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2022.02.11
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Osteoleuco・Terpenez・KUDANZほか全12作品 -2022.02.09-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
MISATO:2月7日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全12作品の中から、まずはPart 1の6作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!なんだかBarrieも、そしてWataru Fujiwaraさんもseekxも、お散歩しながら聴きたくなるような音楽でしたね、
金子:seekxは夜散歩しながら聴きたいですね。
MISATO:いいですね。冷たい夜風の中でね。さて、LilyCloneの3作目のシングル「Dahmer」、いいですね。
金子:順調にリリースを重ねてきて、徐々にLilyCloneという存在が立体的に見えてきた感じがします。この曲は途中から低音のベースが入ってくるのがすごく印象的で、最近のいわゆるサブベース、エレクトロニックな超低音みたいな感じともまたちょっと違って、生感があるんだけどかなり低音で広がりのある、あまり聴いたことのない音が鳴っているなと思って。LilyCloneは元雨のパレードのベースの是永くんが参加してるから、そのあたりに彼のこだわりが感じられるというか、すごく面白い音だなって。
MISATO:たしかに、厚武さんがおっしゃった部分っていうのは、LilyCloneの提唱している無機質と有機質の融合というか、彼らが大切にしているところが具現化された音の作りに聴こえますね。
金子:そんな感じがしました。そこからさらに後半でシューゲイズ的な展開になって、この前アルバムが出たpollyともちょっとシンクロするような世界観でもあると思いました。
MISATO:FRIENDSHIP.はシューゲイズ的なすごくいい曲いっぱい出てますよね。そして、私は広瀬大地くんの新曲がすごく好き。
金子:良かったですね。
MISATO:一聴して歌えてしまうポップさは健在ですね。
金子:今回の曲はRounoとのコラボレーション。この2組は一昨年にも「Forever」で1回コラボしているのですが、そのときはRouno的なEDMの世界観に、広瀬くんがお邪魔するみたいな、そういう印象だったんですけど。
MISATO:わかります!
金子:今回は広瀬くん的な生感のあるファンクを、Rounoさんがソフィスティケートしたみたいな印象がありました。だからちゃんとどっちの色もあるんだけど、でも出来上がりはどっちの色でもなくて、この2人ならではのものになっている。そういうコラボレーションの理想的な形になってるなと思いました。
MISATO:さあ、ここで1曲お送りしたいのですが。
金子:今週はFRIENDSHIP.から初のリリースとなるTerpenezを紹介しようかなと思います。
MISATO:リリースおめでとうございます!
金子:Terpenez、なにやらお知り合いだそうで。
MISATO:そうなんです。ベースの岩見くんとお友達なんですけど、彼の話をするととにかく見た目が熊さんのようという話しかできないのですが(笑)。初めて見たとき、大柄で髭もじゃもじゃで、なんか童話に出てきそうな人だったんです。でもそのイメージ通り、とても温厚で優しくて、ウッドベースから流れる温もりというのも、「あ、この人柄あってこそだな」というのがすごく伝わる方です。ジャズもしっかりご自身の畑ではあるんだけど、ヒップホップ界隈のメンバーとずっとやっているので、そこのグルーヴィーさとのマッチングがすごくいいです。ウッドベースを通して、人と人との間に入るのがすごく得意な方なんじゃないかなと感じてます。
金子:なるほど。そんな岩見さんと、同じくSTUTSのバンドとかでも活躍している仰木さんとのユニットで、要はかなりの実力者ユニットなんですけど、FRIENDSHIP.にデモを送ってくれて。
MISATO:え、紹介とかじゃなかったんですか?
金子:そうそう。
MISATO:えー!そうなんだ!
