもやっぱり「日本人でこのニュアンス出せる人なかなかいないな」と思って、めちゃめちゃ良かった。
MISATO:羨ましい!今回で2作目になるんですよね。
金子:前作が「Elevator」という曲で、それは弾き語りに近い感じのテイストでした。でも今作に関しては、彼女は小さいころに聖歌隊に所属していて、賛美歌がルーツにあるらしく、その雰囲気を詰め込んだそうです。トラックも自分で作っていて、いわゆる弾き語りアーティストというよりも、ちゃんとプロデューサー目線もあるというか。
MISATO:信仰のあるなしとか、宗教の系統とかも全部含めて、「祈り」っていうのは自分自身を癒すものかなと私は思ってるんですけど、この曲は自分と真正面に向き合って手をあわせてるような曲だなと思って。とても好きです。
金子:これも「I Can Only Be Me」ですよね。
MISATO:本当にそうですね。Wuinguinちゃんはなにもトラブルがなく進んでほしい(笑)。そして、カネコアヤノさん。なんでしょう、もうベテランの風格が出ていますね。
金子:武道館で弾き語りをやってますからね。毎回オリジナルアルバムを出して、その後にタイトルに「ひとりでに」を付けて、弾き語りの作品を出しています。前作のときはピアノアレンジの曲もあったり、ちょっと作り込んだ部分もあったんですけど、今回はめちゃめちゃラフな感じで。『タオルケットは穏やかな』っていうアルバムについて、それこそ初めて武道館でライブをしたり、サポートメンバーが変わったり、いろんな変化があった中で、「自分がもう少し若い頃、ベッドでひとりで弾き語りをしていた頃を思い出しながら作った」ということを本人が言っていて、まさにその雰囲気が今回の『ひとりでに』にはあるなと感じました。でも今かかっているこのタイトル曲だけ、少し音像が広いんですよ。
MISATO:たしかにそうですね。
金子:完全に僕の妄想ですけど、この曲だけそれこそ武道館で弾き語りで録っているのかなとか思ったりもして。家で一人でベッドの上でポロンポロンと弾き語っていた自分と、広い会場で弾き語りをするようになった自分という対比も、この作品の中に入ってるのかもしれない。
MISATO:Part 3からは何をかけましょう?
金子:pollyをかけようと思います。1年ぶりぐらいの新曲なんですけど、この間にメンバーチェンジがありました。もともとのメンバーであるボーカル・ギターの越雲くんとドラムの高岩くん、あと元・LILI LIMITで元・MO MOMAの志水美日さんがキーボード・コーラスで加わって、3人編成になって初めてのリリースです。曲自体はまさにpollyらしいと言っていいと思うんですけど、非常にスケール感があって、静と動のダイナミズムがあって、シネマティックでという、多くの人が想像するpollyらしさが詰まっていて、素晴らしいなと思います。でも途中までずっと越雲くんが歌っていて、曲の後半で初めて志水さんの歌が入ってきて、それがめちゃめちゃドラマチックなんですよね。志水さんはMO MOMAではメインボーカルとして歌ったりもしていた人で、彼女の声も素晴らしくて。その志水さんの声と越雲くんの声とが折り重なることで生まれる新しいpolly像みたいなものが感じられて、すごくよかったです。
MISATO:サポートを迎えるという判断もあっただろうに、新体制にして、外に向かって行ってるマインドなんだなというのが伝わるサウンド感だなと。一作目だからこそ鳴らせる音が詰まってるんじゃないかと思います。
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
FRIENDSHIP.
