SENSA

2022.12.29

【読むラジオ】MC:森山公稀(odol) YMO特集!散開後の2000年代を中心に解説!「Room H」-2022.12.28-

【読むラジオ】MC:森山公稀(odol) YMO特集!散開後の2000年代を中心に解説!「Room H」-2022.12.28-

FM福岡で毎週水曜日 26:00~26:55にオンエアしている音楽番組「Room "H"」。九州にゆかりのある3組のバンド、ユアネスの黒川侑司、松本 大、odolの森山公稀が週替わりでMCを務め、彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。
今週のMCは、odolの森山公稀が担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!
(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)

(森山)今回が今年最後のRoom "H"、そして今年最後の森山回なのですが、なんとRoom "H"が今回で100回目を迎えたということで、ありがとうございます!いつも聞いてくださっている皆さまのおかげで100回も続けることができたということで、本当にいつも感謝しております。これからも引き続きがんばっていきますので応援よろしくお願いします。
記念すべき100回なのですが、特に何か記念的なことをするわけではなくいつも通り進めていきたいなと思っております。


YMO特集:「散開後のYMO」について

前回に引き続き「散開後のYMO特集」をお送りしていきたいなと思っております。今年の締めくくりとして、ついに「YMO特集をやるぞ!」という機会をいただいたのですが、どうせやるなら、あまりない観点でやりたいなと思って、散開後つまりYMOが解散した後の3人の作品をご紹介してきているのですが、今回はそれの後編です。

前回のYMO特集の記事はこちらからぜひチェックを!




「散開後のYMO」2000年代編:SKETCH SHOWについて
YMOは1983年に散開したんですけれども、前回の放送ではその80年代そして次の90年代のYMOの散開から再生というのにかけての音楽をいろいろと聴きました。今回はそこからまたさらに10年ぐらい経って、2000年代に入って以降のことを中心にご紹介していきたいなと思っております。
2000年代と言うと、僕自身の話をすると2000年代後半ついに森山が中学生になります。2000年代後半がちょうど中高生なんですけれども、僕にとってはようやくリアルタイムになってくるころで、リスナーとしてリアルタイムにYMOの音楽を聴いていますので、僕としてもすごく思い入れが強い時期なんですね。僕自身はYMOと出会ったのが、おそらく2007年ぐらいだったんですけど、中学3年生かな。今思えばキリンラガービールのCMで、YMOのお三方が出演されていたのを見たことある方もいるかもしれませんけど、それと同じタイミングだったんですね。CMで出会ったってわけじゃないんですけれども、もしかしたらそういう風に無意識に触れる機会、目にする機会が増えて、出会えたということかもしれないですね。
ということで2000年代から始めていこうかと思いますが、YMOにとっての2000年代というのは山ほどトピックがあります。90年代は再生のタイミングで一枚アルバム出して、大きな一発の動きという感じだったんですけれども、2000年代は色々とあります。皆さん知っているかもしれないところでいくと、「どてらYMO」とかですかね。細野さんの番組ですね。あとはさっきのキリンラガーのCMであったり、トピックが盛り沢山です。
そんな中でも2000年代編の最初にお送りしたいのはやはりSKETCH SHOWの音楽ですね。SKETCH SHOWを先に少しだけご紹介しますと、2002年にドラムの高橋幸宏さんとベースの細野晴臣さんのお二人で始まったエレクトロニカ・ユニットですね。この時期はもうすでにYMOのお三方の交流もたくさんあったんですが、このSKETCH SHOWというお二人で始めたユニットにも、教授・坂本龍一さんが参加したりとか。逆に教授の作品にSKETCH SHOWとしてお二人が参加したりみたいな感じで、3人の名前が並ぶ作品もリリースされていました。
細野さんと幸宏さんでのユニットというのは、実はYMO時代から構想があったりして、そんな流れと、さらにそのファーストアルバムからなんと教授も一部参加しているというので、ファンとしては期待感も高かったのではと思います。「あれ?またYMOが集結しているぞ」みたいな、そういう期待感とともにリリースされたという背景があります。
ということでSKETCH SHOWの音楽を1曲聞いていただきたいのですが、本日は「 MARS(マーシュ)」という曲をお送りしたいと思います。『LOOPHOLE』という3枚目のアルバムに収録されています。



早速かっこいいですね。2003年にリリースされている『LOOPHOLE』というアルバムです。このアルバム全体を聴いたら伝わるかなと思うんですけど、僕も好きなmúmなど、同時代の北欧のエレクトロニカというか、音響系とも言われていたかと思いますが、そういうところからの影響がかなり強いんですよね。幸宏さんが中心にそういうところのサウンドを積極的に取り入れていたとも聞いたことありますが、細野さんも何かのインタビューかでそういう柔らかいサウンドへの志向をおっしゃっていたので、そういう時期だったと思うんですよね。


