SENSA

2022.08.21

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!  谷口貴洋・suL・bedほか全16作品 -2022.08.20-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! 谷口貴洋・suL・bedほか全16作品 -2022.08.20-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


MISATO:8月15日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全16作品の中から、まずはPart 1の8作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!大豊作です。はじめましてさんが3組いらっしゃいます。SOM4LI、P.NecobayashiによるプロジェクトAaanna Japanese Special、さらにはAtsushi KiyotaさんによるソロプロジェクトTONKOUが初登場です。





金子:mouse on the keysからKiyotaさんが脱退してソロというのは、ポストロック界隈だと大事件でしたし、Jan fluのP.Necobayashiくんが作曲プロジェクトでボカロを使ってるのも面白いですけど、個人的に注目したいのはSOM4LIですね。Strip Joint、Ms.Machine、KLONNSという別々のバンドをやっている人たちが結成したバンドで、同時代の海外インディーも取り入れつつ、ライナーノーツを読むと、それにプラスして「相対性理論のような繊細なギターワークと疾走感にも影響を受けた」と書いてあって、この組み合わせは面白いなと思いました。bedとかもそうですけど、やっぱりコロナでライブハウスが一回止まっちゃった時期を経て、新しい動きが続々と起こり始めていることを感じさせます。

MISATO:そうですよね。bedはダイジェストの1曲目で流れました。



金子:パンキッシュなバンドが新しくどんどん現れてきている印象があって、そういう意味でもSOM4LIはこの先が楽しみです。

MISATOMakoto Nagataさんは今回セカンドフルアルバムですね。おめでとうございます。

金子:プロデューサーでありビートメイカーでもある方ですが、作品についてコメントが来ていて、「アルバムを通して映画のサウンドトラックのような、ストーリー性を持たせた作りになっています。今作はこれまでの作品と比べ、よりアンビエント、シューゲイズ、インダストリアルに強く影響を受け、聴く側に風景をイメージするような感覚で聴いてもらいたい」とのことで。

(2人揃って):まさに!

MISATO:あはは。フィールドレコーディングもされて、環境音も使っていたり、本当に「まさに!」でしたね。

金子:映画をはじめ、近年の立体音響の世界では「イマーシブ」がキーワードになっていて、没入感のある音作り、奥行きのある音作りというのがポイントになってますけど、この作品はそこがすごかったですね。非常に奥行きのある、レイヤーが感じられる曲が並んでいて、このままSF映画のサントラになりそうな感じでした。



MISATO:いいヘッドホンだったり、映画館のようなすごく良い音響の中で聴きたいなという。頭の中が構築されていくような音が並んでいましたね。そんな中、Part 1からはどなたの曲をかけましょう?

金子:こちらもアルバムがリリースされた、谷口貴洋さんを紹介しようかなと思います。

MISATO:待っていました。アルバム『Endless Beauty』、リリースおめでとうございます!

金子:谷口さんの楽曲はこの番組でもコンスタントに紹介してきていましたけど、アルバムとしては実に6年ぶりの3枚目となります。まさに「ついに完成」という感じですよね。これまでリリースしてきた楽曲から、ちょっと前の曲も含めて全13曲。この6年間の谷口さんの集大成みたいな作品になっているかなと思います。これからかけるのはもともと2018年に発表している「つまんねぇぞ俺 」という曲で、〈つまんねぇぞ俺 つまんねぇぞ俺 もっと調子に乗れ / つまんねぇぞ俺 つまんねぇぞ俺 もっと思い上がれ〉という歌詞が印象的で。

MISATO:鼓舞している感じがいいですね。



金子:つい無難な方を選んでしまったりとか、つい安定を求めてしまう自分を鼓舞する曲ですよね。2018年にどういう心境でこの曲を書いたかはわからないですけど、でもそこから4年が経ち、コロナも経て、いままたこのフレーズを歌うのって、結構心境が違う気もするんですよね。それこそ2020年の頃とかは〈もっと思い上がれ〉とはとても言えなかった気がするんだけど、今ならもう一度この言葉が言える。それこそ、アルバムというものを出すこのタイミングなら、この言葉が言える。そんなストーリー性みたいなものも感じるし、おそらくご本人としても、歌うときの気持ちが違うんじゃないかなとか思いました。