キュレーターの金子厚武とナビゲーターのMISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
MISATO:3月13日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全24作品の中から、まずはPart 1を8作品ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!TENDOUJIのアサノケンジ(Vo./Gt.)からコメントをもらっておりまして、「完全に名曲じゃなきゃいけないタイトルを付けました。名曲にしてください」と(笑)。
金子:人任せかい(笑)。
MISATO:「この季節チャリに乗りながら聴いたりすると気持ちいいよ」って、チャリ乗りながら聴いちゃダメでしょ、危ないでしょという(笑)。
金子:それはダメですね(笑)。
MISATO:そんなヤンチャなコメントも来ておりますが、みなさんはぜひ歩きながら聴いてください。
金子:と言ってますけど、自分たちで「EVERGREEN」と付けているわけだから、それだけ自信のある曲ということでしょうね。
MISATO:そして、ひさしぶりな方もいます。Juaくんの新曲。
金子:Juaくんは去年俳優として『仮面ライダーBLACKSUN』に出たり、活躍の幅を広げている中、セルフプロデュースの曲を3作出していて、今回がその3作目ということです。Juaくんはコラボレーションも多いから、単純にラッパーとして、さらにはシンガーとしても素晴らしいなと思うんですけど、セルフプロデュースの作品だとトラック自体もすごくかっこよくて。今回はドリルを基調としていて、かなり声を加工したり、BPMが変わったり、トラックメイクのかっこよさがむしろ際立っている印象があります。
MISATO:たしかに。
金子:やっぱり多才なアーティストだなというのを改めて感じました。
MISATO:ボーカルのエフェクトの振り切り具合がすごいですね。
金子:最初高い声で始まるから誰だかわかんなかったりするけど、途中から地声も混ざったり、もうちょっと歪んだ感じの声も出てきたり、めちゃめちゃサウンド面かっこいいですね。
MISATO:ものすごくアートな作品でもあるなというところで言うと、SNJOさんの作品もすごくアートだなと感じて聴いていました。今回はアルバムですね。
金子:かっこよかったですね。『care』というタイトルなんですけど、制作期間がコロナ禍で、しかもSNJOさんが大学院の卒業ぐらいのタイミングだったらしく。
MISATO:お忙しいときに重なったんですね。
金子:いろいろと進まないことが多くてやりきれない中、それでもアルバムを制作することによって、自分の精神・フィジカルのケアにつながったので、『care』というタイトルにしているそうです。去年tofubeatsさんの『REFLECTION』というアルバムが出てて、それはtofubeatsさんが難聴になっちゃって、自分の内面とも向き合いながら作った作品で。かっこいいビートメイカーやトラックメーカーが自分のパーソナルと向き合って表現をした作品っていうのは、サウンドがかっこいいのはもちろん、リリックも見ながら聴いてもらえるとより深く楽しめるんじゃないかと思います。
MISATO:それで言うとWezくんもじゃないでしょうか?やっぱり彼はソングライティングがいいのはもちろん、リリックが心にズドーンと届いてくる。今回リードになっている曲もすごくかっこいいですね。
金子:今回の作品は7曲入りで、starRoさんとやった「Damn!」も入ってるし、ポジティブな「まあしょうがない」ソングの「It Is What It Is」も入ってます。あと福岡発のラッパーSkaaiとのコラボでも知られるuinがトラックを手がけた「Me Today」だったり、本当に良い曲がたくさん入っていて。そんな中でこの 「Life's A Game」は1曲目に入ってるんですけど、非常にかっこいいですよね。比較的日本語が多めというのも印象的だし、なによりラップがエネルギッシュ。これまではどっちかと言うとスムースでポップという印象だったんですけど、この曲はすごくエネルギッシュです。これ、ハンドマイクで録ったらしいんですよ。
MISATO:ライブっぽい感じで録ったんだ。
金子:そうそう。だからこそのこの雰囲気みたいで、めちゃめちゃかっこいい。
MISATO:「Wezくん次のステージいくな」というのがすごく見える作品になっていますね。
