SENSA

2022.10.23

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Maïa Barouh・路地・カワサキケイほか全21作品 -2022.10.22-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Maïa Barouh・路地・カワサキケイほか全21作品 -2022.10.22-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とサトーカンナによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


カンナ:10月17日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全21作品の中から、まずはPart 1の7作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!はじめましてのSomewhere

金子:シンガー・ソングライターとして活動してきたSakuさんのソロプロジェクトで、名義を変えてのリリースとなります。アコースティックな雰囲気のある、非常に良い歌を歌うシンガーですね。ここ最近FRIENDSHIP.ではÅlborgだったり、Wuinguinだったり、いいシンガーがたくさん出てきてますけど、またそこに新たな名前が加わったなという。

カンナ:そんな感じがしました!歌い上げる系じゃないという時点で私の中ではヒットしちゃうんですけど、私の好きな映画でソフィア・コッポラ監督の『SOMEWHERE』という作品があるんですよね。その中でかっこいい曲がいっぱい流れているんですけど、ちょうどそこでかかっていそうな曲だなと思って聴いていました。

金子:なるほど。Somewhereという名前はもしかしたらそこから取られている説もなくはないですよね。

カンナ:そうだったら嬉しいな。もし(このラジオを)聞いていたらぜひ教えてください!

金子:番組で質問を投げかけるパターン(笑)。Sakuさん、お願いします!



カンナ:続いてこちらはひさびさになります、Special Favorite Music

金子:Special Favorite Musicとしての新曲は1年ぶりなのですが、メンバーの久米さんはここ最近毎週のように名前が出ていますね。

カンナ:大活躍ですね!

金子:みらんのプロデュースであったり、Kurhausにも参加していたりとか、あとNOKIES!という久米さんがもともとやっていたバンドのひさしぶりのリリースがあったりという中での、Special Favorite Musicとしての新曲です。

カンナ:しかもめちゃくちゃいい曲がリリースされましたね。

金子:ストレートなギターポップで良いですね。もともとは7人編成だったところから、2020年から3人編成になっているというのもありつつ、久米さんが個人としていろんな活動をしているからこそ、Special Favorite Musicではシンプルなことをやれる、みたいな側面もある気がします。でもシンプルなことを上手くやるのって、逆にすごく難しかったりもするから。

カンナ:そうですよね。

金子:ほかでいろいろやっているからこそ、ここでこれができる、みたいなところはある気がします。

カンナ:実はライブでこの曲を聴いたことがあって、今回「この曲知ってる!」と思ったので、とても耳に残る曲というか。「やっぱり曲を作るのすごく上手いんだな」と、シンプルに感じました(笑)。



カンナ:それではPart 1からは何をお送りしましょうか?

金子Maïa Barouhをかけようかなと思います。

カンナ:かっこいい曲でしたね。

金子:アルバム『AÏDA』がリリースとなります。改めて紹介すると、東京生まれでパリ育ちのシンガー・ソングライターでフルーティストでもあるという方なんですよね。これまでもすごく面白い曲をリリースしていて、「ソーラン節」とか「東京音頭」とかをモダンなアレンジに変えて歌っているというアーティストです。今回のアルバムタイトルは"間"で、日本とフランスとそれぞれの良さを混ぜながら、"間"を取りながら、彼女だけの表現をしているという。

カンナ:なるほど。

金子:今回の「RINGO」という曲は美空ひばりさんの「リンゴ追分」をモチーフにしていて。そこにフルートが入っているのも面白いし、さらに言うとお父さんがピエール・バルーという歌手で、その方がご自身の哲学を語った言葉を曲の中に入れていて、父親に捧げる曲にもなっているという、こういうアイデアも面白いですよね。

カンナ:もともとの美空ひばりさんの「リンゴ追分」という曲、実は歌詞が津軽弁なんですよ。私は津軽出身なので、知っている言葉で歌われていて、しかも東京で亡くなったお母さんを悼むという詩なのですが、Maïa Barouhさんの曲ではお父さんに捧げる楽曲になっていて、そのシンクロもいいなと感じました。津軽弁とフランス語は発音が似ているとよく言われていて、その辺のニュアンスも楽しんでいただきたいです。

金子:言い方が悪いかもしれないけど、少しボソボソ話すようなニュアンスが似てるんですかね?

