- TOPICS
- FEATURE
2022.06.30
FM福岡で毎週水曜日 26:00~26:55にオンエアしている音楽番組「Room "H"」。九州にゆかりのある3組のバンド、ユアネスの黒川侑司、松本 大、odolの森山公稀が週替わりでMCを務め、彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。
今週のMCは、ユアネスの黒川侑司が担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
(黒川)それでは早速番組をスタートしていきたいと思いますが、その前に「黒川侑司弾き語りソロツアー」を現在、絶賛開催中なんですけども、いよいよ福岡公演が近づいてきました。僕が音楽を始めた地でもある福岡ですね。FM福岡のある"福岡公演"は7月2日(土)で、会場はROOMSという場所でライブさせていただきます。福岡は2公演、午後3時半スタートと午後6時スタートがあります。
そういえば、今まで回ってきた会場で「ラジオで知りました」という方が実は数人いらっしゃって、ちょっと嬉しかったです。もしかしたらこの福岡公演の時も「Room "H"で知りました」という方が来てくれるのかなと期待してます。はじめましての方がライブに来てくれるのを楽しみにしつつ、今まで福岡で音楽をやってきたので、今まで応援してきてくださっていた方や久しぶりに会う方とかと、もしかしたら会えるのかもと思ったりして、そういうのもすごく期待しつつ、楽しみにしております。ぜひお気軽に遊びに来てくれると嬉しいです。よろしくお願いします!
今回の弾き語りのツアーでの見せ方みたいなのがわかってきた気がしています。なんというんですかね...。距離感みたいなのがものすごく近すぎると、それはそれでやっぱり夢を見ていたい部分とかってすごくあると思うんですよね。でも僕はどっちかって言うと友達感覚という言葉が合っているのかな?わかんないんですけど、「黒川がなんかやっているぞ」とか「新しい曲出した」とかぐらいの軽い気持ち、ラフな気持ちで自分の存在とかを見てくれていると、すごく嬉しいし、楽しいものを共有できる気がしています。
なるべく僕は、すごく正直にその日を生きている自分を見せられるようなツアーにしたいなと思っております。それこそ仙台や北海道などは、会場の近くのお店とかの雰囲気で「この曲は今日のセトリに入れよう」とか、北海道は飛行機に乗っていて「めっちゃ空の上に行ったし、この曲をやろう」みたいに、気分で突然曲を決めたりして。でもそれはそれで、すごくその時のシンプルな感情が出て、「こういうやり方がすごく向いているな」と再認識したというか。今回の福岡は、僕が音楽を始めた地でもありますし、実家は山口県なんですけど、福岡は1番思い出が濃いところなので、それこそ思い出の曲とか、当時ずっと聴いていた曲とか、そういうのも共有できたら。そして皆さんの中で「その曲は私もあの頃聴いていたな」みたく共有できるものがあって、ちょっとずつ皆さんとの壁みたいなのがなくなってくれると嬉しく思ってますし、そんなライブにしたいなと思っております。
ここからは@リビングルーム。毎回3曲、Room "H"の住人がそれぞれのカラーで今聴いてもらいたい音楽を自由にセレクトしていきます。テーマというテーマではないんですけど、「僕が最近夜歩く時に聴いている音楽」、日中に音楽をそんなに聴かないんですよね。浸りたい時に音楽を聴くので。それこそ北海道にツアー行ってライブ終わった後に、北海道の札幌・すすきのら辺をボーッと歩いているときに聴いた曲のリストの中から3曲選んできました。
ギターのリフとかの音がずっと繋がっていて気持ちいいですよね。サーフィンをしているような、そんな夏っぽいというよりかは、音が常に途切れずに滑らかに続いていくようなリフで、だんだんクセになっていくんですよね。だからindigo la Endの「瞳に映らない」という曲は、夏の汗ばんだ夜みたいなイメージがすごく強いんですよね。バイト帰りに、結局自分のiPhoneにこの曲を落として、働いているときにずっと聴いていたけど、帰り道でも聴いてしまう。そういう中毒性がこの曲にはあります。