MISATO:かっこいい!!!ライブに行きたいですね。今年はSXSWも待っていますので、大活躍の1年になると思いますし、もし行く機会がある方は小さい箱のときに早めにチケットを取った方がいいと思います。
New Release Digest Part 2
MISATO:新譜ダイジェストPart 2でした。リリースおめでとうございます!Nolatte(ノーラテ)さんは、一応はじめまして。
金子:音楽プロデューサー・ArrowArrowの別名義です。ArrowArrowのときはダンスミュージックをリリースするのに対して、Nolatte名義ではヒップホップやR&Bをベースに曲を作り、リリースするとのことです。FRIENDSHIP.にはいろんな名義を使い分けている方がちらほらいらっしゃって、Shimon Hoshinoさん然り、WAZGOGGことWataru Fujiwaraさん然り、名義を使い分けることによっていろんな作品をリリースしている人がいるから、Nolatte/ArrowArrowもこうやって名義を分けることによって、より広いリスナーにリーチする可能性が出てくるんじゃないでしょうか。
MISATO:Nolatteとは思えないほど甘々なスイートソングですよね(笑)。
金子:たしかに(笑)。
MISATO:そして、はじめましてさんがもう1組です。Mars Argo(マーズアーゴ)。
金子:この方はミシガン州サギノー出身のシンガーソングライターなんですけど、去年ちょっとした騒動がありまして。詳しいことはググっていただいてという感じなんですけど、自分という存在が揺るがされるというか、他の人と比べられて、「自分とは?」ということで思い悩む時期があったみたいです。だからこそ、今回の曲タイトルが「I Can Only Be Me」(わたしはわたしでしかない)で、そのバックストーリーを知るとこの曲の説得力みたいなものがより強く感じられると思います。なので、気になった方はチェックしてみていただいても良いかなと。
MISATO:ちなみにどんな内容かを先ほど厚武さんに教えてもらったんですけど、この前にリリースしているのが「Angry」という曲で、そのタイトルが大納得な内容になっています。
金子:去年は怒っていたんですよね。
MISATO:その怒ってたところから、今回は「私は私」という。何で怒ってたのかというと、「私が私」を揺るがされたからなんだというのがすごく伝わってくるエピソードなので、大変な時期だったと思うんですけど、作品に消化できて本当に良かったなと感じています。
MISATO:ということで、Part 2からはユアネスですかね?
金子:そうしましょう。最近のユアネスはどちらかと言うと、プログラミングと生のバンドの融合みたいなイメージの方が個人的には強くなってたんですけど、今回はアコースティック寄りな、軽快なバンドサウンドになっていて、「やっぱりユアネスはこっちもいいんだな」とか「こういう感じ、黒ちゃんの歌にあうなあ」と感じました。ミドルで始まって、歌詞の内容ともあわせて途中からグッとテンポやノリが変わるという構成もすごく面白いです。あとはコメントで「今回は色んな季節を想像できるような曲になっているので、その季節の中で描かれる 誰かのバックミュージックになれば良いなと思います」と来てるんですけど、個人的には春を連想しました。この軽快な感じが春を感じさせるので、今の季節に聴くのにピッタリだなと思います。
MISATO:歌詞は「インスタライブでフォロワーさんに聞きつつ歌詞の参考にさせてもらった」とのことで、もしかしたら「私がコメントしたやつやん」みたいなのが入ってるかもしれないですよね。共感できることがきっとたくさんあると思うので、歌詞にもしっかり耳をそばだてて聴いてみてください。
MISATO:変わろうとしている人の心情の変化を、1曲を通して感じられるなと思っていて。はじめは「片付けはいつかする」って歌うんだけど、2番になると「いつしようか」ってスケジュールを組もうとして、ちょっとずつ変わろうとしてる。でも「片付けたよ」とならないところがすごくリアルだなと。やっぱり自分が変わるのって簡単なことじゃないなとすごく感じます。
金子:一番最後の「あなたが嫌いだ。 あなたが嫌いだった。」と語尾が変わるのも、受け取り方に余白があっていいですよね。
MISATO:「私を過去にしたあなたが嫌い」も好き!
金子:語りたいポイントが散りばめられた歌詞になってますよね。
New Release Digest Part 3
MISATO:新譜ダイジェストPart 3でした。リリースおめでとうございます!Wuinguin(ウイングィン)がとても好き。
金子:良いですよね。
MISATO:ライブ行かれたんですよね?
