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2022.05.15
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!予感・楓 幸枝・えんぷてい ほか全13作品 -2022.05.14-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
MISATO:5月9日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全13作品の中から、まずはPart 1の7作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!厚武さんの推し、予感がリリースしております!
金子:ちょっと前に出した「玉響」という作品に続いて、リリースペースが早くてうれしいです。「玉響」は彼女たちのイメージからするとちょっと意外なラブソングだったりしたわけですけど、今回は彼女たちの真骨頂的な、SNSをテーマにしていて、このタイトルからしてね、「アーカイブ成仏」。
MISATO:キャッチーですね〜。
金子:インパクトありますよね。SNSは投稿しても「ちょっと良くなかったな」と思ったら、すぐに削除したり、「やっぱりいいかも」と思ったらゴミ箱から引っ張り出したりとかが気軽にできるけど、心の中のアーカイブというのはそんなに簡単に削除したり、もう1回戻したりとかはできない。その面白さを彼女たちなりのリリックに落とし込んで、アヴァンジャズなトラックに合わせて歌い、ラップする。"THE 予感"でしたね。
MISATO:本当に"THE 予感"ですね。トラックとリリックで離して考えると、単体で2曲生まれそうなぐらい、相容れないというか、真反対というか。
金子:この組み合わせでやるというのがいいですよね。
MISATO:それが"THE 予感"という感じがします。リリックのことは確かによくわかるというか、ゴミ箱に入れるときも「どうせ何かあったら戻せるしな」って思ってる自分がいるんですよ。ゴミ箱に捨てるんだから、何かは来ないし、あってはいけないんだけど、でも何かあったらまたゴミ箱から復元できる。全然成仏してないんですよね。それをこの曲が成仏させてくれるのかなって思うといいですね。
金子:いろいろ考えさせられますよね。
MISATO:そして、この曲も成仏できない不穏な空気がある曲なのですが(笑)。YESEYSESY!
金子:オルタナ/サイケな感じがいいですよね。ちょっと前にアカデミー賞の国際長編映画賞に『ドライブ・マイ・カー』が選ばれて、石橋英子さんがその音楽を担当していたということで、改めて石橋さん個人にも注目が集まっている中、YESEYSESYとしても動いていて、5月25日には遂にアルバムも出るとのことです。
MISATO:楽しみですね。
金子:ここでYESEYSESYの全貌が明かされるのではないかと思うので、リリースされたら改めてこの番組でも取り上げたいなと思っています。
MISATO:さあ、Part 1からお送りするのはどの曲でしょうか?
金子:えんぷていを取り上げようと思います。
MISATO:このバンドも面白いですね。
金子:今回の作品のコンセプトが面白いんですよ。ライブレコーディング作品なんですけど、まずえんぷていは昨年の9月に『chorus』という5曲入りのEPを出しています。その作品がもともと彼らの地元・名古屋にある比良温泉という銭湯の中で着想を得て作った作品だそうなんですね。そこからまた温泉に通っているうちに、この浴場内の反響のみを利用して再現ライブをしてみたいと考えるようになったと。 この発想が面白いですよね。
MISATO:面白い(笑)!以前も伊豆のスタジオで一発録り作品を出されているじゃないですか?好きなんでしょうね〜。
金子:ライブ感を大事にしているんでしょうね。
MISATO:初めて聴いたときは銭湯で録っていると知らなかったから、すごいふんわりとしたリヴァーブが美しいと思っていたけど、天然リヴァーブなんですね!
金子:そうなんです。エフェクトをかけているわけでなく、ナチュラルに温泉リヴァーブがかかっているという。そこの面白さですよね。DTMで作っているといろんなエフェクトを簡単にかけられちゃったりするわけですけど、この作品のリヴァーブ感というのは浴場で録らないと出ない、彼らだけのオリジナルなリヴァーブで、そこに記名性があるというのは今の時代の音源としてすごく大事な部分だと思います。
MISATO:デジタルでは作れない、どこか湯気が立ち込めるような感覚を味わっていただければと思います。
MISATO:厚武さん、見てください!これが比良温泉です(スマホを見せる)。すごくTHE 普通の銭湯でした!
