SENSA

2025.05.04

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!烏兎-uto-・古燈直人・しろつめ備忘録ほか全18作品 -2025.5.3-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!烏兎-uto-・古燈直人・しろつめ備忘録ほか全18作品 -2025.5.3-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:4月28日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全18作品、Part-1からダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。はじめましてさんからです。The Mighty Project

金子:彼らは東京を拠点に活動するロックバンドなんですけど、キャリアが結構面白くて。もともと2018年にボーカル・ギターの大塚さんの宅録プロジェクトとして始動して、2020年に自主制作のアルバムを発表。その中の収録曲がアメリカのラジオでチャート入り、翌年からはヨーロッパに拠点を移して、アルバムをカリフォルニアのレーベルからリリース。2024年からは東京に拠点を移して、現在のメンバーで活動を開始と。

みさと:すごい、逆輸入ですね。

金子:アメリカとヨーロッパと、その動き方も面白い。

みさと:かっこいい。令和の時代をすごく上手に生きてらっしゃる。

金子:最近作っている楽曲は、UKのThe Vaccinesという結構有名なバンドの元メンバーのFreddie Cowanがプロデューサーで参加していて、同じくThe Vaccinesとかを手掛けているエンジニアも楽曲に関わっているということで、歌も英詞だし、バンドサウンドも含めて、やっぱりUKの香りがしました。「日本人離れ」みたいな言葉はもうわざわざ言わなくてもいい感じだけど、この感じをやってる人ってなかなかいないから、世界的な広がりも含めてここからどうなっていくのか楽しみですね。



みさと:ジャケットも可愛いですよね。ジャケットにはハングルが使われていて、国を越えてというか、今この令和の時代にフィットしたアウトプットとアートセンスがすごく際立っている印象があります。この楽曲は恋愛ソングではあるんですけど、"投げやりで生意気な皮肉と未練が同居するモヤモヤをただ淡々とメロディーに書き起こした恋愛ソング"とセルフライナーでいただいていて、サイケの持つドロドロなところとリンクしたような歌詞世界になっています。続いてもドロドロ系ラブソングです(笑)。I Mean Usの「互累」。

金子:今回の曲はI Mean Usがもともと持ってるドリームポップのイメージからするとちょっと珍しい、ゴリゴリのベースで、ゴシックな雰囲気もありますね。ちなみにI Mean Usは台湾のバンドですけど、去年福岡のクレナズムというバンドとコラボレーションしていて。クレナズムはゲシュタルト乙女とも交流があったり、アジア(各国のバンド)とのつながりもあるバンドで、クレナズムとコラボした曲はいわゆるドリームポップの感じだったんですけど、今回はちょっとドロッとした楽曲。こういう曲もあるんだと、幅の広さを感じさせましたね。



みさと:スリリングでミステリアス、ベースでしか出ないあの深い音、そこに対比するように浮遊したボーカルのファルセット、一瞬止まる間も最高だったし、もう完璧ですね。大好き。そんな中、Part-1からどの曲を紹介しましょう。

金子烏兎-uto-の新曲を紹介しようと思います。

みさと:振り幅がありますね。

金子:FRIENDSHIP.らしいですよね。烏兎-uto-はついにEPが完成しました。

みさと:おめでとうございます。

金子:タイトルが『Blessings of the Sun』で、「太陽の祝福、太陽の恵み」みたいな意味合いがあって。もともと烏兎-uto-という名前が「太陽と月」という意味で、光を注ぐような日々の景色に寄り添う楽曲を作るというのがコンセプトにある2人だったので、まさに名は体を表すタイトル。ちょっと前からSuchmos、賽、そして最近はN.S. DANCEMBLEもやっているTAIHEIくんがプロデュースに関わっていますが、今回のリード曲「Goes On」もTAIHEIくんプロデュース。まさにゴスペルポップという感じで、クラップとオルガンが印象的。太陽が降り注ぐような中で聴きたい1曲でしたね。

みさと:「祝福」という言葉が似合うような1曲で、J-POPとクラッシックのいいとこどりだなという感じもしました。やっぱり2人のルーツが見える落とし所だと思うし、<飛ばしてゆくよ>という歌詞のリフレインが風を操っているようにも聴こえてきました。性別で区切る時代ではないとはいえ、女性が言う<飛ばしてゆくよ>というのはやっぱり1つの個性になるなと。柔らかさと軽やかさがある、飛ばしていくような、次に進んでいくような、明るい祝福ソングだったんじゃないかと思います。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。まずはおひさしぶり、CONGRATULATIONS