金子:そうなんですよ。「SHINSAIBASHI SOUND RIVERSE」というFRIENDSHIP.主催のイベントがこの前ありまして、2会場同時開催だったんですけど、その片方は優河さんがいたり、みらんさんがいたり、素晴らしいシンガーソングライターが並んでいて、その会場のトップがWuinguinでした。生で聴くと、やっぱりすごくいいんですよね。
MISATO:いいなー!
金子:もう邦楽と洋楽をいちいち分けるのはナンセンスかなと思いつつ、でもやっぱり「日本人でこのニュアンス出せる人なかなかいないな」と思って、めちゃめちゃ良かった。
MISATO:羨ましい!今回で2作目になるんですよね。
金子:前作が「Elevator」という曲で、それは弾き語りに近い感じのテイストでした。でも今作に関しては、彼女は小さいころに聖歌隊に所属していて、賛美歌がルーツにあるらしく、その雰囲気を詰め込んだそうです。トラックも自分で作っていて、いわゆる弾き語りアーティストというよりも、ちゃんとプロデューサー目線もあるというか。
MISATO:信仰のあるなしとか、宗教の系統とかも全部含めて、「祈り」っていうのは自分自身を癒すものかなと私は思ってるんですけど、この曲は自分と真正面に向き合って手をあわせてるような曲だなと思って。とても好きです。
金子:これも「I Can Only Be Me」ですよね。
MISATO:本当にそうですね。Wuinguinちゃんはなにもトラブルがなく進んでほしい(笑)。そして、カネコアヤノさん。なんでしょう、もうベテランの風格が出ていますね。
金子:武道館で弾き語りをやってますからね。毎回オリジナルアルバムを出して、その後にタイトルに「ひとりでに」を付けて、弾き語りの作品を出しています。前作のときはピアノアレンジの曲もあったり、ちょっと作り込んだ部分もあったんですけど、今回はめちゃめちゃラフな感じで。『タオルケットは穏やかな』っていうアルバムについて、それこそ初めて武道館でライブをしたり、サポートメンバーが変わったり、いろんな変化があった中で、「自分がもう少し若い頃、ベッドでひとりで弾き語りをしていた頃を思い出しながら作った」ということを本人が言っていて、まさにその雰囲気が今回の『ひとりでに』にはあるなと感じました。でも今かかっているこのタイトル曲だけ、少し音像が広いんですよ。
MISATO:たしかにそうですね。
金子:完全に僕の妄想ですけど、この曲だけそれこそ武道館で弾き語りで録っているのかなとか思ったりもして。家で一人でベッドの上でポロンポロンと弾き語っていた自分と、広い会場で弾き語りをするようになった自分という対比も、この作品の中に入ってるのかもしれない。
MISATO:Part 3からは何をかけましょう?
金子:pollyをかけようと思います。1年ぶりぐらいの新曲なんですけど、この間にメンバーチェンジがありました。もともとのメンバーであるボーカル・ギターの越雲くんとドラムの高岩くん、あと元・LILI LIMITで元・MO MOMAの志水美日さんがキーボード・コーラスで加わって、3人編成になって初めてのリリースです。曲自体はまさにpollyらしいと言っていいと思うんですけど、非常にスケール感があって、静と動のダイナミズムがあって、シネマティックでという、多くの人が想像するpollyらしさが詰まっていて、素晴らしいなと思います。でも途中までずっと越雲くんが歌っていて、曲の後半で初めて志水さんの歌が入ってきて、それがめちゃめちゃドラマチックなんですよね。志水さんはMO MOMAではメインボーカルとして歌ったりもしていた人で、彼女の声も素晴らしくて。その志水さんの声と越雲くんの声とが折り重なることで生まれる新しいpolly像みたいなものが感じられて、すごくよかったです。
MISATO:サポートを迎えるという判断もあっただろうに、新体制にして、外に向かって行ってるマインドなんだなというのが伝わるサウンド感だなと。一作目だからこそ鳴らせる音が詰まってるんじゃないかと思います。
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
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