SENSA

2024.07.19

後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)がアーティスト支援のNPO設立&静岡県藤枝市に拠点となる音楽スタジオを開設することを発表

後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)がアーティスト支援のNPO設立&静岡県藤枝市に拠点となる音楽スタジオを開設することを発表

ミュージシャンの後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)を創立者とするNPO法人「アップルビネガー音楽支援
機構」が設立され本日(7月19日)活動拠点となる静岡県藤枝市にて記者発表が行われた。
記者発表にはNPO法人の創立者で理事である後藤正文、代表理事 小林亮介、事務局長 室田真一郎、そして藤枝市長 北村正平氏が出席。NPO法人「アップルビネガー音楽支援機構」設立発表と合わせて、藤枝市の旧市街地の活性化を推進、地域振興、若手音楽家支援育成などの推進を目的とした連携協定「藤枝旧市街地活性化に関する連携協定」の締結式も行われた。

05.jpg
NPO法人「アップルビネガー音楽支援機構」設立発表では、まず後藤正文が登壇し、NPO法人設立の背景と経緯を説明した。
「ASIAN KUNG-FU GENERATIONという私が所属するバンドで、デビューから約20年活動を続ける中で、音楽制作の現場の変化を感じてきた。音楽の聞かれ方がCDから配信に移行し、大手レーベルに所属せずインディペンデントに活動するミュージシャンやバンドにとっては、音楽制作費にかけられる予算がより制限される状況になってきている実感があった。ここ10年、インディーミュージシャンの音楽制作を手伝う中で、若手のミュージシャンをサポートできればと私設の音楽賞「APPLE VINEGAR -Music Award-」も設立、賞金を贈呈する活動を行ってきたが、より踏み込んだ支援ができればと思い、本NPOの設立を考え始めた。音楽制作で一番予算が必要なのがスタジオ使用料であることから、まず、ミュージシャンが予算を気にせず気兼ねなく使えるスタジオを建設することを柱にし、スタジオ録音に必要な技術の支援や継承を行いながら、この場を中心としたコミュニティをも形成できればと考えた。NPOにしたのは、活動を透明化したかったため。自分のスタジオを作るのではなく、藤枝市のレガシーともなれるような、皆でシェアし、皆で育て、皆で歩んでいく場を作って行ければと考えている」、と強い思いを語った。

04.jpg
続いて、同法人の代表理事を務める小林亮介が登壇。後藤と高校の同級生であった小林が藤枝市役所の空き家対策担当だった当時に、後藤がスタジオ建設に関して相談。
後藤の求める「ドラムの音が良い音で録音できる」、天井が高く響きの良い物件探しに協力し、今回の建設予定地に決まった。今回、藤枝市でのNPO法人設立にあたって、地元在住の小林に対して、後藤から直接「ぜひ代表理事に」との依頼があったという。小林からは「物件探しを始めてからの2年間、多忙なミュージシャンでありながら「音楽への恩返しがしたい」と何度も藤枝に足を運びスタジオづくりに奔走する後藤さんの姿を見て、少しでも協力できればと思った。今後も地域に根付いた活動を含め、一生懸命進めていきたい」と思いが語られた。

02.jpg
そして、同法人の事務局長 室田真一郎から今後予定している法人の取り組みも紹介された。
NPO法人「アップルビネガー音楽支援機構」は活動呼称を「APPLE VINEGAR Music Support」とし、まず静岡県藤枝
市にアーティスト支援を目的とした滞在型音楽制作スタジオ「Music inn Fujieda」の建設(2025年秋頃完成予定)。
明治時代から残るお茶の倉庫=土蔵をレコーディング・スタジオに改築し「ドラムの録音が可能な天井高のスタジオ」を建設。隣接するビルには、滞在用の宿泊施設と、様々なワークショップや地域交流が行えるコミュニティスペースを作り、レコーディング・スタジオと合わせて「参加者を募って共に運営していくような、新しいかたちのスタジオを目指す」という。また後藤が2018年に立ち上げた私設音楽賞「APPLE VINEGAR -Music Award-」の運営、また音楽を通じた地域振興およびコミュニティ形成を目指したイベント制作や若手音楽家支援育成の為の企画など、藤枝市を拠点にミュージシャン・アーティストそして、音楽文化の発展への寄与を目指していく思いが語られた。

今回のスタジオ設計建設は、2015年ASIAN KUNG-FU GENERATIONが全国30公演を巡ったホールツアー「ASIAN
KUNG-FU GENERATION Tour 2015 Wonder Future」のステージセットとドローイングを担当した、建築家・光嶋裕介
氏が担当。光嶋氏が自らスライドと動画を使いスタジオイメージを説明した。

合わせて、同市の旧市街地の活性化を推進、地域振興、若手音楽家支援育成などの推進を目的とした連携協定「藤枝旧市街地活性化に関する連携協定」を藤枝市とで締結。藤枝市長 北村正平氏も出席し締結式が行われた。北村市長からは「(この連携協定に)大変感動し、ありがたく嬉しく思っている」と述べ、同市が「音楽による新たな文化の拠点づくりを目指すなかで、この連携が大きな流れになると期待をしている。藤枝旧市街地は東海道沿いの宿場まち、文学のまちとしても知られ集い楽しむエリアであり、人々が行き交い、様々な活動が湧き上がる場になることを願っている」と連携に対する"感動"と"期待"を寄せた。

06.jpg

自分の所属するバンドとは別に、私は主にインディーで活躍するバンドやミュージシャンたちの活動の手伝いをしてきました。そうした現場は、メジャーレーベルの制作環境よりも予算の規模が小さく、各楽器の録音につかえる資金に制約があります。

誰でも小さなパソコンで音楽制作ができるようになり、自宅の一室を改装したようなプライベートスタジオは増え続けていますが、商用のレコーディング・スタジオは閉鎖や閉業が続いています。文化として守るという意志なくしては、維持することが難しいでしょう。
効率化を是とする社会のなかで、富や機会は偏っていきます。
金銭的に恵まれた人だけが、優れた環境にアクセスできるようになっていきます。
商業的に成功しなければ、より良い設備は使えません。そうした経済的な障壁の前に引き返す人が多い社会が、どれだけの可能性を失っているのかを想像すると、何かをせずにはいられないと思うようになりました。
まずは、明治時代から残るお茶の倉庫=土蔵をレコーディング・スタジオに改築します。
スタジオには私がこれまでに集めたレコーディング機材を惜しみなく提供し、誰でも自由に使えるように整備します。
そして、隣接するビルには滞在用の宿泊施設と、様々なワークショップや地域交流が行なえるコミュニティスペースをつくります。
顧客を集めて営業するのではなく、参加者を募って共に運営していくような、新しいかたちのスタジオを目指します。

後藤正文

APPLE VINEGAR Music Support
インディペンデントに活動するミュージシャン・アーティストに対して、金銭的、技術的な支援を継続的に実施することを目的として、ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文を中心に2024年に設立。
静岡県藤枝市内に滞在型音楽制作スタジオ「Music Inn Fujieda」(2025年秋頃完成予定)を建設し、同市を拠点に様々な取り組みをおこなっていきたいと考えています。

Podcast『APPLE VINEGAR -Music+Talk-』
毎週水曜日 夕方更新


LINK
オフィシャルサイト
@applevinegar_ms
@applevinegar_ms
@avm_support

気になるタグをCHECK!