金子:みんなで選曲会議で聴いて、「やたらクオリティー高いですけど」みたいな感じで、プロフィール読んだら納得、みたいな(笑)。
MISATO:そうだったんですね。
金子:2人ともSTUTSのバンドセットに参加してるというところで、昨年STUTSと松たか子さんがドラマ主題歌で「Presence」という曲やったじゃないですか?あの曲の存在ってめちゃめちゃ大きくて。ラップブームみたいなことは結構前から言われていたけど、まだユースカルチャーみたいなところにとどまっている印象もあって、より広げるにはどうしたらいいかな?みたいなところで、やっぱりドラマの曲でSTUTSと松たか子さん、そこにKID FRESINOとかBIMとか今のラッパーを加えるという、あの曲の存在はめちゃくちゃ大きかったと思うんですよね。あれ以降また新しい日本におけるポップスとしてのラップの流れみたいなのができてきている気がして、今回の曲もそういう流れにジャストでハマる、非常に良い曲だなと。
MISATO:そうですね。
金子:STUTSと同じくMPCの手打ちでビートを作ってたりとか、そういう曲としての共通点もあったりします。
MISATO:今まではフロントに出てなかった2人が中心になって、作詞作曲も自分たちでやってるというのが新しい形ですよね。
金子:そうですね。それこそ仰木さんが参加している在日ファンクにしても、浜野謙太さんが「自分のバンドをやる」って感じで始めてたり、STUTSももともとビートメーカーでプロデューサーだから、どちらかというと裏方のイメージだったけど、近年はアーティストとしてしっかり前に出てきたり、裏と表を行き来しながら活動するような人も増えてきましたよね。
MISATO:きっとフックアップされて、その次のステージということもあるんでしょうけど、この連鎖がどんどん続いていくのは見応えがありますね。
MISATO:2月7日週にリリースしました新譜ダイジェスト全12作品の中から、後半6作品をダイジェストでご紹介しました。こちらもお散歩が捗りそうです(笑)。sucolaと、そしてuruwashiさんを聴きながら夜を散歩しつつ、森に辿り着いたら、Gutevolkですかね?
金子:なるほど、そんなストーリーが描けるんですね。
MISATO:描けますね!そのあと電車に乗って、KUDANZの「ゆりかもめ」を聴きたい(笑)。
金子:電車乗っちゃうんだ(笑)。
MISATO:ちょっと疲れちゃったので(笑)。
金子:で、最後は「ハロー・グッバイ」でお別れというね。
MISATO:最高ですね(笑)。話戻りますが、Gutevolkいいですね。
金子:コンスタントに作品をリリースしていて、いいですよね。最近は辻川幸一郎さんとSNSでコラボレーションした『音と映像の交換日記のショートムービー』から音源を抜粋して曲にするというのを連続リリースしていて、その第3弾です。前半でLilyCloneを紹介しましたけど、やっぱり女性ボーカルで、エレクトロニックでというと、Gutevolkは大先輩というか、やっぱりこの世界観は独自のものですよね。さっきMISATOさんが話していたように、本当に森の中に迷い込むような寓話的な世界観というか、その感じを確立しているのは流石だなと。キャリアを重ねる中で、しっかりと自分の世界観を作ってきたんだなというのは非常に感じさせます。
MISATO:本当に絵が見えるというか。今作では「鳥」が「歌」として表現されているという情報もいただいてますけど、たしかにそう見えますね。色も見えるし、どのシーンで鳥が羽ばたくのかとかもすごく見えてくる。
金子:映像との親和性の高さは間違いないですよね。
MISATO:そして、KUDANZもいいですね。
金子:KUDANZは今回FRIENDSHIP.からは初のリリースなんですけど。
MISATO:ありがとうございます!
金子:シンガーであり、ギターも弾いているササキゲンさんのソロプロジェクトです。
MISATO:今回2曲同時リリースなんですね。
金子:この後にアルバムが出るらしく、そこからのリードみたいな感じなんですけど、個人的にKUDANZは結構思い入れがあって、昔から聴いていたので、今回FRIENDSHIP.からリリースということで、とても嬉しいです。今はバンドの合奏形態が6人編成で活動しているそうで、そのメンバーと一緒に作り上げたアルバムがこの先で出るとのことです。まずやっぱり、ササキゲンさんが歌い手として素晴らしいんですよ。とにかく声もいいですし、生き様がそのまま音楽に出ているようなタイプの人。その声の素晴らしさがあった上で、「ハロー・グッバイ」とかを聴くとサウンド的なチャレンジ、実験的な側面もあったりするし、「ゆりかもめ」はわりとトラッドなアレンジではあるんだけど、7分半ぐらいあって。
MISATO:長いですよね。
金子:KUDANZは結構長い曲が多いんですよね。でもそれを聴かせるだけの歌の力であり、アレンジ力がすごくある。キャリアもある程度ある人ですけど、新しい編成になって、ある種のフレッシュな部分もあるだろうし、アルバムが非常に楽しみだなと思っております。
MISATO:アルバムのリリースを予定しているのはいつですか?
金子:2月にバンドのECサイトで先行リリースされて、3月にデジタルでリリースされるとのことです。
MISATO:なるほど、楽しみにしてます。
MISATO:それでは1曲かけるのは、この曲ですかね?
金子:Osteoleucoにしましょうか!
MISATO:すごくいいですね!