MISATO:今回はアルバムバージョンでの収録ということなので、6年間の心境の変化というのが、このバージョンに落とし込まれているのかもしれないですね。




New Release Digest Part 2


MISATO:新譜ダイジェストPart 2をお送りしました。中野ミホさんはEPですね。

金子:やっぱり良い声ですね。

MISATO:谷口貴洋さんを聴いた後に聴くと、地続き感があってまた良いですね。

金子:この時間帯に聴くと、浸っちゃいますよね。EPのタイトルが『Breath』ということで、「コロナ禍もあってなかなか大きく深呼吸できない気分の中、聴いてくれる人が少しでも深呼吸を出来るように」という意味もあるし、「呼吸するように音楽を演奏したい」という想いもあって、このタイトルにしているそうです。3ピースのシンプルな演奏に、中野さんが歌を乗せるという作品になっていて、まさに"呼吸"まで伝わってくるような、気持ちのいい作品になっていますね。



MISATO:歌詞に〈風邪はひかないで〉と入っていて、彼女の人柄そのままで、お話ししているような感覚で聴けるEPですよね。そしてGroup2が「Utopia」をリリース!

金子:FRIENDSHIP.からは今年の4月・6月とリリースしてきて、今回で3曲目。やっぱりGroup2好きなんですよね。今作はLouis Coleとかも参考にしているらしいんですけど、でもコメントで「難しいことをやろうとするのだけど、"なんか違うものできてしまった"というのがGroup2っぽい」と自分たちで言っていて、その感じもいいなと。

MISATO:面白いですね。

金子:あとGroup2にはHelsinki Lambda Clubのギターでもある熊谷くんが在籍しているわけなんですけど、この前フジロックでヘルシンキをひさしぶりに見て、熊谷くんのギターがめちゃくちゃいいなと思って。やっぱり、いい意味で変なんですよ(笑)。ヘルシンキが単なるガレージ・ロックバンドになっていないのはいくつか理由があるだろうけど、熊谷くんのギターというのもすごく大きいと思うんですよね。Group2の今回の曲にしても、カッティングとかを合わせそうなところを、このちょっと無骨でソリッドなギターで押しているところがアクセントになっていると思うし。

MISATO:シンセ/ボーカルの山口さんに「"とりあえず変な歌詞を書いてほしい"とお願いしたら本当に変な歌詞が上がってきて、さすがだなと思いました」という上田さんのコメントもあって。変な人の集まりなんでしょうね(笑)。

金子:"変"は褒め言葉ですからね。



MISATO:本当ですよ!さあ1曲何をかけましょうか?

金子:FRIENDSHIP.からは初めてのリリースとなるsuL(スゥ)を紹介しようかなと。

MISATOいいですよね!ようこそFRIENDSHIP.へ。

金子:彼は福岡生まれで、現在は東京に拠点を移して活動しているラッパーであり、ビートメイカー、シンガー・ソングライターでもあるという方です。Group2もいろんなジャンルが混ざっているバンドですけど、suLもラップであり、ベッドルーム・ポップであり、インディ・ロックであり、R&Bでありと、一言では形容できない音楽性が混ざっていて、でもいまはそうやって混ざっていることがスタンダードだと思うから、suLみたいな人は世界的に見てもスタンダードな存在だなと。その上で日本語と英語を混ぜつつ歌っていて、ジャンル云々みたいなことをとっぱらっても、シンプルにポップ・ミュージックとして完成度が高くて、非常に良かったです。

MISATO:エフェクトの使い方とかも気になるんだけど、そこからまた解除した後の抜け感というか、このバランス感覚というのはどうやって養われているのか、面白い方ですね。

金子:ボーカルエフェクトの使い方はFrank Ocean以降みたいなところがあって、最近のラップではスタンダードになってますよね。日本だとエモ・トラップ以降みたいな流れで、最近だとLEXや(sic)boyとかが盛り上がってきてますけど、さらにそのネクストというか、suLみたいな人がもっと盛り上がると、シーン的にもますます盛り上がる気がします。

MISATO:新世代が出てきましたね。




今推したいFRIENDSHIP.アーティストを紹介するコーナー「MISATOの推しゴト」

MISATO:続いては全MISATOがお待ちかねのコーナー「MISATOの推しゴト」!