「弾き語りツアーワンマンでいま自分が回っている。そういえば僕の弾き語り、初めてライブしたのいつだっけ?福岡のUTEROというライブハウスだったよな」みたいなことを最近思い返していて、「何の曲をやったっけ?今やってないけど、実はオリジナル曲もう1曲持っていたな。とても恥ずかしくて歌えないけど...」とか。そんな中で僕が弾き語りのライブで初めてやったカバーが、indigo la Endの「瞳に映らない」だと思い出したんですよ。だから弾き語りツアー中、それこそ滞在している先で、夜ちょっと出歩くときにこのindigo la Endの「瞳に映らない」を聴くと、当時のアコギ全然弾けなかったけど、ライブに誘われたことがすごく嬉しくて、曲もオリジナル曲が1曲しかなかったのに、「出ます!」と言って結構無茶な出方をしたのをすごく思い出して、なんか微笑ましくなりました。少し思い出補正が強いんですけども、この曲はすごく夜にぴったりな、自分の中でぴったりな曲だなと思って選曲させて頂きました。
キタニくんの新しいアルバム『BIPOLAR』という作品は、10曲入ってて、1曲目から流れで聴いていって、この6曲目の「夜警」に一番耳を持っていかれたんですよね。どちらかと言うと踊れる、ダンスミュージックという言葉はもしかしたら正しくないのかもしれないですけど、キタニくんはどちらかというと愉快な感じじゃないですけど、体揺らしたり手を叩いたりするとすごく雰囲気が合うような、そんな楽曲が多いイメージなんですよね。その中にもバラードみたいなので一癖つけてくるイメージが強かったんですけど、「夜警」はどちらでもなかったんですよね。キタニタツヤ本来の、根本で好きな音楽・ジャンルみたいなものを、すごく詰め込んだような、「本当はこの人たぶんこういう音楽ばっかり聴いて育ってきたんだろうな」というのを感じられるような1曲です。キタニくんがもともとやっていたバンドとかも、僕は見ていたりしたこともあったので、このタイミングでそういう1曲を作ってきて、10曲中の1曲にぶち込むのめちゃくちゃかっこいいなと思いました。僕が夜に散歩している時とかに聴く曲で3曲選んできたんですけど、この「夜警」は懐中電灯で隠れている自分のことを警備員に探されているような感覚になるんですよね(笑)。
あと「キタニくんってベーシストだな」って改めて感じるような曲でもありました。キタニくんがこの曲でベース弾いているかどうかちょっと分からないんですけども、考えているのはきっとキタニくんだと思います。そういえばあの人はめちゃくちゃ上手な、しっかりしたベーシストだったとか、作曲者としてもとても優秀だし、楽器を弾く人間としてめちゃくちゃ優秀な人間だったなと思い知らされて、感動しました。
続いては宅録コーナー、@レコーディングルーム。Room "H"の住人が弾き語りや宅録で何か1曲収録してきて、皆さんに聴いていただこうという時間です。今日僕がピックアップした楽曲は、aikoさんの「カブトムシ」という曲です。
もうバリバリ夏だと言ってもいいぐらいの気候になってきましたよね。梅雨の時期でもあるんですけども、暑い時はめちゃくちゃ暑いじゃないですか?やっぱ気候のせいか、虫が増えている気がするんですよ。僕は小さいときから虫がめちゃくちゃ苦手で、しかもクワガタもカブトムシもめちゃくちゃ苦手な子供だったんですよ。だけどaikoさんの「カブトムシ」はめちゃくちゃ好きでした。この番組でよく名前を出させてもらっているんですけど、「ハモネプ」という番組がめちゃくちゃ好きで、その「ハモネプ」でジュブナイルというアカペラグループの方々がaikoさんの「カブトムシ」を歌われていたのを見て、そこからもめちゃくちゃ好きになりました。カラオケ行くたびに自分の声に合うキーに変えて、「カブトムシ」を歌うというのをずっとやっています。今回はその「カブトムシ」を弾き語りで披露させていただきます。最初に言っときますけど、めちゃくちゃ良いものが録れてしまいました。
流す前に自分でハードルを上げておいたんですけども、いま聴いてもめちゃくちゃ満足いっています(笑)。次の回もこれを流したいぐらいちょっと気に入っていて。aikoさんの楽曲って僕のイメージではメロディーがめちゃくちゃ難しいんですよ。「そこ行くんだ」とか「変なの」じゃないんですよ。気持ちいいんですけど、自分でいざそのメロディを考えられるかって言ったら考えられないんですよね。なので今回のカバーはその音を上手にはめられるかというところをめちゃくちゃ意識して歌ってみました。