カンナ:そうですね。そのあたりにも注目して聴いてほしいなと。




New Release Digest Part 2


カンナ:新譜ダイジェストPart 2でした。リリースおめでとうございます!こちらもはじめましてのaoihr(アオイハル)さん、「セプテンバー」という曲です。

金子:aoihrはアベシュンスケさんのソロプロジェクトで、ライブではサポートメンバーを迎えてバンド編成でやっていたりもするみたいです。ドリームポップとかにも影響を受けつつ、今回の曲はよりシューゲイズに特化した曲で。

カンナ:シューゲってましたね(笑)。

金子:こういう浮遊感のあるサウンドと、そこに溶け込むボーカルの少しウィスパーな感じの組み合わせは"まさに"という感じでよかったですね。

カンナ:耳触りがすごく良くて、声も音のひとつとして聴ける感じだったんですけど、歌詞にもこだわりがあると紹介文にありましたので、ぜひ歌詞を見ながら聴いてみてほしいと思います。

金子:FRIENDSHIP.であればpollyとかとも相性が良さそうな感じで、ライブも見てみたいなと思いました。



カンナ:続いてもはじめましてのDJ RENAさん。

金子:こちらははじめましてなんですけど、キャリアがなかなかすごくて。もともと小さい頃からヒップホップのダンスをやっていて、8歳で招かれたショーケースで見たターンテーブリストのパフォーマンスに衝撃を受けてDJをスタート。そこからバトル系のDJのイベントに参加して、最年少で世界チャンピオン。

カンナ:それが12歳!

金子:すごいですね。それで2019年に日本で開催されたラグビーのワールドカップのオープニングセレモニーでプレイ。さらにそこから今度はプロデューサー/作曲家としてのキャリアも始めて、2021年に1st EPをリリース。そして今回新曲がFRIENDSHIP.から配信と。

カンナ:既に大物ですね(笑)。

金子:でもまだ高校生ですからね。今回の曲もLAのビートシーンとかにも通じるような少しサイケデリックなかっこいいトラックで。すでにテクニカルな部分では十分な実績があるわけですけど、ここからさらに自分の表現というものをより突き詰めていくと思うので、楽しみでしかないですね。



カンナ:ここから注目していきましょう。ではPart 2からどの曲をかけましょうか?

金子:"路地"をかけようかなと思います。

カンナ:大好きな"路地"ですね。

金子:こちらもアルバム『KOURO』が完成ということで、おめでたいですね。

カンナ:おめでとうございます!

金子:"路地"も最近この番組でちょこちょこ名前が出てくる人たちで、"路地"のメンバーがヨットヘヴンというバンドもやっていたり、ヨットヘヴンのボーカルの人はTHE FOWLSというバンドもやっていて、両バンドともFRIENDSHIP.からリリースしているわけですけど、このあたりの人たちの曲がみんなよくて。で、"路地"もまた良いんですよ。

カンナ:今回も良かったですね。

金子:先行で配信されていた曲だと「君はボタニカル」というタイトルからしてシティ・ポップ寄りのものもあったりしたけど、今回聴いてもらう「蟻とリンゴスター」という曲はかなりオルタナ色が強くて。本人たちのコメントを見ると、もともとそういうものが好きで、原点回帰的な側面もあるみたいです。こういう90年代的なオルタナティブなサウンドに対して、ボーカルはポップス感もあって、この組み合わせがまたいいですね。

カンナ:以前ご紹介した「名残」も含めて、このまっすぐな声と歪んだギターみたいなのが、今作のシンボルになっているのかなと私も感じました。

金子:サウンドプロデュースを元PAELLASのbisshiがやっているというのもポイントのひとつかなと思います。彼が加わることによって、ただ古臭いだけの90年代の音になっているわけではなくて、ちゃんとサウンド的にはいま聴けるものに更新されている。そこが現代のバンドであることの証明というか、とても大事な部分なんじゃないかなと思います。なので、サウンド面も注目して聴いてほしいですね。




New Release Digest Part 3


カンナ:新譜ダイジェストPart 3でした。リリースおめでとうございます!最後にかかった、POOLの「Multi Station」、はじめましてですね。

金子:FRIENDSHIP.からはPOOLSというスリーピースのバンドも配信していますけど、こちらは「POOL」のみで、ただこちらも3人組なんですよね。でもバンドというよりもグループやユニット、コレクティブっぽいといいますか、メンバー内で作曲からレコーディング、ミックス・マスタリング、MV制作、アートワークまでマルチに手掛けるというアーティストで、このあたりは現代性を感じますよね。

