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2023.07.02
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Chloe Kibble, Zuma.・Mercy Woodpeckerほか全15作品 -2023.07.01-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
みさと:6月26日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全15作品の中から、まずはPart-1の7作品をご紹介しました。リリースおめでとうございます。改めてFRIENDSHIP.はインストありロックありブラックミュージックありで、本当に全ての音楽ジャンルを楽しみたかったらとりあえず毎週聴いてっていう気持ちになる。素晴らしいですね。はじめましてさんが今週もおりまして、突然少年です。
金子:彼らは既にキャリアのあるバンドで、昨年結成10周年を迎えています。でもこれまでのキャリアは山あり谷ありで、結成10周年のツアー中に交通事故に遭っちゃって、ニュースになってたりもしたんですけど。
みさと:なんとハプニングが。
金子:でもメンバーはみなさん無事だったということで、ちゃんとファイナルを迎えられて、今回の作品はそのライブの中から抜粋されたライブドキュメントアルバム。
みさと:事故も含めて色んな紆余曲折がありながら、この場所にようやく10年かけて立てたんだよっていうのがこもってるわけなんですね。
金子:ちょっと前にNITRODAYがライブで新曲をやったのをそのままアルバムとして出すみたいなことをしてて、これは普通に持ち曲をライブでやった中からの抜粋ではあるんですけど、でもやっぱり今の時代にバンドの魅力を示すという意味では、こうやってライブをそのままパッケージングするっていうのはひとつの有効な手段だよなと改めて思いました。
みさと:そうですね。
金子:特にライブが魅力的なバンドですしね。
みさと:「お客さんの声援もあえて入れた」というセルフライナーをいただいてるんですけど、自己表現をすることによって救われてきたこの少年たちが、今度はレスポンスをくれる目の前のお客さんの心を震わせる立場に立ってるっていう、そういう10年の軌跡も感じられるというか、これはグッときちゃう作品ですね。そして、アルバムを出されています、Kill The Gossip。
金子:Part-1はいろんなタイプの音楽があるけど、突然少年があってKill The Gossipがあるってなると、結構ロック強めな感じですよね。Kill The Gossipはずっとコンスタントに楽曲をリリースしていて、この番組的にはお馴染みのベースとドラムの2人組ですけど、今回も"らしさ"が全開です。それこそこれはライブ盤ではないけど、すごくライブ感のあるレコーディングをしていて、楽器演奏の魅力をそのままギュッと詰め込んでる。ただ曲によっては打ち込みも取り入れたりとか、サウンドの幅を広げている部分もあって、最新のKill The Gossipを詰め込んだ作品になってるのではないかなと思います。
みさと:この音の凶暴性から考えると"2人でやってるんだっけ?"っていつも思っちゃうんですよ。すごい勢いに圧倒されるし、でも今回のアルバムをしっかり聴くと本当にベースとドラムだけなんだっていう、その余白がちゃんとあるというか、1人1人がどういう仕事をしているのかが見えてくる。技巧派だし、これをひとつの作品にするって、2人じゃなかったらできないことだなって。
金子:2人だけでこうやって作品作り続けるのもなかなか大変なことでしょうね。
みさと:本当に恐い。
金子:恐い(笑)?
みさと:本当に恐いけど、どんな人がやってるのか、いつかお会いしたい。
金子:確かに、いつもあの眼鏡?サングラス?がポンポンって並んでるアートワークだし、人物像はそこまで見えてこないから、ぜひライブに足を運んでいただいてという。
みさと:そうですね、やっぱライブだね。そんなPart-1からはどなたをお送りしましょうか?
金子:Chloe Kibbleとzumaのコラボ曲をかけようかなと思います。
みさと:めちゃめちゃ良かったです。
金子:ちょっと暑苦しいところから一転して(笑)。
みさと:良いですね、急に避暑地。雑誌の『LEON』にテーマソングをつけるなら、こんな曲になるんだろうなっていう、すごく大人な夏。大人の男性が白いシャツを着て、ハーフパンツで革靴合わせちゃって、ナチュールワインとか飲みながら"今年の夏の過ごし方はどうする?"みたいな。
金子:今なぜか僕の頭の中でShimon Hoshinoさんが湘南の海辺でその格好してる画が浮かびました。
みさと:良いですねー。良い匂いしそうじゃん(笑)。
金子:香りもお得意ですからね。
みさと:というくらいの、上品な大人の遊び方を感じますけど。
金子:「遊び方」っていう言葉が確かに合ってるというか、この曲にはFRIENDSHIP.ではお馴染みの方々が集まっていて、プロデューサーのzumaさんもそうだし、Chloe Kibbleさんはパジャマで海なんかいかないのメンバーとしてもお馴染みだし、さらにOtomodatchiとしてもリリースをしているJyodanがラップで入ってくるっていう、本当に遊んでる感じというか、大人な遊びで1曲仕上げたって感じがしますよね。
