SENSA

2021.07.02

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


MISATO:6月28日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全11作品の中からまずは前半6作品ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。体に優しい曲がたくさん入っていた気がします。

金子:良いですね(笑)。

MISATO:この夏バテの時期に、ジメジメ、ジトジトの時期にとても良いですね。一番最後のスウさん、FRIENDSHIP.から初リリースですか?

金子:そうですね、ちょっと前にPablo Haikuというバンドを紹介して、選曲会議にmabanuaさんがゲストで来てくれたときに選ばれたバンドだっていう話をしたかと思うんですけど、そのときにもう一組選ばれたのがスウさんで。

MISATO:なるほど。

金子:mabanuaさんもコメントを寄せていて、スウさんに関しては、「メロディに対して後ろに当ててくるコードから、普通はそっちに行くけどあえてこっちに行くという意図が伝わってきて、独自の音楽を作りたいというこだわりが感じられる。その探求している感じに伸び代があると感じた」ということをおっしゃられていて。

MISATO:ベタ褒めじゃないですか!

金子:これまでのキャリアもちゃんとあった上で、未だフレッシュなものを作り続けていて。今回は、女性ボーカリストChyrn(ちゅるりん)さんと一緒にという曲で、それもまた新鮮だったり。

MISATO:Chyrnさんも素敵な声ですね。

金子:良いですよね。



MISATOキツネの嫁入りも気持ちよかったです。

金子:以前もちょっと紹介したと思いますけど、このバンドはもうベテランですからね、今年15周年。



MISATO宇宙まおさんとmiida and The Departmentもハマってきたという感じがしますね。

金子:miida and The Department、働きますよねー。

MISATO:働く(笑)。ずっとスタジオにいるみたい。



金子:毎週のように何か出してますよね。

MISATO:出してますよね。アツキタケトモさんも働いてますよ。毎週、紹介している気がする。

金子:働くっていうとあんまりだけど(笑)、 でも本当に毎週毎月のようにリリースがあって素晴らしいですね。



MISATO:1曲目の揺らぎもよく見ますよね。

金子:揺らぎはついにアルバムリリースということで。これまで2曲先行シングルとして出てますけど、どっちもリアクションがすごく良いみたいです。それこそ、シューゲイザーのリバイバルにのってというか。でも改めて聴くと、そのサウンドももちろん良いですけど、ボーカルがやっぱり良いですね。シューゲイズサウンドに女性ボーカルは王道と言えば王道なんだけど、でもこの声って他になかなかない声だなーっという感じがして。




MISATO:Miracoさん、素敵ですね。では1曲、O.Aする楽曲をご紹介いただけますか?

金子:今週はメガネブラザースを紹介しようと思います。FRIENDSHIP.からは2曲目のリリースですが、改めて紹介すると、結成は2011年、2人のシンガーソングライターがフロントにいるバンドで、ベーシストとドラマーもそれぞれキャリアのある人たちが集まっているバンドですね。個人的にはドラムの伊吹文裕さん、最近よく名前を聞くなと思っていて、色々な人たちのサポートをやってるんですよね。あいみょん、キリンジ、モノンクル...。

MISATO:中村佳穂さんもだ。

金子:中村佳穂さんはちょっと前にライブを観に行って、そのときも伊吹さんが叩いていて、めちゃめちゃ良くて、その方も参加されてるバンドっていうことで。「メガネブラザース」ってバンド名だけ聞くと、なんかちょっと面白い人たちなのかな、と思う感じもあると思うんですよ。実際、アー写を見ると4人ともメガネをかけていて(笑)。でも本当に実力のある人たちが揃っていて、イメージ的にはSAKEROCKみたいな。

MISATO:あぁ〜、なるほど。

金子:ちゃんと玄人受けするんだけど、でもちゃんとポップで、それぞれのキャラクターが立ってるイメージというか。今回の曲自体もすごく面白くて、「借りてきた靴」というタイトルなんですけど、何を借りてきてるのかって、他の曲をある意味借りてきてる。その曲を作るときに誰かの曲を真似するっていうのはよくある、普通に当たり前のこととしてあることですけど、それをオマージュと呼ぶのか、パクリと呼ぶのかでイメージが全然違って。

MISATO:違いますね。

金子:みたいなことってありますよね。でも脈々と受け継がれている良い音楽からある意味借りてきて、それを自分たちなりに作っていくっていうのはやっぱり音楽の一つの正しいやり方で。そういう批評精神みたいなものがこの曲自体に入っているのも面白い。ちなみに、この曲は「借りてきた靴」というタイトル通り、靴をモチーフにしたある曲が基になっているので、「どれかな?」って思い浮かべながら聴いてもらうのも面白いかなと思っております。

MISATO:良いですね。年代的には今、50歳60歳くらいの方だとピンとくる、くらいの年代の方ですかね。

金子:そうですね。年代的には少し昔の曲ですね。探してみてください。



MISATO:まさにジャズ心がある方たちのポップスってこういう形だなっていう、素晴らしいですね。そしてみなさん基になっている曲はどうでしょう、なんとなくわかりましたかね?