金子:約3年ぶりの新曲で、CONGRATULATIONSはギタリストの魚頭圭さんを中心とした3ピースなんですけど、魚頭さんは日本のハードコアシーンの生き字引みたいな人で。昔はThere Is A Light That Never Goes OutやZというバンドをやっていて、今はFIXEDというバンドもやられていて、ちょっと前にTexas 3000のリリースイベントがあったんですけど、そこにFIXEDも出てて、さらに魚頭さんがTexas 3000のサポートでギターを弾いたりもしたらしくて。魚頭さんはレジェンド的な人なので、Texas 3000と繋がってるっていうのは個人的に嬉しかったです。
で、CONGRATULATIONSの音を聴くと、やっぱりTexas 3000とも通じるような90年代のオルタナ感があり、「本物」という感じの音がする。若い世代でオルタナが盛り上がると、CONGRATULATIONSが改めて発見されて、より世代間の交流が広がったりしたら楽しみだなと思いました。

みさと:ハードコアっぽい要素もあったり、ツインボーカルも印象的で、聴きどころがたくさんある、切り取りの多い、いい曲だったと思います。CONGRATULATIONS、チェックですね。続いて、Barbara



金子:Barbaraもコンスタントにリリースが続いてますけど、やっぱりいいですよね。先月リリースされた「Night Walk」に関しては、曲のテーマがクラブから離れて散歩をしながらも聴けるような感じだったから、BPMをちょっと落とした曲だったけど、今回の「Focus」に関してはまさにダンストラックという感じ。BPMもちょっと上げて、クラブで聴きたいノリのいい曲になっていて、真骨頂だなと。"Vacation Disco"という言葉を掲げてる人たちなので、最近で言うとディスコ繋がりでGeloomyと一緒にやってもいいんじゃないかと思ったり。

みさと:フロア爆上がりだ!フロアで初めて聴いても口ずさめるキャッチーさ。ただメロディアスさもあるので聴き込みたいパーティーチューンだなという意味では、踊らせるだけじゃございませんという。

金子:ニューウェーブ感ありますよね。

みさと:すごくよかった。ガラッと空気を変える強めな1曲です。Part-2どうしましょう?

金子古燈直人さんの新曲を紹介しようと思います。



みさと:イントロから大インパクト。

金子:ですね。さっきのI Mean Usじゃないけど、古燈さんってこういう曲出すんだ、みたいな感じありましたよね。

みさと:いやー、かっこよかった。

金子:Part-1ではThe Mighty Projectのグローバルな活動について話しましたけど、古燈さんもそういう側面がある方。2002年生まれで、10代の頃に受けた洋楽の影響から北米の大学で音楽とメディアを専攻しているというプロフィールがあり、SNSをちょっと覗いてみたら、ちょうど大学生活を終えたタイミングだったみたいで、いろんな国の人たちとの写真と一緒に、"相変わらず音楽に情熱を持った人たちが世界から集まっているクールさたるや。最後は楽しく終われてよかったです。ここからが本番"というポストをしていて。

みさと:かっこいい!

金子:これだけでちょっとグッと来たんですけど、まさにここからが本番で、この先にアルバムが待っていて、そこからの先行で今回は「絶望の深淵」という曲が出てると。さっきも言ったように、これまでの古燈さんにはあんまりなかったようなロックテイストの歪んだ音が印象的で、The Rolling Stonesの「(I Can't Get No) Satisfaction」のリフみたいな感じ。「絶望の深淵」というタイトルなので、ここに至る中でいろんな苦しみがあったのかもしれないし、そういうところも楽曲に落とし込まれてるのかなと想像したりしつつ、アルバムがどういう作品になってるのか楽しみですね。

みさと:(nayoeeから)名義を変更したタイミング、そして大学をご卒業されたタイミングで生まれた楽曲が「絶望の深淵」というタイトル。でも、絶望の深淵に一度落ちなくては次のステージには上がれないという希望の曲でもあるし、その歪みをちゃんとサウンドとして消化できて、体の外に出せたことが、きっと古燈さんにとっては大きな一歩だったと思う。やっぱりバックグラウンドを知ると、聴き方が変わってきますよね。全体的にメロは不安定なのに、こなれた英語と日本語のおかげで安定感があるというか。芯の通った楽曲として楽しめる1曲だったと思います。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。小室響さん、大作です。



