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2022.11.02
MASH A&R『Treasure Tour』大阪公演、Panorama Panama Town、YAJICO GIRL、ユレニワらが見つけた宝物「こんな夜が続きますように」
THE ORAL CIGARETTES、フレデリック、Saucy Dogらが所属する音楽事務所・MASH A&R主催のイベント『MASH A&R presents「Treasure Tour」』大阪公演が10月29日、大阪・福島LIVE SQUARE 2nd LINEにて開催された。
『Treasure Tour』はMASH A&R所属の若手バンド、Panorama Panama Town、YAJICO GIRL、ユレニワの3組を中心に各地でゲストを迎えるスプリットツアーで、10月14日の愛知を皮切りに、新潟、大阪、岡山、福岡と巡り、ファイナルの11月11日（金）東京・渋谷 Spotify O-Crestまで、およそ１カ月かけて6カ所を回る。
この日、1曲目の「恋人たちのヒム」からメロウなダンスビートでいきなり2nd LINEを完全包囲したのは、ファーストアクトのユレニワだ。種谷佳輝（Gt&Cho）がサイケでエモーショナルなギターをかき鳴らし、たった今ライブが始まったとは思えない熱狂が『Treasure Tour』大阪編の幕開けを告げる。かと思えば、宮下レジナルド（Ba&Cho）の歪んだベースリフから四位一体となって一斉に「遺書」へと流れ込むなど、瞬殺のセットリストが続く。
「『Treasure Tour』、本当に来てくれてありがとうございます！ 殺伐としてるわけでもないけど、お互いのバンドを見てちゃんと「やるじゃん」みたいな気持ちになったり。ちょっとしたピリつきもあって絶妙なバランスで回れているし、今のところ各会場、見てくれたみんなが最後は笑顔になって帰ってくれていて。こっちとしてもやりがいがあって、いいイベントになっていると思います」（シロナカムラ・Vo&Gt、以下同）
RENJU （Dr&Cho）の重たい打撃音が静寂をゆっくり切り裂いたバラード「Bianca」では、オレンジの照明に照らされシロナカムラが絶唱する姿が何とも感動的で、一転、アブストラクトでファンタジックなトラックがいざなった「まぼろしの夜に」では、壮大かつ壮絶なサウンドスケープでバンドのポテンシャルをこれでもかと感じさせていく。
「『Treasure Tour』というタイトルが付いている通り、「宝物を探したい」というコンセプトがあって。ユレニワにとって宝物は、君たちです。それ以外にないし、自分たちの足を使って届けたいと思える存在なんです。今回はそういうことをやり切るツアーにしたいと思っています」
ラストは溢れんばかりの情熱ほとばしる「バージン輿論」をぶちまけ、「その顔が見たかった！ ありがとう!!」という言葉をそのまま返したくなるような充実の表情を浮かべたユレニワが、トップバッターとしての使命を見事に果たした。
「『Treasure Tour』、忘れられない一日にしましょう！」と直江晋太郎（Vo&Gt）が宣言し、ボーカル、ギター、べース、ドラムの総力戦とでも言わんばかりのエナジーと高揚感に満ちた「nocturne」から強烈なインパクトを突き付け、一発で見る者の心臓を貫いたMercy Woodpecker。続く「subliminal」でもエッジィなバンドサウンドをうねらせ、すさまじい熱量で観客を圧倒する。
「最高に楽しいです、ありがとうございます！ 僕らは感情だったり思想をいろんな人からもらっています。それを僕らは僕らの音楽でみんなに一音一音大事に届けていくので、最後までよろしくお願いします！」と坂本すぐる（Ba）が伝えた後も、籾田祐弥（Gt）のドラマチックな旋律が感情を増幅させる「アルターエゴ」、「自分は醜い人間だ、汚い人間だって消えたくなることもあるけど、誰でも持ってると信じてます。あなたの優しさに歌います」と始まった「U」では、黒田峰文（Dr）のずっしりとしたリズムに支えられ、メランコリーなミドルナンバーを切々と届けていく。
