SENSA

2022.10.25

ODD Foot Works、3年ぶり全国ツアーファイナルで音楽愛に満ち溢れた夜。

ODD Foot Works、3年ぶり全国ツアーファイナルで音楽愛に満ち溢れた夜。

ODD Foot Works、約3年ぶりのアルバム『Master Work』を引っ提げた全国ツアーのファイナルはSpotify O-EASTにて。場内が暗転し、Tondenhey(G)とSunBalkan(B)、サポートメンバーのYohji Igarashi(DJ/ライブマニュピュレーター)とTaishi Sato(MPCプレイヤー)が定位置につき、少し遅れてPecori(Rap)が現れ、大きな拍手が送られる。1曲目は『Master Work』の第三弾先行デジタルシングル「Summer」。ゆっくりと地ならしをするかのようにビートを刻んでいく面々。早速オーディエンスが楽しげに体を揺らし応える。Pecoriが「What's up? TOKYO! ぶちあがっていきましょう!」と言い放つ。

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アルバム『Master Work』は音楽の面白さを追求し尽くしたような、且つ有無を言わさずど真ん中に突き刺すような作品で、「超音楽宣言」というキャッチコピーを体現している。この日のライブは、ギター、ベース、DJ/マニュピュレーション、MPCという編成を最大限に活かし、『Master Work』の楽曲も過去曲もボーダーレスにミックス。『Master Work』の超音楽宣言をパワーアップさせるような会心のライブを見せつけた。

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2曲目はファーストアルバム『odd foot works』から「Bebop Kagefumi」。軽やかなボサノバテイストの色濃いビートに合わせてO-EASTが揺れる。そのまま、『Master Work』の第一弾先行デジタルシングル「I Love Ya Me!!!」へ。ODD流ニュージャックスウィングで、サビでフロアから一斉に拳があがり、バンドもオーディエンスも新たなサウンドを乗りこなし、切れ味の鋭いグルーヴを紡いでいく様が痛快だ。Pecoriは「Hunds Up!」と何度も繰り返し、オーディエンスをアジテートしていく。既にピークが刻まれたような盛り上がりで、オーディエンスからはとことんこの空間を楽しもうというバンドとの共闘モードが溢れる。

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自主レーベル名を冠したライブアンセム「Tokyo Invader」ではハンズアップでのコール&レスポンスもばちっと決まる。Pecori「『Master Work』っていうアルバムを先月出して、ツアーは3年ぶり。ツアーファイナルの東京のこのライブのために仕上げに仕上げまくって、マジでみんなハイです。付いてきてくれないと困る! ガンガンいっちゃうから」と、口にしてから間髪入れずに、「VIRTUAL DANCER」へ。カラフルな照明が場内を照らし、TondenheyのシャープなギターのカッティングとSunBulkanのうねるようなベース、太いビートがオーディエンスを躍らせる。確かに仕上がりまくってる。

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アブストラクトなエレクトロからヘヴィーで混沌としたゾーンへ突入する「GOLD」から、『Master Work』随一のゴリゴリのヒップホップチューン「SEE U DAWN」へ。後半、かなりファンキーでご機嫌なバイブスにアレンジされていて圧巻だった。
イントロで歓声が上がった「KAMISAMA」。ドープなPecoriのラップがぐいぐいとオーディエンスを引き込み、〈俺だけの神さま〉という狂おしいサビで、エモーションを頂点に持っていく。〈言うとおり!〉をはじめとするハンズアップを使ってのコール&レスポンスが面白いように決まることで、切なさが高まっていく。

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Tondenhey「皆さんのために作ったと言っても過言ではないアルバムです。明日は今日よりいい日になると思うし、楽しんで帰ってもらいたいです」。その後のSunBalkanの丁寧な挨拶にPecoriが「丁寧だな!」と突っ込む。ツアーを遠足だと表し笑いを生んでいたYohji Igarashi は「高校は修学旅行がなかったから、その分リバイバルさせてもらってる」と喜びを滲ませる。Taishi Sato「ある種のゾーンの集大成を見せられたら嬉しいね」。Pecori「そういう感じで、ぶちかまして行きましょう!」

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Pecoriを真ん中に据えたボーカリゼーションでの「NDW」。〈やまない雨に打たれてる 2人になって片寄せ合って だけどlonely, lonely, lonely〉という抜群にメロディアスなサビの後は、スポットライトに照らされながらのTondenheyのギターソロ。膝を地面に付け、アグレッシヴにギターをかき鳴らし、サビのハンズアップも決まり、極上のグルーヴが紡がれる。Pecoriの口からも「超楽しいな!」という言葉がこぼれる。