ここからはRoom "H"の住人がプライベートで大事にしているディープな偏愛ソングを毎週1曲ご紹介、@ベッドルームのコーナーです。今日このコーナーで皆さんに聴いていただきたい曲は、Cö shu Nieの「ice melt」という曲です。曲名から少しひんやりとした、もう"ice"が使われているし、"melt"は溶けるとかですよね。そういうちょっとひんやりした雰囲気が漂っていますけども。
僕はCö shu Nieめちゃくちゃ好きで、何が好きなのかを具体的に言葉にしようと思ったときにパッと出てこなくて、でも好きだったんですよ。自分のできない範囲外のことが起きたり聴こえたりするとパニックじゃないですけど、びっくりしちゃうんですよね。このCö shu Nieはメロディーの音の波みたいなのが全く予測できなくって。それこそ音の配置や羅列とかも予測できなくて、それがCö shu Nieを聴く気持ち良さの1つなんだなって最近気づいたんですよ。もちろんバンドサウンドがバキバキに入った楽曲もあって、そういう「このテクニック、どうやって弾いてんだ!すげー!」みたいな格好良さの部分で聴く気持ちはもちろんあると思うんですけど、今から流させてもらう「ice melt」という曲は、どっちかというと物静かな楽曲なんですよね。
でもそういう楽曲だからこそ、メロディの繊細さというのが感じられる1曲だなと思います。あとこの曲を聴くと、『エヴァンゲリオン』の綾波レイを思い浮かべちゃうんですよね。サビの歌詞で「ポカポカ」という歌詞が使われているんですよ。綾波レイの有名なセリフで、「碇くんと一緒にいるとポカポカする」みたいなセリフがあるんですよ。「碇くんにもポカポカして欲しい」みたいなのあるんですよ。そういう部分にもしかしたら引っ張られてしまっている部分もあるかもしれないんですけど(笑)。
あと「ポカポカ」って基本的に温かいものを表すときに使う言葉じゃないですか?なのにこの曲で使われている「ポカポカ」は、最近知った言葉のように感じてしまうんですよね。「ポカポカ」することにあんまり馴染みがなかったような。「ポカポカ」すること、その感じがわからなかった人間の気持ちのような感じです。そういう風にも感じられた、すごく素敵な、大好きな曲です。意味がめちゃくちゃありそうな「ポカポカ」だなと感じることができて、それはきっとCö shu Nieがそういう風に思わせる実力を持っているからだと思っています。だからこそこういうオノマトペの言葉が出てくると、パッと聴き可愛い言葉のように思えて、もしかしたらすごく深い意味があるのかもしれないと思っちゃいますね。皆さんもちょっとそこに注目して聴いてくれたらうれしいです。
「ポカポカ」どういう風に感じましたか?温かく感じましたかね。僕はもちろん言葉自体の温かいというものを表す時に使う「ポカポカ」だと思うんですけど、「心がポカポカしてハッピー」みたいな「ポカポカ」じゃないんですよね。「こんな自分でもポカポカする気持ちがあるんだ」みたいな「ポカポカ」って言うんですかね。生ぬるいポカポカなんですよ。35度ぐらいの温度感で...35度は結構温かいのかな?とにかく40度の風呂ではないんですよね。34〜35度とかそれぐらいのぬるさを感じるくらいの「ポカポカ」に僕は感じました。
青葉市子「海底のエデン」
indigo la End「瞳に映らない」
キタニタツヤ「夜警」
aiko「カブトムシ」弾き語りカバー
Cö shu Nie「ice melt」
ユアネス「「私の最後の日」」
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、
詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro
松本大
2006年に長崎県で結成。バンド名「LAMP IN TERREN」には「この世の微かな光」という意味が込められている。松本の描く人の内面を綴った歌詞と圧倒的な歌声、そしてその声を4人で鳴らす。聴く者の日常に彩りを与え、その背中を押す音楽を奏でる集団である。
2021年12月8日にEP「A Dream Of Dreams」を配信リリース。
オフィシャルサイト/ @lampinterren/ @pgt79 / @lampinterren
森山公稀(odol Piano&Synth.)
