SENSA

2022.08.07

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!  the chef cooks me・miida・Jan fluほか全16作品 -2022.08.06-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! the chef cooks me・miida・Jan fluほか全16作品 -2022.08.06-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


MISATO:8月1日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全16作品の中から、まずはPart 1の8作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!今週ははじめましてさんが多くて、大聖堂jo0ji(ジョージ)さん!ようこそ!

金子:jo0jiさんはこの曲をYouTube に公開して活動を始めた方で、楽曲や歌詞、アートワークなど全てをご自身で手掛けられているということです。

MISATO:日本のどこに住んでいてもご自身のアート活動ができるというのを形にしてくれていて、YouTubeをツールにしているのも面白いですね。

金子:米津玄師さん以降というか、ネット出身で、曲からアートワークまで全部自分でやってしまうアーティストはたくさん出てきてますよね。その一方で、藤井風さんのようにYouTubeでの配信からスタートして、知名度を広げる人もどんどん出てきてる。idomさんという月9ドラマ『競争の番人』の主題歌に大抜擢された新人の方とかも、そういう流れを感じさせる方だったりして、jo0jiさんの曲を聴いても新世代のシンガーソングライターのあり方というのをすごく感じました。



MISATO:そして4人組バンドの大聖堂。

金子:バンド名すごいですよね(笑)。

MISATO:荘厳ですね(笑)。

金子:でも音楽は荘厳というよりは、すごく人懐っこいという。

MISATO:そうなんですよね。なぜこのバンド名にしたのか。

金子:そのギャップがまた面白いですね。2018年に結成された4人組で、プロフィールには「時代や国を問わず様々なルーツやエッセンスを感じさせる音楽性を特徴とし、どこか懐かしく、でも新しいグッドミュージックを日々創出し続ける」とあります。"大聖堂"という名前の壮大な響きと、実際の楽曲の人懐っこさみたいなもの、そういうある種のギャップ、二面性みたいなところが、"懐かしくも新しい"という音楽にも表れている気がしますね。



MISATO:そしてJan fluがアルバムリリースとなります。おめでとうございます!

金子:おめでとうございます。アルバムが遂にリリースされました。

MISATO:何匹集まったのでしょうか?8匹かな?

金子:動物たちが8匹集まりましたね。前に出したEPは『Sports』というタイトルで、いろんなスポーツの名前が曲名になっていましたけど、今回はいろんな動物にまつわる曲が8曲揃っていて、タイトルが『Discoveri ch.』。ちょっとひとひねりしてきましたね。「Animal Planet」でもなく、『Discoveri ch.』という。

MISATO:かわいいな〜。センスですね。

金子:たしかに楽曲ごとにタイトルになっている動物の感じを連想させつつも、全体としてはJan fluらしい非常にバンド感に溢れた楽曲が並んでいて、2000年代後半から2010年代前半ぐらいの海外のインディーロックがお好きな方だったら絶対ハマるだろうなという感じがします。今回バンドでスタジオに入ってセッションで作ったタイプの曲が多いらしくて、最近はそういう作り方をしている人たちが少なくなっている気もするんですけど、スタジオの中でみんなで音を合わせて作ったからこその勢いであったり、その場のノリで生まれたであろうひねくれ感だったりとか、そういうところも存分に詰まっていて、とても気持ちの良いアルバムでしたね。

MISATO:「コアラだ」とか「ハリネズミだ」みたいに、それぞれの動物がちゃんと浮かんでくるのが、彼らの表現力の素晴らしさですね。今回ダイジェストで流れている「Cheetah king」はチーターが全速力で走っていますよね。

金子:チーターの疾走感ありますね。

MISATO:すごいな〜。疾走感はわりとアルバム全体に共通して言えるけど、それぞれの最大速度みたいなものがしっかり見えるといいますか(笑)。

金子:やっぱり「Doggg runnn」は犬の速度で、チーターの方が速いですよね。コアラは走ってなさそうだな、とか。



MISATO:チルな感じがしますよね。さて、Part 1はなにをお送りしましょうか?

金子the chef cooks meを紹介しようと思います。FRIENDSHIP.からは初めてのリリースです。

MISATO:ありがとうございます!

金子:ご存知の方も多いとは思うのですが、プロフィールを改めて見ると、2003年結成ですか。

MISATO:ベテラン!

金子:もう20年弱活動してます。もともとバンドとしてスタートして、近年はシモリョーこと下村亮介さんのソロプロジェクトになっていて、シモリョーさん自身はASIAN KUNG-FU GENERATIONのGotchさんのソロとかにもプロデュースで関わっていたり、最近だとLiSAさんの曲にも編曲で関わっていたりとか、幅広くご活躍されている方です。

MISATO:売れっ子ですね。

金子:そのキャリアに裏打ちされるかのように、今回の曲も非常にポップであり、サウンドとしてのクオリティも高いです。海外のトレンドもしっかり押さえた低音の出が気持ち良いサウンドプロダクションと、ちょっとフィリー・ソウルっぽいようなポップ感。シモリョーさんの歌自体もとても良いですし、さすがのクオリティだなと。