金子:良いですね〜。
MISATO:今週本当に粒揃いですよね。
金子:前半でTerpenezをかけて、後半でOsteoleucoにしようとしたのは、結構意図的なところでして。
MISATO:あ、そうでしたか!通じるところありますもんね。
金子:ありますよね。さっきも言ったように、STUTSと松たか子さんの「Presence」以降の2曲みたいな感じがしています。この曲にはRIP SLYMEのRyo-Zさんが参加してるんですけど、STUTSはもともとRIP SLYME世代に憧れてキャリアを進めてきた人で、実際STUTSの曲にRyo-Zさんを呼んで、コラボしたことも過去にあるんですよね。そのRyo-Zさんが参加していて、そこに最近この番組でよく名前が挙がっているShimon Hoshinoさんが、今のトラックをしっかり提供している。だから、90年代のポップスのテイストもちゃんとありつつ、それをいまに更新した曲というか、その感じが「Presence」にも通じるし、個人的にもめっちゃ好きでしたね。
MISATO:きっと一人ひとりのバックグラウンドと、いまやって行くんだったらこの音、しかもこの人とやるんだったらこうできるという、一人ひとりの背景が見えてくるというか。でも、最初Shimon Hoshinoさんがやられていると気づかなかったので、「えー!」と思って。
金子:ソロの作風ともまた少し違いますもんね。
MISATO:そうですよね、全然違う。でもこうやって他の方とコラボレーションするとこういった音作りも出来るんだと思って、びっくりしました。
金子:おかもとえみさんのボーカルもフレンズのときとはまたちょっと雰囲気が違ったりとかもしてて。
MISATO:全然違う。
金子:「Presence」でいう松たか子さんが、この曲だとおかもとえみさんというかね。あとFRIENDSHIP.でいうとSmall Circle of Friendsにも近いというか、このラップとポエトリーの中間みたいなニュアンスが、わりと近い気がして、そのあたりも90年代感を感じさせる要素なのかもって思ったりもしました。単純に、声質が少し似ているっていうのもあるとは思うけど。
MISATO:えみさんの、おかもとえみってすぐにわかる声質だけど、この曲はだいぶ大人に向かってますよね。だって、ちょっとエッチだもん。
金子:あはは。セクシーですよね。
MISATO:とてもいい!こんなえみさんも聴きたかったというのが詰まってるし、Ryo-Zさんは間違いないですね、本当にキングだなという。素晴らしいコラボレーションでした。Osteoleucoの新曲、ぜひフルでも聴いてみてください。
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
FRIENDSHIP.
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
(著作権の関係で、ダイジェストからはBarrie「Jenny」をカットしています)
MISATO:2月7日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全12作品の中から、まずはPart 1の6作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!なんだかBarrieも、そしてWataru Fujiwaraさんもseekxも、お散歩しながら聴きたくなるような音楽でしたね、
金子:seekxは夜散歩しながら聴きたいですね。
MISATO:いいですね。冷たい夜風の中でね。さて、LilyCloneの3作目のシングル「Dahmer」、いいですね。
金子:順調にリリースを重ねてきて、徐々にLilyCloneという存在が立体的に見えてきた感じがします。この曲は途中から低音のベースが入ってくるのがすごく印象的で、最近のいわゆるサブベース、エレクトロニックな超低音みたいな感じともまたちょっと違って、生感があるんだけどかなり低音で広がりのある、あまり聴いたことのない音が鳴っているなと思って。LilyCloneは元雨のパレードのベースの是永くんが参加してるから、そのあたりに彼のこだわりが感じられるというか、すごく面白い音だなって。
MISATO:たしかに、厚武さんがおっしゃった部分っていうのは、LilyCloneの提唱している無機質と有機質の融合というか、彼らが大切にしているところが具現化された音の作りに聴こえますね。
金子:そんな感じがしました。そこからさらに後半でシューゲイズ的な展開になって、この前アルバムが出たpollyともちょっとシンクロするような世界観でもあると思いました。
MISATO:FRIENDSHIP.はシューゲイズ的なすごくいい曲いっぱい出てますよね。そして、私は広瀬大地くんの新曲がすごく好き。
金子:良かったですね。
MISATO:一聴して歌えてしまうポップさは健在ですね。
金子:今回の曲はRounoとのコラボレーション。この2組は一昨年にも「Forever」で1回コラボしているのですが、そのときはRouno的なEDMの世界観に、広瀬くんがお邪魔するみたいな、そういう印象だったんですけど。
MISATO:わかります!
金子:今回は広瀬くん的な生感のあるファンクを、Rounoさんがソフィスティケートしたみたいな印象がありました。だからちゃんとどっちの色もあるんだけど、でも出来上がりはどっちの色でもなくて、この2人ならではのものになっている。そういうコラボレーションの理想的な形になってるなと思いました。
MISATO:さあ、ここで1曲お送りしたいのですが。
金子:今週はFRIENDSHIP.から初のリリースとなるTerpenezを紹介しようかなと思います。
MISATO:リリースおめでとうございます!