「辛いときとか死にたいとき、自分の全てを肯定してくれるような、自分はこのままでここにいていいんだと思わせてくれるような音楽に、いつだって救われてきました。俺たちもそうでありたいと思って音楽をずっと続けています。誰に何を言われても、あなたを突き動かしている感情を大事にして生きていってほしいです」（直江）
そんな思いを込めたはかなきポップソング「ストロボデイズ」～「幸せな時間をありがとう！ これが例え夢だとしても覚めないように」と放った「エバードリーム」でエンディング。フロム熊本の新星が、『Treasure Tour』にその名を刻んだ記念すべき一夜となった。
初っぱなから心のシンガロングが聴こえる「ロックンロール・スーパーノヴァ」をぶちかましたのは、大阪公演のゲストアクト・Bye-Bye-Handの方程式だ。メンバーの平均年齢は22歳ながら結成から7年、ライブで叩き上げられてきたのが、その音から、そのたたずまいからビシビシ伝わる「romance tower」、清弘陽哉（Dr）のキレのあるドラミングに体が動かざるを得ない「目を閉じるだけ」と、冒頭からピークにピークを重ねて超えていく。
MCでは、汐田泰輝（Vo&Gt）が2019年のMASH A&R主催のオーディション『MASH HUNT!』に応募したときのことを振り返り、「トントン拍子でいい感じで決勝まで進ませてもらって、正直めっちゃ期待しました（笑）」と落選した悔しさをユーモアたっぷりに語りながら、「こいつ＝岩橋茅津（Gt）は今日、足を負傷してるんですけど、俺たちはどんな困難も全部ドラマに変えてきた。7年間ずっと。最後までよろしく！」と、その経験をしっかりライブのガソリンに転換。再び「ひかりあうものたち」でエネルギッシュに疾走し、重厚なミドルバラード「新譜は聴かない」では、ひときわ切なくもノスタルジーな一面で魅せていく。
「さっきも言ったんですけど、7年間バンドをやってきた中で、本当に一番悔しくて仕方がなかったオーディションでした。でも、優勝したバンドのライブを見たとき、俺たちは負けたなと感じました。一番の悔しいをくれた、俺たちをそこまで本気にさせてくれたMASH A&Rに敬意と愛を込めて、今日は呼んでいただいてありがとうございました。いろんなヤツと音楽で仲間になりたいし、音楽でケンカしたい。今日は自分たちの宝物に気付いて感じて帰ってください！」（汐田）
終盤戦は、中村龍人（Ba）の地を這うベースラインが導いた「あの子と宇宙に夢中な僕ら」に続いて、「またライブハウスで会いましょう！」と「midnight parade」をぶっ放す！ これぞライブバンドの存在証明たる、Bye-Bye-Handの方程式の意地と誇りの30分間だった。
Suedeの「Beautiful Ones」のSEを背に、いつものようにふらりと現れたPanorama Panama Townは、オープニングの「Knock!!」から余裕とセンスに貫禄すら感じる盤石のパフォーマンス。タノアキヒコ（Ba）のタイトなビートに自ずと肩を揺らすフロアという絶景を瞬く間に生み出し、「100yen coffee」ではクラップ×ハンズアップの嵐と最高速で沸点にまでたどり着く、さすがのライブアクトぶり。トドメのアンセムは「フカンショウ」と、わずか3曲で天にも昇るエクスタシーにいとも簡単に連れていってみせる。
「楽しんでますか？ 今までのライブを今日で超えないと意味がないと思ってるんで、みんなでいいライブにしましょう！」という岩渕想太（Vo&Gt）の呼び掛けから突入したのは、浪越康平（Gt）のギターワークも抜群に機能した「Faceless」。あっという間に現場に熱を取り戻し、岩渕が「踊ろうぜ～！」とアドレナリン注入の「King's Eyes」へ！ 世界照準のサウンドで2nd LINEを掌握し、「宝物が何かよく分からないんで、みんなで今日ここに作りましょう！」と、「世界最後になる歌は」でまたも興奮はレッドゾーンに到達、モノの違いを何度でも見せつける。「また会おうぜ！ こんな夜が続きますように」と願ったシメの「Sad Good Night」まで徹底的にクール、音楽を生で浴びる喜びに溢れた全7曲は、大阪の夜に宝物のような鮮烈な記憶を刻み付けた。