金子:ひさびさのリリースなんですけど、来月にアルバムが出るということで、そこからの先行リリース。改めてプロフィールを紹介すると、横浜生まれ仙台育ち、2012年よりジャズピアニストとして東京、神奈川を拠点に活動。
前のアルバムは高木祥太(BREIMEN)さん、MELRAWこと安藤康平さんらを迎えて、ジャズ以外の要素も折り混ぜながら、様々なシーンに向けて発信した作品だったのに対して、今回のアルバムはジャズ界のレジェンドたちを迎えてジャズに向き合った作品。今回の曲に関してはCRCK/LCKSでも活躍しているギタリストの井上銘さんを迎えて、セッション的な10分以上に及ぶ大曲になっていると。ライブ録音なのでまさに熱量がそのまま伝わってくる、プレイヤビリティが直接伝わってくる、めちゃめちゃいい演奏であり、録音でしたね。

みさと:本当ですね。絶対にライブで観てみたい1曲だったし、10分があっという間でした。スリリングで耳が離せなくて、ちょっとフュージョン味も味わえて、ジャズの魅力と凄みが詰まった1曲だったなという印象でした。今回、白いクジラをモチーフにもしているみたいで、静かに淡々と水中を泳いでいるようなシーン、少しずつ浮上してくるようなシーンとか、しぶきを上げているようなシーンの絵が浮かぶ、10分間の映画のような1曲です。ぜひ楽しんでください。続いて、Guiba



金子:Guibaもコンスタントに新曲をリリースしてますが、今回のタイトルは「静岡」。

みさと:「栃木」も出しましたよね?

金子:そうなんですよね。ご当地シリーズ。

みさと:続くのかな?私たち埼玉出身としては、早く「埼玉」を作ってほしいですよね。はなわさんに対抗する埼玉の曲ができるのか?

金子:47都道府県、やってくれるんですかね。

みさと:楽曲でも静岡を表に立たせて、いや実は...みたいな楽曲なのかなと思ったんですよ。アカツカくんの十八番の手法じゃないですか。そしたら、どストレートに静岡の歌だった!びっくりしちゃいましたけど、〈そんなにさわやかじゃないけど〉のところいいですよね。

金子:そうですね。さわやか。美味しいハンバーグね。

みさと:ハンバーグを食べながら聴いてください。そんなPart-3からどうしましょう?

金子しろつめ備忘録の新曲を紹介しようと思います。彼女たちは2022年10月に結成された4ピースバンドで、くるりや羊文学に影響を受けて、シューゲイザーサウンドを取り入れたポップな曲調、独自の世界観を作り出していると。今回の新曲に関しては、Triple time studioの岩田純也さんがエンジニアで関わっていて、ちょっと前に紹介したblankshoreの楽曲も岩田さんがエンジニアでしたけど、岩田さんは日本のオルタナ寄りのバンドをずっと手掛けてきた著名なエンジニアさんなので、まずこの組み合わせに"おっ!"と思いましたし、しろつめ備忘録とblankshoreで対バンしてほしいなと思いました。
今回の曲は潮の満ち引き、そして人生の盛衰がテーマになっているということで、バンド感、オルタナ感もありつつ、エレクトロニカやアンビエントの要素も取り入れてると。最近で言うとCruyff雪国とか、オルタナシーンの中で一歩先に向かっている人たちとも共振するようなサウンドになってたし、それこそ羊文学もバンドサウンドから徐々にエレクトロニックなサウンドを取り入れたり、そういういろんな人たちとも関連づけることができるし、その中で自分たちのオリジナリティをちゃんと発揮している曲になってたかなと思います。

みさと:このテーマ性もすごく良くて、潮の満ち引きだからこその水かさが増した水の中のようなエフェクトというのが耳に残りました。水の中って時間の流れがゆったりすると思うので、人生とのリンクというところでも、言葉にのめり込ませてくれるようなアレンジだったなと思うし、歌唱方法とも相まって時間をコントロールしながら、最後まで届けてくれた感じがありました。裏声、語尾の置き方、一音一音の出し方までとても細かく考えられた一曲なんじゃないかと思います。



番組の後半はKhamai Leonがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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