金子:Terpenez、なにやらお知り合いだそうで。
MISATO:そうなんです。ベースの岩見くんとお友達なんですけど、彼の話をするととにかく見た目が熊さんのようという話しかできないのですが(笑)。初めて見たとき、大柄で髭もじゃもじゃで、なんか童話に出てきそうな人だったんです。でもそのイメージ通り、とても温厚で優しくて、ウッドベースから流れる温もりというのも、「あ、この人柄あってこそだな」というのがすごく伝わる方です。ジャズもしっかりご自身の畑ではあるんだけど、ヒップホップ界隈のメンバーとずっとやっているので、そこのグルーヴィーさとのマッチングがすごくいいです。ウッドベースを通して、人と人との間に入るのがすごく得意な方なんじゃないかなと感じてます。
金子:なるほど。そんな岩見さんと、同じくSTUTSのバンドとかでも活躍している仰木さんとのユニットで、要はかなりの実力者ユニットなんですけど、FRIENDSHIP.にデモを送ってくれて。
MISATO:え、紹介とかじゃなかったんですか?
金子:そうそう。
MISATO:えー!そうなんだ!
金子:みんなで選曲会議で聴いて、「やたらクオリティー高いですけど」みたいな感じで、プロフィール読んだら納得、みたいな(笑)。
MISATO:そうだったんですね。
金子:2人ともSTUTSのバンドセットに参加してるというところで、昨年STUTSと松たか子さんがドラマ主題歌で「Presence」という曲やったじゃないですか?あの曲の存在ってめちゃめちゃ大きくて。ラップブームみたいなことは結構前から言われていたけど、まだユースカルチャーみたいなところにとどまっている印象もあって、より広げるにはどうしたらいいかな?みたいなところで、やっぱりドラマの曲でSTUTSと松たか子さん、そこにKID FRESINOとかBIMとか今のラッパーを加えるという、あの曲の存在はめちゃくちゃ大きかったと思うんですよね。あれ以降また新しい日本におけるポップスとしてのラップの流れみたいなのができてきている気がして、今回の曲もそういう流れにジャストでハマる、非常に良い曲だなと。
MISATO:そうですね。
金子:STUTSと同じくMPCの手打ちでビートを作ってたりとか、そういう曲としての共通点もあったりします。
MISATO:今まではフロントに出てなかった2人が中心になって、作詞作曲も自分たちでやってるというのが新しい形ですよね。
金子:そうですね。それこそ仰木さんが参加している在日ファンクにしても、浜野謙太さんが「自分のバンドをやる」って感じで始めてたり、STUTSももともとビートメーカーでプロデューサーだから、どちらかというと裏方のイメージだったけど、近年はアーティストとしてしっかり前に出てきたり、裏と表を行き来しながら活動するような人も増えてきましたよね。
MISATO:きっとフックアップされて、その次のステージということもあるんでしょうけど、この連鎖がどんどん続いていくのは見応えがありますね。
New Release Digest Part 2
MISATO:2月7日週にリリースしました新譜ダイジェスト全12作品の中から、後半6作品をダイジェストでご紹介しました。こちらもお散歩が捗りそうです(笑)。sucolaと、そしてuruwashiさんを聴きながら夜を散歩しつつ、森に辿り着いたら、Gutevolkですかね?
金子:なるほど、そんなストーリーが描けるんですね。
MISATO:描けますね!そのあと電車に乗って、KUDANZの「ゆりかもめ」を聴きたい(笑)。
金子:電車乗っちゃうんだ(笑)。
MISATO:ちょっと疲れちゃったので(笑)。
金子:で、最後は「ハロー・グッバイ」でお別れというね。
MISATO:最高ですね(笑)。話戻りますが、Gutevolkいいですね。
金子:コンスタントに作品をリリースしていて、いいですよね。最近は辻川幸一郎さんとSNSでコラボレーションした『音と映像の交換日記のショートムービー』から音源を抜粋して曲にするというのを連続リリースしていて、その第3弾です。前半でLilyCloneを紹介しましたけど、やっぱり女性ボーカルで、エレクトロニックでというと、Gutevolkは大先輩というか、やっぱりこの世界観は独自のものですよね。さっきMISATOさんが話していたように、本当に森の中に迷い込むような寓話的な世界観というか、その感じを確立しているのは流石だなと。キャリアを重ねる中で、しっかりと自分の世界観を作ってきたんだなというのは非常に感じさせます。
MISATO:本当に絵が見えるというか。今作では「鳥」が「歌」として表現されているという情報もいただいてますけど、たしかにそう見えますね。色も見えるし、どのシーンで鳥が羽ばたくのかとかもすごく見えてくる。
金子:映像との親和性の高さは間違いないですよね。
MISATO:そして、KUDANZもいいですね。
金子:KUDANZは今回FRIENDSHIP.からは初のリリースなんですけど。
MISATO:ありがとうございます!