金子:あはは。
MISATO:昔ながらの情緒が残っている銭湯という意味で、THE 普通の銭湯です。こういうタイルとかが好きなマニアな方もきっといらっしゃるんだろうなって感じもしますけど、まさに街の中に潜む、住人たちを育んできたような銭湯ですね。よくここで思い浮かんだなと思います。不思議。
金子:お風呂に浸かりながらアイデアを妄想して、それがそのまま言葉になり音になりという、そういう感じだったんでしょうね。
MISATO:えんぷていの作品、みなさんもぜひお風呂に浸かりながら聴いてみてください。
MISATO:5月9日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全13作品の中から、Part 2の6作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!WAZGOGGさんは仕事し過ぎですね(笑)。
金子:今週、ちょっと仕事し過ぎな人たちがたくさんリリースしてますね(笑)。
MISATO:だけどみなさん、なんかゆるく楽しそうな音というね。
金子:そうそう。FRIENDSHIP.が誇るインスト職人のみなさんが今週は集結していて、Shimon Hoshinoさんがいて、uruwashiさんがいて、そしてWAZGOGGさんもいるという。
MISATO:気持ちが良いです。いつもお世話になっています。
金子:WAZGOGGは毎回特定のシチュエーションに合わせて作品を作っていて、今回『Evening Tape』というタイトル通り、夕方をテーマにした、哀愁のあるモダンなビートを集めた作品ということです。
MISATO:この"哀愁"というのは、WAZGOGGさん得意ですよね。90年代ぐらいのハウスっぽいニュアンスというか、WAZGOGGにすごくハマる。かっこいいですね。WAZGOGGさん含め、だいぶチルな雰囲気が立ち込めていて、ぜひ聴いてみてください。
金子:ゴールデンウィーク疲れにはぴったりかもしれませんね。
MISATO:いいかも!そして打って変わってSATORU ONOさん、今回アルバムになります。
金子:京都出身のシンガー・ソングライターで、12年ぶりのアルバムとなります。SATORU ONOさんらしい80年代感のあるギターポップ〜ネオアコ〜ポストパンクみたいなところが中心ではあるんですけど、さっき流れた「甘い砂 feat.Kana Shimozawa (The Fax)」に関しては、女性ボーカルをフィーチャーしていて、さらにはエレクトロポップっぽい曲で、最初聴いたとき「これSATORU ONO?」ってなったんですけど(笑)。それぐらいアルバムとしてはかなりのバリエーションがあって、12年という月日を感じさせる幅広さだなと感じましたね。
MISATO:やっぱり男性が歌うのと女性が歌うので全然作品性が違って、アルバムを通して聴くとその面白さもあるし、初めて聴かれる方は「ツインボーカルなのかな?」と思うかもしれないですよね。
金子:昨年HANDSOMEBOY TECHNIQUEも12年ぶりのアルバムを出していて、あれもこの作品も京都のSECOND ROYALからのリリースで、その2つの作品のリリースとコロナがどう関係しているかは正確にはわからないですけど、でも何かのきっかけで自分の作品を出したいなと思ったときに、ちゃんと受け皿になってくれるレーベルがある、ある種のコミュニティが、帰る場所があるっていう、そういうことの大事さを感じたりもしましたね。
MISATO:たしかにここ数年感じるのは、何年ぶりというか、だいぶおひさしぶりにリリースされる方が多いなという。やっぱりコロナというのは良くも悪くもクリエイティブな方には影響を与えているんだなと。楓 幸枝さんもまさにそうですよね。
金子:楓 幸枝さんは初めてのソロリリースですからね。
MISATO:元Awesome City Clubのドラムの楓 幸枝さんのソロです。
金子:最初に「楓 幸枝」と聞いたときは、「どなた?」って思いましたけどね(笑)。オーサムのときは「ユキエ」だけだったんですけど、ソロになって「楓 幸枝」という名義になったとのことです。オーサムのときはドラマーというポジションもあって、バンドを後ろから支えるイメージがあったと思うんですけど、取材とかで会うとすごくキャラクターがあって、「面白い人だな」というのは前から感じていて。
