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2024.10.20
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!VivaOla・アンニュイ・ホリデイ・Gateballersほか全21作品 -2024.10.19-
New Release Digest Part 1
みさと:10月14日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全21作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。Larks Lou、おひさしぶりですね。
金子:このバンドは去年Carpenter's Blueとスプリットを出していて、単独ではFRIENDSHIP.としては初めてのリリースです。2021年に結成された現在4人組で、ギターはニトロデイだったりCruyffだったりでも活躍しているyagi hiromiさん。僕はyagiさんのファンなので、このバンドもちゃんと取り上げたいなという感じでピックアップさせてもらったんですけど、今回は6分半ぐらいある、かなり大曲になっていて。一曲の中に多彩な展開が詰め込まれていて、「ソーラーフレア」というのは太陽の爆発みたいな意味ですけど、まさにそんなことを感じさせるような、スケールのデカいサイケデリックな楽曲でかっこよかったです。
みさと:そのソーラーフレア感というのが霞がかったサウンド感ですごく表現されていて。音と馴染んでいくボーカルの三ウラさんのハイトーンというのがとてもマッチしている中で、yagiさんのギターが耳心地の良いというか、フックになっている、そんな完成度の高い曲でした。続いてOCHA∞MEがアルバムリリースです。おめでとうございます。
金子:コンスタントに曲はリリースしてきましたけど、それらも詰め込まれた11曲入りのアルバム。OCHA∞MEいいですよね。
みさと:いいです、好き好き。
金子:ずっと紹介してきましたけど、ボーカルが5人いて、ときにはユニゾンで合唱し、ときにはハモったり、いい意味でのアマチュア感、インディー感がすごく魅力的で。今回カジヒデキさんがアルバムにコメントを寄せていて、"OCHA∞MEほどチャーミングなバンドはいない!なんかアメリカの青春映画みたいな感じがグッと来るかな?"という書き出しで、すごくいい文章を寄せてくれているんですけど、本当に青春映画感があって。特に今回の「サラダデイズ」という曲は17歳の頃が歌われていて、まさに青春感があるんだけど、でも実際のメンバーは10代というわけではなくて。色んな経験をして、でも今も青春は続いているという、その感覚が感じられるところがOCHA∞MEの素晴らしいところだなと思います。
みさと:ベボベ(Base Ball Bear)の関根さんが出ていた映画『リンダ リンダ リンダ』って学園もののバンドの映画を思い出しました。あの映画好きなんですけど、そういう5人全員が主役になれる。だけども5人それぞれの悩みとか不安とか葛藤があって、そこからどういう風に大人になっていくかという過程が描かれるような、存在自体がすごく愛される、映画的なバンドだなと感じています。アルバムになったことによって自分たちの活動の後押しにもきっとなるだろうし、それこそ10代じゃない彼女たちが今なんでこれをやっているのかというすごく強い意志を感じる。
金子:歌詞にはかなりメッセージも込められているので、そこも聴きどころだと思います。
みさと:さあそんなPart-1からどうしましょう?
金子:VivaOlaの新曲を紹介しようと思います。
みさと:今回はフィーチャリングでJimmy Brownが参加しているわけなんですけど、かっこいい!