「散開後のYMO」2000年代編:HASYMOについて
2000年代のYMOのお三方の活動というのは、このようなSKETCH SHOWのエレクトロニカな音楽的な方向性に教授が加わるというのが軸になっている感じなのかなと思いますね。さっき聴いてもらった「MARS」という曲にも教授・坂本龍一さんも参加されています。このSKETCH SHOWプラス坂本龍一という形が最初に出来上がったんですね。
そこからHuman Audio SpongeやHASYMO(ハシモ)などに派生していきます。それで最初の方にもお話ししたキリンラガーの「RYDEEN 79/07」というバージョンがあって、それはYMOという名義でやって、とそういう感じで繋がっていくという。この時代は名義とかが一見すごくややこしいことになっているんですけど、その辺はあんまり気にせず、とにかくこのお三方が一緒に音楽を作り始めたというタイミングです。
そこから生まれたHASYMO(ハシモ)というのがありまして。「名義は気にせず」と言ったばかりですけど、軽く解説しますと(笑)。SKETCH SHOWプラス坂本龍一でHuman Audio Spongeという名義を作ったんですね。その名義でライブとかをしていたんですけど、それの頭文字「HAS」で、これと「YMO」を合体させて「HASYMO(ハシモ)」と呼んで、それで音源をリリースしたりしていたという流れがあったんですね。そのHASYMOというの実質3人での名義でも音源がリリースされていて、これもまたかっこいいんですよね。ぜひ曲を聴いていただきたいなと思います。



この曲は特にお三方の演奏というか、音が聴こえるのがいいですよね。こちらの「The City of Light 」という曲はシングルで2008年にリリースされているんですけども、先ほどの「 MARS」は2003年なので、5年ぐらい経ってはいるんですけど、聴いてわかるようにしっかりとその流れが引き継がれているという感じがありますよね。国内でさっき言ったように、Human Audio Spongeからの流れでライブはたくさんしていたんですけど、国内だけじゃなくてロンドンやヒホンでもHASYMOでのライブがあって、そのライブ盤というのが実はリリースされておりまして、それもすごくいいんですよね。そのライブアルバムも僕は大好きなので、ぜひ今日気になった方はいろいろ聴いてみてくれたら嬉しいなと思います。

本日は「散開後のYMO特集」の2000年代編をお送りしておりますが、3曲目に聴いていただきたいのはちょっとだけ時代を巻き戻して、また2003年の作品ですね。最初に聴いていただいたSKETCH SHOWの「MARS」という作品に教授が参加していたと言いましたけど、逆に教授の作品にSKETCH SHOWとしてお二人が参加しているという作品もあるので、これもぜひ聴いていただきたいなと思います。



めちゃめちゃかっこいいですよね。『バベル』が見たくなりますね。教授の曲って、カバーされすぎてバージョンがものすごくたくさんあるのですが、セルフでのリワークとか、リモデルバージョンというのもあります。ついこの前リリースされました教授のトリビュートアルバムがあるんですけど、それでこの曲のリモデルバージョンが収録されておりまして、ヒドゥル・グドナドッティルさんという方によるものです。この方は番組でもヨハン・ヨハンソンの特集を一度やらせてもらったのですが、そのヨハン・ヨハンソンさんの弟子とされている方です。そしてmúmのメンバーでもあるんですね。SKETCH SHOWが2003年当時、影響を受けていたというのからもう一周してというか、ヨハン・ヨハンソンと教授というのも生前に交流があって、その弟子のヒドゥル・グドナドッティルさんが教授のこの作品をリモデルして、またリリースされていて、その一周してきた感じもすごくいいですね。ぜひそちらも聴いてみていただきたいです。

ということで、2000年代というのは、YMOという名前をつけないままで3人での作業というか、作品も増えていって、それがいつのまにかHuman Audio SpongeがHASYMOになって、もう実質みんなそれをYMOと思っているみたいな。そういうYMOの2度目の復活の時期ですね。本当にこの時代のお三方の作品というのはたくさんいい曲、そして良いアレンジというのがあります。70〜80年代の最初のYMOの時の曲もこの時代にまたライブだったりで、リアレンジして演奏されていたりするんですけど、それもものすごく良いアレンジがたくさんあるんですよね。YMOを普段あまり聴かないという方で興味ある方は、この時代のものから聴いていくのも実はいいんじゃないかと僕は思っています。

「YAJICOLABO 2023」でのライブ写真

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Photo by 渡邉一生



YAJICO GIRLとodolが共演した「YAJICOLABO 2023」のライブレポも公開されていますので、あわせてぜひチェックを!




12月28日(水) オンエア楽曲
odol「光の中へ」
SKETCH SHOW「MARS」
HASYMO「The City of Light」
坂本龍一+David Sylvian「World Citizen - I Won't Be Disappointed [Long Version]」
METAFIVE「See You Again」
細野晴臣「Sayonara America, Sayonara Nippon」
​U-zhaan & 坂本龍一 feat. 環ROYx鎮座DOPENESS「エナジー風呂」

番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!


RADIO INFORMATION

FM 福岡「Room "H"」
毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"203号室(毎週水曜日の26:00~26:55)"では、音楽番組「Room "H"」をオンエア。九州にゆかりのある3組のバンド、ユアネスの黒川侑司、松本大、odolの森山公稀が週替わりでMCを務め、本音で(Honestly)、真心を込めて(Hearty)、気楽に(Homey) 音楽愛を語る。彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。

放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC
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黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、
詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。
オフィシャルサイト @yourness_on @yourness_kuro

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松本大
長崎県出身。2021年までLAMP IN TERRENのフロントマンとしてバンド活動し、現在次の活動に向けて準備中。
@pgt79 @n.trueve

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森山公稀(odol Piano&Synth.)
福岡出身のミゾベリョウ(Vo.)、森山公稀(Pf./Syn.)を中心に2014年東京にて結成した3人組。ジャンルを意識せず、自由にアレンジされる楽曲には独自の先進性とポピュラリティが混在し、新しい楽曲をリリースする度にodolらしさを更新している。
2022年3月16日に「三月」を配信リリース。
オフィシャルサイト @odol_jpn @KokiMoriyama


LINK
FM福岡「Room "H"」

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