福岡出身のミゾベリョウ(Vo.)、森山公稀(Pf./Syn.)を中心に2014年東京にて結成した3人組。ジャンルを意識せず、自由にアレンジされる楽曲には独自の先進性とポピュラリティが混在し、新しい楽曲をリリースする度にodolらしさを更新している。
2022年3月16日に「三月」を配信リリース。
オフィシャルサイト/ @odol_jpn/ @KokiMoriyama
今週のMCは、ユアネスの黒川侑司が担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
(黒川)それでは早速番組をスタートしていきたいと思いますが、その前に「黒川侑司弾き語りソロツアー」を現在、絶賛開催中なんですけども、いよいよ福岡公演が近づいてきました。僕が音楽を始めた地でもある福岡ですね。FM福岡のある"福岡公演"は7月2日(土)で、会場はROOMSという場所でライブさせていただきます。福岡は2公演、午後3時半スタートと午後6時スタートがあります。
そういえば、今まで回ってきた会場で「ラジオで知りました」という方が実は数人いらっしゃって、ちょっと嬉しかったです。もしかしたらこの福岡公演の時も「Room "H"で知りました」という方が来てくれるのかなと期待してます。はじめましての方がライブに来てくれるのを楽しみにしつつ、今まで福岡で音楽をやってきたので、今まで応援してきてくださっていた方や久しぶりに会う方とかと、もしかしたら会えるのかもと思ったりして、そういうのもすごく期待しつつ、楽しみにしております。ぜひお気軽に遊びに来てくれると嬉しいです。よろしくお願いします!
今回の弾き語りのツアーでの見せ方みたいなのがわかってきた気がしています。なんというんですかね...。距離感みたいなのがものすごく近すぎると、それはそれでやっぱり夢を見ていたい部分とかってすごくあると思うんですよね。でも僕はどっちかって言うと友達感覚という言葉が合っているのかな?わかんないんですけど、「黒川がなんかやっているぞ」とか「新しい曲出した」とかぐらいの軽い気持ち、ラフな気持ちで自分の存在とかを見てくれていると、すごく嬉しいし、楽しいものを共有できる気がしています。
なるべく僕は、すごく正直にその日を生きている自分を見せられるようなツアーにしたいなと思っております。それこそ仙台や北海道などは、会場の近くのお店とかの雰囲気で「この曲は今日のセトリに入れよう」とか、北海道は飛行機に乗っていて「めっちゃ空の上に行ったし、この曲をやろう」みたいに、気分で突然曲を決めたりして。でもそれはそれで、すごくその時のシンプルな感情が出て、「こういうやり方がすごく向いているな」と再認識したというか。今回の福岡は、僕が音楽を始めた地でもありますし、実家は山口県なんですけど、福岡は1番思い出が濃いところなので、それこそ思い出の曲とか、当時ずっと聴いていた曲とか、そういうのも共有できたら。そして皆さんの中で「その曲は私もあの頃聴いていたな」みたく共有できるものがあって、ちょっとずつ皆さんとの壁みたいなのがなくなってくれると嬉しく思ってますし、そんなライブにしたいなと思っております。
夜歩く時に聴いている音楽を紹介!@リビングルーム
ここからは@リビングルーム。毎回3曲、Room "H"の住人がそれぞれのカラーで今聴いてもらいたい音楽を自由にセレクトしていきます。テーマというテーマではないんですけど、「僕が最近夜歩く時に聴いている音楽」、日中に音楽をそんなに聴かないんですよね。浸りたい時に音楽を聴くので。それこそ北海道にツアー行ってライブ終わった後に、北海道の札幌・すすきのら辺をボーッと歩いているときに聴いた曲のリストの中から3曲選んできました。
1曲目:青葉市子「海底のエデン」