金子:かっこいいですね。VivaOlaくんは先日のFEAT.にも出ていて、かっこいいライブをしてくれていましたけど、今回コラボレーションしているJimmy Brownは韓国にルーツがあるR&Bのシンガーなので、VivaOlaくんとは共通点があり、2022年にはJimmy Brown名義の曲にVivaOlaくんがフィーチャリングという形で参加していて、今年はVivaOlaくんのツアーにJimmy Brownがゲストで参加していたりという風に交流を深めていた中、ひさびさのコラボ曲のリリースということで。さらにはVivaOlaくんが最近ずっと一緒に活動しているw.a.uのKota Matsukawaくんがプロデューサー、こちらもVivaOlaくんとコラボしているR&Bシンガーの藤田織也くんもソングライティングに関わっているということで、これまで関わってきた人たちがみんな集まってきて1曲を作り上げていて。今年出たアルバムもMatsukawaくんが関わっていたので、今回もそのときのモードを引き継いだクラブ仕様のエレクトロニックなトラックではあるんだけど、アルバムは全体的にドープだったのに比べると、もう少し開かれた感じのトラックになっていて。それはJimmy Brownと一緒にやっているからこそなのかなという感じもしたし、色んな人と関わることによってまた開けたモードに少しずつ移っていっているのかなというのも感じさせるような一曲でした。
みさと:まさに同感で。Jimmy Brownが関わっているからか、よりロマンチックさとスムースさというのがすごく際立つ楽曲になっていたなと思って。今までのドーブな雰囲気の中に、VivaOlaくんは共通してロマンチックさとかスムースな歌メロというのは持っていたので、そこが相乗効果でどちらも高まっていった楽曲だったなと感じました。今のお話にもあったように、お互いのライブパフォーマンスを観てきたというのは楽曲作りにおいて大きなステップアップというか、よりいいものを作るエッセンスだったと思うので、素晴らしい1曲でしたね。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。こちらにははじめましてさんです、SAGOSAID。
金子:SAGOSAIDはもともとshe saidというバンドをやっていたSAGOさんのソロプロジェクトで、京都のSecond Royal Recordsから作品を出してるんですけど、SAGOさんは東京の調布でStudio REIMEIという音楽スタジオを運営している人でもあり、そこでスタジオライブとかもやっていて、そのセッション動画をYouTubeにアップしていく、そのREIMEI SESSIONを音源でも出していく第1弾です。Studio REIMEIはもう1人、VINCE;NTというバンドをやっているシンマさんと一緒に運営していて、VINCE;NTはFRIENDSHIP.から曲を出していて、あとOCHA∞MEもREIMEIで録音していたり。
みさと:ここ(Studio REIMEI)で!?そうなんですか?
金子:なので、FRIENDSHIP.的にもいろいろと縁のある場所であり、この音を聴いてもらえればわかるように、オルタナティブなかっこいい音を鳴らしている人たちがたくさんいる場所で。SAGOさんに関しても、資料にbeabadoobeeとかSnail Mailみたいな名前も出てますけど、非常にかっこいいサウンドを鳴らしていて、ボーカルにも存在感があるし、オリジナルの音源もFRIENDSHIP.から出してほしいなと勝手に思ってしまいましたね。
みさと:このライブの音とステージングをDIYで作ってるご自身たちのスタジオでやっているということ自体が面白いと思うし、studio REIMEI気になりますね。ぜひYouTubeを観ていただければと思います。続いて、JunIzawaさんがまた仕事をバリバリとやっております。
金子:7月末にアルバムが出ていて、また新曲が登場というところで、本当に活発ですよね。
みさと:でも1曲1曲のクオリティ、下げませんね。上がってばかり、素晴らしいです。
金子:やっぱりアルバムのモードを引き継いだダンスミュージック的なところが軸にはなっていて。まさにUKガラージ・2ステップ的な感じがあるんですけど、でも今回の曲は本職のベースがかなりバキバキに出ていて。UKガラージ・2 ステップは近年の流行りではあるんだけど、こんなにベースがバキバキに鳴っているものはなかなか聴いたことがないので、これはまさにJunIzawaさんならではのソロ曲だなという感じで、かっこよかったですね。
みさと:ベーシストがこういう楽曲を作るとこうなるんだぞと、そしてLITEのベーシストがやるとこうなるんだぞという、まさにそんなアウトプットでした。"サーカスのピエロが空中ブランコで上下逆さまになりながら楽しげに踊っているような、ハロウィンの時期にぴったりな楽曲だと思っています"とご本人のコメントをいただいているんですけど、まさに一聴したときに古い劇場でのショーを思わせるような質感があって、色んな感覚で楽しめそうな一曲です。そんなPart-2からどうしましょう?
