2025.10.09

Special Favorite Music、2025年3曲目となるニューシングル「低空遊泳」リリース!
2025年10月8日(水)Special Favorite Musicのニューシングル「低空遊泳」がリリースされた。
今作はミックス、マスタリングまでを久米雄介(Vo/Key/G)が担当。Special Favorite Musicのもつバンドらしさと、様々なメジャーアーティストのアレンジャー/プロデューサーとしても活躍する久米雄介のプロデューサーとしての一面が融合したサウンドが特徴となっている。
Homecomingsストリング隊リーダー・宮田春奈がサポート録音メンバーとして参加。耳に残るバイオリンリフもポイントだ。Soulful House / Indie Discoなグルーヴ感と歌が、日常をちょっとポジティブに浮遊させてくれる。ドライブやサイクリング、街を歩くときの空気や風と一緒に楽しんでほしい。
ジャケットは漫画家・イラストレーターの岩澤美翠。Vo サトーカンナの解釈をもとに描き下ろしで制作した。
―― ついに頭がどうかしちゃったのかな、窓の奥になんか飛んでるわ
―― まじでいい加減にしてくださいよ。なんかって何。
―― なんか、うーん、いきもの?
―― は? 世界に空を飛べる生物がまだいるって?
―― そんなわけないよなあ。ハハハ......
―― いやちゃんと寝て! こっちも今日は終わりにしますわ。おやすッス~
決して夢は見ていない。"あいつ"と目は合っていない。が、たしかに訴えかけてくる。知らない言語か、電波か、テレパシーに満たない微弱な信号。僕を誘っているらしい。もちろん行くべきでない。部屋のなかはどこよりも安全で、外では砂まじりの強い風が吹いている。幸運なことに僕には明日も仕事があって、稼いだ金で飯が食える。
今日の調査で世界がまた明らかになった。都市はとっくに崩壊し人間の数もずいぶん減ったのに、言葉と市場原理だけが亡霊みたいにしぶとく残った、この世界のことだ。円錐形、球形、カプセル形、どの船にしたってここを出るのはもう不可能。小さな船体ではエンジンを積みきれず、大きいと浮いていられない。十数年前オルビタレスで移住募集がでたときにサクッと逃げるべきだった。考えても無駄なことを考えてうなだれる。
あいつが窓辺に腰掛けている。なんだその余裕の顔? 僕をどうしたい。コンピュータのスイッチをもう一度入れて、あいつから発されているらしいシグナルをかき消す。世界のことはもう十分すぎるほどわかった。でも問題は......。問題は、このすでに僕の手のなかにある世界、そのなかに自分がいることだ。どんなに高いところから世界を見下ろしても、その世界からは出られない。
いきものはまたふわりと浮く。僕は軽率に窓を開けたりしない。それなのに生ぬるい温度を感じてはっとする。低くうなるような風の向こうからどこか乾いて南国めいた音がきこえ、仕事の手を止め部屋の電気を消した。それではじめて気づく、世界の夜は今でも案外明るい。
Special Favorite Music

Special Favorite Music「低空遊泳」
2025年10月8日(水)
Format:Digital
Label:FRIENDSHIP.
Track:
1.低空遊泳
試聴はこちら
渋谷 Milkyway
24:00~
- LIVE
RUMIA(from Spain)
Subway Daydream
Special Favorite Music
- DJ
影正一貴
ume-rock
ムラカミダイスケ
- food
Yone Curry
予約:https://eplus.jp/sf/detail/4412500001-P0030001
@SPCL_FVRT_MSC
@special_favorite_music
@SpecialFavoriteMusicChannel
FRIENDSHIP.
今作はミックス、マスタリングまでを久米雄介(Vo/Key/G)が担当。Special Favorite Musicのもつバンドらしさと、様々なメジャーアーティストのアレンジャー/プロデューサーとしても活躍する久米雄介のプロデューサーとしての一面が融合したサウンドが特徴となっている。
Homecomingsストリング隊リーダー・宮田春奈がサポート録音メンバーとして参加。耳に残るバイオリンリフもポイントだ。Soulful House / Indie Discoなグルーヴ感と歌が、日常をちょっとポジティブに浮遊させてくれる。ドライブやサイクリング、街を歩くときの空気や風と一緒に楽しんでほしい。
ジャケットは漫画家・イラストレーターの岩澤美翠。Vo サトーカンナの解釈をもとに描き下ろしで制作した。
―― ついに頭がどうかしちゃったのかな、窓の奥になんか飛んでるわ
―― まじでいい加減にしてくださいよ。なんかって何。
―― なんか、うーん、いきもの?
―― は? 世界に空を飛べる生物がまだいるって?
―― そんなわけないよなあ。ハハハ......
―― いやちゃんと寝て! こっちも今日は終わりにしますわ。おやすッス~
決して夢は見ていない。"あいつ"と目は合っていない。が、たしかに訴えかけてくる。知らない言語か、電波か、テレパシーに満たない微弱な信号。僕を誘っているらしい。もちろん行くべきでない。部屋のなかはどこよりも安全で、外では砂まじりの強い風が吹いている。幸運なことに僕には明日も仕事があって、稼いだ金で飯が食える。
今日の調査で世界がまた明らかになった。都市はとっくに崩壊し人間の数もずいぶん減ったのに、言葉と市場原理だけが亡霊みたいにしぶとく残った、この世界のことだ。円錐形、球形、カプセル形、どの船にしたってここを出るのはもう不可能。小さな船体ではエンジンを積みきれず、大きいと浮いていられない。十数年前オルビタレスで移住募集がでたときにサクッと逃げるべきだった。考えても無駄なことを考えてうなだれる。
あいつが窓辺に腰掛けている。なんだその余裕の顔? 僕をどうしたい。コンピュータのスイッチをもう一度入れて、あいつから発されているらしいシグナルをかき消す。世界のことはもう十分すぎるほどわかった。でも問題は......。問題は、このすでに僕の手のなかにある世界、そのなかに自分がいることだ。どんなに高いところから世界を見下ろしても、その世界からは出られない。
いきものはまたふわりと浮く。僕は軽率に窓を開けたりしない。それなのに生ぬるい温度を感じてはっとする。低くうなるような風の向こうからどこか乾いて南国めいた音がきこえ、仕事の手を止め部屋の電気を消した。それではじめて気づく、世界の夜は今でも案外明るい。
Special Favorite Music
RELEASE INFORMATION

Special Favorite Music「低空遊泳」
2025年10月8日(水)
Format:Digital
Label:FRIENDSHIP.
Track:
1.低空遊泳
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
「Club BAGSY 23th Anniversary Party!!! RUMIA Tokyo Shows supported by THISTIME RECORDS」
2025年11月1日(土)渋谷 Milkyway
24:00~
- LIVE
RUMIA(from Spain)
Subway Daydream
Special Favorite Music
- DJ
影正一貴
ume-rock
ムラカミダイスケ
- food
Yone Curry
予約:https://eplus.jp/sf/detail/4412500001-P0030001
LINK
オフィシャルサイト@SPCL_FVRT_MSC
@special_favorite_music
@SpecialFavoriteMusicChannel
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