まず1曲目は、青葉市子さんの「海底のエデン」という曲です。この曲は自分の気づいてない部分の傷を癒してくれるような、体の根っこの方までスッと浸透してくるような。ひんやりしているんですけど、でもどこか温かい曲なんですね。音源の録り音みたいなのもすごく好みで、空間の音が聴こえると言うんですかね。「シー...」という音がずっと聴こえていて、鍵盤をタッチする指の音、爪が鍵盤に触れる音・離れる音。そういう音が耳をすませば聴こえるんですよ。それこそ、そこで弾いて歌ってくれているかのような録り音なんですよね。それがひんやりしているけども、どこか温かく感じる"温かみ"の正体なのかもしれないなんて思ったりもしました。夜は周りが静かですから、より耳元で流れている音に集中できるので、そういう細かいところに気付けてすごく素敵な曲だと思ったので、流させていただきます。2曲目:indigo la End「瞳に映らない」
続いて2曲目に選んできた曲はindigo la Endの「瞳に映らない」という曲です。昔働いていたバイト先の店内放送で、めちゃくちゃずっと流れていたんですよ。この曲のサビのフレーズに〈あなた あなた あなただけ〉という部分があるんですよ。それが何回も何回も店内で流れて、ものすごく頭に染み付いていきました。ギターのリフとかの音がずっと繋がっていて気持ちいいですよね。サーフィンをしているような、そんな夏っぽいというよりかは、音が常に途切れずに滑らかに続いていくようなリフで、だんだんクセになっていくんですよね。だからindigo la Endの「瞳に映らない」という曲は、夏の汗ばんだ夜みたいなイメージがすごく強いんですよね。バイト帰りに、結局自分のiPhoneにこの曲を落として、働いているときにずっと聴いていたけど、帰り道でも聴いてしまう。そういう中毒性がこの曲にはあります。
「弾き語りツアーワンマンでいま自分が回っている。そういえば僕の弾き語り、初めてライブしたのいつだっけ?福岡のUTEROというライブハウスだったよな」みたいなことを最近思い返していて、「何の曲をやったっけ?今やってないけど、実はオリジナル曲もう1曲持っていたな。とても恥ずかしくて歌えないけど...」とか。そんな中で僕が弾き語りのライブで初めてやったカバーが、indigo la Endの「瞳に映らない」だと思い出したんですよ。だから弾き語りツアー中、それこそ滞在している先で、夜ちょっと出歩くときにこのindigo la Endの「瞳に映らない」を聴くと、当時のアコギ全然弾けなかったけど、ライブに誘われたことがすごく嬉しくて、曲もオリジナル曲が1曲しかなかったのに、「出ます!」と言って結構無茶な出方をしたのをすごく思い出して、なんか微笑ましくなりました。少し思い出補正が強いんですけども、この曲はすごく夜にぴったりな、自分の中でぴったりな曲だなと思って選曲させて頂きました。
3曲目:キタニタツヤ「夜警」
本日の3曲目は、キタニタツヤの「夜警」という曲です。最初漢字が読めなくて、「何て読むんだろうな」と思っていたんですけど、ちゃんと正式な言葉としてあるんですね。学のなさが出てしまいました(笑)。簡単に言うと、夜の見回りみたいな、火災とか犯罪とかを警戒する役目みたいな意味のある単語らしいですね。文字通りなんですけども。キタニくんの新しいアルバム『BIPOLAR』という作品は、10曲入ってて、1曲目から流れで聴いていって、この6曲目の「夜警」に一番耳を持っていかれたんですよね。どちらかと言うと踊れる、ダンスミュージックという言葉はもしかしたら正しくないのかもしれないですけど、キタニくんはどちらかというと愉快な感じじゃないですけど、体揺らしたり手を叩いたりするとすごく雰囲気が合うような、そんな楽曲が多いイメージなんですよね。その中にもバラードみたいなので一癖つけてくるイメージが強かったんですけど、「夜警」はどちらでもなかったんですよね。キタニタツヤ本来の、根本で好きな音楽・ジャンルみたいなものを、すごく詰め込んだような、「本当はこの人たぶんこういう音楽ばっかり聴いて育ってきたんだろうな」というのを感じられるような1曲です。キタニくんがもともとやっていたバンドとかも、僕は見ていたりしたこともあったので、このタイミングでそういう1曲を作ってきて、10曲中の1曲にぶち込むのめちゃくちゃかっこいいなと思いました。僕が夜に散歩している時とかに聴く曲で3曲選んできたんですけど、この「夜警」は懐中電灯で隠れている自分のことを警備員に探されているような感覚になるんですよね(笑)。
