THE ORAL CIGARETTES、思考を飛び超えるスピードで爆走した『ERASE the Border Tour』ファイナル。成熟の向こう側で新たな衝動に身を任せる現在のオーラルを綴る
REPORT
2026.04.03
YOURNESSの新体制初ライブ「YOURNESS ONE MAN LIVE「Dream.zip」」は、新たなスタートを切ったメンバーの高揚感と強い意志が漲る、非常に瑞々しい一夜となった。「これまでのYOURNESSの軌跡、思い出、無数の夢を集約し、新しいかたちで提示する」という宣言の通り、バンドのシンボルであるYxRE(ワイリー)とともに新たな物語を切り開いた。
背面に広がるスクリーンにYxREを用いたCGのオープニング映像が流れると、古閑翔平(Gt)、小野貴寛(Dr)、サポートメンバーの岩瀬良介(Ba)が配置につき、リズム隊がSEに音を重ねたところで黒川侑司(Vo/Gt)がステージセンターに現れる。クリスタル状の氷の中からYxREが"解凍"されると、黒川も「新しくなったYOURNESSを最後まで楽しんで帰ってください」と観客へ呼び掛け、「Try add」でこの日の幕を開けた。


情感豊かなメロディや清涼感のあるサウンドと並行して、モニターにはYxREのアニメーションムービーが、続いての「躍動」では鋭利かつエネルギッシュなバンドサウンドと連動して歌詞をフィーチャーしたムービーが流れる。サウンドアプローチだけでなく明快な視覚効果が加わることで、YOURNESSの紡ぐ物語がより鮮明かつ立体的に届いた。「ヘリオトロープ」では切実な思いが胸に染み入り、この日初披露された硬派なロックナンバー「栞に触れない」では、アニメ作品のバトルシーンのようなリリックビデオが楽曲のソリッドさを増幅させる。もともと映像演出やアニメーション表現などが身近なバンドであるが、YxREを介すことでそれらがより大胆なものとなり、逃れられないほどの没入感が生まれた。


黒川が「YOURNESSは3人になってもちゃんと進んでいくんだぞという意志をしっかりと見せつけに来ました」「新しいYOURNESSのすべてを見せられたらと思います」と高らかに表明すると、それを立証するように「Present Day」を勢いのある演奏に乗せて力強く歌い上げる。2025年以降のライブ定番曲でもある未発表曲「微香性の記憶」も、バンドのグルーヴが華やかさに拍車をかけていた。昨年12月に幕を下ろした全8回の定期公演「Breathing」で撒いていた様々な種を、この「Dream.zip」で芽吹かせようとする気魄が一音一音に漲る。春という季節も、そんな彼らの追い風となっていた。



ドラムのビートに合わせて観客が高らかにクラップを打ち鳴らし、映像からカラフルなライティング演出にシフトして鮮やかに「天泣」へとつなぐ。すがすがしい生命力にあふれた演奏が会場を包むと、黒川が「もっと距離を縮めていきましょう!」と告げ「ありえないよ。」で軽やかにフロアを揺らした。この日のYOURNESSは、観客の手を取り自分たちの描く壮大な世界へと連れ出すような、ファンタジックな空気と頼もしさを纏っている。過去も現在も未来もすべて包含して物語の続きを切り開いていくステージは、挑戦に心を燃やす少年のように無邪気で凛々しい。圧縮されていた夢が解凍されていく、輝かしい光景に息を呑んだ。

約3ヶ月半ぶりのライブに喜びをあらわにする黒川は、YxREについて「一緒に肩を組んで進んでいきたい」と言及し、「今日はいろんなYxREを観てもらえると思うし、みんなにも一緒にYxREのことを好きになってほしい」と呼びかける。つまりいまYOURNESSがひそかに育んでいる物語のヒントが、YxREとその周りに散りばめられているということだろう。



「命の容量」では集中力の通った歌唱と演奏で曲の深層へと引き込み、「籠の中に鳥」でぬくもりと光を宿すと、新曲「B∞k」へとつなぐ。黒川は愛する者を深く思う気持ちを丁寧にメロディへと乗せ、切なさと優しさを併せ持つ細やかな音色は聴き手の心の中にじっくりと染み込んだ。歌詞には"栞"や"夢"、"夜"といった、これまで提示されていたモチーフと関連した言葉がいくつか取り入れられており、同曲が次のYOURNESSの作品において重要な存在のひとつであることが推測される。ロックナンバーというには感情の機微が細部まで描かれ、バラードと言うにはダイナミズムを持った同曲は、YOURNESSが発信してきた音楽の集合体のようでもあり、これまでにない趣も放っていた。



新生活シーズンに新体制初ワンマンを行い、リスナーとともに新たな一歩を踏み出せたことへの感慨に浸る黒川は「ぼろぼろになるまで駆け抜けようという絶対的な意志があります......と言うと肩に力が入っているように聞こえるかもしれないけど、これからも皆さんが楽しめるものをお届けしたいし、皆さんの力になれたらいいなと思っています」「思い出は保存できるし、解凍したくなる日があると思います。今日がそんな日になったらいいなと思っていますし、YOURNESSの音楽が皆さんの日常のひとつになればいいなと思っています」とあらためて決意と希望、感謝を語る。「羊のような雲はどこまで」はそんな意欲に溢れ、「「私の最後の日」」は国を超えて多くの人々に愛されていることへの敬意や、だからこそより美しい音楽として届けたいという矜持が、音の隅々にまで込められていた。

本編ラストの未発表曲「夢の中でだけ」では、夕焼けの海の前に佇むYxREの姿が映し出される。ワルツのリズムとファルセットが際立つメロディはロマンチシズムに富み、最後YxREの前には満天の星空が広がった。強い願いがしたためられた同曲は、今後さらなる発展を遂げるであろうバンドを映し出すようである。現実と仮想がない交ぜになった空間が会場をスケール大きく包み込んだ。

アンコールではメインソングライターである古閑がセットリストの新曲の多さに触れ、「曲を作ったからにはどこかで出さないととは考えています。音源そろそろ欲しいですよね?」と観客に問う。すると彼はフロアからの「アルバム!」の声に「フルアルバムですか? じゃあフルにしましょう!」と返し、「ライブはお互いの表情を見ることができて、自分の言いたいことや空気感を皆さんにそのまま受け取ってもらえる貴重な機会」「今年中にフルアルバムを届けたい」と笑顔を見せた。古閑の突然のフルアルバムリリース宣言に、黒川と小野は動揺しつつも受け入れる。アイデアマンの古閑と、それに翻弄されながらも自身の表現を磨いて楽曲を豊かなものに仕上げる黒川と小野という関係性も、YOURNESSをYOURNESSたらしめるものだろう。
サポートを務めた岩瀬が「サポートでこんなに練習したのは初めてというくらい難しくて、最高に楽しかった」と充実を語った後、一同は9月23日に池袋 harevutaiにて「YOURNESS ONE MAN LIVE 2026「B∞K」」の開催を発表する。古閑いわく「B∞K」の"∞"には何かしらの意味が込められており、そのうちのひとつが"8"だそうだ。YOURNESSは6作目のCDに『6 case』、7作目のCDに『Ⅶ (seven)』と名づけている。「ライブと連動して何かがある可能性は非常に高いということです」「実はほかにも頑張らなければいけないことがある」と今後の動向に含みを持たせた。


黒川が「久しぶりに皆さんとこうしてお会いすることができてすごくうれしいです。これからもたくさんお届けできるように頑張りたいと思います」と感謝を告げると、最後に最新曲「神様に怒られてしまおう!」をMVとともに披露する。さらにギアを入れていくというバンドの決意表明と、楽曲に描かれた主人公・YxREとすでにこの世を去ってしまったSuNo(スノー)の視点や心情をプリズムのように映し出した。
メンバーがステージを去ると、ポップかつ幻想的なシンセサウンドで彩られた英語詞の未発表曲が流れ、スクリーンには列車の天井に乗って、様々な国を複合させたビル群を走るYxREのCGアニメーションが映し出された。夕暮れから夜になり、大きな月が浮かぶなか、YxREは途中でその列車から飛び降り、本の中へと落ちてそのままzipファイルとして圧縮される。ヴィンテージとデジタルをつなぎ合わせてYOURNESSが描く世界とはどんなものなのか、そんな期待が高まるラストシーンだった。より洗練され、迫力を増した歌と演奏や、YxREという存在で表現の幅を広げるだけでなく、過去や思い出、未来という時間軸の奥行きまで示唆された新体制初ワンマンであり新章のプロローグ。YOURNESSの描く世界は、現在進行形で可能性を広げている。

文:沖 さやこ
撮影:佐藤広理

2026年9月23日(水/祝)
池袋・harevutai
OPEN:17:30 / START:18:00
<チケット詳細>
スタンディング:一般:¥5,800(税込)U-22:¥4,000(税込)
※別途ドリンク代必要
※未就学児入場不可
※U-22の対象者は2004年4月2日 以後に生まれた方対象
※U-22の方は年齢確認のできる写真付き身分証明書1点、写真がない場合は2点(学生証・健康保険証など)を入場時にご提示ください。
[ファンクラブ「ハムスター伝説」先行]
受付期間 2026年3月27日(金)21:00 ~ 2026年4月5日(日)23:59
https://fanicon.net/fancommunities/4762
入会ページURL https://fanicon.net/fancommunities/4762
@yourness_on
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背面に広がるスクリーンにYxREを用いたCGのオープニング映像が流れると、古閑翔平(Gt)、小野貴寛(Dr)、サポートメンバーの岩瀬良介(Ba)が配置につき、リズム隊がSEに音を重ねたところで黒川侑司(Vo/Gt)がステージセンターに現れる。クリスタル状の氷の中からYxREが"解凍"されると、黒川も「新しくなったYOURNESSを最後まで楽しんで帰ってください」と観客へ呼び掛け、「Try add」でこの日の幕を開けた。


情感豊かなメロディや清涼感のあるサウンドと並行して、モニターにはYxREのアニメーションムービーが、続いての「躍動」では鋭利かつエネルギッシュなバンドサウンドと連動して歌詞をフィーチャーしたムービーが流れる。サウンドアプローチだけでなく明快な視覚効果が加わることで、YOURNESSの紡ぐ物語がより鮮明かつ立体的に届いた。「ヘリオトロープ」では切実な思いが胸に染み入り、この日初披露された硬派なロックナンバー「栞に触れない」では、アニメ作品のバトルシーンのようなリリックビデオが楽曲のソリッドさを増幅させる。もともと映像演出やアニメーション表現などが身近なバンドであるが、YxREを介すことでそれらがより大胆なものとなり、逃れられないほどの没入感が生まれた。


黒川が「YOURNESSは3人になってもちゃんと進んでいくんだぞという意志をしっかりと見せつけに来ました」「新しいYOURNESSのすべてを見せられたらと思います」と高らかに表明すると、それを立証するように「Present Day」を勢いのある演奏に乗せて力強く歌い上げる。2025年以降のライブ定番曲でもある未発表曲「微香性の記憶」も、バンドのグルーヴが華やかさに拍車をかけていた。昨年12月に幕を下ろした全8回の定期公演「Breathing」で撒いていた様々な種を、この「Dream.zip」で芽吹かせようとする気魄が一音一音に漲る。春という季節も、そんな彼らの追い風となっていた。



ドラムのビートに合わせて観客が高らかにクラップを打ち鳴らし、映像からカラフルなライティング演出にシフトして鮮やかに「天泣」へとつなぐ。すがすがしい生命力にあふれた演奏が会場を包むと、黒川が「もっと距離を縮めていきましょう!」と告げ「ありえないよ。」で軽やかにフロアを揺らした。この日のYOURNESSは、観客の手を取り自分たちの描く壮大な世界へと連れ出すような、ファンタジックな空気と頼もしさを纏っている。過去も現在も未来もすべて包含して物語の続きを切り開いていくステージは、挑戦に心を燃やす少年のように無邪気で凛々しい。圧縮されていた夢が解凍されていく、輝かしい光景に息を呑んだ。

約3ヶ月半ぶりのライブに喜びをあらわにする黒川は、YxREについて「一緒に肩を組んで進んでいきたい」と言及し、「今日はいろんなYxREを観てもらえると思うし、みんなにも一緒にYxREのことを好きになってほしい」と呼びかける。つまりいまYOURNESSがひそかに育んでいる物語のヒントが、YxREとその周りに散りばめられているということだろう。



「命の容量」では集中力の通った歌唱と演奏で曲の深層へと引き込み、「籠の中に鳥」でぬくもりと光を宿すと、新曲「B∞k」へとつなぐ。黒川は愛する者を深く思う気持ちを丁寧にメロディへと乗せ、切なさと優しさを併せ持つ細やかな音色は聴き手の心の中にじっくりと染み込んだ。歌詞には"栞"や"夢"、"夜"といった、これまで提示されていたモチーフと関連した言葉がいくつか取り入れられており、同曲が次のYOURNESSの作品において重要な存在のひとつであることが推測される。ロックナンバーというには感情の機微が細部まで描かれ、バラードと言うにはダイナミズムを持った同曲は、YOURNESSが発信してきた音楽の集合体のようでもあり、これまでにない趣も放っていた。



新生活シーズンに新体制初ワンマンを行い、リスナーとともに新たな一歩を踏み出せたことへの感慨に浸る黒川は「ぼろぼろになるまで駆け抜けようという絶対的な意志があります......と言うと肩に力が入っているように聞こえるかもしれないけど、これからも皆さんが楽しめるものをお届けしたいし、皆さんの力になれたらいいなと思っています」「思い出は保存できるし、解凍したくなる日があると思います。今日がそんな日になったらいいなと思っていますし、YOURNESSの音楽が皆さんの日常のひとつになればいいなと思っています」とあらためて決意と希望、感謝を語る。「羊のような雲はどこまで」はそんな意欲に溢れ、「「私の最後の日」」は国を超えて多くの人々に愛されていることへの敬意や、だからこそより美しい音楽として届けたいという矜持が、音の隅々にまで込められていた。

本編ラストの未発表曲「夢の中でだけ」では、夕焼けの海の前に佇むYxREの姿が映し出される。ワルツのリズムとファルセットが際立つメロディはロマンチシズムに富み、最後YxREの前には満天の星空が広がった。強い願いがしたためられた同曲は、今後さらなる発展を遂げるであろうバンドを映し出すようである。現実と仮想がない交ぜになった空間が会場をスケール大きく包み込んだ。

アンコールではメインソングライターである古閑がセットリストの新曲の多さに触れ、「曲を作ったからにはどこかで出さないととは考えています。音源そろそろ欲しいですよね?」と観客に問う。すると彼はフロアからの「アルバム!」の声に「フルアルバムですか? じゃあフルにしましょう!」と返し、「ライブはお互いの表情を見ることができて、自分の言いたいことや空気感を皆さんにそのまま受け取ってもらえる貴重な機会」「今年中にフルアルバムを届けたい」と笑顔を見せた。古閑の突然のフルアルバムリリース宣言に、黒川と小野は動揺しつつも受け入れる。アイデアマンの古閑と、それに翻弄されながらも自身の表現を磨いて楽曲を豊かなものに仕上げる黒川と小野という関係性も、YOURNESSをYOURNESSたらしめるものだろう。
サポートを務めた岩瀬が「サポートでこんなに練習したのは初めてというくらい難しくて、最高に楽しかった」と充実を語った後、一同は9月23日に池袋 harevutaiにて「YOURNESS ONE MAN LIVE 2026「B∞K」」の開催を発表する。古閑いわく「B∞K」の"∞"には何かしらの意味が込められており、そのうちのひとつが"8"だそうだ。YOURNESSは6作目のCDに『6 case』、7作目のCDに『Ⅶ (seven)』と名づけている。「ライブと連動して何かがある可能性は非常に高いということです」「実はほかにも頑張らなければいけないことがある」と今後の動向に含みを持たせた。


黒川が「久しぶりに皆さんとこうしてお会いすることができてすごくうれしいです。これからもたくさんお届けできるように頑張りたいと思います」と感謝を告げると、最後に最新曲「神様に怒られてしまおう!」をMVとともに披露する。さらにギアを入れていくというバンドの決意表明と、楽曲に描かれた主人公・YxREとすでにこの世を去ってしまったSuNo(スノー)の視点や心情をプリズムのように映し出した。
メンバーがステージを去ると、ポップかつ幻想的なシンセサウンドで彩られた英語詞の未発表曲が流れ、スクリーンには列車の天井に乗って、様々な国を複合させたビル群を走るYxREのCGアニメーションが映し出された。夕暮れから夜になり、大きな月が浮かぶなか、YxREは途中でその列車から飛び降り、本の中へと落ちてそのままzipファイルとして圧縮される。ヴィンテージとデジタルをつなぎ合わせてYOURNESSが描く世界とはどんなものなのか、そんな期待が高まるラストシーンだった。より洗練され、迫力を増した歌と演奏や、YxREという存在で表現の幅を広げるだけでなく、過去や思い出、未来という時間軸の奥行きまで示唆された新体制初ワンマンであり新章のプロローグ。YOURNESSの描く世界は、現在進行形で可能性を広げている。

文:沖 さやこ
撮影:佐藤広理
LIVE INFORMATION
YOURNESS ONE MAN LIVE 2026「B∞K」

2026年9月23日(水/祝)
池袋・harevutai
OPEN:17:30 / START:18:00
<チケット詳細>
スタンディング:一般:¥5,800(税込)U-22:¥4,000(税込)
※別途ドリンク代必要
※未就学児入場不可
※U-22の対象者は2004年4月2日 以後に生まれた方対象
※U-22の方は年齢確認のできる写真付き身分証明書1点、写真がない場合は2点(学生証・健康保険証など)を入場時にご提示ください。
[ファンクラブ「ハムスター伝説」先行]
受付期間 2026年3月27日(金)21:00 ~ 2026年4月5日(日)23:59
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ファンコミュニテイ
ユアネス「ハムスター伝説」入会ページURL https://fanicon.net/fancommunities/4762
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