実際ソロになってからはドラムのサポートをやったり、レッスンをやったり、作詞を提供したり、さらにデザインもやったりエキシビジョンを自分で開催したり、本当に幅広い活動をしていて、「やっぱりこういう多面性のある人なんだな」というのを感じつつ、今回はいよいよ自分で歌を歌っている作品になっています。小さい頃から歌を歌うというのは夢の一つでもあったらしいんですけど、今回はその自分の夢を現実に変える瞬間の高揚感とか不安・覚悟みたいなものを『宇宙兄弟』のキャラクターに重ねながら描いているという。
MISATO:セルフライナーノーツを読ませていただくと、すごく勇気が必要な決断だったんだと。まずはAwesome City Clubを脱退するというのもすごく大きな決断だったし、それから一人で自分がフロントに立つというのも、1番後ろから見ていたポジションから1番前に来るって全く違う景色が見えるじゃないですか?だいぶ背負ったんだろうなあと。でもこれは1つコロナがきっかけにはなっているというのも書いていますね。
金子:本当に自分がやりたいことは何かと考えたんでしょうね。ちなみにトラックはAFRO PARKERの鍵盤担当のBoy Geniusが作曲とミックスも含めて担当していて、サウンド自体かっこいいというのもありつつ、歌もちょっと低めの音域の声がすごくいいです。ちょっと前からiriさんみたいな人がいたりとか、yamaさんみたいな人がいたり、低めの音域のかっこいい女性ボーカルが増えている中、楓 幸枝さんもその感じを持っていて、ちゃんと歌声を聴いたのは初めてでしたけど、いい声だなと思いました。
MISATO:今までのAwesome City Clubのイメージからはガラッと変わった、楓 幸枝さんの音楽観というか世界観が感じられる1曲じゃないでしょうかね。
金子:名前からして漢字に変わってますからね。
MISATO:ぜひ楓 幸枝のSNSもチェックしてみてください。
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
FRIENDSHIP.
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
MISATO:5月9日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全13作品の中から、まずはPart 1の7作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!厚武さんの推し、予感がリリースしております!
金子:ちょっと前に出した「玉響」という作品に続いて、リリースペースが早くてうれしいです。「玉響」は彼女たちのイメージからするとちょっと意外なラブソングだったりしたわけですけど、今回は彼女たちの真骨頂的な、SNSをテーマにしていて、このタイトルからしてね、「アーカイブ成仏」。
MISATO:キャッチーですね〜。
金子:インパクトありますよね。SNSは投稿しても「ちょっと良くなかったな」と思ったら、すぐに削除したり、「やっぱりいいかも」と思ったらゴミ箱から引っ張り出したりとかが気軽にできるけど、心の中のアーカイブというのはそんなに簡単に削除したり、もう1回戻したりとかはできない。その面白さを彼女たちなりのリリックに落とし込んで、アヴァンジャズなトラックに合わせて歌い、ラップする。"THE 予感"でしたね。
MISATO:本当に"THE 予感"ですね。トラックとリリックで離して考えると、単体で2曲生まれそうなぐらい、相容れないというか、真反対というか。
金子:この組み合わせでやるというのがいいですよね。
MISATO:それが"THE 予感"という感じがします。リリックのことは確かによくわかるというか、ゴミ箱に入れるときも「どうせ何かあったら戻せるしな」って思ってる自分がいるんですよ。ゴミ箱に捨てるんだから、何かは来ないし、あってはいけないんだけど、でも何かあったらまたゴミ箱から復元できる。全然成仏してないんですよね。それをこの曲が成仏させてくれるのかなって思うといいですね。
金子:いろいろ考えさせられますよね。
MISATO:そして、この曲も成仏できない不穏な空気がある曲なのですが(笑)。YESEYSESY!