金子:シンガーであり、ギターも弾いているササキゲンさんのソロプロジェクトです。
MISATO:今回2曲同時リリースなんですね。
金子:この後にアルバムが出るらしく、そこからのリードみたいな感じなんですけど、個人的にKUDANZは結構思い入れがあって、昔から聴いていたので、今回FRIENDSHIP.からリリースということで、とても嬉しいです。今はバンドの合奏形態が6人編成で活動しているそうで、そのメンバーと一緒に作り上げたアルバムがこの先で出るとのことです。まずやっぱり、ササキゲンさんが歌い手として素晴らしいんですよ。とにかく声もいいですし、生き様がそのまま音楽に出ているようなタイプの人。その声の素晴らしさがあった上で、「ハロー・グッバイ」とかを聴くとサウンド的なチャレンジ、実験的な側面もあったりするし、「ゆりかもめ」はわりとトラッドなアレンジではあるんだけど、7分半ぐらいあって。
MISATO:長いですよね。
金子:KUDANZは結構長い曲が多いんですよね。でもそれを聴かせるだけの歌の力であり、アレンジ力がすごくある。キャリアもある程度ある人ですけど、新しい編成になって、ある種のフレッシュな部分もあるだろうし、アルバムが非常に楽しみだなと思っております。
MISATO:アルバムのリリースを予定しているのはいつですか?
金子:2月にバンドのECサイトで先行リリースされて、3月にデジタルでリリースされるとのことです。
MISATO:なるほど、楽しみにしてます。
MISATO:それでは1曲かけるのは、この曲ですかね?
金子:Osteoleucoにしましょうか!
MISATO:すごくいいですね!
金子:良いですね〜。
MISATO:今週本当に粒揃いですよね。
金子:前半でTerpenezをかけて、後半でOsteoleucoにしようとしたのは、結構意図的なところでして。
MISATO:あ、そうでしたか!通じるところありますもんね。
金子:ありますよね。さっきも言ったように、STUTSと松たか子さんの「Presence」以降の2曲みたいな感じがしています。この曲にはRIP SLYMEのRyo-Zさんが参加してるんですけど、STUTSはもともとRIP SLYME世代に憧れてキャリアを進めてきた人で、実際STUTSの曲にRyo-Zさんを呼んで、コラボしたことも過去にあるんですよね。そのRyo-Zさんが参加していて、そこに最近この番組でよく名前が挙がっているShimon Hoshinoさんが、今のトラックをしっかり提供している。だから、90年代のポップスのテイストもちゃんとありつつ、それをいまに更新した曲というか、その感じが「Presence」にも通じるし、個人的にもめっちゃ好きでしたね。
MISATO:きっと一人ひとりのバックグラウンドと、いまやって行くんだったらこの音、しかもこの人とやるんだったらこうできるという、一人ひとりの背景が見えてくるというか。でも、最初Shimon Hoshinoさんがやられていると気づかなかったので、「えー!」と思って。
金子:ソロの作風ともまた少し違いますもんね。
MISATO:そうですよね、全然違う。でもこうやって他の方とコラボレーションするとこういった音作りも出来るんだと思って、びっくりしました。
金子:おかもとえみさんのボーカルもフレンズのときとはまたちょっと雰囲気が違ったりとかもしてて。
MISATO:全然違う。
金子:「Presence」でいう松たか子さんが、この曲だとおかもとえみさんというかね。あとFRIENDSHIP.でいうとSmall Circle of Friendsにも近いというか、このラップとポエトリーの中間みたいなニュアンスが、わりと近い気がして、そのあたりも90年代感を感じさせる要素なのかもって思ったりもしました。単純に、声質が少し似ているっていうのもあるとは思うけど。
MISATO:えみさんの、おかもとえみってすぐにわかる声質だけど、この曲はだいぶ大人に向かってますよね。だって、ちょっとエッチだもん。
金子:あはは。セクシーですよね。
MISATO:とてもいい!こんなえみさんも聴きたかったというのが詰まってるし、Ryo-Zさんは間違いないですね、本当にキングだなという。素晴らしいコラボレーションでした。Osteoleucoの新曲、ぜひフルでも聴いてみてください。
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
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