あと「キタニくんってベーシストだな」って改めて感じるような曲でもありました。キタニくんがこの曲でベース弾いているかどうかちょっと分からないんですけども、考えているのはきっとキタニくんだと思います。そういえばあの人はめちゃくちゃ上手な、しっかりしたベーシストだったとか、作曲者としてもとても優秀だし、楽器を弾く人間としてめちゃくちゃ優秀な人間だったなと思い知らされて、感動しました。
aiko「カブトムシ」弾き語りカバー@レコーディングルーム
続いては宅録コーナー、@レコーディングルーム。Room "H"の住人が弾き語りや宅録で何か1曲収録してきて、皆さんに聴いていただこうという時間です。今日僕がピックアップした楽曲は、aikoさんの「カブトムシ」という曲です。
もうバリバリ夏だと言ってもいいぐらいの気候になってきましたよね。梅雨の時期でもあるんですけども、暑い時はめちゃくちゃ暑いじゃないですか?やっぱ気候のせいか、虫が増えている気がするんですよ。僕は小さいときから虫がめちゃくちゃ苦手で、しかもクワガタもカブトムシもめちゃくちゃ苦手な子供だったんですよ。だけどaikoさんの「カブトムシ」はめちゃくちゃ好きでした。この番組でよく名前を出させてもらっているんですけど、「ハモネプ」という番組がめちゃくちゃ好きで、その「ハモネプ」でジュブナイルというアカペラグループの方々がaikoさんの「カブトムシ」を歌われていたのを見て、そこからもめちゃくちゃ好きになりました。カラオケ行くたびに自分の声に合うキーに変えて、「カブトムシ」を歌うというのをずっとやっています。今回はその「カブトムシ」を弾き語りで披露させていただきます。最初に言っときますけど、めちゃくちゃ良いものが録れてしまいました。
流す前に自分でハードルを上げておいたんですけども、いま聴いてもめちゃくちゃ満足いっています(笑)。次の回もこれを流したいぐらいちょっと気に入っていて。aikoさんの楽曲って僕のイメージではメロディーがめちゃくちゃ難しいんですよ。「そこ行くんだ」とか「変なの」じゃないんですよ。気持ちいいんですけど、自分でいざそのメロディを考えられるかって言ったら考えられないんですよね。なので今回のカバーはその音を上手にはめられるかというところをめちゃくちゃ意識して歌ってみました。
Cö shu Nie「ice melt」紹介@ベッドルーム
ここからはRoom "H"の住人がプライベートで大事にしているディープな偏愛ソングを毎週1曲ご紹介、@ベッドルームのコーナーです。今日このコーナーで皆さんに聴いていただきたい曲は、Cö shu Nieの「ice melt」という曲です。曲名から少しひんやりとした、もう"ice"が使われているし、"melt"は溶けるとかですよね。そういうちょっとひんやりした雰囲気が漂っていますけども。
僕はCö shu Nieめちゃくちゃ好きで、何が好きなのかを具体的に言葉にしようと思ったときにパッと出てこなくて、でも好きだったんですよ。自分のできない範囲外のことが起きたり聴こえたりするとパニックじゃないですけど、びっくりしちゃうんですよね。このCö shu Nieはメロディーの音の波みたいなのが全く予測できなくって。それこそ音の配置や羅列とかも予測できなくて、それがCö shu Nieを聴く気持ち良さの1つなんだなって最近気づいたんですよ。もちろんバンドサウンドがバキバキに入った楽曲もあって、そういう「このテクニック、どうやって弾いてんだ!すげー!」みたいな格好良さの部分で聴く気持ちはもちろんあると思うんですけど、今から流させてもらう「ice melt」という曲は、どっちかというと物静かな楽曲なんですよね。