金子:全MISATO(笑)。

MISATO:MISATO協会というものがありまして。

金子:あるんですか(笑)?

MISATO:あるんですよ(笑)。その全MISATOが歓喜しています。私、MISATOの推しを熱く推させていただくお時間となりました。本日は「RADWIMPSと藤井風とVaundyと桑田佳祐を足したら。あれ?玉置浩二も入っていた?」という、jo0ji(ジョージ)さんをご紹介します(笑)!

金子:なんだかすごいですね。

MISATO:そして足したけど割らない(笑)。私が思う日本においてのヒットの法則がいくつかあるんですけど、その1つは歌心かなと思っています。どんなに歌が上手い方でも、「あと一息行けそうなのにな」という方が結構いたり、すごくおしゃれだけど、「評価としてはあと一歩なんだよな」という方って、やっぱりシビアな世界なのでいらっしゃるかと思うんですけど、この方の声には歌心の素養がすごくあると感じています。歌謡曲っぽさもあると思うんですけど、日本のその時代における心に寄り添う感覚というのが歌謡曲なのかなと思っていて、遠い海の向こうの話とか、過去でも未来の話でも、ヒップホップ的に自分の功績を話すわけでもない。やはり声って嘘はつけないから、その温もりいいますか、養殖なのか天然なのかとか聴いていてわかるじゃないですか?

金子:なるほど。

MISATO:そういう風に思っていたら、まさにライナーノーツに「友達が落ち込んでいて何かしてやれないかなと思ってこの曲を作った」という、本当にド天然の温もりを持ってらっしゃる方で、それがダダ漏れなわけですよ。先ほど参考にアーティスト名を出しましたけど、似ているとかって言いたいわけじゃなくて、それくらいのヒット性とルーツと、共通した天然エキスがたっぷりのミュージシャンだと感じて、今日はjo0jiさんを推しとしてピックアップしました。

金子:たしかに最初に挙げていた人たちは、みなさん歌心がある人たちですよね。Vaundyとか藤井風はまさに時の人という感じですけど、どちらもそれぞれ違う形でとても歌心がありますし。

MISATO:そうですよね。jo0jiさんは最初YouTubeだけでやっていらっしゃって、今回FRIENDSHIP.を通じて、ストリーミングでは初めての配信リリースになるので、私の大好きな古参ぶれるコンテンツとしてもピッタリな方になっています(笑)。

金子:Twitterのフォロワーはいま何人なんでしょうね?

MISATO:Twitterがまず見つからないんですよ。YouTubeは1400人ぐらい登録者数がいるんですけど、やっぱり過去のコメントを漁ると、「古参ぶっても良いですか?」とか「いまなら古参ぶれる」とか、先輩たちがコメントされているので、まだ間に合うと思います(笑)。

金子:先輩たち(笑)。

MISATO:なので、まず登録してみてください。

金子:jo0jiさんは綴りも独特ですよね。

MISATO:jo0jiでジョージと読みます。検索するときに注意して探してみてください。



MISATO:厚武さん!最新情報が届きました。いまスタッフが検索してくれて、Twitterアカウントが発見されまして、フォロワーさんは92人だそうです。(※収録時)

金子:それはもう、今からなら古参ぶれますね(笑)。

MISATO:92人なので、あと8人に入りたいですね!

金子:そうですね。せっかくですので。

MISATO:せっかくなら100人以内に入りたい。

金子:このラジオを聴いているみなさんで、とりあえず100人までいきましょう。

MISATO:そうですね!みなさんお願いいたします。


RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
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FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
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金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

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MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

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Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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