MISATO:歌詞もいいですね。

金子:いいですよね。歌い出しが〈ありのままでいることさえ 難しい時代になったね〉というところから始まっていて。

MISATO:「うん、うん」と頷きながら聴いちゃいました。

金子:でもその後に〈人は未完成 意味もなく ただ今を生く 数多後悔も 苦い過去も 覚えているだろう? ありのままがいいよ〉という言葉を投げかけてくれる感じもとても良かったです。シモリョーさんみたいにバンド経験も長くて、プロデューサーとしてもポップシーンにちゃんと関わっている人がFRIENDSHIP.に来てくれるのは、いろんな意味でプラスになる気がしています。

MISATO:これからどんなコラボが出てくるか楽しみですね。

金子:例えば、YAJICO GIRLとかって絶対に相性いいと思うんですよ。

MISATO:お!言い切りましたね。

金子:はい、これはもう絶対です。

MISATO:"絶対"!もうやって欲しいですね。

金子:僕の勝手なイメージですけど、GotchさんってYAJICOにとってのメンターな気がするんですよ。アジカンではなく、Gotchさんのソロ。音楽性的にもメッセージ性的にも。そこに実際に関わっているシモリョーさんが、YAJICOとも一緒にやったりすると、果敢にいろんな音楽性を取り入れている最近の感じに、より遠くまで広がるポップスとしての要素を加えてくれる気がして、僕の中ではもう勝手に結びついているんですよね(笑)。

MISATO:そうか!もう着地点は見えているわけですね。

金子:そんなことも想像しながら、曲を聴いてみていただけると良いんじゃないかなと思います。



MISATO:リスナーのみなさんどうでしょう?シモリョーさんとYAJICOのコラボレーションは目に浮かびましたか?

金子:僕は思い浮かびました。

MISATO:あはは。でも幅を広げてくださる誰かに出会うだけで、大きな人生の転換になったりしますからね。これが大きなきっかけかもしれませんね。


New Release Digest Part 2


MISATO:Part 2をお送りしました。リリースおめでとうございます!まずはじめましてさんが2組。CONGRATULATIONS来来来チーム

金子:LIKE A FOOL RECORDSというcinema staffの辻くんがやっているレーベル兼レコードショップが今年7周年を迎えまして。

MISATO:おめでとうございます!

金子:LIKE A FOOL RECORDSというレコードショップと、えるえふるという立ち飲み屋さんが一緒になっているお店で、東京の新代田にあるんですけど、やっぱりコロナで結構大変だったと思うんです。でもいまは無事に営業を再開していて、7周年を迎えたという中で、その周年を記念してのリリースということです。来来来チームは2007年から活動しているバンドで、プロフィールには「シティ・ポップに憧れるも、それほどオシャレにはなれない商店街ポップ」とあります。

MISATO:いいキャッチコピーですね。



金子:CONGRATULATIONSは日本のハードコアシーンの伝説的なバンド、There Is a Light That Never Goes Outであり、その後の"Z"をやっているメンバーが新しく結成したバンドで、この辺が好きな人にはたまらない楽曲です。これどっちもレコードショップのアニバーサリーのリリースだけあって、カセットテープやLPでもリリースされていて。FRIENDSHIP.の番組なので、もちろんデジタルでも聴いて欲しいんですけど、やっぱりフィジカルの楽しさも間違いなくあるので、東京にお住まいの人はぜひLIKE A FOOLに行って、お買い上げいただきたいなと。



MISATO:その場で曲がかかったりもしているでしょうから、それを聴くのも醍醐味のひとつですよね。さらにおひさしぶりの方たちもいました。アソビウイルスは1年ぶりです。

金子:ひさしぶりですね。前に出した曲もすごくポップで印象的だったんですけど、今回もいいですね。以前から"In a Wonderland'をテーマに掲げていて、メルヘンでドリーミーな世界観というのが背景にありつつ、今回から自分のセクシャリティを率直に歌詞で表現していくとのことです。これまでもアートワークとかMVとか見ていると、非常に可愛らしい世界観がありましたけど、その部分をよりダイレクトに出すようになってきているんだなと。歌詞では〈Love is bittersweet(愛はほろ苦い)〉というフレーズがキーワードになっていて、自分の中のほろ苦い部分も出すことにはなると思うんですけど、でもそれをメルヘンでドリーミーな世界観に昇華していくという。アーティストとして、表現者として、新たな一歩の曲になっているんじゃないかなと思います。

MISATO:彼自身がそうやって重いことだったりとか、抱えきれないものをそこで消化して、これまで生きてこられたんだなというのも垣間見られますし、いまのアーティスト性がどういう風に作られたかというのを少し感じさせてくれるような楽曲になっていますね。



MISATO:さらにおひさしぶりの方がいらっしゃいまして、14ヶ月ぶりです。nape's

金子:nape'sも良かったですね。我らが福岡のバンドです。

MISATO:そうですよね〜。みなさん聴いてくださっているかしら?