カンナ:そうですね。

金子:もう少し言うと、POOLSがドリームポップ系なのに対して、POOLはハイパーポップとかに近いニュアンスがあって、すでに過去曲がそういう系統のプレイリストに入っていたりもして。今回の曲も非常にダンサブルで、そういったシーンともリンクするようなかっこいい曲だなと思いました。

カンナ:ライブとかで聴くときは体を動かすダンスミュージックで、お家で聴くときはちゃんと歌をしっかり聴く音楽として、どっちでも楽しめるなという感じですね。

金子:ハイパーポップは内省的な心情とも繋がっていたりするので、この曲の歌詞にも注目して聴いてもらいたいですね。



カンナ:続いてEPがリリースとなりました、東京○X問題!おめでとうございます!

金子:おめでとうございます。前にもちょっと喋ったと思うんですけど、最近はラジオ局がやっているアーティスト発掘育成プロジェクトのアーティストに選出されて、いろいろなライブに出たりといった活動をされています。その中で『鬼滅の刃』の主題歌「紅蓮華」の作曲を手掛けた草野華余子さんとご一緒したりもしてみるみたいなんですけど、今回の「赦」はこれまでの東京○X問題らしいトラックの洗練やおしゃれな部分もありつつ、結構開けたポップさがある気がして。そのあたりはアニソンとかをやってらっしゃる草野さんとのコラボレーションの中で身についてきた感覚なのかなと思ったりもしました。

カンナ:たしかに!やっぱりメロディーが印象的というか、頭に残るなと私も聴いていて思いました。

金子:EPのタイトル『cupola』というのはなかなか聞き慣れない単語ですけど、これはISS(国際宇宙ステーション)に付いてる観測用の窓のことらしくて、その窓を通じて、曲を通じて、いろんな人の人生模様が観察できる。たぶんそんなニュアンスだと思うんですけど、こういうセンスもさすがですね。



カンナ:ぜひEPを聴いてみてください。さてPart 3からどちらの曲を聴いていただきましょうか?

金子カワサキケイさんの新曲をかけようかなと思います。

カンナ:こちらも良かったです。

金子:良かった! 先月にも「バグ」という曲をかけて、それがひさびさのリリースで。そのときにも少し話したんですけど、シャムキャッツとかミツメとかの2010年代インディーみたいなところを引き継ぎつつ、1人のシンガー・ソングライターとして表現をしているところから一歩抜け出して、よりエレクトロニックな、モダンなトラックメイクと歌というところに進歩したのが「バグ」の印象で。今回の曲ではそこからさらに先へと進んでいて、ボーカルのピッチシフトとかもすごく効果的だったり、一曲の中に様々な要素があって、めちゃめちゃかっこいいトラックだし、いい曲だなと。

カンナ:「街は海」というタイトルですけど、私は散歩が好きでいろんな街を歩くんですね。で、たしかに時間帯とか季節によって、街には静と動があるというか。そういうのを海に例えるというそのセンスがまず素敵だなと思いました。オートチューンとかもただやりたくてやっているというより、しっかり意味があってやっているんじゃないかなと感じます。

金子:ここ最近よく名前が挙がるsuL(スゥ)とも通じる部分があると思っていて、モダンなトラックとセンチメンタルな心情がちゃんとマッチしていますよね。suLはヒップホップとかトラップからシンガー・ソングライター的な方に寄ってきたみたいなイメージがあるのに対して、カワサキケイさんの場合はシンガー・ソングライター的なところから、より今のR&Bとかヒップホップに寄ってきていて、結果的にリンクする立ち位置に2人がいるような感じもしました。

カンナ:いいですね。

金子:2人でなにか一緒にやってほしいなとか勝手に思ったり(笑)。

カンナ:本当ですね!ぜひFRIENDSHIP.を活用してください。




RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
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FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
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金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

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サトーカンナ
ボーカル、コーラス、作詞、ナレーション、執筆など、声と言葉にかかわる幅広い活動を続ける。
バンド(Kurhaus、グッド・ライフ・フェロウズ)ではシンセサイザーやパッドの演奏も担当。
ウェブサイト / @milkcupcakes / @kannasat

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Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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