大きな拍手で迎えられたラストアクト・YAJICO GIRLのライブは、緩やかに漂うメロディに身を委ねる「寝たいんだ」から極上の心地良さ。マイクを手にステージを動き回り、しなやかな歌声を響かせる四方颯人（Vo）が、「『Treasure Tour』、最後まで楽しみましょう！」と投げ掛け、「Better」でも同期を巧みに駆使したみずみずしいアレンジでオーディエンスを魅了。エレクトロでトロピカルな「雑談」でもグッドヴァイブが止まらない。
「僕らは高校1年生のときに大阪でバンドを組んで、今は東京でやってるんですけど、こうやって地元の大阪に帰ってきてライブができることをうれしく思います。今日はいっぱい曲をやろうと思ってるんで、最後まで楽しんで帰ってください」（四方）
美しいコーラスが郷愁を誘う「FIVE」、吉見和起（Gt）のギターリフがアクセントとなった「Airride」といい、どこかリゾートなフレイバーもつかの間の非日常を演出。新曲「美しき町」は、YAJICO GIRL流ダンスチューンと言えるファンキーでグルーヴィーな一曲。「街の中で」では、武志綜真（Ba）と古谷駿（Dr）による静かに躍動するアンサンブルにも聴きほれる。フィナーレは、「11月9日にリリースするEPから、初披露の曲を聴いてください」とタイトル曲である新曲「幽霊」を。『Treasure Tour』をけん引する一角としての存在感と未来を大いに感じさせ、アウトロのギターのスリリングな掛け合いもイベントのクライマックスを引き立てていた。
アンコールでは、本編最後のエキサイティングの代償にギターのネックを折ってしまった榎本陸（Gt）が「久々のトリに舞い上がってしまいました......」と吐露。つい最近修理したばかりの愛器を再度壊してしまったショックに打ちのめされつつも、転んでもタダでは起きない榎本が「年末には直るかな？」と、12月18日（日）大阪・梅田クラブクアトロで行われる自主企画『YAJICOLABO』の告知につなげるナイスアシスト！（笑） 四方が「最後に一曲やって、楽しく終わりましょう！」と披露した「VIDEO BOY」でその言葉通りに締めくくり、地元大阪で『Treasure Tour』のトリを飾った。
なお、今後の『Treasure Tour』は、11月11日（金）東京・渋谷 Spotify O-Crestでのツアーファイナルを残すのみ。Panorama Panama Town、YAJICO GIRL、ユレニワ、Mercy Woodpeckerの4組が作り上げる最高の景色に乞うご期待！
文：奥"ボウイ"昌史
撮影：マチダナオ（ユレニワ／Bye-Bye-Handの方程式／集合写真）、烈（Mercy Woodpecker／Panorama Panama Town／YAJICO GIRL）
2022年11月11日（金）
東京・渋谷 Spotify O-Crest
Panorama Panama Town／YAJICO GIRL／ユレニワ／Mercy Woodpecker
【TICKET】
前売：¥3,500（税込／＋1drink）
一般発売中
https://eplus.jp/treasuretour-hp/
MASH A&R presents 『Treasure Tour』の開催を記念して、一部タワーレコードにて、旧譜キャンペーン開催！
対象タイトルを購入で、MASH A&R 所属全アーティストのロゴステッカーシートに加え、
さらに、『Treasure Tour』に出演する全アーティストのステッカーセットをプレゼント！
対象店舗は下記をご覧ください。
＜実施期間＞
10月4日（火）～11月11日（金）まで
＜実施店舗＞
タワーレコード 名古屋パルコ店、名古屋近鉄パッセ店、新潟店、 梅田NU茶屋町店、あべのHOOP店、イオンモール倉敷店、アリオ倉敷店、 福岡パルコ店、アミュプラザ博多店、久留米店、渋谷店、新宿店 予定
＜購入特典＞
MASH A&R所属アーティスト LOGOステッカーシート＆『Treasure Tour』参加アーティストのLOGOステッカーセット
＊特典は規定枚数終了次第、終了とさせていただきますので、ご了承ください。
＜対象商品＞
○THE ORAL CIGARETTES
「オレンジの抜け殻、私が生きたアイの証」「Before It's Too Late<通常盤>」「Kisses and Kills<通常盤>」「SUCK MY WORLD <初回盤A>/<初回盤B>/<通常盤>」「ONAKAMA 2021＜BD/DVD＞」