金子:アンニュイ・ホリデイの新曲を紹介しようと思います。
みさと:今回、アルバムリリースになります。おめでとうございます。
金子:アンニュイ・ホリデイはポップスとしての完成度が高くて、アルバムには7曲収録されているんですけど、本当に色んなタイプのポップソングが詰め込まれた作品になっていて。セルフライナーノーツも届いているんですけど、"アルバムタイトルである『自意識ニューロティック』。参加ミュージシャン計24人。90年代の架空深夜アニメのED集。渋谷系からフュージョンまで。この4つがアルバムのすべてです"と。
みさと:すべてと言いつつも幅広すぎる(笑)。要素満載!
金子:でもすごくわかりますよね。90年代の架空深夜アニメのエンディング集とか。
みさと:わかる。渋谷系もわかる。
金子:今回ジャケットもイラストで、90年代感というのもすごくわかるし、やっぱりアンニュイ・ホリデイはオノデラさんと「オヤマダさん」なので、渋谷系というのは今回も感じさせるところで。シティポップが流行った後ということで言えば、年代的にももう一度渋谷系というのはあると思うし、何度目のリバイバルやねんって感じですけど(笑)、でもやっぱりその感じはある。「愛でカムフラージュ(feat. 稲川真帆, Kingo)」は1曲目からして本当に平成感のあるJ-POPになっていて、ホーンセクションだったり、ギターソロがかなり派手目にフィーチャーされていて。この少しやりすぎかもぐらいの感じが平成感を出していて、アンニュイ・ホリデイの色になっていると思うし、今こそこの感じが響くタイミングなんじゃないかという気もしましたね。
みさと:本当ですね。きっとこの年代を生きていない世代の子たちが聴くような時代になってきていると思うので、これぐらい誇張してくれると本当に平成の初期だったりだとか昭和の後期、それぐらいの時代への憧れみたいなものも楽曲で感じさせてくれるなと思います。今回アルバムに収録されているタイトルだけでも本当に面白くて、「愛でカムフラージュ(feat. 稲川真帆, Kingo)」、「スリッピングダウン」、「午後5時のサマーデイ(ENDLESS SUMMER ver.)」、「ハイスクールティーンのようにときめいて」、「スウィートインスピレーション(feat. 仮谷せいら)」、「まっとうな夜(feat. 原田美桜)」「位置について(feat. 入江陽)」 、その7曲が収録されているわけなんですが、もう言葉遣いだけでも楽しめる言葉選びが本当に秀逸なアルバムになっておりますので、ぜひ『自意識ニューロティック』聴いてみてください。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。さあさあ、はじめましてさん、Bbugs。
金子:Bbugsは2024年結成の5人組。このバンドはDaisy JaineとかwoozとかをやっているドラマーのJuon Taharaさんが関わっているバンドということで、Juonさんすごくいっぱいバンドをやっているんですよね。
みさと:そうなんですね。
金子:ドラマーって色んなバンドを掛け持っている人が多かったりする印象もありますけど、Juonさんもかなり色々やっていらっしゃるみたいで、FRIENDSHIP.とも縁がある方なんですよね。Bbugsに関してはプロフィールに"DIY精神を美意識として掲げ、80〜90'sを中心とした幅広いギター・ミュージックに敬意と愛情を持ち"みたいなことが書いてあって、まさにだなという感じで。セルフライナーノーツにもあるんですけど、C86という80年代のギターポップの感じもすごくあるし、ソニック・ユース的な90年代オルタナティブな感じもあるし、そのちょうどいいとこ取りなかっこいいバンドサウンドが魅力的だと感じました。
みさと:初めて聴いたんですけど、活動歴はまだ短いようなんですが本当にクオリティが高くて。2024年結成って今年ですもんね。
金子:そうですね。
みさと:いやー、先ほどのドラマーの方はなるほどという感じでしたけど、みなさん一人一人のバックグラウンドが気になるような、素晴らしい、注目していきたいバンドですね。続いて、Mercy Woodpecker。