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オーディエンスがスマホライトをかざした「GIRAGIRA NEON」を経て、デジタルフリーマガジン「Re:ODD vol.0」に未発表の新曲としてリンクが貼られていた「HAPPY MAIL」を披露。硬質なビートが印象的で、テンポが早くなったり遅くなったりしながら、終盤のピークに向けて巧みに盛り上げる。2019年12月にリスナーへのリスマスプレゼントとしてフリーシェアされた「Angel」も。ビターでスウィートなクリスマス気分を高める。Pecoriはステージ真ん中、Yohji Igarashi&Taishi Satoが鎮座する卓の前に置かれた椅子に座りながら、余裕のラップパフォーマンス。新旧あらゆる音楽を縦断したサウンドを、5人それぞれがパワフルぶち上げる。

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Pecori「マジで最高ですね! ツアーファイナル、東京で締めくくるに値したな」「前作から3年。コロナやメンバーそれぞれの事情があった。こんなに待ってくれる人がいるんだって感動した」と言ってから、『Master Work』のCDリリースが来年1月11日、Tondenheyの誕生日の翌日、Pecoriの誕生日の前日に決まったことを知らせる。

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本編ラストは『Master Work』の第二弾先行デジタルシングル「卒業証書」。SMAP愛に満ちた楽曲で、Taishi Satoのコーラス、Yohji Igarashiの合いの手もばっちり映える。圧倒的センターのPecoriの存在はあるにせよ、5人それぞれが強烈なクリエイティビティをぶつけ合い、おもしろいように広がりを見せるのが今のODDだ。

アンコール。Tondenheyがオーディエンスに向けて、「(アンコールを求める)拍手のリズム感良すぎない?(笑)。音楽やったほうがいいと思います」と口にする。新たな始まりを告げる巨大な音が鳴り、「Maser Work」の1曲目であり、高らかに音楽愛を宣言する「ODD Knows」を演奏。

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Taishi Satoプロデュースのクワイア「ジュブナイルジャーニー」、「JELLY FISH」と続け、『Master Work』のフィジカルにボーナストラックとして本日披露した「HAPPY MAIL」と「Angel」が収録されること、12月28日に年末恒例のリキッドルーム公演を行うことを直接告げる。
Pecori「3年ぶりにアルバム出して思ったんだけど、今の時代ってひとりで誰でも音楽が作れる。でも今回初めてチーム一丸で作った気がしてる。音楽はみんなで作るもの。ライブもみんなで作るものだから、最後一緒に音楽を作って帰ろうかなと思います。一緒にやらない?」と呼びかけ、もちろん『Master Work』のラストを飾るパンクチューン「音楽」だ。静けさの中、Perociだけにスポットライトが当たり、アカペラで歌い始める。その後、客席も含めて明るくライトが照らされる。Aメロで手拍子が起こり、一体感が増していく。ステージ上は大合唱だ。Tondenheyのソロボーカルパートも入り、文字通り、音で、声でみんなで「音楽」を作り出していく。Tondenheyが「ここにいる自由!」と歌う隣で、Pecoriが胸を勢いよく叩く。Pecori「最高でした! ここにいる全員で音楽やってるね」。一緒に作った「音楽」に大きな拍手が送られ、大団円を迎えた。

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文:小松香里
写真:岩澤高雄


RELEASE INFORMATION

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ODD Foot Works「Master Work」
2023年1月11日(水)
定価:¥3,300(税抜価格¥3,000)

Track:
1.ODD Knows
2.卒業証書 
3.ジュブナイルジャーニー
4.Heavenly Bluetooth
5.SEE U DAWN
6.I Love Ya Me!!! 
7.GOLD
8.燃えろよ桜
9.Summer 
10.音楽 

[Bonus Track]
11.HAPPY MAIL
12.Angel



LIVE INFORMATION
Re:Master Work
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2022年12月28日(水)
東京 恵比寿LIQUIDROOM
Open 18:15 / Start 19:00

act:ODD Foot Works

チケット
前売:¥4,500(+1D)

【オフィシャルサイト先行第一弾】
イープラス受付期間:10/20(木)21:00〜10/31(月)23:59
受付URL:https://eplus.jp/ofw-1228of/
枚数制限:お1人様4枚まで


LINK
オフィシャルサイト
@oddfootworks
@oddfootworks
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