金子:オルタナ/サイケな感じがいいですよね。ちょっと前にアカデミー賞の国際長編映画賞に『ドライブ・マイ・カー』が選ばれて、石橋英子さんがその音楽を担当していたということで、改めて石橋さん個人にも注目が集まっている中、YESEYSESYとしても動いていて、5月25日には遂にアルバムも出るとのことです。
MISATO:楽しみですね。
金子:ここでYESEYSESYの全貌が明かされるのではないかと思うので、リリースされたら改めてこの番組でも取り上げたいなと思っています。
MISATO:さあ、Part 1からお送りするのはどの曲でしょうか?
金子:えんぷていを取り上げようと思います。
MISATO:このバンドも面白いですね。
金子:今回の作品のコンセプトが面白いんですよ。ライブレコーディング作品なんですけど、まずえんぷていは昨年の9月に『chorus』という5曲入りのEPを出しています。その作品がもともと彼らの地元・名古屋にある比良温泉という銭湯の中で着想を得て作った作品だそうなんですね。そこからまた温泉に通っているうちに、この浴場内の反響のみを利用して再現ライブをしてみたいと考えるようになったと。 この発想が面白いですよね。
MISATO:面白い(笑)!以前も伊豆のスタジオで一発録り作品を出されているじゃないですか?好きなんでしょうね〜。
金子:ライブ感を大事にしているんでしょうね。
MISATO:初めて聴いたときは銭湯で録っていると知らなかったから、すごいふんわりとしたリヴァーブが美しいと思っていたけど、天然リヴァーブなんですね!
金子:そうなんです。エフェクトをかけているわけでなく、ナチュラルに温泉リヴァーブがかかっているという。そこの面白さですよね。DTMで作っているといろんなエフェクトを簡単にかけられちゃったりするわけですけど、この作品のリヴァーブ感というのは浴場で録らないと出ない、彼らだけのオリジナルなリヴァーブで、そこに記名性があるというのは今の時代の音源としてすごく大事な部分だと思います。
MISATO:デジタルでは作れない、どこか湯気が立ち込めるような感覚を味わっていただければと思います。
MISATO:厚武さん、見てください!これが比良温泉です(スマホを見せる)。すごくTHE 普通の銭湯でした!
金子:あはは。
MISATO:昔ながらの情緒が残っている銭湯という意味で、THE 普通の銭湯です。こういうタイルとかが好きなマニアな方もきっといらっしゃるんだろうなって感じもしますけど、まさに街の中に潜む、住人たちを育んできたような銭湯ですね。よくここで思い浮かんだなと思います。不思議。
金子:お風呂に浸かりながらアイデアを妄想して、それがそのまま言葉になり音になりという、そういう感じだったんでしょうね。
MISATO:えんぷていの作品、みなさんもぜひお風呂に浸かりながら聴いてみてください。
New Release Digest Part 2
MISATO:5月9日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全13作品の中から、Part 2の6作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!WAZGOGGさんは仕事し過ぎですね(笑)。
金子:今週、ちょっと仕事し過ぎな人たちがたくさんリリースしてますね(笑)。
MISATO:だけどみなさん、なんかゆるく楽しそうな音というね。
金子:そうそう。FRIENDSHIP.が誇るインスト職人のみなさんが今週は集結していて、Shimon Hoshinoさんがいて、uruwashiさんがいて、そしてWAZGOGGさんもいるという。
MISATO:気持ちが良いです。いつもお世話になっています。
金子:WAZGOGGは毎回特定のシチュエーションに合わせて作品を作っていて、今回『Evening Tape』というタイトル通り、夕方をテーマにした、哀愁のあるモダンなビートを集めた作品ということです。
MISATO:この"哀愁"というのは、WAZGOGGさん得意ですよね。90年代ぐらいのハウスっぽいニュアンスというか、WAZGOGGにすごくハマる。かっこいいですね。WAZGOGGさん含め、だいぶチルな雰囲気が立ち込めていて、ぜひ聴いてみてください。
金子:ゴールデンウィーク疲れにはぴったりかもしれませんね。
MISATO:いいかも!そして打って変わってSATORU ONOさん、今回アルバムになります。