でもそういう楽曲だからこそ、メロディの繊細さというのが感じられる1曲だなと思います。あとこの曲を聴くと、『エヴァンゲリオン』の綾波レイを思い浮かべちゃうんですよね。サビの歌詞で「ポカポカ」という歌詞が使われているんですよ。綾波レイの有名なセリフで、「碇くんと一緒にいるとポカポカする」みたいなセリフがあるんですよ。「碇くんにもポカポカして欲しい」みたいなのあるんですよ。そういう部分にもしかしたら引っ張られてしまっている部分もあるかもしれないんですけど(笑)。
あと「ポカポカ」って基本的に温かいものを表すときに使う言葉じゃないですか?なのにこの曲で使われている「ポカポカ」は、最近知った言葉のように感じてしまうんですよね。「ポカポカ」することにあんまり馴染みがなかったような。「ポカポカ」すること、その感じがわからなかった人間の気持ちのような感じです。そういう風にも感じられた、すごく素敵な、大好きな曲です。意味がめちゃくちゃありそうな「ポカポカ」だなと感じることができて、それはきっとCö shu Nieがそういう風に思わせる実力を持っているからだと思っています。だからこそこういうオノマトペの言葉が出てくると、パッと聴き可愛い言葉のように思えて、もしかしたらすごく深い意味があるのかもしれないと思っちゃいますね。皆さんもちょっとそこに注目して聴いてくれたらうれしいです。
「ポカポカ」どういう風に感じましたか?温かく感じましたかね。僕はもちろん言葉自体の温かいというものを表す時に使う「ポカポカ」だと思うんですけど、「心がポカポカしてハッピー」みたいな「ポカポカ」じゃないんですよね。「こんな自分でもポカポカする気持ちがあるんだ」みたいな「ポカポカ」って言うんですかね。生ぬるいポカポカなんですよ。35度ぐらいの温度感で...35度は結構温かいのかな?とにかく40度の風呂ではないんですよね。34〜35度とかそれぐらいのぬるさを感じるくらいの「ポカポカ」に僕は感じました。
6月29日(水) オンエア楽曲
黒川侑司「この星からの脱出」青葉市子「海底のエデン」
indigo la End「瞳に映らない」
キタニタツヤ「夜警」
aiko「カブトムシ」弾き語りカバー
Cö shu Nie「ice melt」
ユアネス「「私の最後の日」」
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Room "H"」
毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"203号室(毎週水曜日の26:00~26:55)"では、音楽番組「Room "H"」をオンエア。九州にゆかりのある3組のバンド、ユアネスの黒川侑司、松本大、odolの森山公稀が週替わりでMCを務め、本音で(Honestly)、真心を込めて(Hearty)、気楽に(Homey) 音楽愛を語る。彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、
詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro
松本大
2006年に長崎県で結成。バンド名「LAMP IN TERREN」には「この世の微かな光」という意味が込められている。松本の描く人の内面を綴った歌詞と圧倒的な歌声、そしてその声を4人で鳴らす。聴く者の日常に彩りを与え、その背中を押す音楽を奏でる集団である。
2021年12月8日にEP「A Dream Of Dreams」を配信リリース。
オフィシャルサイト/ @lampinterren/ @pgt79 / @lampinterren
森山公稀(odol Piano&Synth.)
福岡出身のミゾベリョウ(Vo.)、森山公稀(Pf./Syn.)を中心に2014年東京にて結成した3人組。ジャンルを意識せず、自由にアレンジされる楽曲には独自の先進性とポピュラリティが混在し、新しい楽曲をリリースする度にodolらしさを更新している。
2022年3月16日に「三月」を配信リリース。
オフィシャルサイト/ @odol_jpn/ @KokiMoriyama