金子:彼らは2018年に結成した4ピースのバンドなんですけど、今回の曲はバンドというよりも、ベッドルーム・ポップ的な感じでした。これまでもそういう要素は持っているバンドだったんですけど、よりその要素が強まったなと思ったら、今回こちらも福岡出身の、the perfect me というトラックメイカーがエンジニアを担当しているそうです。the perfect meは個人的にもすごく好きで、この名前はアメリカのDeerhoofってバンドの曲から取ってるんですけど、そういうバンド感もわかりつつ、自分の表現としてはトラックメイクをやっている人なんですよね。だからnape'sみたいな、バンドなんだけどベッドルーム・ポップ的な音楽をやっている人たちとはすごく相性が良くて、とても良い仕上がりになっているなと思いました。

MISATO:なるほど。

金子:nape'sはこちらも福岡のyonawoとも盟友みたいな関係で、yonawoが今年出したEPもかなりベッドルーム的な仕上がりになっていました。彼らももともとそういう要素を持っていたけど、新しいEPはそのベッドルーム的な感じをより強く出した作品だったので、そことのリンクも感じさせつつ、非常に気持ちの良い曲でした。

MISATO:この時間帯にもぴったりですね。



MISATO:厚武さんのお話であったように、the perfect meと一緒にやったことによって、nape'sの可能性と、自分たちには考えられなかった曲のアレンジ感が生まれるわけじゃないですか?これはYAJICOとシモリョーさんのコラボレーションが楽しみになってきますね。

金子:勝手に言ってるだけですけどね(笑)。でもやっぱり、組み合わせによって新しい可能性が開けるということはありますからね。

MISATO:お互いのやりたいことが足し算ではなく、掛け算みたいな形になるというのが、音楽の楽しいところですよね。


今推したいFRIENDSHIP.アーティストを紹介するコーナー「MISATOの推しゴト」

MISATO:続いてはおひさしぶり、「MISATOの推しゴト」!!私の"推し"を熱く推させていただくお時間となりました。待っていました。月に一回しかないからね!

金子:お持たせしました!推してください。

MISATO:待ちくたびれましたよ。今週は東京の6人組オルタナティブロックバンドのCHAILDです。メンバーは、ツインギターでSomeyaさんとKurandoさん、ベース・コーラスYuriさん、ボーカルはLouisさん、ドラムはSoさん、そしてキーボード・コーラスがMoekaさんという編成になっています。2019年に毎年4月にやっているフェス「SYNCHRONICITY」に、一般公募オーディションを経て出演されている経歴があるみたいです。UKロック味はありつつ、ただのストレートなロックではなく、ロックなのにグルーヴィーでキャッチーでという魅力を持っています。過去作も聴き漁ったのですが、今作「Citadel」が私的には一番ポップさと言いますか、どなたでも入りやすい要素があって、みなさんにも聴きやすいんじゃないかなと感じています。今回3ヶ月連続リリースの第3弾になるみたいなんですけど、第1弾が「Fly Along with Your Desire」、そして第2弾が「Sled Sleep」。過去作はちょっと玄人好みな感じもあって、そう思わせるだけの実力がしっかりあるバンドになっています。





金子:なるほど。

MISATO:もし私がフジロックにブッキングするのであれば、初回は深夜の「THE PALACE OF WONDER」に出てもらって、その数年後に「WHITE STAGE」に出したい。

金子:もうそこまで決まってるんですね(笑)。

MISATO:決まっています(笑)。曲の作り方として、後半で一発録りのインプロのようなセッションの部分があるのですが、そこでどんなライブをしてくれるのか、すごく想像させられるといいますか。特に3分58秒から!ここからもうたまらない盛り上がりがあって、「私はこの高揚感を求めてライブにきたんだよね!」という感じを3分58秒から教えてくれて、4分28秒からその世界に浸透していく自分の姿、ライブハウスでは目を閉じながら、「ここの空間と一体化していく私」みたいなのがすごく見える楽曲です。フェスとかで初見でCHAILDを見たら、「今回No.1だったね」と言っちゃうような、そういうステージングも想像できるような1曲になっているなと感じました。そしてなんと9/17(土)に都内のtime tokyoというライブハウスでライブがあるみたいなので、行けそうな方がいらっしゃったらぜひ訪れてみてください。

金子:たしかリリースタイミングのときはキュレーターのタイラさんが、「The Musicみたい」というようなコメントを寄せてくれていたと思うのですが、たしかにダンサブルなグルーヴがありつつ、でもヘヴィなところもあって、そのあたりがロックバンドらしくて、かっこいいですよね。

MISATO:もうそろそろ明るい太陽の下で生バンドを聴きたいじゃないですか?それを盛り上げてくれる1曲になっているかなと思います。



MISATO:「Citadel」というのは"砦"とか"城壁"という意味があるみたいで、自分の砦とか城壁はすごく安全だし心地が良い、それで引きこもってもいいんだなと思わせてくれる、それを肯定してくれる1曲になっています。今のこの多様性の世の中で何を自由として、何を良しとしていいのかということを教えてくれるような、自由な生き方を考えさせてくれる1曲でもあると思います。みなさんもぜひ聴いてみてください。


RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
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FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
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金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

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MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

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Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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