○フレデリック
「うちゅうにむちゅう」「フレデリズム」「フレデリズム2」「フレデリズム3＜初回限定盤＞/＜通常盤＞」「ANSWER＜初回生産限定盤＞/通常盤＞」「ASOVIVA」「FREDERHYTHM ARENA 2020～終わらないMUSIC～ at YOKOHAMA ARENA＜BD/DVD＞」
○LAMP IN TERREN
「fantasia」「The Naked Blues」「FRAGILE<初回盤>/＜通常盤＞」
○Panorama Panama Town
「PROPOSE」「PANORAMADDICTION」「情熱とユーモア＜通常盤＞」「GINGAKEI」「Faces」「Hello Chaos!!!!」
○Saucy Dog
「カントリーロード」「サラダデイズ」「ブルーピリオド」「テイクミー」「レイジーサンデー」「サニーボトル」「send for you 2021.2.5 日本武道館 ＜BD/DVD＞」「YAON de WAOOON 2019.4.30 日比谷野外音楽堂＜BD/DVD＞」
○YAJICO GIRL
「インドア」
○ユレニワ
「ピースの報せ」
○Mercy Woodpecker
「光をあつめて」
○マチカドラマ
「この日々を愛おしく」「だれかの日々に。」
○Bye-Bye-Handの方程式
「結露/湿恋」「煙夜の繁華街」「愛とは言わず哀と呼んで」「Flowers」「ろまんす快速特急」「すくーぷ」
○the paddles 「EVERGREEN」「スノウノイズ／22」「THE ERA」「efforts」「OMOIDE」「HAKKA」
○Ezoshika Gourmet Club
「モミジノススメ」
@panoramapanamatown
@yajicogirl
@jureniwa.official
Panorama Panama Town オフィシャルサイト
YAJICO GIRL オフィシャルサイト
ユレニワ オフィシャルサイト
Mercy Woodpecker オフィシャルサイト
Bye-Bye-Handの方程式 オフィシャルサイト
『Treasure Tour』はMASH A&R所属の若手バンド、Panorama Panama Town、YAJICO GIRL、ユレニワの3組を中心に各地でゲストを迎えるスプリットツアーで、10月14日の愛知を皮切りに、新潟、大阪、岡山、福岡と巡り、ファイナルの11月11日（金）東京・渋谷 Spotify O-Crestまで、およそ１カ月かけて6カ所を回る。
この日、1曲目の「恋人たちのヒム」からメロウなダンスビートでいきなり2nd LINEを完全包囲したのは、ファーストアクトのユレニワだ。種谷佳輝（Gt&Cho）がサイケでエモーショナルなギターをかき鳴らし、たった今ライブが始まったとは思えない熱狂が『Treasure Tour』大阪編の幕開けを告げる。かと思えば、宮下レジナルド（Ba&Cho）の歪んだベースリフから四位一体となって一斉に「遺書」へと流れ込むなど、瞬殺のセットリストが続く。
「『Treasure Tour』、本当に来てくれてありがとうございます！ 殺伐としてるわけでもないけど、お互いのバンドを見てちゃんと「やるじゃん」みたいな気持ちになったり。ちょっとしたピリつきもあって絶妙なバランスで回れているし、今のところ各会場、見てくれたみんなが最後は笑顔になって帰ってくれていて。こっちとしてもやりがいがあって、いいイベントになっていると思います」（シロナカムラ・Vo&Gt、以下同）
RENJU （Dr&Cho）の重たい打撃音が静寂をゆっくり切り裂いたバラード「Bianca」では、オレンジの照明に照らされシロナカムラが絶唱する姿が何とも感動的で、一転、アブストラクトでファンタジックなトラックがいざなった「まぼろしの夜に」では、壮大かつ壮絶なサウンドスケープでバンドのポテンシャルをこれでもかと感じさせていく。
「『Treasure Tour』というタイトルが付いている通り、「宝物を探したい」というコンセプトがあって。ユレニワにとって宝物は、君たちです。それ以外にないし、自分たちの足を使って届けたいと思える存在なんです。今回はそういうことをやり切るツアーにしたいと思っています」