金子:京都出身のシンガー・ソングライターで、12年ぶりのアルバムとなります。SATORU ONOさんらしい80年代感のあるギターポップ〜ネオアコ〜ポストパンクみたいなところが中心ではあるんですけど、さっき流れた「甘い砂 feat.Kana Shimozawa (The Fax)」に関しては、女性ボーカルをフィーチャーしていて、さらにはエレクトロポップっぽい曲で、最初聴いたとき「これSATORU ONO?」ってなったんですけど(笑)。それぐらいアルバムとしてはかなりのバリエーションがあって、12年という月日を感じさせる幅広さだなと感じましたね。
MISATO:やっぱり男性が歌うのと女性が歌うので全然作品性が違って、アルバムを通して聴くとその面白さもあるし、初めて聴かれる方は「ツインボーカルなのかな?」と思うかもしれないですよね。
金子:昨年HANDSOMEBOY TECHNIQUEも12年ぶりのアルバムを出していて、あれもこの作品も京都のSECOND ROYALからのリリースで、その2つの作品のリリースとコロナがどう関係しているかは正確にはわからないですけど、でも何かのきっかけで自分の作品を出したいなと思ったときに、ちゃんと受け皿になってくれるレーベルがある、ある種のコミュニティが、帰る場所があるっていう、そういうことの大事さを感じたりもしましたね。
MISATO:たしかにここ数年感じるのは、何年ぶりというか、だいぶおひさしぶりにリリースされる方が多いなという。やっぱりコロナというのは良くも悪くもクリエイティブな方には影響を与えているんだなと。楓 幸枝さんもまさにそうですよね。
金子:楓 幸枝さんは初めてのソロリリースですからね。
MISATO:元Awesome City Clubのドラムの楓 幸枝さんのソロです。
金子:最初に「楓 幸枝」と聞いたときは、「どなた?」って思いましたけどね(笑)。オーサムのときは「ユキエ」だけだったんですけど、ソロになって「楓 幸枝」という名義になったとのことです。オーサムのときはドラマーというポジションもあって、バンドを後ろから支えるイメージがあったと思うんですけど、取材とかで会うとすごくキャラクターがあって、「面白い人だな」というのは前から感じていて。
実際ソロになってからはドラムのサポートをやったり、レッスンをやったり、作詞を提供したり、さらにデザインもやったりエキシビジョンを自分で開催したり、本当に幅広い活動をしていて、「やっぱりこういう多面性のある人なんだな」というのを感じつつ、今回はいよいよ自分で歌を歌っている作品になっています。小さい頃から歌を歌うというのは夢の一つでもあったらしいんですけど、今回はその自分の夢を現実に変える瞬間の高揚感とか不安・覚悟みたいなものを『宇宙兄弟』のキャラクターに重ねながら描いているという。
MISATO:セルフライナーノーツを読ませていただくと、すごく勇気が必要な決断だったんだと。まずはAwesome City Clubを脱退するというのもすごく大きな決断だったし、それから一人で自分がフロントに立つというのも、1番後ろから見ていたポジションから1番前に来るって全く違う景色が見えるじゃないですか?だいぶ背負ったんだろうなあと。でもこれは1つコロナがきっかけにはなっているというのも書いていますね。
金子:本当に自分がやりたいことは何かと考えたんでしょうね。ちなみにトラックはAFRO PARKERの鍵盤担当のBoy Geniusが作曲とミックスも含めて担当していて、サウンド自体かっこいいというのもありつつ、歌もちょっと低めの音域の声がすごくいいです。ちょっと前からiriさんみたいな人がいたりとか、yamaさんみたいな人がいたり、低めの音域のかっこいい女性ボーカルが増えている中、楓 幸枝さんもその感じを持っていて、ちゃんと歌声を聴いたのは初めてでしたけど、いい声だなと思いました。
MISATO:今までのAwesome City Clubのイメージからはガラッと変わった、楓 幸枝さんの音楽観というか世界観が感じられる1曲じゃないでしょうかね。
金子:名前からして漢字に変わってますからね。
MISATO:ぜひ楓 幸枝のSNSもチェックしてみてください。
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
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