金子:どうですかねー。結構難易度は高いと思うけどね。

MISATO:高いと思う。靴っていうワードでその年代のものを調べてみると行き当たるかもしれない。

金子:もう一個ぐらいヒントを出すと、バンドで花の名前ですか。

MISATO:あーもう、それは分かるじゃないですか!春に咲くやつですよね(笑)。

金子:そうですね(笑)。それくらいにしておきましょう。

MISATO:赤とか黄色とかのやつですよね?

金子:あー、言った(笑)。言っちゃってますけど、いいでしょう。ぜひ聴き比べてみてほしいですね。


New Release Digest Part 2


MISATO:6月28日週リリースの新譜ダイジェスト Part 2を送りしました。SyunMacuは6月30日だというのに「April」をお送りしました。

金子:ホントですね(笑)。



MISATO:と言いつつも何かを始めるタイミングにはぴったりなので、4月に限らずいつでも聴いてほしいですね。さらに、AstroAttack。8年ぶりですか?

金子:8年ぶりのアルバムですね。活動を休止していた時期もあったみたいですけど、ひさしぶりの復活作ということで。こういうオルタナな音で、でもメロディーラインとかはちょっと歌謡曲っぽさもあったりして、日本のバンドならではって感じもします。

MISATO:ですよね。このギターが歌えますもん、歌詞のってないのに。

金子:キャッチーですよね。



MISATOさとうもかさんとDENIMSも、宇宙まおさんたちみたいな感じで良いタッグですよね。

金子:これまでコラボシリーズでお互いの曲をカバーしてましたけど、今回はUAさんのカバーということで。このコラボシリーズは今回でラスト、締めくくりの1曲らしく。

MISATO:寂しい、もっと聴きたかった。UAさんの「情熱」って妖艶で、憂いを帯びた感じがあるけど、さとうもかさんが歌うと秘めた「情熱」というか、ポップネスがまた増した「情熱」というか、違って聴こえるんですね。

金子:全く違うタイプのボーカリストだからこその面白さがありますよね。



MISATO:そして、Wez Atlasくんもまた格好良いですね。梅雨を吹き飛ばしてくれる1曲。

金子:これはプロデューサーがBig Animal Theoryなんですけど、Big Animal Theoryは揺らぎのアルバムにもプロデューサーとして参加してる人で。

MISATO:え!?

金子:たまたまだと思うんですけど、リリース日が重なってて、片やシューゲイザー系のバンドで片やラッパーで、どっちにも同じプロデューサが参加してるって面白いですね。

MISATO:すごーい。多彩!

金子:でもね、インディーR&B以降というか、音像的にはリンクする部分もあったりして、もうジャンル関係ないんだなーっていうのを改めて感じさせるというか。



MISATO:また、今回作品が『Chicken Soup For One』(7月21日リリースのミニアルバム名)という、作品のテーマを掲げているのがとっても面白いというか、聴きどころを持たせてくれているのは聴き手にとっても入りやすいですね。そんな中、O.Aする1曲、何にしましょうか?

金子:まだ紹介していない、シンリズムを。

MISATO:シンリズム!

金子:FRIENDSHIP.からは初めてのリリースなんですけど、おそらく音楽好きの方は名前を知ってる人も多いかなとは思います。改めて紹介すると、1997年生まれ、兵庫県神戸市出身のアーティストで、作詞作曲編曲もすればギター、ベース、ドラムの楽器演奏、プログラミングも全部自分でやっちゃうマルチプレイヤーであり、シンガーソングライターということで。高校生のときに作った楽曲がSoundCloudで話題を集めて、高校生のうちにデビューも飾ってるという、まあ、天才肌と言いますかね。

MISATO:そうですね。

金子:それこそ、当時はメガネボーイな印象でしたけど、彼ももう23歳になったそうですよ。

MISATO:もう23歳になったんですか!?親戚のおばちゃんみたいになっちゃいますね。

金子:あはは。でも、そういう人多いと思います。最初のイメージ強いですからね。

MISATO:強いです。ちょっとのび太くんみたいな感じのね(笑)。 すごく素敵な好青年です!

金子:当時から作る曲はすごく端正で、渋谷系再評価からその後のシティポップ再評価にちょっと先駆けていたというか、全部自分でやっちゃうみたいなところも、今だとそういう人増えてるけど、今にして思えばシンリズムは早かったなって気がするし。
さらに言うと、この数年で自分の作品だけじゃなくて、色々なバンドを経験したり、秦基博さんのライブでサポートを経験したりとかもして。だから今回の曲もソングライティングの端正な感じというのは変わらないんだけど、バンドサウンドが骨太になってて、最後の方のギターソロとかかなりロックで。

MISATO:最後まで聴いて欲しいですね。

金子:この数年間の色々な活動というのがちゃんと自分の作品に還元されてきてるんだなーっというのは聴いているとすごく感じます。



MISATO:もうシンくんとか言ってられないですね。

金子:シンさんですね。

MISATO:もともと一流のプレーヤーだと思っておりましたが、いい形でさらにブラッシュアップされて、成長されて、これからも楽しみですね。


RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
curatedhour_hdr-1.jpeg
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
kanekoatsutake_20210528.jpg
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

misato_a_1500_20210203.jpeg
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

Yuto_Uchino_photo.jpg
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.

気になるタグをCHECK!