金子:こちらは僕が先日Podcastで喋りましたけど、猫ジャケ。
みさと:出た出た出た。
金子:曲名からして「にゃんだふるらいふ」。
みさと:じゃあ売れちゃうね(笑)。
金子:今年は猫ジャケが多くて猫ブームだって話をPodcastで喋って、その少し後ぐらいにテイラー・スウィフトがカマラ・ハリスの支持を表明して、カマラ・ハリスが少し前に"子なしの猫好きの女性"みたいな感じで中傷されたのを受けて、"私もそうですけど何か?"みたいな感じで猫を抱いた写真をポストしたということがあったりして。アメリカでもやっぱり猫ブームで。
みさと:いやいや、それブームとは言わないんじゃないですかね!?でも今、厚武さんはアーティストが猫に関わる何かを発信しないかとかなりアンテナを張っている状況で、Mercy Woodpeckerも出しちゃったと。
金子:そういうことです(笑)。なので猫が関わると今年は注目を集めるというのが僕の中での勝手な定義になっているんですけど、まあマシペカ(Mercy Woodpecker)は曲自体いいんですよね。今回の曲はRADWIMPSからの系譜に連なる日本のギターロックのド真ん中を行っている気がするし、最近で言うとEveとかに通じるような感じもあるから、若い世代にもウケるだろうなという感じがする。あと曲の途中でビッグなコーラスが入っていて、200~300人のライブハウスといういうよりも、1000人規模だったり、フェスだったり、そういうところにバンドの目が向き始めているんだろうなというのを感じさせる曲にもなっていて、すごく印象的でした。
みさと:アーティストさんのコメントだと、"だらしない自分を猫に例えた歌"という風にいただいているんですけど、歌詞あざとくないですか?
金子:ニャーニャー言ってますしね。
みさと:ニャーニャー言ってるし、"忍法・隠れ蓑の術"とか"頑張るにゃー!"とか、これTikTokで真似する女の子続出なんじゃないかなって。少しあざと可愛い感じが出ていますよ。ズルい曲です。聴いてください。そんなPart-3からどうしましょう?
金子:Gateballersの新曲を紹介しようと思います。
みさと:素晴らしかったです。「Wake up」
金子:Gateballersは今年が活動開始10周年ということで。4月に東京、6月に大阪でワンマンをやっていて、両公演がソールドアウトだったり、あと濱野夏椰くんは最近だとキッサ・コッポラのプロデュースをしていたり、色んなところで活躍してますけど、今月の末にミニアルバムのリリースを控えてのひさびさの新曲と。ちなみにこの10月30日リリースのミニアルバムに合わせてツアーも決まっていて、リリース手前の10月26日に福岡のKieth Flackでライブをすることも決まっていますので、福岡の方はぜひという感じです。今回の曲もGateballersらしいオルタナ感のあるバンドサウンドと、でも人懐っこいポップなメロディーが合わさりつつ、序盤はボーカルにエフェクトをかけて、少しエレクトロニックなアプローチも見せたり、新規な部分もありつつというところで、ミニアルバムへの期待が募る一曲だなと感じました。
みさと:その人懐っこいポップスの中に問題提起を孕まつつもすごく自然な形でアウトプットできるバンドだなというのを感じていて。セルフライナーノーツでも"この国のみんなで同じ夢をみようという思想に対して目を覚ましてと投げかけている。同じ海で生まれた、ジョーズ、ポニョ、ニモも同じ夢は見ない"という言葉をいただいているんですけど、すごく視点がハッとさせられるなと感じていて。
金子:背景にはコロナ禍でのオリンピック開催というところもあって、みたいですね。
みさと:こういう表現はもしかしたら嫌がるかもしれないけど、社会派なバンドだなという感じもするし、10年のタイミングでミニアルバムに向かってどんな言葉と音が集まっていくのか、楽しみにしていましょう。
番組の後半はTHE LOCAL PINTSがゲストで登場!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10