ラストは溢れんばかりの情熱ほとばしる「バージン輿論」をぶちまけ、「その顔が見たかった！ ありがとう!!」という言葉をそのまま返したくなるような充実の表情を浮かべたユレニワが、トップバッターとしての使命を見事に果たした。
「『Treasure Tour』、忘れられない一日にしましょう！」と直江晋太郎（Vo&Gt）が宣言し、ボーカル、ギター、べース、ドラムの総力戦とでも言わんばかりのエナジーと高揚感に満ちた「nocturne」から強烈なインパクトを突き付け、一発で見る者の心臓を貫いたMercy Woodpecker。続く「subliminal」でもエッジィなバンドサウンドをうねらせ、すさまじい熱量で観客を圧倒する。
「最高に楽しいです、ありがとうございます！ 僕らは感情だったり思想をいろんな人からもらっています。それを僕らは僕らの音楽でみんなに一音一音大事に届けていくので、最後までよろしくお願いします！」と坂本すぐる（Ba）が伝えた後も、籾田祐弥（Gt）のドラマチックな旋律が感情を増幅させる「アルターエゴ」、「自分は醜い人間だ、汚い人間だって消えたくなることもあるけど、誰でも持ってると信じてます。あなたの優しさに歌います」と始まった「U」では、黒田峰文（Dr）のずっしりとしたリズムに支えられ、メランコリーなミドルナンバーを切々と届けていく。
「辛いときとか死にたいとき、自分の全てを肯定してくれるような、自分はこのままでここにいていいんだと思わせてくれるような音楽に、いつだって救われてきました。俺たちもそうでありたいと思って音楽をずっと続けています。誰に何を言われても、あなたを突き動かしている感情を大事にして生きていってほしいです」（直江）
そんな思いを込めたはかなきポップソング「ストロボデイズ」～「幸せな時間をありがとう！ これが例え夢だとしても覚めないように」と放った「エバードリーム」でエンディング。フロム熊本の新星が、『Treasure Tour』にその名を刻んだ記念すべき一夜となった。
初っぱなから心のシンガロングが聴こえる「ロックンロール・スーパーノヴァ」をぶちかましたのは、大阪公演のゲストアクト・Bye-Bye-Handの方程式だ。メンバーの平均年齢は22歳ながら結成から7年、ライブで叩き上げられてきたのが、その音から、そのたたずまいからビシビシ伝わる「romance tower」、清弘陽哉（Dr）のキレのあるドラミングに体が動かざるを得ない「目を閉じるだけ」と、冒頭からピークにピークを重ねて超えていく。
MCでは、汐田泰輝（Vo&Gt）が2019年のMASH A&R主催のオーディション『MASH HUNT!』に応募したときのことを振り返り、「トントン拍子でいい感じで決勝まで進ませてもらって、正直めっちゃ期待しました（笑）」と落選した悔しさをユーモアたっぷりに語りながら、「こいつ＝岩橋茅津（Gt）は今日、足を負傷してるんですけど、俺たちはどんな困難も全部ドラマに変えてきた。7年間ずっと。最後までよろしく！」と、その経験をしっかりライブのガソリンに転換。再び「ひかりあうものたち」でエネルギッシュに疾走し、重厚なミドルバラード「新譜は聴かない」では、ひときわ切なくもノスタルジーな一面で魅せていく。
「さっきも言ったんですけど、7年間バンドをやってきた中で、本当に一番悔しくて仕方がなかったオーディションでした。でも、優勝したバンドのライブを見たとき、俺たちは負けたなと感じました。一番の悔しいをくれた、俺たちをそこまで本気にさせてくれたMASH A&Rに敬意と愛を込めて、今日は呼んでいただいてありがとうございました。いろんなヤツと音楽で仲間になりたいし、音楽でケンカしたい。今日は自分たちの宝物に気付いて感じて帰ってください！」（汐田）
終盤戦は、中村龍人（Ba）の地を這うベースラインが導いた「あの子と宇宙に夢中な僕ら」に続いて、「またライブハウスで会いましょう！」と「midnight parade」をぶっ放す！ これぞライブバンドの存在証明たる、Bye-Bye-Handの方程式の意地と誇りの30分間だった。
Suedeの「Beautiful Ones」のSEを背に、いつものようにふらりと現れたPanorama Panama Townは、オープニングの「Knock!!」から余裕とセンスに貫禄すら感じる盤石のパフォーマンス。タノアキヒコ（Ba）のタイトなビートに自ずと肩を揺らすフロアという絶景を瞬く間に生み出し、「100yen coffee」ではクラップ×ハンズアップの嵐と最高速で沸点にまでたどり着く、さすがのライブアクトぶり。トドメのアンセムは「フカンショウ」と、わずか3曲で天にも昇るエクスタシーにいとも簡単に連れていってみせる。
「楽しんでますか？ 今までのライブを今日で超えないと意味がないと思ってるんで、みんなでいいライブにしましょう！」という岩渕想太（Vo&Gt）の呼び掛けから突入したのは、浪越康平（Gt）のギターワークも抜群に機能した「Faceless」。あっという間に現場に熱を取り戻し、岩渕が「踊ろうぜ～！」とアドレナリン注入の「King's Eyes」へ！ 世界照準のサウンドで2nd LINEを掌握し、「宝物が何かよく分からないんで、みんなで今日ここに作りましょう！」と、「世界最後になる歌は」でまたも興奮はレッドゾーンに到達、モノの違いを何度でも見せつける。「また会おうぜ！ こんな夜が続きますように」と願ったシメの「Sad Good Night」まで徹底的にクール、音楽を生で浴びる喜びに溢れた全7曲は、大阪の夜に宝物のような鮮烈な記憶を刻み付けた。
大きな拍手で迎えられたラストアクト・YAJICO GIRLのライブは、緩やかに漂うメロディに身を委ねる「寝たいんだ」から極上の心地良さ。マイクを手にステージを動き回り、しなやかな歌声を響かせる四方颯人（Vo）が、「『Treasure Tour』、最後まで楽しみましょう！」と投げ掛け、「Better」でも同期を巧みに駆使したみずみずしいアレンジでオーディエンスを魅了。エレクトロでトロピカルな「雑談」でもグッドヴァイブが止まらない。
「僕らは高校1年生のときに大阪でバンドを組んで、今は東京でやってるんですけど、こうやって地元の大阪に帰ってきてライブができることをうれしく思います。今日はいっぱい曲をやろうと思ってるんで、最後まで楽しんで帰ってください」（四方）
美しいコーラスが郷愁を誘う「FIVE」、吉見和起（Gt）のギターリフがアクセントとなった「Airride」といい、どこかリゾートなフレイバーもつかの間の非日常を演出。新曲「美しき町」は、YAJICO GIRL流ダンスチューンと言えるファンキーでグルーヴィーな一曲。「街の中で」では、武志綜真（Ba）と古谷駿（Dr）による静かに躍動するアンサンブルにも聴きほれる。フィナーレは、「11月9日にリリースするEPから、初披露の曲を聴いてください」とタイトル曲である新曲「幽霊」を。『Treasure Tour』をけん引する一角としての存在感と未来を大いに感じさせ、アウトロのギターのスリリングな掛け合いもイベントのクライマックスを引き立てていた。
アンコールでは、本編最後のエキサイティングの代償にギターのネックを折ってしまった榎本陸（Gt）が「久々のトリに舞い上がってしまいました......」と吐露。つい最近修理したばかりの愛器を再度壊してしまったショックに打ちのめされつつも、転んでもタダでは起きない榎本が「年末には直るかな？」と、12月18日（日）大阪・梅田クラブクアトロで行われる自主企画『YAJICOLABO』の告知につなげるナイスアシスト！（笑） 四方が「最後に一曲やって、楽しく終わりましょう！」と披露した「VIDEO BOY」でその言葉通りに締めくくり、地元大阪で『Treasure Tour』のトリを飾った。
なお、今後の『Treasure Tour』は、11月11日（金）東京・渋谷 Spotify O-Crestでのツアーファイナルを残すのみ。Panorama Panama Town、YAJICO GIRL、ユレニワ、Mercy Woodpeckerの4組が作り上げる最高の景色に乞うご期待！
文：奥"ボウイ"昌史
撮影：マチダナオ（ユレニワ／Bye-Bye-Handの方程式／集合写真）、烈（Mercy Woodpecker／Panorama Panama Town／YAJICO GIRL）
LIVE INFORMATION
MASH A&R presents『Treasure Tour』
2022年11月11日（金）
東京・渋谷 Spotify O-Crest
Panorama Panama Town／YAJICO GIRL／ユレニワ／Mercy Woodpecker
【TICKET】
前売：¥3,500（税込／＋1drink）
一般発売中
https://eplus.jp/treasuretour-hp/
MASH A&R presents『Treasure Tour』旧譜キャンペーン
MASH A&R presents 『Treasure Tour』の開催を記念して、一部タワーレコードにて、旧譜キャンペーン開催！
対象タイトルを購入で、MASH A&R 所属全アーティストのロゴステッカーシートに加え、
さらに、『Treasure Tour』に出演する全アーティストのステッカーセットをプレゼント！
対象店舗は下記をご覧ください。
＜実施期間＞
10月4日（火）～11月11日（金）まで
＜実施店舗＞
タワーレコード 名古屋パルコ店、名古屋近鉄パッセ店、新潟店、 梅田NU茶屋町店、あべのHOOP店、イオンモール倉敷店、アリオ倉敷店、 福岡パルコ店、アミュプラザ博多店、久留米店、渋谷店、新宿店 予定
＜購入特典＞
MASH A&R所属アーティスト LOGOステッカーシート＆『Treasure Tour』参加アーティストのLOGOステッカーセット
＊特典は規定枚数終了次第、終了とさせていただきますので、ご了承ください。
＜対象商品＞
○THE ORAL CIGARETTES
「オレンジの抜け殻、私が生きたアイの証」「Before It's Too Late<通常盤>」「Kisses and Kills<通常盤>」「SUCK MY WORLD <初回盤A>/<初回盤B>/<通常盤>」「ONAKAMA 2021＜BD/DVD＞」
○フレデリック
「うちゅうにむちゅう」「フレデリズム」「フレデリズム2」「フレデリズム3＜初回限定盤＞/＜通常盤＞」「ANSWER＜初回生産限定盤＞/通常盤＞」「ASOVIVA」「FREDERHYTHM ARENA 2020～終わらないMUSIC～ at YOKOHAMA ARENA＜BD/DVD＞」
○LAMP IN TERREN
「fantasia」「The Naked Blues」「FRAGILE<初回盤>/＜通常盤＞」
○Panorama Panama Town
「PROPOSE」「PANORAMADDICTION」「情熱とユーモア＜通常盤＞」「GINGAKEI」「Faces」「Hello Chaos!!!!」
○Saucy Dog
「カントリーロード」「サラダデイズ」「ブルーピリオド」「テイクミー」「レイジーサンデー」「サニーボトル」「send for you 2021.2.5 日本武道館 ＜BD/DVD＞」「YAON de WAOOON 2019.4.30 日比谷野外音楽堂＜BD/DVD＞」
○YAJICO GIRL
「インドア」
○ユレニワ
「ピースの報せ」
○Mercy Woodpecker
「光をあつめて」
○マチカドラマ
「この日々を愛おしく」「だれかの日々に。」
○Bye-Bye-Handの方程式
「結露/湿恋」「煙夜の繁華街」「愛とは言わず哀と呼んで」「Flowers」「ろまんす快速特急」「すくーぷ」
○the paddles 「EVERGREEN」「スノウノイズ／22」「THE ERA」「efforts」「OMOIDE」「HAKKA」
○Ezoshika Gourmet Club
「モミジノススメ」
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MASH A&R オフィシャルサイト@panoramapanamatown
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@jureniwa.official
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YAJICO GIRL オフィシャルサイト
ユレニワ オフィシャルサイト
Mercy Woodpecker オフィシャルサイト
Bye-Bye-Handの方程式 オフィシャルサイト