みさと:しますね。「夏に向けて友達とのドライブ、ダンスフロアや様々な楽しい思い出に溶け込む1曲」とFRIENDSHIP.からのレビューで一言いただいてるんですけど、まさにみんな感じることは一緒なんだなっていう、いろいろな景色が見えてくる一曲ですよね。
New Release Digest Part 2
みさと:6月26日週、新譜ダイジェストPart-2をお送りしました。リリースおめでとうございます。はじめましてさん、Merchant。
金子:こちらはシンガーソングライターであり、レコーディングアーティストである栗田将治さんのソロプロジェクト。彼はGliderというバンドもやっていて、そのバンドのメンバーでもあるお兄さんの栗田祐輔さんが共同制作で関わっていると。
みさと:祐輔さんはThe fin.のサポートもやってるようですね。
金子:そうなんですよ。最近The Cigavettesの山本兄弟がFRIENDSHIP.からリリースしてますけど、こちらの兄弟制作も良いですよね。
みさと:良いですね。いつも兄弟のアーティストさんを見ると、喧嘩しないでねって。
金子:最近ノエルがソロアルバムを出して、またオアシスの話題ちょこちょこ聞きますからね。
みさと:ちょっと心配になっちゃうところもあるけど、きっと仲良くやってらっしゃるんですよね。あとはやっぱり宅録の良さって隣で歌ってくれてるような、そういう音色だなっていうのも感じました。
金子:Gliderというバンド自体が60'sとか70'sとかのヴィンテージな色合いも活かしながらのバンドだったりして、そのソングライターチームでもある2人だから、近しいテイストは伝わってきますね。
みさと:そして毎回彼が出したら触れずにはいられない、Sen Morimotoさん。天才ですね。天才という言葉はあまり使わないようにしてるんですけど、天才ですね。
金子:いやあ、かっこいいですよね。5月に出した「If The Answer Isn't Love」もかっこよかったんですけど、今回の曲もめちゃめちゃかっこいい。生演奏の良さと打ち込みの良さとどっちもあるし、あとやっぱり今回のタームで出てくる曲はロック色強めな印象があって、そのかっこよさもある。今年中にアルバムもリリース予定みたいなので、果たしてどうなっているのやら。
みさと:厚武さん言うように音もすごく面白いし、リリックで書いてることがアメリカ人の生活への皮肉を歌っているっていうところも、他国の資源を奪うことで富を得る、その社会の縮図とか、労働者階級とか資本主義の見方とか、この社会の邪悪さを歌うことができるっていうのは彼のバックグラウンドがあってこそだなと思うので、自分自身にしかできない音楽をやってらっしゃる方だなっていう、そういう印象も強い曲でした。
金子:メッセージ的な部分もね、間違いなくありますよね。
みさと:かっこいいです。さあ、そんなPart-2の中からは、どうしましょう。
金子:Mercy Woodpeckerをかけようかなと思います。
みさと:通称、マシペカ。
金子:彼らはね、いわゆる王道なギターロックと言っていいかなとは思うんですけど、FRIENDSHIP.では意外と少ないというか。いわゆるシティポップ以降みたいな人だったり、もうちょっとフォーキーな、サイケな人だったりとか、逆にもっとオルタナに振り切った人とかは多いんですけど。
みさと:今すごい言葉を選んでくれてると思うけど、要はみんな一癖二癖ある、普通の人はあんまりいないから、FRIENDSHIP.。だから決してすごく普通なわけじゃないんだけど、マシペカはわりと王道のバンドで、FRIENDSHIP.でかけると少し珍しい気はします。
金子:時代的なことももちろん関係していて、東京もそうだし、たぶん福岡もそうかなと思うんですけど、トレンドがやっぱりあって。でもマシペカは熊本から出てきてるせいか、変にトレンドとかには左右されないで、「自分たちはこれが好き」っていうのを突き詰めてやってきて、それが今少しずつ花開きつつあるのかなって感じがして。この国全体で見たら王道の部類に入る音楽だからこそ、より広くに届く可能性をすごく持ってるバンドだなって、今回改めて感じましたね。
みさと:セカオワみたいにすごくお茶の間に入ってくるけど、実は1曲の中で色んなチャレンジをしていて、構成が毎回面白い、これを1曲にできる人たちなんだっていう驚きがある楽曲作りをされているので、そういったポップスターになる可能性があるなって思って聴いてます。
金子:「セカオワ」と「マシペカ」ってちょっと響き似てますね(笑)。でもホントに、セカオワ同様マシペカも歌詞にはちゃんとメッセージ性があって、今回は自由とか解放、前に進むっていうことがテーマになっていて、やはりコロナ明けの今だからこそ出す意味がある作品だと思います。アレンジ的にもね、さっきみさとさんが言ってくれたみたいにすごく面白くて、今回の「新世界」は拍子がコロコロ変わって、リズムパターンも1曲の中にいろいろ詰め込まれていて、ちゃんとチャレンジングだと思う。あと冒頭のね、モノローグっぽいところ、あそこがすごく印象的ですけど、あれは曲ができてから一番最後に入れたらしくて。でもそれがアルバムの1曲目、ド頭に来ることによって、「このアルバムはこういうアルバムです」っていうのを紹介する、非常に重要なポイントにもなっていたり、いろいろ聴きどころ満載かなと。
みさと:アルバムぜひ通して聴いてみてください。
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin