REVIEW

2026.07.30

oh!! 真珠s「熱帯放浪漫」──今の世代だからこそ生まれるミクスチャー

oh!! 真珠s「熱帯放浪漫」──今の世代だからこそ生まれるミクスチャー

「熱帯放浪漫」と前作「SWAAAAY」のプロデュースをすることになったのは、oh!! 真珠sから声をかけてもらったことがきっかけだった。僕自身、これまで誰かの作品をプロデュースする立場で音楽を作った経験がなかったので、最初は新しいことができそうだという興味が大きかった。

初めて彼らの音楽を聴いた時に感じたのは、良い意味での「ごちゃ混ぜ」感。いろいろなことをやりたいという衝動がそのまま音楽になっていて、今の世代だからこそ自然に生まれるフレッシュなミクスチャー感は、僕にとっても非常に刺激的だったのを覚えている。

プロデューサーとして関わることで最初に悩んだのは、「どこまで関わっていいのか」ということだった。自分のアイデアをどこまで出すのか、彼らの音楽にどこまで自分の色を加えるのか。彼らの「やってみたい」という実験心をできるだけ叶えながら、そこに自分のアイデアを混ぜていく。その化学反応そのものを楽しむことが、今回の制作のテーマになった。

「熱帯放浪漫」は、もともとバンドとしてのアレンジがある程度完成していた曲だった。そこで僕が主に手を加えたのは、曲中に登場するプログレッシブなリフのアレンジや、楽曲全体をより華やかに聴かせるためのいくつかの仕掛けだ。レコーディングでは、僕が最も信頼しているメンバーであり、エンジニアでもある楠本構造(LITE)と、どう録音し、どうミックスしたいのかを細かく話し合いながら音を作っていった。音色についても、メンバーと現場で一つひとつ確認しながら作り込んでいる。

演奏自体は、基本的に彼らの自由に任せた。新大くんの歌とラップを行き来するメロディセンス、高波くんの波のようにうねりながらしっかりと歌うギター、中島くんの全体を見渡しながらも自分の存在感をしっかりと見せるファッショナブルなベース、浅野くんの実直で素直なドラミング。そうした彼らの個性は変えずに残したかった。

その上で、僕が作るキメや、あえてグリッドに載せないバンドの力による"タメ"を加えていった。J-POPや歌謡曲の持つ華やかさをベースにしながら、ロックバンド特有のアシンメトリーで少し不完全な部分も残し、それらを一つの作品として昇華する。何度も聴くことで新しい発見がある、いわゆる「スルメサウンド」を目指した。

「熱帯放浪漫」は、ファンキーなベースと踊るようなギターが印象的な快活な楽曲でありながら、ふと差し込まれる切ないメロディが強く耳に残る。次にどんな展開になるのか予想できないプログレッシブな要素とバンドサウンドが混ざり合っているにもかかわらず、最終的にはきちんとポップスとして成立している。そのバランスが、この曲の面白さだと思う。

特に、彼らが僕のアレンジを一度自分たちの中で消化した上で、新しいものを作り出してくれたことが印象に残っている。曲の中で一度落ち着く場面のメロディには、僕自身とても惹かれている。元気に走り続けていた楽曲が、ふと我に返ったように立ち止まる。その対比がとてもエモーショナルだ。

今の時代だからこそ生まれる「ごちゃ混ぜ」の感覚がある。僕の世代には「ミクスチャー」という言葉があったが、彼らの音楽はそれとも少し違う。様々な音楽を吸収し、ジャンルという境界を意識することなく、自分たちの中で混ぜ合わせていく。そんな現在の音楽の聴き方、作り方だからこそ生まれる作品なのだと思う。

音で遊ぶという、音楽の原点のような感覚が彼らの中には真っ直ぐに存在していた。純粋に音楽に向き合う彼らが、自分の理想と他人の理想をつなぎ合わせながら、新しいものを作ることに貪欲であること。その先に、彼らが次にどんな世界を見るのかは、僕にもまだわからない。でも、わからないからこそ面白い。そんな彼らの現在地が、この「熱帯放浪漫」には詰まっている。

文:JunIzawa(LITE/CONTRASTZ)


RELEASE INFORMATION

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oh!! 真珠s「熱帯放浪漫」
2026年7月29日(水)
Format:Digital
Label:SEEZ RECORDS

Track:
1. 熱帯放浪漫

試聴はこちら

LIVE INFORMATION

YOUNG TURKS
2026年7月29日(水)
場所:東京・渋谷 CLUB CRAWL
時間:OPEN / START 18:30 / 19:00
出演:oh!! 真珠s / Pastel Tang Club / MAKKURAGE / liquid people

LINK
オフィシャルサイト
@oh_Pearls
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@oh.pearls1
@oh_pearls.jp
小紅書 (RedNote)

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